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生きもの歳時記 沖縄の水辺から


亜熱帯の河口の風景〜マングローブ植物〜

 沖縄本島で海岸沿いを車で走っていて、河口の橋を渡ろうとすると、川の中にモコモコした濃い緑の林が見られます。マングローブと呼ばれる林です。主に海水と淡水が混じる汽水域に発達します。

 マングローブを構成する植物のことをマングローブ植物と呼んでいます。主に熱帯から亜熱帯にかけて分布し、沖縄本島では、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギモドキ等が生育しています。
河口域のマングローブ
河口域のマングローブ

 これらの植物は陸上では他の陸上植物に生育場の奪い合いで負けてしまうため、競争相手が少ない河口域に生育しています。河口の水は塩分が混じるので、通常の植物は「青菜に塩」ということわざのとおり萎れてしまいます。また、潮の満ち引きがあるため、満潮時には植物が水没し、呼吸ができなくなってしまいます。陸上植物の視点から見れば、河口域は最も住みにくい過酷な場所のひとつですが、マングローブ植物にはこれらの過酷な条件に対する工夫とも言える3つの大きな特徴があります。

 まず、一つ目として根の機能があげられます。例えば、オヒルギやメヒルギの根の組織には塩分の流入を抑制する障壁があり、塩水中から真水だけを吸い上げるような仕組みになっています。また、地表面に気根と呼ばれる根が張り出し、満潮で冠水しても呼吸できるようになっているものが多く見られます。気根の組織は隙間の多い、空気の通りやすい構造になっており、地下部にまで空気を送ることができます。実際、ヤエヤマヒルギの気根を切り取ってみると、隙間が多く他の部位に比べて非常に軽い印象を持ちます。
ヤエヤマヒルギ、気根がタコの足状
ヤエヤマヒルギ、気根がタコの足状

 二つ目として葉の機能があげられます。マングローブ植物の葉は一般的に多肉質であり、多少の潮を被っても耐えられるようになっています。また、ヤエヤマヒルギは塩分を葉に蓄積させて、ある程度溜まるとその葉を落として体内から排除します。実際、ヤエヤマヒルギを観察してみると、一部黄色っぽい葉が見られ、かじってみると心なしかしょっぱい気がします。これらの葉は塩分を蓄積して将来的に落葉する葉と考えられます。
ヤエヤマヒルギ、葉が黄色いものがある
ヤエヤマヒルギ、葉が黄色いものがある

 三つ目として種子の機能があげられます。マングローブ植物の多くは種子が出来てもしばらくは母樹にぶら下がっており、長い時には1年がかりで成熟し、その後に落下します。落ちた直後の種子を拾ってみると、既に中に芽があり、幼根や子葉が確認できます。胎生種子と呼ばれるこのような種子は、落下して、いち早く生育地で定着できるための戦略と考えられています。
ヤエヤマヒルギの種子
ヤエヤマヒルギの種子

 このような特徴からマングローブ植物は過酷な条件においても生存できるわけです。これらの植物は陸上植物が河口域の環境に進出するために適応進化した結果であり、植物の進化を考える上でも興味がつきません。

 デイゴが咲き乱れる5月からマングローブ植物が開花する時期が始まり、昨年に出来た種子が落ちています。そのため、マングローブ植物を観察するのには最適な時期といえます。長靴を持って是非お出かけください。

■参考文献
・沖縄国際マングローブ協会,2006 沖縄のマングローブ研究



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