医学の進歩に伴って、脳卒中による死亡者数は減少しています。しかし、脳卒中を発症する人は減少していないのが現状です。脳出血はやや減っていますが、脳梗塞は増えています。近年の高齢化社会の中で、脳卒中は重い後遺症を残し、寝たきりになる原因疾患として大きな割合を占めています。したがって、脳卒中を予防するため、その危険因子を正しく理解し、治療できるものはきちんと治療しておくことが重要です。
脳卒中を引き起こす原因は、高血圧症、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙、ストレスおよび遺伝的素因等があり、心筋梗塞症と同様に生活習慣病と呼ばれる病気が引き金になっています。過去に心臓病の病歴のある人も要注意です。これらの病気や症状のある人は、早めの治療や生活習慣の改善をすることが必要です。
以下に挙げた項目に注意し、悪い生活習慣を改め、規則正しい生活をして危険因子を改善することにより、脳卒中発症の危険率を低下させることができます。
●食生活の改善
高タンパク、高脂肪食や塩分の摂りすぎは高脂血症や高血圧の原因となります。ひいては脳卒中発症の原因ともなってしまいます。毎日の食生活の注意として、脂肪や塩分の摂りすぎに注意する必要があります。近年では、昔ながらの和食による食事が予防には良いといわれています。
●過度の飲酒をひかえる
脳出血およびくも膜下出血の危険性は、アルコール摂取量に比例して増加します。また、過度の飲酒は、肥満や高コレステロール血症を引き起こします。少量のアルコールは、高血圧を有する人に対しては血栓傾向を軽減させ、脳梗塞の危険性を若干減少させる可能性があるといわれますが、適量におさえることが難しいのが飲酒です。日頃から過度の飲酒をひかえる必要があります。
●禁煙
たばこの煙の中に含まれるニコチンは、血管を収縮させる作用があり、一酸化炭素は酸素よりもヘモグロビンと結合しやすいことから酸素欠乏による障害を引き起こします。喫煙者は非喫煙者よりも脳卒中による死亡率が高いことが報告されています。喫煙は脳卒中だけでなく、肺癌などの要因にもなることから、禁煙することが大切です。
●適度な運動
30分間程度のジョギングなどの適度な運動(有酸素性運動)は、肥満や高脂血症の改善、耐糖能改善(糖尿病になりにくくなる)など様々な効果があります。したがって、定期的にジョギングやウォーキングをするなど日常生活の中に運動を取り入れる心がけが大切です。
●ストレスを軽減し、睡眠を十分にとる
過度のストレスや睡眠不足も脳卒中を発症させる要因となります。ストレスを軽減させ、十分な睡眠をとるため、心身ともにリラクゼーションすることが必要です。家庭で手軽にできる方法の一つとして、リラクゼーション効果のある芳香剤を利用したり、ハーブ湯などの入浴剤を用いた入浴などがあります。就寝前に、ぬるめのお湯をはったゆぶねに入浴剤などを入れて長時間ゆったりとしながら入浴することも快適な睡眠には効果的です。また、定刻には就寝するという身体のリズムをつくることも大切です。
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