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異常気象を追って2年
この46回をもって連続エッセイ「異常気象を追う」を一応終わりとしたい。約2年間たらずの間、たくさんの読者から質問や感想や励ましの言葉をいただいたことを、この機会にお礼申しあげたい。46回分の内容を整理・再編して、単行本として刊行の予定なので、その際には改めて読んでいただければ幸いである。
異常気象の定義についてはこの連続エッセイの最初に書いた。46回の内容をいま振り返ってみるため、取り上げたテーマを(表1)にまとめた。
(表1)連続エッセイで扱った異常気象のテーマとその回数 |
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| 異常気象のテーマ |
回 |
計 |
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| 1)熱波・異常高温・ヒートアイランド |
9,11,13,29,35,36 |
6 |
| 2)台風・サイクロン |
6,12,37,38,40 |
5 |
| 3)雨・洪水 |
2,8,27,31,32,33,34 |
7 |
| 4)寒波・冬の低気圧・冬の雷 |
10,18,20,23,24,43 |
6 |
| 5)山の雪・平野の雪 |
15,19,21,22,25,26,30 |
7 |
| 6)干ばつ・冷夏・霧 |
7,16,28 |
3 |
| 7)植物季節 |
3,14,39,41 |
4 |
| 8)突風・局地的強風・竜巻・木枯らし |
4,5,17,42,44 |
5 |
| 9)定義・リスク・その他 |
0,1,45 |
3 |
46 |
(表1)をみると、「雨・洪水」、「山の雪・平野の雪」が最も多く、各7回、「熱波関係」と「寒波関係」が各6回で、図らずも、われわれを取り巻く異常気象の発生頻度を反映している。次いで、「台風・サイクロン」など熱帯低気圧関係が5回、「突風・局地的強風・竜巻・木枯らし」が5回である。やや大きいスケールと局地的スケールのこれらの風をくくれば合計10回で、「雨や雪」、「熱波・寒波」を上回る。この連続エッセイの出発の時点で厳密な計画を設定していたわけではないが、結果はこのようになった。今回、“まとめ”を書くに当たって整理してみて、私は驚いている。
扱った地域
上記のテーマを扱った地域は一覧表にはできないが、扱った頻度は次のとうりである。
1) 最も多い地域:日本
2) 次いで多い地域:中国と東アジア
3) やや多い地域:東南アジアと南アジア
4) 回数は多くないが、比較的詳しく事例を紹介した地域:ヨーロッパ・北アメリカ
5) 少ない地域:オーストラリア
6) 全くふれなかった地域:南アメリカとアフリカ
特に、5)と6)に関しては私の勉強不足の結果で、恥じ入る次第である。
異常気象とは何か ― 再考 ―
この連続エッセイの最初に異常気象の定義、考え方について述べた。それに従って書いてきたのが46回の結果である。ところが、連載の最後のころになって、日本語の異常気象に対応する英語が幾つかあり、それぞれ少し違ったニュアンスがあり、使われ方も違うことに気がついた。それらを紹介すると、
Abnormal weather (アブノーマル ウェザー:異常な気象、異常な天気)
Anomalous weather (アノーマラス ウェザー:異常な気象、偏った天気)
Severe weather (シビア ウェザー:激しい気象、厳しい気象)
Unusual weather (アンユージュアル ウェザー:異常な気象、異常な天気)
ただし、この日本語の約は私がつけたもので、英文学者、気象学者、気象庁関係で公的、あるいは慣用的に別の訳語がすでにあるのかも知れない。
欧米の新聞・テレビ・ラジオなどでは“アンユージュアル ウェザー”がよく出てくるように思われるが、私は統計をとったわけではないし、ここで結論できない。“シビア ウェザー”は気象学者・気象局・気象台などでよく使われるように思うが、これも私の感じとしかいえない。
ところで、欧米で一般人がよく使う“アンユージュアル ウェザー”としてメディアで報道される内容は、例えば、“ピンポン玉やテニスボールのような巨大な雹が降った”とか、“夏なのに雪が降った”とか、“夏なのに寒くて綿入れを着た”とかが多い。最近の3−4の事例を(表2)にあげる。
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| 現象 |
地域 |
内容と発生期日 |
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| 塩からい雨が降った |
ベトナム海岸のベンツェ県 |
50km内陸、SEの強風、2009年3月4日 |
| テニスボール大の降雹 |
オーストリア |
90%の野生動物が死亡、2009年10月21日
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| ダスト ストーム |
中近東(イラク) |
数百人の住民が呼吸困難、2009年7月8日
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| 落雷 |
フィンランド |
33名の兵士に電撃、2007年6月18日
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このような、突発的な異常現象である“アンユージュアル ウェザー”については、私の連続エッセイではふれていない。このことに、最後にきて気がついた。この理由は、私の視点がもう少し長い時間スケールの現象にあったためだと思う。“気候の変化・変動”、それにともなう“異常現象の発生”に視点をおいた結果である。
最後に
2010年1月からは、“地球温暖化の影響”(仮題)として、これまでのように2週間ごとに更新して、掲載していく予定である。多くの方々に読んで頂ければ嬉しい。
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