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生きもの歳時記 万葉の生きものたち


合歓(ねむ)

 動物は「動く物」と書いて動物と読みます。では、植物は「動けない物」なのでしょうか?
 いいえ、植物の中にも「動く」ものがいます。

 今回は、「起きる」「寝る」の運動をする植物、ネムノキの話題をお届けします。

〜眠る植物「ネムノキ」〜

 ネムノキはマメ科ネムノキ属の落葉高木で、高さは10m程度になります。公園や町中に街路樹として植えられることも多いですが、自然状態では明るい林や林縁、河川沿いに生育します。分布範囲は、北海道以外の日本全国です。

 花は梅雨時から夏にかけて咲きます。薄紅色の花が10〜20個集まってひとつの花を作っています。ふわふわしていて、とてもかわいらしい花です。植物の調査をしていてネムノキの花を見ると、「ああ、夏だなあ」という思いがします。

ネムノキ

 ネムノキの葉は長さ20〜30cmあります。1枚の葉は、1〜2cm程度の小さな葉が列状に並んでできた葉が、さらに複数集まってできています。遠くから見ても分かりやすい大きな葉です。薄暗くなると小さな葉の表面を合わせるようにして葉が閉じ、さらに下に垂れ下がります。そのようなネムノキの姿は、すでに『万葉集』にも詠まれています。

昼は咲き 夜は恋ひ寝る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ

(紀女郎 万葉集 巻八 一四六一)

昼に花咲き、夜には恋しい想いを抱いて寝るというねむの花、私だけが見てよいものでしょうか。さぁ、お前も見なさいな。

我妹子(わぎもこ)が 形見の合歓木(ねぶ)は 花のみに 咲きてけだしく 実にならじかも

(大伴家持 万葉集 巻八 一四六三)

あなたに頂いたねむの木は、花ばかり咲いて、おそらく実は結ばないのではないでしょうか・・・。

 先の歌へ答え贈られた歌のひとつです。実らぬ恋への不安がこめられています。

〜ネムノキは、なぜ眠るのか?〜


満開のネムノキ
 ネムノキに限らず、マメ科の植物には「眠る」植物が見られます。植物が「眠る」メカニズムは、最近の研究で明らかになっています。

 生物は約24時間を周期とするリズムを持っていて、それを生物時計といいます。皆さんも、時計を見なくてもなんとなく時刻が分かることがあると思います。腹時計、なんていうのもそのひとつですね。その生物時計が、葉を閉じさせる就眠物質と葉を開かせる覚醒物質の濃度のバランスをコントロールしていて、昼と夜で物質濃度が逆転することによって「眠り」が引き起こされることが明らかになっています。

 「眠る」仕組みは明らかになりましたが、なぜ「眠る」のかは、進化論を唱えたダーウィンら多くの科学者を悩ませた難問でした。そこで、メカニズムが明らかになったことを利用して、ネムノキと同じマメ科の植物から「眠らない植物」が作られ、一体どうなるかという実験が行われました。

〜眠らないネムノキは死んでしまう〜

 実験の結果、眠らない植物は一週間程度で枯れて死んでしまうことが分かりました。枯れるということは、水分が少ない状態になってしまったということです。つまり、ネムノキは眠ることによって葉の表面のクチクラ層から水分が蒸散することを制御していると考えられます。

 人間にもネムノキにも、十分な睡眠が必要なのですね。

 夜更かしもほどほどに、ゆっくり休みましょう。

河川沿いのネムノキ

 

■ 参考文献
太田和夫・勝山輝男他 (2001) 山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花 山と渓谷社.
上田 実 (2002) マメ科植物の就眠運動を活用した環境調和型新規農薬の開発 2002年2月テクニカルショー横浜・パシフィコ横浜 招待講演レジュメ.
佐竹ら校注 (2000) 新日本古典文学大系2 萬葉集二 岩波書店.

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