冬の大潮は深夜に潮が大きく干上がります。そんな夜中に寒さをこらえて東京湾の磯採集をしていると石の下からおにぎりを見つけました。
ギンポの卵塊です。ギンポはニシキギンポ科に属する魚で、日本本土沿岸の内湾や藻場に生息します。大きさは、成魚で20〜25cm、側扁した細長い体に黄褐色系のまだら模様があります。釣り人が「ウツボの子供?」とおっかなびっくり針からはずしていることも。ぬめぬめして体をよじり、ハリスを巻き込んで仕掛けをめちゃくちゃにします。
しかし、背びれの棘は鋭いものの、人に危害を与えるような凶暴さや猛毒はありません。むしろ、江戸前では天ぷらの材料として珍重されています。他の地方では、あまり食用にする話しは聞きませんが、揚げたての天ぷらは、さくさくとしてほどよく油の乗ったふんわり白身、美味。天ぷら通にはかなりこだわる人が多いようです。旬の時期は秋から春までの寒い時期、油の乗りが決め手になっています。活きを扱う調理が難しく、老舗やこだわりのある天ぷら屋でないと賞味できません。
非常によく似た近縁種にタケギンポという種もいます。ギンポのほうが内湾性であり、タケギンポは藻場に多くみられますが、同じ場所にも生息します。ギンポは尾びれの縁が白色で背中の模様が三角形、タケギンポは尾びれが一様に褐色で背中の模様が四角形であるなどで区別されます。以前はギンポとタケギンポは区別されていませんでした。タケギンポも天ぷらネタとして扱われているようです。
|
おにぎりのように真っ白な卵塊を守るギンポ
干上がった転石の下からみつかった。

ウツボのような体色と長い体だが、顔は結構かわいらしい。
|