夏の終わりから秋にかけて、平地の田圃や丘陵地の棚田など、開けた場所に"赤とんぼ"の群れをみかけます。"赤とんぼ"は体色の赤いとんぼ全体を指した俗称で、代表的な種類としてはアキアカネ、ナツアカネ、マユタテアカネ、マイコアカネ、ウスバキトンボ等が挙げられます。ちなみに体色が赤いから"赤とんぼ"なのですが、雌の体色はあまり赤くなく、どちらかと言えば地味な黄褐色であることが多いです。初夏頃に羽化した雄も羽化してからしばらくは雌と同様にあまり赤くはありません。羽化後の未熟な成虫は、夏の間は山間などで成熟するまで過ごし、成熟する秋頃にかけてようやく"赤とんぼ"らしく赤く色づいて平地などに大移動してきているのです。
近年、"赤とんぼ"の群れを都市部やその周辺でみることが少なくなってきました。夏の終わりを感じさせる夕焼けを背景に飛ぶ"赤とんぼ"。いつまでもこの透き通った羽を見続けていきたいものです。