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生きもの歳時記 水中の風情


海中のイルミネーション 〜無脊椎の花〜

 師走の街の夜を彩るイルミネーション。最近は鮮やかなLEDやモチーフライト、グラスファイバーが多くなり、白や青を基調としたものは、クリスマスにちなんで樹氷や星空をイメージしているのでしょうが、カラフルなものは、私たちダイバーにとって何やら海中でもみたことがあるような。そんな情景を紹介しましょう。

 日本でも沖縄や奄美の島々の周囲には、サンゴ礁が発達しています。明るいサンゴ礁は、透明な水、一面の造礁サンゴにカラフルな魚や回遊魚の演舞のイメージがあり、ダーバーにとって一番のあこがれとなっています。しかし、房総半島から伊豆半島・紀伊半島・四国太平洋岸などでは造礁サンゴはみられますが、サンゴ礁として大規模に発達することはありません。このような南日本の沿岸で潮通しの良い岩礁地帯はアラメ・カジメの海中林となっていることが多いのですが、海中に岩が切り立って陰になったような場所や水深20mを越えるような深い岩場で、はっとするような美しい情景に出会うことがあります。

 黄色やオレンジ、赤色のモール、白色や紫色の扇、鮮やかな海中花、岩肌一面を覆い尽くし、潮に揺らめく光景は、まさに海中のイルミネーションです。

 イルミネーションの本体は、多くが刺胞動物(腔腸(こうちょう)動物)です。花虫綱(かちゅうこう)に分類されるヤギ類、ウミトサカ類、イソギンチャク類、ハナギンチャク類などで、サンゴ礁を造る造礁サンゴ類と区別してソフトコーラル(骨格がないサンゴ)と呼ばれます。

 このような鮮やかな色彩は、実は海中でそのまま見ることができません。赤色系の光は海中で吸収されてしまい、背景に溶け込んでしまいます。また、南日本の沿岸ではサンゴ礁のような透き通った海水ではないため緑色っぽいことが多く、さらに深場では暗くなってしまいます。ライトを点けてはじめてその鮮やかさに驚かされます。ストロボ光に浮き上がった海中の花の色彩は写真になって感動をさらに引き立てます。

 ところで、沖縄の海でみる造礁サンゴにもピンクや紫色のものがありますが、ほとんどは緑色から褐色のものが多く色彩的には地味な感じがします。しかし、1998年の夏、沖縄中でサンゴが真っ白あるいは蛍光のピンク、紫、黄色などプラスチックの造花のようになってしまったことがあります。台風が来ないで暑い日が続き高水温となって生じたサンゴの白化現象です。

造礁サンゴの白化現象は、褐虫藻が抜けて白い骨格が透けて見える状態

 地球温暖化との関連も論じられていますが、白くなってしまったのはサンゴの体内に共生する褐虫藻が環境の変化で大量に抜け出てしまったこと。この状態が続くとやがてサンゴの活性が低下し死んでしまいます。

白化した枝ミドリイシ類の群体
1ヶ月経過してサンゴは死滅した

 普段のサンゴを見慣れたダイバーの目には異様な光景でした。色彩感覚的には美しいと表現されるものでしょうが、サンゴたちの死を予見する不気味さが漂っていました。

 海中のイルミネーションは太古の時代から生きつづけた生物たちの自然な姿、沿岸の汚染や地球的な環境の変化で消滅させてはいけない後世に伝えるべき宝。街路のイルミネーションの人工美に目を奪われる昨今ですが、自然の美しさも忘れずに。

■参考文献
・ 西村三郎 編著,1992 原色検索日本海岸動物図鑑[],保育社,425pp.
・ 益田一,1999 海洋生物ガイドブック,東海大学出版会,404pp.
・ 内田、楚山,2001 イソギンチャクガイドブック,TBSブリタニカ,157pp.
・ 環境省・日本サンゴ礁学会 編,2004 日本のサンゴ礁,環境省発行,375pp.

 

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