• 各地の天気
  • 健康予報
  • 雨レーダー
  • 雲画像
  • 気圧配置図
  • 台風情報
  • 警報注意報
  • 世界の天気
  • 実況アメダス
  • 天気図類
  • お天気ライブカメラ
  • 気象データDLサービス
連載エッセイ [49]
異常気象時代のサバイバル
吉野正敏

 
暖冬寒中の白魔
白魔暴れた2016年1月

 前回書いたように、この冬は[ゴジラ]エル・ニーニョの影響が最近の地球温暖化の傾向に加わり、一冬を平均すると暖かいだろう。しかし、ヨーロッパのホワイト・クリスマスの例でわかるように、年々の出現頻度は少なくなってきているが、もし発生すると、かなりの寒波と積雪が広い地域を覆う。低温な日もはさまって出現していることを紹介した。
 それから二、三日経ったらば、日本列島に同じようなことが起こった。サンタ・クロースではなく、白魔であることが違いではあったが。
 この原稿を書いているのはまだ1月下旬、それも半ばである。この時点でまだもの言うのは早いので、2016年1月中旬までの状況を展望したい。 結論を先に言うと、1冬全体の平均では暖冬であり、その中では寒い数日があり、多量のまれにみるような積雪が地域によってみられる。これらは、ヨーロッパでも日本でも最近よく発生するようになっている特徴ある傾向で、もはや異常気象とはいえない。

日本の中での地域性

 まず、2016年1月の降雪量の地域性の特徴を調べた。(表1)は2015年1月・2月と比較した結果である。平年比だから、もし100%ならば平年と同じ、100%以上ならば平年より多雪、100%以下ならば少雪ということである。(表1)を見ると昨年の1月・2月、今年の1月の各旬ではほとんどが100以下であるが、50%以下および150%以上、すなわち平年より5割以下と5割以上のところに特徴が出ているようである。その特徴をまとめてみると次のようである。
(1)2015年1月上旬は西日本、2016年1月中旬(原稿執筆現在で1月24日までの状況)は東日本、次いで西日本のそれぞれ太平洋側で、大きなプラスの値が出た。(2)この多雪年における太平洋側と日本海側の差は西日本で顕著である。北ほど差は小さい。(3)平年比10%以下、すなわち非常な少雪の状態も東日本・西日本で発生しやすい。
 以上のことがこの8旬の調査から判明した。近年のもう少し長い期間の変化傾向を調べる必要があろう。

(表1)地域平均で見た旬降雪量の平年比(%)*

地域 2015年1月 2015年2月 2016年1月
  上旬 中旬 下旬 上旬 中旬 下旬 上旬 中旬

北日本 65 76 73 62 64 53 49 134
  日本海側 84 74 37 51 53 35 67 94
  太平洋側 47 78 104 72 74 69 36 160
東日本 68 50 42 64 39 7 1 238
  日本海側 136 29 7 95 29 0 3 74
  太平洋側 34 59 58 50 44 10 1 312
西日本 406 4 5 62 34 0 0 84
  日本海側 213 2 6 75 57 0 0 51
  太平洋側 830 8 3 32 4 0 0 167

注:* は気象庁資料より作表

 今回は気温との関係を述べることを省略するが、(表1)に示される多雪の旬平均気温は平年より低いのは当然だが、その低さ(マイナスの値)の程度との関係は必ずしも簡単ではないようである。旬平均で−0.3℃〜−1.2℃とかなりの幅がある。雪が降る条件として水蒸気量があり、これは低気圧活動・前線活動が関係しており、上空の大気循環・海水面温度がこれにからんでいるからである。

旬別に見た降雪量平年比の変動

 旬別に見て、降雪量はいつ最大になるか。上記のように北日本・東日本・西日本でかなり傾向・特徴・絶対値に地域差があり、日本列島の太平洋側と日本海側とでも差があるので、ここでは、11月から3月までの冬5ヶ月間の上旬・中旬・下旬の変動を北日本・東日本・西日本のそれぞれ太平洋側についてのみ紹介したい。
 大きな降雪量平年比が出現するのはこの15旬においては降雪季の始まり、すなわち、北日本・東日本では11月、西日本では12月である。季節の初めには380〜490%の大きい値が出ることがあるが、これは平年の値が小さいからで、実際の人間生活への影響は小さい。真冬(1月・2月)において、統計的に極大値が出る旬を調べると、いずれも2月中旬で、北日本太平洋側は184%、東日本太平洋側は339%、西日本太平洋側で413%である。北日本・東日本では明瞭ではないが、西日本では1月中旬にも明らかな極大が出ており、462%である。なお、降雪季の終わりである3月にも大きな値(200〜300%)が出るが、季節の初めと同じく、平年の値が小さいからである。気候学の立場から言うと、長年の集計結果では、どうして2月中旬(および、1月中旬)なのか、きわめて興味ある課題である。
 これらは過去数十年の統計値だから、個々の年は多少のずれはあろう。また、最近の温暖化傾向の影響は認められないかなども調べなければならない。それはともかく、この冬の旬降雪量の極大値がいつ出現するかの検討は、除雪作業計画・避難所準備計画・医療体制整備計画などには重要であろう。

最近数十年間の変化

 最近の1961年以降の変化傾向を次に述べたい。(表2)には、1961年から10年ごとに降雪量の階級別に見た出現頻度の変化を示す。階級は[−2:かなり少ない、−1:少ない、0:平年並み、+1:多い、+2:かなり多い]の5階級で表現した。

(表2)1961年から10年毎に集計した降雪量の階級別出現頻度。データは気象庁による。

期間 降雪量階数
−2 −1 0 +1 +2

北日本太平洋側          
1961−1970 0 0 3 6 1
1971−1980 0 1 3 4 2
1981−1990 1 1 1 4 3
1991−2000 0 3 6 1 0
2001−2010 2 3 3 2 0
2011−2015 1 2 2 0 0
東日本太平洋側
1961−1970 0 1 3 4 2
1971−1980 1 2 5 1 1
1981−1990 0 3 3 1 3
1991−2000 1 3 3 3 0
2001−2010 2 1 5 2 0
2011−2015 0 1 3 0 1
西日本太平洋側
1961−1970 0 0 3 3 4
1971−1980 0 2 3 4 1
1981−1990 0 2 2 3 3
1991−2000 2 1 4 3 0
2001−2010 2 3 4 1 0
2011−2015 0 2 1 2 0


 上記の(表2)から読み取れることは次のとおりである。ただし、いずれも太平洋側の地域のみの考察であることを留意していただきたい。
(1) この数十年間で見ると、前期ほど+に偏り、後期(現在に近くなる)ほど−に偏る傾向がある。その境は北日本・東日本・西日本いずれも1990年以前と1991以降が前期と後期の境である。言い換えれば最近(2010年まで)は降雪量が少ない年が多い。温暖化の結果であろう。
(2) 2011年から2015年までの5年間の集計を参考に入れてあるが、上記の(1)の傾向に加えて、+の階級が出現している。
(3) この(表2)には実数は現われていないが、原表によると、西日本太平洋側では1963年1月563%、1968年2月873%、1984年1月1431%という値が、過去の注目すべき値である。これらは特筆すべき豪雪年であった。

あとがき

 以上に述べてきたことは今年の西日本における大雪の解明に少しでも参考になれば幸いである。温暖化との関係、西日本と北日本・北海道などとの状況の差の原因、日本海側と太平洋側との違いなど、われわれの生活に直結する課題が多い。また、ヨーロッパやアメリカ東部との類似あるいは違いの解明なども大切である。


←indexへ戻る
  • お天気レシピ
  • ワンちゃんお散歩ナビ
  • スキー情報
  • サクラ情報
  • お天気アロマテラピー
  • わたしてんき
  • 健康コラム
  • 健康天気ことわざ
  • バイオウェザー川柳
  • 生きもの歳時記
  • 異常気象時代のサバイバル
  • お天気豆知識
  • 暮らしの中のバイオクリマ
  • 温暖化と生きる
  • 異常気象を追う
  • 風を歩く
  • お天気カレンダー