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生きもの歳時記 沖縄の水辺から


マングローブのドングリ 〜オカミミガイ類〜

 林や公園の樹木の下に落ち葉とともにたくさんのドングリが落ちている秋の風景は、沖縄であまりなじみがありません。しかし、沖縄にドングリをつける木がないわけではなく、とくに西表島などで有名な日本一大きなドングリをつけるオキナワウラジロガシの木や沖縄本島北部のヤンバルの森を形成するイタジイやその林の中に散在するマテバシイはたくさんのドングリを落とします。

 話しを海辺に戻して、川の河口や塩性の湿地にはマングローブと呼ばれる林がみられます。

 メヒルギやヤエヤマヒルギといったマングローブの木々が生い茂り、泥深く、濃い緑の葉が密生した中に分け入るのは、ちょっと勇気がいるでしょうが、入ってしまうと外から見たのと違って、意外と空間があります。ただし、足元はズブズブでタコ足のような根や地中から突き出る根が歩くのを妨げます。水際からピョンピョンと逃げるミナミトビハゼ、ガサガサと走るカニ、巨大なシジミ(シレナシジミ)、大きな穴にはおそろしく太いはさみを持ったノコギリガザミが見られます。ヒルギの木は胎生種子という大きく長い種を落とします。ヤエヤマヒルギの胎生種子は30cmほどもあります。

沖縄の海辺にみられるマングローブ帯の中が
オカミミガイ類の生息場

このヒルギの根元に泥を被ったドングリのような巻貝がたくさんみられます。一部は、木の幹に付き、葉まで登っているものもみられます。

ウラシマミミガイ
マングローブの枝に登ったウラシマミミガイ
ウラシマミミガイ
マングローブの葉についたウラシマミミガイ

  さらにヒルギの根際に溜まった枯葉を取り除いたり、近くの石をひっくり返すと下にさらに小さなドングリが出てきます。泥をふき取ると、つやつやした黒や茶色のもの、縞模様のもの、ちりめん皺が一面にあるもの、短い毛が生えているものなど、1箇所でも数種類発見することができます。いずれも5mmから2cm程度、これらの小さなドングリのような巻貝がオカミミガイ類です。
シイノミミミガイの群れ
転石の下でシイノミミミガイが群れていた

 オカミミガイ類は巻貝ですが、有肺亜綱とよばれる分類群にあり、水の中にすむ巻貝がエラで呼吸しているのに対し、この仲間は陸生でエラが退化し、名のとおり肺を持ち空気呼吸をします。陸生の巻貝と言えば、カタツムリ。オカミミガイ類はカタツムリに近い仲間ですが、目の位置が違います。カタツムリの仲間は、目が触角(つの)の先についているのですが、オカミミガイの仲間は、触角の基部に目があります。

 オカミミガイ類は、カタツムリと同様に雌雄同体です。体内受精を行い、卵を産んで幼生が海で育つものや卵胎生で稚貝が産まれるものがあります。

 昼間の探索時にはオカミミガイ類の活動している姿はみかけません。ほとんどマングローブの根際や石の下で休止しているようです。夜間や雨で湿った後などに動き回るのでしょうか。食性は、マングローブの根際で落ち葉が分解した有機物を食べているようです。

 沖縄でマングローブが生育すれば、何種かのオカミミガイ類は必ずみることができます。しかし、沿岸部の開発でマングローブが減少すると絶滅の危機にさらされるため、すでにレッドデータに記載された種もあります。

 普段は目に付くことのない地味な貝類ですが、マングローブの中では種類も数も多いことから落ち葉の分解や物質循環等の大きな役割を担っているにちがいありません。
【右写真】 ※ 左上から右下へ順に
 シイノミミミガイ(暗色タイプ)
 シイノミミミガイ(明色タイプ)
 クリイロコミミガイ
 チビハマシイノミガイ
 キヌメハマシイノミガイ
 トリコハマシイノミガイ
 ヌノメハマシイノミガイ
 ウラシマミミガイ
※写真にマウスを乗せると種名が表示されます


シイノミミミガイ(暗色タイプ) シイノミミミガイ(明色タイプ) クリイロコミミガイ チビハマシイノミガイ キヌメハマシイノミガイ トリコハマシイノミガイ ヌノメハマシイノミガイ ウラシマミミガイ
沖縄本島中南部の中城湾沿岸でみられた
オカミミガイ類7種

 

■参考文献
・ 久保弘文・黒住耐ニ,1995 生態/検索図鑑 沖縄の海の貝・陸の貝,沖縄出版,263pp.
・ 奥谷喬司 編,2000 日本近海産貝類図鑑,東海大出版会,1173pp.
・ 奥谷喬司 編・監修,2004 改訂新版 世界文化生物大図鑑 貝類,世界文化社,399pp.
・ 増田修・内山りゅう,2004 日本産淡水貝類図鑑汽水域を含む全国の淡水貝類,株式会社ピーシーズ,240pp.
・ 沖縄県,2005 改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(動物編)−レッドデータおきなわ−,561pp.


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