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    春の彼岸 2004年3月 第20号  
  南では「気温の春」、北では「光の春」を楽しむ?!

春の彼岸の中日は3月20日、春分の日です。本来、中日をはさんで前後3日間を含む1週間が彼岸です。昔は彼岸の間、毎日お寺参りをしてお説教を聴き、お経を唱え、信仰生活を学ぶ修行をしました。この修行の功徳を、先祖にふり向けるのが彼岸の墓参りでした。しかし、昨今は中日にお墓参りすることが、彼岸の行事になってしまいました。

お墓参りができない遠い土地で生活していても、自宅の仏壇に花を飾り、お膳を供え、あるいはぼたもちを供えます。この風習は、地方や宗派によって少しずつ異なります。家庭それぞれではありますが、正月と盆の中間にくる日本人にとっての精神的な節目が彼岸だともいえましょう。仏壇やお墓にささげる花として欠かせないのがキンセンカです。キンセンカは、冬暖かい南房総では温室などがいらないので、戦前から栽培されていました。漁業を営む兼業農家に取り入れられ、また、水田の裏作として田んぼの排水をよくして栽培されました。

ところが最近では水稲の栽培をやめて花の栽培に力を入れるようになりつつあります。9月に種を播き、10月に定植し(苗床で育てた苗を、田や畑に本式に植え付けること。)、11月に摘心し(果樹などの頂芽を摘みとること。側枝を伸ばすためやよい花・実を得るために行う。
) 、2〜3月にかけて開花期を迎え、春の彼岸の需要に向けて出荷します。

キンセンカはドイツ語ではリンゲルブルーメンですが、俗にはシュトデンテンブルーメン、直訳すれば「学生の花」とよびます。なぜ「学生」の花なのかわかりませんが、霜にも強く、栽培の手間が比較的かからないキンセンカは、粗末な食事でも生きていく学生の姿に似ています。そして、バラのように優雅ではありませんが、見た目に非常にたくましいのです。そして社会的な発言力(市場での価格)はまだ弱いといったイメージです。そういえば、南房総の最近のキンセンカ畑では、冬の寒い風を弱めるため、防風垣や防風ネットを畑の風上側に仕立てます。日本の「学生」は、花も背丈も大きいが過保護のようです。

さて、「寒さ暑さも彼岸まで」とよくいわれます。日本は四季の変化が明瞭であり、寒い冬が過ぎて春がくるのを人びとは待ちわびています。春の彼岸の声をきいて、寒さから開放されたのを喜ぶのです。秋の彼岸も同じで、もう暑さからは逃れたという気持ちが強いのです。気温そのもの、すなわち「絶対値」ではなく、このような気温の変化傾向が大切なのです。

春の彼岸のころの日平均気温は、北海道ではまだ0℃以下のところがほとんどです。東北地方で4〜5℃、南に行くにしたがって高くなり、九州で11℃以上、沖縄では18℃以上になります。一方、秋の彼岸は、秋の始まりなので春の彼岸と比べると、気温はまだかなり高いです。そして面白いことに、春の彼岸と秋の彼岸との気温差は、南北に細長い日本では高緯度の北海道で大きく、低緯度の九州で小さくなっています。北海道では14〜15℃、東北地方で13〜14℃、関東から中央日本で約13℃、九州で約12℃、沖縄では8〜9℃です。これは、極地方ほど極夜(高緯度地方において、冬至をはさみ太陽が地平線上に出てこない期間。)と白夜(高緯度地方において、夏に真夜中でも薄明か、または日が沈まない現象。)のコントラストが大きく、冬と夏の気温差が大きいためです。つまり、北ほど春のスタートが遅れますので、春分の頃の気温には、北の地域ほど冬の名残が強いのです。春の彼岸のころは、南では「気温の春」を楽しみ、北では「光の春」を楽しむのです。