衣替えは、本来「更衣(ころもがえ)」の文字が用いられました。平安時代の宮中では、旧暦4月1日(新暦では4月29日)と10月1日(同11月22日)の更衣の日に、それぞれ夏装束、冬装束を内蔵寮(くらのつかさ)から新たに奉りました。またその日、衣裳以外の調度類も掃部寮(かもんりょう)によって季節に応じたものに変えられました。
江戸幕府になると規定がより細かくなり、4月1日〜5月4日までが袷小袖(あわせこそで)、5月5日(端午の節句)〜8月晦日までは帷子(かたびら)、9月1日〜8日までが袷小袖、9月9日(重陽の節句)〜3月晦日までが綿入小袖と定められていました。4月1日は冬用の綿入れから綿を抜きます。「4月1日」と書いて「ワタヌキ」さんと読むのはこの習慣に由来します。
明治期になると、多くの学校や職場で制服が用いられるようになり、現在の6月1日と10月1日にいっせいに衣替えが行われるようになりました。
ところで、日本各地の月平均気温の変化をみると(下図参照)、京都、大阪、東京の3都市では20℃のラインが5月と6月、9月と10月の間に位置しています。20℃は約1clo(クロ)、つまり背広の合服一揃い分で心地良い気温ですから、冬への移行期と重なり、体感的にも違和感がないと考えられます。しかし、同じ20℃ラインを適用すると、札幌の衣替えは7月と9月、沖縄は4月と12月ということになります。事実、札幌の衣替えは7月と9月に行われているとのことです。
|