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甘酒のススメ。甘酒はお米で作る健康飲料です

 「ここまでおいで、甘酒進じょ」……甘酒はお酒ではない

 甘酒は麹菌を利用して作る伝統的な甘味料です。お酒という文字が入っているためにアルコールと勘違いする人が多いのですが、甘酒はお酒ではありません。アルコールが入っていなくても「酒」と呼ばれていたのは、昔は造り酒屋が酒造りのかたわら甘酒を作っていたからといわれています。
 麹菌によってでんぷんが分解され、糖化されるのは日本酒と同じですが、本来の甘酒にはアルコールは含まれていません。酒粕を使った手軽な作り方で作られる事が多く、酒粕を使うとアルコールが含まれさらに砂糖で甘みをつけるため、甘酒を甘いお酒と勘違いする人が多いのです。甘酒の甘みは、麹菌が分泌する糖化酵素(アミラーゼ)により米のでんぷんが分解されてできたブドウ糖によるもの。甘酒の甘みは砂糖を加えた甘みではなく、米やもち米のでんぷんを、米麹に含まれるアミラーゼという酵素で糖化してできたブドウ糖100%の甘みです。
 アルコールを含まないので、子どもにも安心して飲ませられる甘味飲料。「ここまでおいで、甘酒進じょ」という幼児に語りかける言葉が残っているほどに、ブドウ糖の甘い飲み物は子どもたちにとって魅力的なものだったのです。昔から、子どもが主役のお祭りには必ず甘酒が振舞われていました。

 日本には数多くの発酵食品がある

 古来、日本は「豊葦原瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)」と呼ばれる美しい国でした。「豊かに葦の生え茂った湿原の国」という日本の風土を表現した美称で呼ばれるように、みずみずしい稲穂(瑞穂)がたわわに実る水田稲作の国で、稲作を中心として発展してきました。
 雨量が多く、湿度も高い、さらに温暖なためにカビが発生しやすく、このカビと上手に共存しながら先人たちは生きてきました。カビとの共存、そしてその利用の最たるものが数多く存在している発酵食品です。
 日本には数多くの優れた発酵食品があります。納豆、糠漬け、味噌、しょうゆ、食酢、みりん、日本酒、熟鮨、鰹節……。甘酒もこの発酵食品のひとつです。

 甘酒は「酵素の宝庫」

 甘酒はカビの一種の麹菌でつくられます。発酵の過程で自然界に存在する乳酸菌も多少入り込んでくるために、甘酸っぱくなることもあります。発酵する過程で「麹酸」を発生させ、麹は発酵がはじまると乾燥麹の時と比べて、麹酸が20〜40%前後も増えるといわれています。麹酸はビタミンC以上に活性酸素の毒性を除去する働きが強く、細胞の酸化を防止します。麹菌は、たんぱく分解酵素(プロテアーゼ)や脂肪分解酵素(リパーゼ)などきわめてたくさんの酵素を産生するので、「酵素の宝庫」といわれています。
 このように麹菌が生み出す優れた効能が、甘酒を子どもに飲ませる要因でした。昔は子どもの死亡率が高く、とくに疫病や食中毒を起こしやすい夏場に命を落とす子どもが多かったのです。甘酒に含まれる麹菌や乳酸菌などの生菌を取ることで腸を元気にし、病気をせずに成長して欲しいという親心が、子どもたちに甘酒を飲ませたのでした。

 甘酒は夏バテ防止の栄養ドリンク

 今日、甘酒は寒い冬に飲むことが多く、冬場の飲み物と思っている人が多いのですが、江戸時代には真夏に飲まれる夏バテ防止・疲労回復の栄養ドリンクでした。俳句では夏の季語として使われています。夏バテを防ぐと同時に酒席の前に飲んで悪酔いを防止する効果もあり、お酒を飲む前に甘酒を飲むことは「武士の作法」ともいわれていました。

 麹菌が生み出す豊富な栄養素

 甘酒の成分は、脳のエネルギー源となるブドウ糖類がきわめて多く、20%以上を占めています。また、原料の粳米のたんぱく質も酵素によって必須アミノ酸に分解され、多量に含まれています。
 麹菌が繁殖するときにビタミンB1、B2、B6、パントテン酸、イノシトール、ビオチンなどの天然型吸収ビタミン群を作って米麹に蓄積させています。これらの栄養素が甘酒に溶け出ているため、甘酒は栄養素の宝庫とも呼ばれ、高血圧や肥満を防止し、美肌や黒髪を作り、夏バテや食中毒を防ぎ、疲労を回復し免疫力を強化します。また、酵素が生きているので腸内を善玉菌で活性化させ、便秘を解消し腸環境を整えます。
 今のように科学的に栄養素が解明されない時代から、人々はその経験上から甘酒の効能を見抜き、夏の栄養剤として飲むことで健康を維持してきたのです。
 甘酒の成分は病気の時の栄養補給として使われる「点滴」と成分が非常によく似ているといわれています。

 手作り甘酒にチャレンジ! 手作り甘酒で夏の疲れを取る

 甘酒は昔から庶民の手作り飲み物として親しまれ、作り方も簡単で、さらに一晩でできることから「一夜酒(ひとよざけ)」とも呼ばれています。「お米のヨーグルト」などと呼ばれる滋養豊かな甘酒を作って、夏の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。
 電気炊飯器を使えば手軽に作ることができ、冷やした甘酒に、少量のおろししょうがや塩、砂糖を加えると、また違った風味を味わうことができます。
 簡単な甘酒の作り方を紹介しましょう。もち米に米麹を混ぜて発酵させるだけで簡単に作れます。
もち米1合は、たっぷりの水につけて1時間ほど吸水させる。
もち米をザルにあげて水気をきって鍋に入れる。水1リットルを加え、お粥状に炊く。
米がやわらかくなったら、火を止めてそのまま冷ます。
米の温度が60℃くらい(指を入れてみて長く入れていられないくらいの状態)になったら、バラバラにほぐした米麹を200g加えてよく混ぜる。この時、水分が少なかったら、ヒタヒタになるくらいまでぬるま湯を足す。
炊飯器に入れ保温の状態にする。ふたをすると中の温度が上がり過ぎてしまうので、箸などをかませて少し開けておく。8〜10時間置き、甘みが出たらできあがり。

 ここに注意!

※ もち米ではなく、普通のお米(うるち米)でもよい。
※ 麹菌は60℃以上になると死んでしまう。60℃以上で火入れをすると酵素も麹菌も死滅してしまうので注意。温める時は鍋で軽くあたためること。
※ 生甘酒は食後に飲む方が、甘酒中の消化酵素の働きが生かされてより効果的。
※ 生甘酒は、賞味期限を過ぎるとアルコール発酵の過程を経て、酢酸(さくさん)発酵する。これは米酢(よねず)なので、食酢として利用できる。