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連載エッセイ [11]
健康天気ことわざ
福岡義隆

 

 

雷をまねて腹掛けやっとさせ

 

 

 これは古川柳のひとつである。現在「川柳」と言われている短詩文芸が定着 したのは明治後半からで、本来は、柳風狂句とか川柳狂句、 或いは季語なし俳句などと言われたものである。もともと「川柳」というのは江戸時代の選者の柄井川柳の名に由来するものであるが、江 戸時代中後期の川柳を古川柳という。それらのなかには諺の仲間入りした有名な句がある。 たとえば、「寝ていても団扇のうごく親ごころ」 もその一つである。今年のような異常な猛暑の夏でもクーラーよりは団扇で幼児に風を送る母親が、うとうとと眠くなるがしっかりと団扇を持って動かしている親心を詠ったものである。乳飲み子のみならず年寄りにとってもクーラーはあまり身体によくないどころか冷房病さえ招き兼ねない。なお、冷房病と言うのは正式な病名ではない。


 冷房病は、強く効かした冷房の中に長い時間いた後、暑い外気温にさらされるなどを繰り返したときに起こりやすいとされる。これは自律神経機能が不良ということであり、俗に冷房病というのであって正式な病名ではない。高齢者や乳幼児は自律神経の働きが不安定なため冷房病になりやすい。また薄着で冷房の強いオフィスにいることが多い女性に多く見られる。オフィスの温度別の自覚症状の訴え率を調べた興味ある資料がある。付図に示してあるように、25〜26℃位が適温であることが分かる。

 

 

『からだと温度の事典』 (朝倉書店, 2010)より

 

  さて冒頭の諺化した古川柳について、考えてみよう。猛暑の夏にクーラーは強すぎるから扇風機や団扇であおいであげて幼児を寝かせようとする風景であるが、子供がむずかって腹巻をはずそうとする。そんな時、子供に「雷様におへそを取られる」よっていって、時には雷鳴のゴロゴロを真似て脅かす。要するに寝冷えしないようにという母親の気持ちをあらわしたものであろう。そうは言っても、暑すぎる程に着せると寝汗をかきがちである。しかし、「寝汗は病気の兆候」とも言われるように、体内の産熱を放射するために平素よりたくさん汗をかく。人間は平均1日に600〜700ccの汗をかくとされているが、夏はその5〜6倍にもなるという。汗が蒸発する際に多量の熱が体表面から奪われるので、夏風邪どころか肺結核状にもなることがあるので要注意である。また、いまどき腹巻と言うのははやらないのであろうが、昔から「寝冷えに腹巻き」といわれるように、夏は昼夜の温度差が大きいので気をつけようという。昼間に汗を流しスタミナを消耗した身体を冷えた夜の風で冷やされ、体調を崩し、胃や腸を冷やして下痢になったり鼻風邪などで苦しむことが多い。

 

 雷様にヘソを取られるよという言い伝えは今でも使われているかどうかは分からないが、「ヘソのゴマを取ると腹がせく」とも言われる。そもそもおへそと言うのは大切なもので、胎児の時にお母さんのおなかの中で、ヘソの緒がパイプになって、そのおかげで育つのである。おヘソの腹壁は薄いものであるからあまりいじっていてヘソのゴマを取ると化膿して腹膜炎を起こすことがあるから、気をつけましょうという戒めの諺なのである。

 

文献:
江頭光『ことわざ百科』 (西日本新聞社, 1975)
有吉堅二『健康のことわざ』 (青年書館, 1997)
彼末一之監修『からだと温度の事典』 (朝倉書店, 2010)

 



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