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夏と日本の伝統家屋
 
 毎日暑い日が続きます。「最高気温が人間の体温に近い35〜36℃」というニュースや天気予報を聞くと、よけいに暑く感じます。日本で気象観測が開始されてからの最高気温は、1933年7月25日山形市での40.8℃でしたから、これから比べるとまだましといえるでしょう。

  うちわ

ところで、江戸時代の川柳にこのようなものがあります。

      寝ていても団扇(うちわ)の動く親心
      (渡辺信一郎著「江戸川柳」岩波書店より)

乳を飲んで寝込んだ赤子に添い寝している母親もウトウトとし、それでも赤子にたかる虫を寄せ付けないようにと、手にした団扇だけは扇ぎ揺らせているという光景で、赤子に対する母親の気遣いの様子が描かれています。それとともに、赤子に風を送り涼しくしているとも考えられます。

現代のように電気がなく、冷房設備が無かった頃は、涼をとるのには風が重要な役割をなしていました。人間は、「1mの風が吹くと、気温より1度寒く感じる」といわれています。夏の暑い盛りでも風をうまく取り入れれば、涼しく過ごせることは想像できます。

民家
菅沼にて吉野正敏撮影(1974年10月13日)

花岡利昌著「伝統民家の生態学」(海青社)には、岐阜県の飛騨高山市内にある吹き抜け櫓(やぐら)を持つ伝統民家での気温や風の調査結果が載っています。岐阜県高山市は飛騨盆地の中央にあり、日最高気温の平均値は8月が最高で30.1℃、1月が最低で3.0℃です。年間の気温較差は27.1℃となり、夏の暑さと冬の寒さはかなりきびしいことがわかります。

民家には、夏の暑さを緩和するために吹き抜け櫓を生かして各部屋とも空気が流れやすい構造となっています。測定が行われた日は、高山測候所の観測記録によると、天気は晴れで、日中の最高気温は30.5℃、湿度は68〜79%と蒸し暑い日でした。日中の戸外の平均気温は28.6℃ですが、室内の平均気温は26.5℃となっており、暑さが緩和されているとしています。

叫内米子氏の調査によると、気流と気温の体感に及ぼす効果の実験によれば、気温25℃で快適とする風速は0.4〜1.0m/s、30℃では0.6〜1.0m/sの範囲にあるという結果になっています。この日の室内での風の測定値は、快適とする範囲におさまる結果となっていました。

話は変わりますが、能登半島北部内陸にある中谷家(石川県柳田村)を訪れたときのことです。中谷家は江戸時代能登にあった天領の1つ、柳田の黒川村を任された庄屋です。堀と塀と庄屋門がある豪農のお屋敷で、朱と黒の漆で塗り分けられた総漆塗りの土蔵が有名です。母屋は江戸時代前期に建てられました。風通しの良い構造となっていて、囲炉裏のある部屋は高い天井となっていました。

ちなみに、輪島測候所のデータによると、日平均最高気温は8月が最も高く29.3℃、2月が最も低く5.9℃です。データからみて高山ほどではありませんが、冬は寒さの厳しい地域です。江戸時代の暖房といえば火鉢やコタツですから、案内して下さった方に「寒くなかったのですか。」とお尋ねしたところ、「日本の夏は暑く皮まで脱ぐわけにいかないが、冬は寒ければ着ればよい。」との答えが返ってきました。まさにおっしゃられるとおりです。夏は暑いものなのです。度の過ぎた暑さはかないませんが、「寒さの夏はおろおろ歩き……(宮澤賢治 雨ニモマケズの一説)」よりいいでしょう。

※高山と輪島の気象データは気象庁作成の平年値を使用しました。
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