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連載エッセイ [29]
異常気象時代のサバイバル
吉野正敏

 
中国の砂塵あらし ― その長期変動 ―
砂塵あらし・黄砂

 春、3・4・5月は砂塵あらし(砂あらし)の季節で、1年中で最も発生頻度が高い。中国の沙漠で発生した砂塵あらしは、この3ヶ月で1年の66.8%に達する。巻き上げた砂と大気中に浮かんでいる塵は低気圧あるいは高気圧の活動と上層の偏西風によって東アジアに運ばれる。いわゆる黄砂が、日本にやってくる頻度も高い。
 砂塵あらしの中国における発生頻度が近年どのように変わってきているか、われわれの関心も高い。今回の連続エッセイでは、中国における砂塵あらしに関する最近の統計的研究の結果を紹介したい。文献は、牛生杰(2011):中国北方沙塵暴研究。気象出版社、北京、166p.である。

最近50年の発生状況の変化

 1958年から2007年までの50年間について、中国における砂塵あらしの時間数(総観測地点の年合計)の変化を(図1)に示す。
(図1)中国における砂塵あらしの時間数(総観測地点の年合計)の変化、1958−2007年。

 赤い折れ線が毎年の状況で、上下のフレはあるが全体としては減少傾向が伺える。それを直線とみて傾向線を求めたのが,亮阿任△襦この50年間で、特に減少傾向がはっきりしていた1958年から1964年の間(緑色)を◆1983年から1990年までの間(水色)をとして、この7〜8年に何が起こったのかを調べる必要をこの研究者は指摘している。さらに、見方を換えると、この50年のほぼ前半の1958年から1982年までと、後半の1983年から2007年までのそれぞれの期間はほぼ水平、すなわち長年の変化はなく、毎年の変動が見られたとも言えよう。その前半の期間の最初が◆後半の期間の最初がであるとも見られると言うのである。この急激な減少期間の原因の究明は確かに急務である。
 このような50年間の階段状の大きな変化は、別の捉え方をすれば波状の変動ともみられる。(図2)はこの50年間の変動を統計学的に6個の多項式で近似して解析した結果である。
(図2)中国における砂塵あらしの時間数(総観測地点の年合計)の多項式近似曲線、1958−2007年。

 太い実線がこの50年間の変動傾向を示す。その上下に赤色の折れ線で示すのは毎年の値である。大まかに見て3峰と2谷が認められる。峰から谷への減少期は(図1)で示した減少期とほぼ一致する。しかし、この(図2)では谷から峰に向かう増加期が指摘される。そして重要なことはこの谷から峰に向かうところでは傾向線の上下の変動が大きいこと、すなわち、年による変動が大きいことである。

1回の砂塵あらしの地点数・持続時間の50年間における変化

 (図1)と(図2)に示したように、中国全体の年合計時間数は減少している。階段状の減少か、波状の減少かは、捉え方によって異なる。では、1回ごと、あるいは1地点ごとに見るとどうであろうか。
 (図3)は1958年から2007年までの50年間における地点数と持続時間の変化を示す。
(図3)中国における砂塵あらしの発生地点数と持続時間の年年変動およびその変化傾向直線、1958−2007年。

 赤色の折れ線は毎年の砂塵あらしの回数(地点平均)の変化を示す。(図1)の赤色の折れ線とほとんど同じ傾向を示す。(図3)で最も興味あるのは持続時間の変化(黒の棒グラフ)である。調査した50年間を傾向直線であらわすと緑色のように、わずかながら上昇傾向となるとこの研究者は指摘するが、きわめて僅かである。この傾向が有意だとしても、50年間で0.25時間、言い換えれば15分である。ほとんど実際には取るに足らない変化傾向である。むしろ、黒の棒グラフで見られるように年年の変動の方が顕著である。特に1965年−1970年、2000年−2005年などの極大・極小の出現の理由の解明の方が重要であろう。地点平均の持続時間が極大の年には約3時間、極小の年には約1.5時間というのは、影響を受ける側では大きな差である。
 2000年以降の突如として現れた極大の気象学的・環境科学的解明は大切である。2000年の春、北京で発生した深刻な場合は、世界的にニュースになり、正にサバイバル問題を提起した。このことがまだわれわれの記憶に残っている。北京における砂塵天気は巻き上げた砂と、浮かんでいる塵とからなる。2001年、2002年の大きな値は“中国の砂塵あらしは新しい活躍期に入った証拠だ”という専門研究者もいる。

砂塵あらしの地域差

 上記のような北京周辺の砂塵あらしの急増は、郊外の急激な都市化・自動車の急増など環境科学的状況の変化もあろうが、私は、華北地域を中心とした春の高気圧・低気圧活動が地球温暖化の影響で変化してきたのも一因ではないかと思う。つまり黄砂の長距離輸送の状態が変化してきたのではないかと思われ、このような解明も必要であろう。
 また、今回は触れなかったが日変化の地域による差がある。8〜14時に多く発生する地域と14〜20時に多く発生する地域がある。これも高気圧活動・低気圧活動の日変化が影響しているのではないかと思う。今後の解明を待ちたい。


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