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生きもの歳時記 万葉の生きものたち


海松(みる)

 ミルはミル科に属する緑藻類の一種で、日本では北海道から南西諸島に分布し、潮間帯下部から潮下帯の岩や小石の上に生育します。

  手触りはスポンジの様に柔らかく、うどんほどの太さの枝が規則正しく枝分かれして、高さは40cmほどになります。全体の形はマツの木のように末広がりになっており、松の葉によく似ているので海松の漢字を当てたと言われています。

ミル

〜ミルと文化〜
 ミルの色は深緑色で、日本固有の色に海松色とあるのは、この色のことを指します。また,ミルは海松文(みるもん)として文様化され平安時代の貴族の衣装に使われていました。


海松文

  現在は一般的な食材としてあまり馴染みがありませんが、古においては朝廷などに献納品として供されていました。食べ方は湯通しして酢の物や和え物にして食べたり、淡水に浸して色を抜き、乾燥か塩蔵して保存食としたそうです。煎じた汁を駆虫薬として服用する習慣もありました。また、韓国ではキムチを作る際に混ぜる食材でもあります。

〜ミルと歌と恋心〜
 万葉集などにもミルを題材にした歌が詠まれていますが、その多くは切ない恋の歌が多いようです。

神風(かむかぜ)の 伊勢の海の 朝なぎに 来寄る深海松(ふかみる) 夕なぎに 来寄る俣海松(またみる) 深海松(ふかみる)の 深めし我を 俣海松(またみる)の また行き帰り 妻と言はじとかも 思ほせる君

(作者不詳 万葉集 巻十三 三三〇一)

伊勢の海の、朝なぎに寄り来る深海松、夕なぎに寄り来る俣海松。深海松のようにこんなにも深く思っている私を、俣海松のように戻ってきて妻と言うまいと思っているのかしら、あなたは。

何せむに へたのみるめを思ひけん 沖つ玉藻をかづく身にして

(大伴黒主 後撰和歌集卷第十五 雜歌 一〇九九)

どうして波打ち際の海松(身分の違うあなた)に思いを寄せたりしたのだろう。潜って沖の藻を採る賤しい海人の(身分の低い)身でありながら

 「みる」という名の女性への恋心を詠んだ歌で、海人は己の身分が低いということを意味する単語として使っています。この歌では想い人の名前である「みる」と海松をかけています。


海中のミル

 

別れのみ を島の海士の袖ぬれて 又はみるめをいつか刈るべき

(藤原定家 水無瀬恋十五首歌合 海辺恋 五九 右)

別れを惜しみ、雄島の海人のように袖を濡らしている・・・。あなたに再び逢える日にいつめぐり逢えるのだろうか。

 ここでは「見る目」と掛詞になり、「みるめをかる」で「恋人に逢う機会を得る」意になります。
このように歌人たちは、遠くにいる恋しい人と手の届かない海の中にいるミルを掛けて歌にして、その想いを詠っていたのです。

 現代では私たちの生活から遠ざかってしまったミルですが、まだ一部の文化は残っています。11月23日の勤労感謝の日に、宮中にて行なわれる新嘗祭には各地から五穀、新酒、そして、海産物が奉納されます。その時に海産物として奉納されるミルは、神奈川県の小坪で採取された物が使用されています。ただ、なぜ小坪産のミルなのかは不明だそうです。

 

■ 参考文献
田中次郎・中村庸夫 (2004) 日本の海藻 平凡社.
殖田三郎ら (1963) 水産植物学 恒星社厚生閣.
田中博・田中貞子(1999) ひろしまの海藻 田中博 自費出版.
佐竹ら校注 (2002) 新日本古典文学大系3 萬葉集三 岩波書店.

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