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連載エッセイ [03]
高齢化社会のバイオクリマ
吉野正敏

 
高齢化社会の死者数
東日本大震災における高齢者の死者数

 前回のエッセイ[2]では、熊本地震が起ったので、急遽、熊本地震直後の高齢者の死者数の話題を取り上げた。しかし、本来は一般的、基本的な状態を知っていて、熊本地震の場合を述べるべきである。話の提供が前後してしまったが、今回は、東日本大震災の場合を紹介したい。
 (図1)は2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災による年齢階級別死者数の岩手県・宮城県・福島県合計値である。2015年3月11日までに、全合計では15,821人にのぼり、このうち年齢が判明しているのは15,738人で、60歳以上が10,396人、全体の約66.1%、ほぼ3分の2に達する。

(図1)東日本大震災による年齢階層別死亡者数。(内閣府、2015:高齢社会白書、平成27年版による)

 この図によれば、60歳代以上でも極大は70歳代である。今後さらに高齢化が進めば、80歳代になるかも知れない。もしそうなれば、健康状態の低下からみて避難生活のバイオクリマは質的にも異なってくるかも知れないので、検討・対策対が必要であろう。
 上記のように60歳代以上が約3分の2を占めていて、対策が量的に非常に大きいことが示されている。バイオクリマに関連する問題は専門の知識・技術・作業を要する場合が多いので、あらかじめ、訓練・実習などをしておく必要がある。
 前回のエッセイ[2]で、熊本地震直後の死者数が50歳代と60歳代以上で、きわめて明確な境界があると指摘した。(図1)に示す4年間合計の傾向では、それほどはっきりした段階状の差ではないようにみえるが、実数では40歳代・50歳代が2,000人以下、60歳代以上が3,000人以上で、やはり影響の差が具体的な数に反映している。被害の内容(受け方)に差があるとみなければならない。対応・対策にもこの実数の差は大きな意味を持つ。

高齢者自殺者数の推移

 高齢者の自殺は、私の考えでは、高齢者のバイオクリマが肉体的にも精神的にも破綻した結果である。ある意味ではバイオクリマの責任である。
 ところで、日本では60歳以上の高齢者の自殺者数は、(図2)にみるように、最近の7年(2008−2014年)の統計で見る限り、2009年をピークにして僅かずつではあるが減少している。

(図2)日本における高齢者(60歳以上)の自殺者数の推移、2008−2014年。(内閣府、2015:高齢社会白書、平成27年版による)

 しかし、70歳代および80歳以上だけに限ると前後の年より2013年に大きな値が出ている。資料は内閣府・警察庁「平成25年中における自殺の状況」にもとづき、内閣府が作成したものである。統計基準の変化か、バイオクリマの変動か、何か特別の理由があったのか、この波を生じた原因の究明は重要である。

バイオクリマの改善

 高齢者のバイオクリマを改善するのは自身が行なうか、介護によって行なわれるかである。これらについては、この連続エッセイで、今後取り上げてゆきたい。今回はその最も基礎的な現象の一つである“男女別にみた年齢別傾向の差”について述べたい。

(表1)主な傷病別にみた受療率(人口10万につき)。(内閣府、2015:高齢社会白書、平成27年版による)

 高齢者人口10万人当たりの推計患者数の割合を受療率と定義する。最近の数年間は入院も外来も受療率の年次変化は、多少の波はあるが、漸減の傾向にある。(表1)は主な傷病別にみた受療率を、男女別に、高齢者の年代別にまとめたものである。この表からかなり明確な傾向が読み取れる。すなわち、
(1) 入院数は、男が女より、65−74歳までは多いが75歳以上では女が多い。
(2) 外来数(総数)は、女が男より、65−74歳までは多いが75歳以上では男がやや多い。
(3) 外来数は、疾患によって傾向が異なる。
(4) 男が女より65歳以上全て多いのは悪性新生物、心疾患(高血圧性疾患を除く)、脳血管疾患。
(5) 男が女より65歳以上全て少ないのは高血圧性疾患。
(6) 男が女より65歳から74歳までは少なく75歳以上は多いのは脊柱障害。
(7) 以上、入院数・外来数ともに、男と女の大小が入れ替わることがあるのは70―74歳代と75歳以上のところである。
 以上の事実から、75歳以上を後期高齢者と定義してもよいのではないかと思う。70歳代の半ばで体力的にも、生活習慣病・家庭環境・日常生活でも男女の変化が大きいのではないかと思う。また、都市部と農村部でも異なるかもしれない。
 いずれにしても、バイオクリマの改善によって、後期高齢者層の始まりの年齢は時代とともに遅くなってゆく。平均寿命・健康寿命ともに最近5年間で1.6〜1.8年延びたと言う研究もあるのだから。


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