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連載エッセイ [18]
健康天気ことわざ
福岡義隆

 

 

『赤豆粥』と『寒の水は薬』

 

 

 

 冬もたけなわ、小寒と大寒の間の旧暦正月である小正月ころに、小豆粥(あずきがゆ)を食べて邪気払いするという風習は6世紀から既にあったとされる(『荊楚歳時記』)。赤豆粥(せきとうしゅく)というのは小豆を米に混ぜて炊いた粥のことであるが、多くの場合、餅を入れる。病気をもたらす悪い気を払いのけてくれるとされる。更には、その粥の炊き上がり方から豊凶をも占うという(粥占という)。小正月だけでなく、冬至や引越し、大師講のときにも炊いた。

 24節気の小寒から大寒にかけて一年で最も寒い季節を迎えるが、このような寒中でも寒中摩擦とか水をかけたりする修行を見かけるし、子供は半ズボンで走り回っているのを見かける。「子供は風の子」というのは本当だろうか。悲運な子の逞しさを喩えていた時代とは違って、今では平和ボケした温室育ちの子らはうっかりすると「かぜ(感冒、寒冒)の子」になりかねない。少子化も手伝って過剰保護が強まって、皮膚が虚弱になり喘息やしっしんなど、自律神経の失調しやすいアレルギー体質になっていることも、弱い子にしてしまっている。このような事態を打開し本来の「風の子」を取り戻そうという試みもいろいろされている。極力、日光浴や乾布摩擦、冷水摩擦などを数週間ないし数ヶ月続けると、かなりの程度の「風の子」に生まれ変わるという。

 冷水摩擦といえば、「寒の水は薬」という諺もあるくらいである。小寒(ほぼ1月5日ころ)の季節に入ることを「寒の入り」というが、昔から「寒に入ってから9日目の日に汲んだ水は服薬に良い」とされてきた。言うまでもなく蛇口を捻って出す水道水ではなく、釣瓶井戸から汲み出す井戸水である。寒の水で作られた料理も、ほかの季節のものより良いともされた。薬になるというのは文字通りの薬効ではなく、冬は寒いから夏ほどには水をがぶ飲みしないどころか、飲む量が少なくなるので健康上よくないことから、このような諺がつくられたのではないかと有吉賢二氏は解釈している(『健康のことわざおもしろ読本』青年書館)。

 井戸水は気温に比べて夏涼しく、冬暖かいことから、体に優しいということも言えよう。地下10数メートル以深では年中一定の温度であり、ほぼその土地の年平均気温に近い。したがって冬季は外気温より10℃以上も暖かいし、夏は逆に10℃以上も冷たいので昔はスイカを井戸に浮かべておいて冷やしてから食べたものである。この原理をパッシーブエネルギーとして、地下の空気をくみ出して冷暖房に使えば身体に優しい空調となり、炭酸ガス排出量ゼロということになり温暖化軽減にもなるのだが、装置製造のコストがかかりすぎるのが大きな課題である。なお、付図には入間川扇状地における6m深の地中温度(地下水温度)と気温の年変化を示した。かっては地下3mまでの地中温度は全国の地方気象台や主な測候所では測定していたし、横浜海洋気象台では10m(年中不変)まで実測されていた。残念ながら現在は測定されていない。

 

文献:

興膳 宏 『漢語日暦』 (岩波新書)

有吉賢二 『健康のことわざおもしろ読本』 (青年書館)

山本荘毅 『地下水調査法』 (古今書院、1983)

 

図 入間川扇状地における6m深の地中温度(地下水温度℃)と気温(℃)の年変化

                                     (山本著『地下水調査法』から作図)

 

参考:
 二十四節気七十二候〜古代中国で農業暦として使われてきたもので、原理的には太陽年を太陽の黄径に従って24等分したものである。中国内陸で生まれた暦であるから四面海で囲まれている日本は時差があるが、まさに「暦の上」として便利に多用されている。冬季の6節気として、立冬(11月7日)、小雪(11月22日)、大雪(12月7日)、冬至(12月21日)、小寒(1月6日)および大寒(1月21日)が該当しているが、わが国の気候では、立冬のころはまだ秋たけなわであり、昨今の温暖化で小雪時もまだ暖かい。一方、春季の6節初めの立春(2月4日)ころは地域によっては、年間で最低気温を呈するほどにまだまだ寒い。雨水(2月19日)ころに春一番が吹いてようやく冬の終わりというのが日本の気候の実情であろう。

 



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