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お天気豆知識
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水の流れと空気の流れ
 
 砂場で砂山を作りその頂上に水を溜め、そこから水を流すとその水は斜面を真っ直ぐに流れていき、斜面を斜めに流れることはありません。川の流れもそのようになっており、地図を見ると等高線と川の流れは等高線にほぼ直角になっています。(図1)にはその様子をモデル的に示しました。

(図1)水の流れ
 空気の場合はどうなっているのでしょう。テレビや新聞で見る天気図には等圧線が描かれており、気圧の低い地域、高い地域がわかるようになっています。空気は、気圧の高い地域から低い地域に向かって流れます。しかし、その流れ方は等高線に対する水の流れとは違います。それは、地球の自転が関係しており、地表面付近では空気と地表面との摩擦も影響しているからです。
空気の流れ
(図2)空気の流れ
 地上天気図の場合、空気は等圧線とある角度を持って気圧の高い方から低い方へと流れます。(図2)のように等圧線をまたいで、右手が気圧の高い方、左手が気圧の低い方になるように立って下さい。北半球の地上では、風は気圧の高い方から低い方に向かって左手前方に向かって吹きます。つまり、気圧の低い方を左側に見るようにして、等圧線に対してある角度を持って風が吹きます。その角度は、25°〜35°の範囲で、風が強いほどその角度は小さくなります。風の強さは、等圧線の間隔が狭いほど強い風となります。地図の場合等高線の間隔が狭いところ、つまり斜面の急な所では水が勢いよく流れるのと同じです。
 上空では、地表面と空気の摩擦の影響がなくなるため、ある高さで上空の天気図を作ると、その面で風は等圧線と平行に吹きます。地上天気図のときと同じように等圧線をまたいで気圧の高い方を右、気圧の低い方が左になるように立つと、風はそのように立った人の背中側から正面に向かって吹きます。強さは、やはり等圧線の間隔が狭いほど強くなります。なお、実際の高層天気図はある気圧面の天気図で、その気圧になる高さを表した、等高線が描かれています。

 話を地上天気図に戻します。テストのために、「北半球では低気圧に向かって左巻きの渦巻きのように風が吹き込み、高気圧からは右巻きの渦のように空気が流れ出す。」と覚えたと思います。例えば、低気圧の近くで、低気圧の中心(気圧の低い側)が左手の方向になるように立って考えると、(図3右)に示したような風となることがわかります。高気圧の場合は右手が高気圧の中心(気圧の高い方)に立つと、(図3左)のような風になることがわかります。

(図3)高気圧・低気圧と空気の流れ

ですから、「北半球では低気圧に向かって左巻きの渦巻きのように風が吹き込み、高気圧からは右巻きの渦のように空気が流れ出す。」となるわけです。

 風が吹いているということは、空気が流れることを意味しています。例えば、等圧線がほぼ並行に並んでいるときは、その範囲で一定な方向の空気の流れがあることを意味します。(図4)は平成11年9月の東海豪雨の天気図です。

(図4)東海豪雨の時の天気図
東海地方の南の方で、気圧の高い方を右手になるように等圧線をまたいで立つと、東海方面に南から空気が流れ込んでいることがわかります。日本の南は太平洋で水蒸気の元は十分にありますし、南ほど気温が高いことから、暖かく湿った空気が東海地方に流れ込んでいることになります。中心は現れていませんが、日本の東にある高圧帯は太平洋高気圧です。この暖かく湿った空気の流れは、太平洋高気圧の西側で吹く南よりの風が沖縄の近くにある台風14号で強化されたことによるものです。前線は日本海側にあるから、普通に考えれば前線付近で大雨となりそうですが、大雨となったのは前線よりも南でした。何故前線よりも南の東海地方で豪雨になったかという詳しい原因は様々な研究者によって研究中ですが、地形の影響で一部の地域に暖かく湿った空気が集中し、前線よりも南の東海地方を中心に大雨となったようです。前線や低気圧、台風もないのに大雨という現象は、毎年のようにどこかで発生して、その多くは太平洋高気圧の西側で吹く「暖かく湿った空気」が原因です。
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