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UFOみたいな雲
 
和歌山県勝浦町
(写真1)勝浦温泉(和歌山県勝浦町)にて
        2000年2月5日15時ごろ撮影
神奈川県横浜市
(写真2)いであ株式会社国土環境研究所
        (神奈川県横浜市都筑区)にて
        2003年2月15日16時ごろ撮影

 空にはいろいろな形の雲が浮かんでいます。時には動物に似ていたり、何か食べ物を連想したりします。

なかには、(写真1/写真2)のような、ツルンとした雲が現れることがあります。(写真1)は紀伊半島の和歌山県勝浦町で撮影した雲で、(写真2)は神奈川県横浜市都筑区早渕で撮影した雲です。まるで空飛ぶ円盤、UFOみたいですね。

この雲は形がレンズに似ていることから、レンズ状雲ともいっています。たいていの雲は見ているうちに形を変えながら移動していきますが、この雲はあまり形が変わらず、かなり長い時間同じ場所に留まっています。

雲は、小さな水滴、または小さな氷の粒からできています。これらの小さな水滴や氷粒は空気中の水蒸気が冷やされてできたものです。空気の塊は何らかの力を受けて上昇すると膨張し、温度が下がります。また、空気が含むことができる水蒸気の量は気温で決まっているので、空気塊が冷やされると限度以上の量の水蒸気は水滴に変わり、雲粒ができます。

空気の流れが山にぶつかると風下には空気の波ができる
(図1)空気の流れが山にぶつかり風下に空気の波ができる様子

空気が上昇する原因にはいろいろありますが、ある程度の早さ(風速)を持った空気の流れ(気流)が山にぶつかると、その山の風下には(図1)のような上下方向の空気の波ができます。空気は上昇すると冷えますから、ある高さになると雲粒が発生します。ところが、雲粒が流れていくうちに下降気流のところにくると、空気は圧縮されて温度が上がり、雲粒は蒸発してしまいます。上空の風の強さによりますが、波動ができる位置はあまり変化しません。このため、レンズ状の雲は長い時間同じ場所に留まっています。

(図2)は、この雲が発生している様子のもう少し細かい状況です。図の左側の青い線は高さによる湿度のようすです。そのままで雲ができるほどではありませんが、湿度の高いところが層のようになっていて、その上下は乾燥しています。

雲が発生する様子
(図2)雲が発生する様子(Scorer,R.S,1972)

レンズ状雲は湿度が高い層の気流が山による波動で上昇し、ある高さ以上になった結果、雲が形成されます。しかし、その上下の気流は乾燥しているので、雲が発生しません。このため、空気の波動による雲はツルンとした形となります。ただし、ある程度湿った気流がどの程度上昇すると雲粒ができるかは、その気流の温度や湿度で変わってきます。

山による空気の波動の中を航空機が飛ぶと大きく揺れ、時にはとても危険な状態となります。この波動は、乾燥した気流でも湿った気流でもできます。湿った気流の波ならばレンズ状の雲が発生するので、その波がどこにあるかわかりますが、乾燥した空気ではどこに波があるかわかりません。

日本一の高さの富士山では、富士山による乾燥した気流の乱れが原因で、過去に悲しい事故が起こっています。富士山レーダーを建設する際にはヘリコプターで大きなレーダー・ドームを山頂に運んだように、夏は上空の風が弱いので、富士山の気流の乱れは小さく、ヘリコプターも山頂付近を飛ぶことができます。しかし、冬は上空の風が強いので富士山周辺は気流が乱れています。

1966年(昭和41年)3月には羽田発香港行きのイギリスのBOACの旅客機が富士山に接近しすぎて空中分解して富士山御殿場口に墜落して、乗客乗員全員が死亡しました。戦後すぐにもアメリカ軍の航空機が富士山に接近しすぎて富士山に不時着しています。このときは全員助かっています。

レンズ状の雲が現れると、その後強い風が吹いたり、翌日雨が降る場合もあります。この写真の雲が現れた翌日は、どちらも雨となりました。


参考文献:Scorer,R.S,1972: Clouds of the World: A Complete Colour Enecyclopedia, David and Charles Publishers, Newton Abbot, p65
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