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連載エッセイ [22]
風を歩く
吉野正敏

 
済州島の民家と風
 
 世界中どこでも、小さい島では風が強い。そこに住む人たちは、昔から風に対する備えを怠らなかった。韓国の南にある済州島は、周辺の諸民族と文化の交渉をもちながら、独自の発展をとげてきた。韓国の張保雄は「韓国の民家」(1989、古今書院)に詳しく済州島の民家について研究結果を書いている。これを参考にしながら、筆者の現地での観察をもとに、特に風との関係が強い民家の屋根を紹介したい。
  20世紀前半から20-30年前まで特に多かったが、済州島でみられた茅葺の屋根とそれを茅縄でしばった民家は、地方色がゆたかな風対策として、非常に興味あるものであった。茅葺屋根の葺き替えは1-2年ごとに行うが、屋根の上に茅を敷きひろげ、それが風で飛ばされないように茅縄を網状にかけてくくりつける。(写真1)はソウル郊外の水原にある民俗村に集められた古い民家のうち、済州島の代表的なものである。

(写真1)済州島の茅葺民家の屋根。風雨対策は完全。水原(ソウル郊外)の民俗村にて。    1999年10月 吉野撮影

(写真2)写真1の民家の風上側。
1999年10月 吉野撮影

 茅をおさえる縄の太さは済州島のなかでも東部と西部で異なる。冬の北西の風も、夏の南西の風も強い西部では直径約4cm、比較的弱い東部では約3cmで、ここにも風対策に微妙な差がある。最近では、縄のかわりにゴムのロープを使う。この方が4−5年はもつし、弾力があって、押さえる効果が大きい。また、縄の網目の大きさは、普通25cmx25cmだが、小さいものは17cmx15cm、大きいものは40cmx42cmもあり、かなりの違いがある。風が強い島の西部では、当然、網目は小さい傾向がある。なお、この網目状に縄をかけるようになる以前は木の棒材で押さえた。20世紀前半までは、このような形式が残っていたことが文献で知られている。
 屋根は全体に丸みをおびていて、低い。これも強風に対して抵抗を小さくする目的と考えられる。壁に相当するところは石を積んでいる。そして、西側の風当たりの強いところは茅でさらに囲んでいる。(写真2)はその様子を示す。
 雪が多い鬱陵島では、「ウデギ」と呼ぶ防雪のしっかりした設備が家の側面をまもり、これが防風の役割も果たしている。済州島ではそれほど雪対策は必要ないので、それはなく、写真に見られる程度ですむ。しかし、海岸部では島の内部よりかなり風が強いので、軒まで達するくらい背の高い、そして、厚い石垣が家を取り囲む。(写真3)は島の北東部海岸にある漁村の茅葺屋根の民家とそれを取り囲む石垣である。一目で、完全なまもりであることがわかる。

(写真3)済州島北東部の漁村で見た茅葺屋根の民家と石垣。
1999年10月 吉野撮影
 茅はスレート・トタン・瓦に、近年、代わってきた。しかし、風で吹き飛ばされないように、また、隙間から雨水が入らないように、石灰でしっかりと接着させる必要がある。(写真4)は、(写真3)と同じ北東部の漁村で見た民家で、屋根の棟の部分を石灰で硬く押さえ込み、風対策に万全を期している様子を示す。

(写真4)済州島北東部の漁村で見た民家の屋根の強風対策。
茅はスレートに代わり棟の瓦は石灰でしっかりと固められている。
1999年10月 吉野撮影
 

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