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連載エッセイ [21]
健康天気ことわざ
福岡義隆

 

 

ニンガツノヘバリゴチと春一番

 

 

 岡山県南部・下津井田ノ浦という漁村で採取した風位名の一つである。旧暦の2月であるが、セチブンゴチとともに旧暦1月15日ころも東風が冷たいという老漁師との会話のなかで使われていた風の地方名である。冒頭の風位名中のヘバリは、へばる(へとへとになるさま)・へたばる(体力気力がつきて座り込むさま)を意味するともされているが、広島あたりではヒバリ(雲雀)の鳴く時期からの命名ともされる。やや早すぎる感じではある。なお、参考付図には岡山下津井漁村における「吹く時期によって弁別される風位名分布」を示している。漁村にはいまだに体験・体感によって風向を言い当てることができる古老がいることを物語っている。

 

 2月の中下旬ころ大陸のほうから台風並みの低気圧が東進してくると、まず東風になりやがて本州全域に南寄りの大風となる。いわゆる「春一番」である。この強風で五島列島あたりで漁船が転覆などしたことで漁民には恐ろしい現象として捉えられているが、さらには南からの暖気が脊梁山脈を吹き越えフェーン風による火災や雪崩などの被害もあって要注意の季節でもある。天気図は春一番時の典型的パターンを示している。

 

 まだ雪が残っている状態でフェーンが吹き降りるとカナダのシヌークのように麓の地域では雪解けによる湿り気も伴い、不快指数も高くなり、人々のイライラ度が増し、自殺や軽犯罪、交通事故、夫婦喧嘩などを招きやすいとも言われている。

 

 春一番のあとに寒さが戻って、いわゆる寒の戻りによる風邪などの心配も伴う。以前にも「風邪は万病のもと」の項で概説したが、改めて日本最古の医書『医心方』(平安時代に丹波康頼が中国の医書を参考にまとめたもの)の一項目「風病證候」を引用したい。素問経では、千病、万病、風によらないものはないとされる。また、風気には良い面と悪い面があるという「医門方」に興味あるたとえが記されている。すなわち「だいたい、人の性というものは、五行を受け、風気によって生長するが、また風気によって害される。それは、ちょうど、水は舟を浮かべるが、また舟をひっくりかえすこともできるのと同じだ」というのである。『医心方』に引用されている書物中の風についての記載に、自然界には春夏秋冬の四時に吹く風があり、立春ころの風として、「立春に東北方から来るのは凶風または炎風」とある。そのような風に当たった場合、風の邪が人の虚に乗じて体内に入り込んで、疾病を起こさせる、というわけである。その時に必ずしもすぐに発病しなくても、皮膚と肌肉との間に溜まっていて、人体が不調のとき病が発生するようである。

 

文献:

山本徳子 『ことわざ東洋医学』 (医道の日本社、1999)
福岡義隆・茂田恵 (1983): 岡山県南部・下津井田ノ浦の風の語彙と気候、岡山県史研究



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