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連載エッセイ [34]
健康天気ことわざ
福岡義隆

 

 

ウラハグサの葉がひっくりかえれば喘息がひどくなる

 

 

 夏から秋にかけて台風の発生数が増加し、日本列島への接近数や上陸数も増える傾向がある。

 

 台風の接近を予報してくれる生物現象は極々稀であるが存在する。高地に生える「ウラハグサ」はイネ科の植物で、葉が一般の植物の裏面は表を向くことはないのに対して、このウラハグサは基部で捩れていて、わずかな風でも表裏がひっくりかえる。特に台風が近づいてくると裏が面になるとされる。そのことから風を予知できるとして「風知草」と言われる。普通の植物は、呼吸や光合成の働きを担う気孔が葉の裏側にあるものだが、ウラハグサは葉の表側にある。その気孔が台風の接近に伴う気圧の変化に対して敏感に反応するためという説もある。関東地方(埼玉県秩父地方)だけでなく、東海、紀伊半島などの山地岩上に見られるようである。

 大げさに言い換えれば、高地においては、「ウラハグサの葉がひっくりかえれば喘息がひどくなる」ということにもなる。もともと台風の急増する初秋、非アレルギー性喘息がひどい発作を起こしやすいとされている。台風や強い温帯低気圧は南からの暖気を呼び込むだけでなく、来たからの冷たい空気も引き込む。暴風雨は初めのうちは暖かい空気をもたらし、時には寒冷前線を伴っていて急激な温度降下が続くと、喘息発作の患者が通常の2〜3倍にも増える。

 

 山の植物が台風を予知するのに対して、海にも台風に伴う暴風雨を予知する生物がいることが知られている。ボストン大学名誉教授の下村脩さんがノーベル化学賞受賞されたのは「オワンクラゲ」であったが、地球上の最古の多細胞動物であるクラゲは、嵐の接近を正確に知らせてくれるという。空に一点の雲もなく、海はかすかに波立ってるにすぎず、数時間海岸を漂ってたクラゲが突如姿を見せなくなるということがよくあるらしい。土地の古老は「嵐がやってくる」といい、外れることは滅多にないという(「クラゲが暴風の襲来を予知する」)。ソ連の海洋物理学者シウレイキン博士が、クラゲの生理生態を調べ「海の声」と名づけ嵐を予知する「超音波の耳」の存在を発見したのである。クラゲが泳いでいる海域から数100キロも離れている暴風雨水域で発生した超音波をクラゲの平衡器官が敏感にキャッチしているとされる。

 「嵐の前に石を飲み込むタラ」を見て港へ引き返す漁師とか、西インド諸島に言い伝えられている「サメはハリケーンの位置がわかる」(ハリケーン接近方向から肝油が濁り始めるという)、あるいは「魚が深く潜ると嵐がやってくる」というアメリカインディアンの伝承など、各地に意外に多く存在する。

 

  昨今の地震による大津波や台風による高潮を海岸の生物の異変から予知する感覚を古老の知恵に学ぶ必要がある。

 

 

 

文献:

永野 巌:『埼玉四季の植物』(埼玉新聞社、1990)

ランズバーグ、H・E著・倉嶋ら訳:『からだと天気』(河出書房、1970)

リティネツキー著・金光不二夫訳:『天災を予知する生物学』(文一総合出版、1983)

グループW訳:『お天気となかよくなれる本』(丸善、1991)

木村龍治監修:『気象・天気図の読み方・楽しみ方』(成美堂出版、2004)



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