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12月の旬の食材

 12月は冬到来のスタート月です。冷たい北風が吹いて気温は下がり、寒い日々が続きます。この季節に影響を受けやすい体の臓器は「腎臓」です。腎臓は排尿をコントロールするだけでなく、成長や生殖と関わる役割を持つ大切な臓器です。また、インフルエンザが登場するのも冬のはじめの12月。冷たい乾燥した空気が鼻や喉の粘膜を弱めるため、免疫力が低下していると罹患しやすく、とくに免疫力のない子どもやお年寄りは気をつけましょう。
 腎臓を守り、インフルエンザを撃退するためにも、体を温め免疫力を高める効果に優れた旬の食材を上手に取り入れることが大切です。献立でトマトやきゅうりを使いたくても、ここはちょっと我慢しましょう。夏が旬の野菜は体を冷やす力が強く、逆効果になりかねません。
 12月に紹介する食材は10品目。ビタミンやミネラルが豊富な緑黄色野菜や薬効の高いねぎがうまみを増し、海のミルクと称されるカキも登場する季節です。

野菜(キャベツ、小松菜、春菊、ねぎ、白菜、ほうれん草)
果物(みかん)
魚介(カキ、タラ、ブリ)

             
  写真 名称 解説 レシピ
野菜 キャベツ 12〜4月/3月中旬〜4月(春キャベツ)
12〜3月上旬(冬キャベツ)
古代ギリシャやローマ時代に薬や保健食として食べられていた歴史の古い野菜です。江戸時代に渡来しましたが、球にならない葉キャベツのため鑑賞用とされ、本格的に食用として栽培されたのは明治時代。アブラナ科の植物で原産地は地中海沿岸からアジアと推定され、フランス語のカボシュ(頭でっかちをからかう古語)が名前の由来といわれています。
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キャベツコロッケ
キャベツと豚肉のサラダ
小松菜 12〜3月 江戸時代、中国から渡来したかぶを改良してつくられた野菜で、東京都小松川近辺で栽培されたことから、8代将軍吉宗が命名したといわれています。現在はハウス栽培も盛んで周年出回っていますが、葉が大きく色の濃い葉肉の厚い冬場のものが美味です。寒さに強いため、かつては冬場の貴重な緑黄色野菜で、冬菜、雪菜の名称でも呼ばれています。
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小松菜の煮びたし
小松菜の松の実入り白和え
春菊 11〜3月 原産地は地中海沿岸地方で、500年ほど前に中国から渡来した野菜です。春に花を咲かせることからこの名前がつき、特有の香りを持っています。関西では「菊菜」とも呼ばれています。食用しているのは日本や中国などで、欧米では鑑賞用として栽培されています。漢方の世界では古くからその効能が尊ばれ、「食べる風邪薬」と珍重されています。
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春菊の混ぜごはん
春菊とハムのかき揚げ
カキと春菊のにんにく炒め
ねぎ(葱) 11〜12月 原産地は中央アジアのパミール高原で、日本には10世紀以前に朝鮮半島から渡来したといわれています。古くから「ひきはじめの風邪」の特効薬として愛用され、『日本書紀』にも登場する野菜です。白い部分と緑の部分では栄養素が異なり、薬効効果は白い部分の方が優れています。白根は漢方では「葱白(そうはく)」と呼ばれ珍重されています。
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キャベツコロッケ
ねぎと麩の炊き合わせ
ねぎの豚肉巻き
白菜 11〜2月 栽培種は中国北部の青島(チンタオ)との説もあり、今や東洋を代表する野菜のひとつです。日本には明治時代に渡来しましたが、普及は昭和になってからです。甘みが増してくる冬場のものが美味で、ビタミン類は外葉の方に多く含まれています。精進料理では大根・豆腐とともに「養生三宝」と呼ばれ、古来より体によい野菜として食べられてきました。
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ごはん入り白菜の精進ロール
白菜と麩のサラダ
白菜とりんごのジュース
ほうれん草 11月下旬〜5月 11月下旬〜2月(東洋種)3〜5月(西洋種) 原産地は西アジア、コーカサス地方。江戸時代に中国から渡来したため、唐菜(からな)とも呼ばれています。大きく分けると葉に鋸のような切れ込みの入った東洋種と、切れ込みが少なく丸く大ぶりの西洋種があります。東洋種は晩秋から冬に出回り、西洋種は春から初夏に出回ります。冷涼な気候を好み、霜にあたると甘みが増し、栄養価も高まります。
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ほうれん草とレーズンの落花生和え
ほうれん草の蒸しパン
タラとほうれん草のグラタン
果物 みかん(蜜柑) 12〜1月(温州みかん) みかんの誕生は2千万年〜3千万年前ともいわれ、原産地はタイやミャンマーと推測されています。温州みかんは江戸時代初期に中国から伝わったみかんの木から生まれた品種で、鹿児島県長島東町に約300年以上も前の古木が発見されています。「種無しみかん」だったため、縁起が悪いとされ、全国的に栽培されるようになったのは明治以降のことです。
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みかんとりんごのおろし和え
魚貝 カキ(牡蠣)
11〜2月
「海のミルク」と呼ばれるほど栄養価の優れた貝で、世界中に広く分布しています。養殖が盛んな貝で、養殖の歴史はヨーロッパで古く、紀元前1世紀まで遡ります。日本の養殖は1673年広島でスタートし、大正時代に全国に普及。5〜8月のカキは身が痩せてまずく、西洋には「Rのつかない月(5〜8月)にはカキは食べるな」という諺があります。
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カキと春菊のにんにく炒め
カキのチャウダー
タラ(鱈)
12〜2月(真ダラ)
日本近海には真ダラ、スケトウダラ、コマイなど約90種類が生息しています。生命力が強く、平均寿命は13〜14年と長生き。大食漢なので、「たら腹食う」から転じてこの名がついたといわれています。エサの種類を選ばず何でも食べ、100種類もの魚介類が胃から出てきた例もあります。タラコはスケトウダラの卵巣を塩漬けにしたものです。
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タラとほうれん草のグラタン
タラの野菜甘酢あんかけ
ブリ(鰤)
12〜1月
日本全土の沿岸に広く分布し、スズキやボラとともに出世魚といわれ、成長に伴い名が変わる回遊魚です。晩秋から春にかけて北海道から南下してくるものは「寒ブリ」と呼ばれ、産卵に備えてよく太り脂も乗って美味。養殖した4kg前後のものはハマチと呼ばれ、天然ものに比べて脂が多く白っぽい色をしています。栄養価は天然ものの方が豊富です。
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ブリと大根の柱煮
ブリの梅おかか焼き

撮影:上総均 撮影助手:泉田幾子