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連載エッセイ [15]
温暖化と生きる
吉野正敏

 
異常気象の組み合わせ
 
暖冬・大雪・寒い春・強風・豪雨・猛暑の大行列

 今年になって、さまざまな異常気象に見舞われた。これが日本ばかりでなく、世界的な傾向のように思える。これまで、この連続エッセイでは地球温暖化の影響と考えられる世界各地の異常気象について、もちろん日本の例についても、個々に取り扱い考察してきた。冬の異常気象として、年によって暖冬も厳冬もある。しかし、最近は例えば、冬の前半は暖かであったが後半は低温だったとか、冬全体としては暖冬だが大雪や強風もあったなど、さまざまな組み合わせの異常気象が起きている。
 この連続エッセイで、「気温は乱高下しない。。。。」ということに以前触れた。2-3日間、暖かい期間があり、すぐに寒い期間に移ったりすることはあるが、必ずそこには気象学的な因果関係があり、ただわれわれがそれを把握し解明していないだけだと言いたかったのである。このごろ、晩冬や早春にすでに夏日がでることもある。波には大小さまざまの形があり、変動の幅、周期(時間的変化、日日変化)、地域的な広がりも種々多様である。
 さらに重要なことは、異なった種類の異常気象、例えば、強風・大雨・豪雨・高温・低温・などが、相次いで、時には同時に発生する傾向が強い点である。もちろん、それらの発生の源として、異常に発達した低気圧があったり、前線帯があったりする。さらに、それらの地域スケール(シノプティックスケール)を統合して、もう一つ大きなスケールの対流圏内の循環系が異常な状態に発達していることがほとんどである。
 これらの気象現象としては異なる気温・降水・風によって引き起こされる災害・被害は内容や性格が非常に異なる。建物などの被害が大きく人的被害は少ないもの、死者・行方不明者数が大きく、建造物などの被害は小さいものなど、原因により異なる。これらの研究は比較的よくされている。しかし、それらが連続して発生したらどうなるか。同時に発生したらどうなるか。われわれの知識は少ない。環境汚染の問題で、“複合汚染”が問題となっているのと同じく、異常気象が複合して起きたならば、それによる災害額・被害額の算定は、掛け算なのか、足し算なのかさえ、われわれはほとんど知らないのである。

2010年1月から7月までの異常気象

 今年の冬の1月から、夏の7月までの日本における異常気象を振り返ってみたい。(表1)に見られるように、正に異常気象の大行列であった。

(表1)2010年1月から7月までの日本における異常気象

日付 発生地域・地点 異常気象の種類 観測値・その他の特徴

1月14日 日本海側 大雪・強風 新潟県津南町積雪273cm
2月7日 新潟 大雪 新潟県十日町積雪293cm
2月9日 網走 流氷 平年より7日遅い
2月25日 全国 暖冬 150地点以上で2月として過去最高気温
3月21日 御殿場 突風 野焼きで3人死亡
3月22日 全国 突風 千葉で38.1m/s の瞬間最大風速
3月23日 東京九段 サクラ開花 ソメイヨシノ平年より6日早い
3月29日 関東 みぞれ・雪 遅い降雪・積雪
3月29日 御殿場 積雪 17cm。観測史上最も遅い雪
3月下旬 全国 寒気 強い寒気の流入
4月1日 東京九段 サクラ満開 ソメイヨシノ平年より4日早い
4月1日 関東南部 強風
4月15日 関東・東京 降雪・積雪 観測史上遅い記録
4月11-15日 東京 気温変動大 日最高気温11日23.2℃、12日14.3℃、13日20℃、15日真冬並み
4月14日 北海道 強風 最大瞬間風速40m/s. 発達した低気圧による
4月15-17日 関東 低温 日最高気温10℃平年より低温
4月29日 東北地方 大雨・強風 発達した低気圧による
4月29日 東北地方南部 南風 岩手県普代で23.5℃、7月中旬並
5月15日 滋賀県 突風 テント、トタン屋根被害
5月23-24日 全国 大雨・突風・落雷 低気圧発達のため
3-5月 全国 日照時間 平年の約80%
3-5月 全国 降水量 平年より約30%増加
7月3日 九州 大雨 宮崎県えびの市400mm/24時間
7月16日 広島 集中豪雨 173mm/3時間、死者9、行方不明6
7月17日 松江・岐阜 土砂崩れ 住宅被害
7月17日 日本各地 梅雨明け 真夏日となる。関東・北陸・近畿で日最高気温31-33℃
7月18日 岩国 大雨・河川増水 住宅流失
7月18日 全国 猛暑日 群馬県舘林で36.3℃
7月21日 岐阜県多治見 猛暑日 日最高気温39.4℃
7月22日 全国 猛暑 921か所の観測所の中144地点で35℃以上
7月25日 関東 熱中症 死亡者10人

(資料は速報値、新聞、その他による。基準・定義などはさまざまである)

この表をより高い精度の値で完成すること、および、その表の分析が急務である。ここではいかに多種多様な異常気象が次つぎと発生したかを示すにとどめる。

原因は何か

 今の段階で言えることは以下のとおりである。
1) エル・ニーニョ年であったので、日本の南海上の高気圧が強化された。この高気圧の西の縁を回って高温で多湿な気流が日本付近に流入した。
2) 北極振動で北極地方の高気圧が強化され、低温な気流が中緯度に向かって流れでた。これは冬の初めでは、2009年12月上旬〜2010年1月上旬と、2010年1月下旬の2回あった。この寒冷な低緯度に向かう気流と、南からの気流との間に前線帯を形成し、その付近の日照時間を短くした。北極圏と中緯度地域の気圧差は1979年以来、最大であった。
3) 偏西風の蛇行が激しかった。2009年12月初めよりアラスカ付近で、その直後に北大西洋上で蛇行が起きた。蛇行する偏西風が高緯度側に曲流する部分は高温、低緯度側に曲流する部分は低温になる。
 上記の三つの現象が日本付近でどのような状態になるかによって、低温になるか、高温になるか、日本付近に低気圧が発生し・発達するか、そして局地的な大雨・豪雨・突風・雷が発生するかがきまる。
 ただし、温暖化の影響がこの3原因にどう関わっているか、残念ながら、現在のところは答えを保留しなければならない。
 (写真1)は8月1日に撮影したハスの花である。これまで、8月のお盆のころに満開になると言われていたが、温暖化のためか、すでに満開のハス田であった。ハスの花のほうが原因や理由などをよく知っているのではあるまいか。
満開のハス。岩手県矢巾町にて。(2010年8月1日11時 吉野撮影)
満開のハス。岩手県矢巾町にて。(2010年8月1日11時 吉野撮影)
(写真1)満開のハス。岩手県矢巾町にて。(2010年8月1日11時 吉野撮影)


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