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連載エッセイ [17]
健康天気ことわざ
福岡義隆

 

 

気象病は西からやってくる

 

 

 偏西風地域における「天気は西から変わる」を捩ったもので、諺ではないが健康天気ことわざの仲間入りさせたい私製諺である。11月の晩秋から12月の初頭にかけて徐々に西高東低の冬型気圧配置が天気図のヒーローになり、関東平野にも木枯らし1号、2号と吹き付けるようになる。

 大陸の高気圧が西から東方へ張り出すと日本近海の低気圧とそこから延びる温暖前線と寒冷前線の発達しながら東方へ移動する。これらの発達する季節によっても異なるが、温暖前線の移動に伴ってその周辺地域では、低血圧症とか心臓不調、気分の落ち込み、頭痛などの症状を訴える人が増えるとされている。一方、寒冷前線の通過直後には高血圧症とか狭心症、喘息、関節炎などが発症しやすい傾向にあるとされている。30年以上も前からドイツなどヨーロッパでは健康医学予報(Biowetter)として実用化されているようである(吉野・福岡,2007)。

 日本付近に発達する温帯低気圧の移動は、おおよそ1日に経度で約10度くらいであるから、中国東海岸地域で発生すると1日後には九州に2日後には関東地方にやってくるわけだから、香港風邪などは2〜3日後には日本全土に蔓延する危険性があるということになる。

 

図1 前線通過に伴って予想される各種疾病

 

 枯葉が舞うころ、物寂しくもなり温暖前線付近では気分の落ち込みも強くなるし、寒冷前線背面では喘息もぶり返す恐れがある。高血圧症や狭心症の人たちもふくめ、11月から12月にかけて脳卒中や心臓病で死亡する人が急激に増える季節でもある。有名人が偉いかどうかは別として、かって「偉い人は冬死ぬ」といわれていた(籾山正子『季節病カレンダー』)。いわゆる有名人には脂肪のとりすぎやカロリー過多のうえ忙しすぎることも加えて、発作的に心臓病や脳卒中に襲われるようである。1年間の3分の1以上が冬季に集中している。年齢的にも60〜70歳代以上の人が、それより若い層より2倍以上の死亡率を占めている。ただし、昨今の温暖化により冬季集中度がやや弱まり、夏季の冷房などによるライフスタイルの変化もかかわって、夏も冬の6割に達していることが注目される(図2)。

 

図2 2000年の日本全国脳血管疾患死亡数の季節変化(除・稲葉, 2003)

 

 言うまでもないことだが、見出しの「季節病は西からやってくる」は偏東風(貿易風)地帯と周極風地帯では「東からやってくる」と言い換えねばならないが、前者の熱帯は一年中の天気があまり変わらないから季節病というのはないのかもしれない。あるいは雨季と乾季で病気の傾向は違うかもしれない。このことについては項を改めて触れてみたい。

 

文献:

吉野正敏・福岡義隆(2002) 『医学気象予報』 角川新書

籾山正子(1963) 『季節病カレンダー』 講談社

除軍・稲葉裕(2003):季節・気象の脳血管障害への影響、地球環境、8巻2号、201-210.

 



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