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連載エッセイ [30]
健康天気ことわざ
福岡義隆

 

 

雷が鳴ったら桑の葉を頭に載せる

 

 

 この天気諺は栃木県内で使われている最多順位で14番目という(青木慶一郎、1990)。 「くわばらくわばら」と言いながら桑の葉を頭の上にのせて逃げると、落雷から身を守れるというこの諺の由来は、菅原道真が死んだ時、その怨霊が雷神となって都を暴れ回ったが旧所領の桑原には仇しなかったという説によるらしい。桑の木の下が安全というのも、「雷が鳴る時は、大木より小木の下」という諺に通ずるようである。これは、「雷のときは、麻畑へ逃げろ」とか、蚊帳の中や車の中が安心という理屈に似ている。

 そもそも雷は人体にどのような影響があるのだろうか。人間の皮膚および身につける衣服・帽子・靴などは、すべて絶縁効果はないので、直立する人間の頭から足まで300オームもの電気の導体として作用するとされる。その危険から身を守る方法としては、平野部で避難場所も避雷設備のないところで落雷の危険を察したら、できるだけ身体を低くする。膝を閉じて曲げ、腕で膝を抱え込み前かがみの姿勢をとるようにする。瞬時に足の下にビニールか木片を敷くと安全とされる。できたら靴はゴム製のような電気絶縁性の高いものがよい。

 

 雷には、その発生させる上昇気流の種類から界雷(前線性)・熱雷(上昇気流性)・渦雷(低気圧性)の3種ある。「雷が鳴ると梅雨が明ける」という時の雷は、梅雨前線の場合であるから前線性の雷、すなわち界雷である。真夏を迎えようという時の雨は、やや肌寒さとともに湿気をともなっているので、こういうとき、神経痛の人にはこたえるのでその到来に極めて敏感で、必ずや「頭の芯が痛い」と訴え、まもなく雷雨がふるという。諺にも

  神経質の人、雷雨のあるのは感で判る

とある。

 わが国における雷雨は、全年の54%が6〜7月の梅雨期に集中している(6月に雷が多いことから「鳴雷月」という)。しかし、前線性の雷雨は3分の1弱である。大半は小笠原高気圧発達時の熱雷である。いわゆる夏の雷であるが、夏季間の雷日数の上位3位までが関東地方(宇都宮、前橋、熊谷)である。群馬、栃木両県に雷電神社が多いことにもその数が物語っているが、これは夏の農作業中の災害を避け守ってもらう祈りを込めての信仰からくるものである。確かにその分布を概観すると雷の通り道に沿っているようにも見える(図参照)。ちなみに年間での最多10位のうち7箇所が日本海沿岸である。

 俳人一茶の句に、

  梅雨雷の三日かな

というのがある。梅雨の間、家に閉じ込められていたのがようやく明けて、旅に出られるとほっとした気持ちが詠われたともされるが、「雷三日」という諺もある。雷が発生するとおおよそ三日くらい続くという意味らしい。この場合の雷は渦雷か界雷によるものではなく、夏の入道雲によるもので、上空に冷たい空気が流れ込んだときに発生するものである。上空にひとたび寒気が流れ込むと三日ほどかけてゆっくり日本付近を通り過ぎことで、雷が三日続くということである。その後、梅雨が明けることで旅にでた一茶の気持ちがよくわかる。

 群馬県の雷に関して、古くから「御荷鉾の三束雨」(みかぼのさんぞくあめ)とか「榛名の三束雨」という諺がある。御荷鉾山や榛名山に雷が発生すると、麦を三束たばねないうちに雷雨がやってくるという天気俚諺である。群馬の平野部の農民は榛名湖に龍神が棲むと信仰されているが、龍神は水神でもあり、雷電を龍と考えている雨乞い行事とも関連しているようである。

 

文献:

青木慶一郎: 『栃木のお天気ことわざ』 (下野新聞社、1990)

吉野正敏: 「雷」/『生気象学の事典』 (朝倉書店、1992)

饗庭 貢: 『カミナリなんて怖くない』 (北陸新聞社出版局、2006)

南 利幸: 『ことわざから読み解く天気予報』 (NHK生活人新書、2003)



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