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お天気アロマテラピー

秋の記事一覧

続・お天気香るコラム

Vol.25

2015.03.13

~四季の“風”景 編~

~ 四季の“風”景 編 ~ 四季「風」ばなし

四季の風景に強く吹き付ける風で思い起こすのは、やはり夏の風景に浮かぶ台風の大風や、いわゆるゲリラ雷雨時の突風や竜巻、そして、秋の風景を北から駆け降りる、頬をつねるような冷たい木枯し、さらには、冬の西高東低の風景を渡る、身を切るような冷えた北風といったところでしょうか。実は、春も思いのほか風が強まる時季だったりします。「春風」などと聞くと、穏やかに優しく頬を撫でる春の風をイメージしたりもしますが、南から勢いよく突き上げる、「春一番」と呼ばれるパワフルな暖風もあるように、春は油断すると強い風に足元をすくわれがちな季節なのです。
普段皆さんがよく耳にされていても、実は知っているようで知られていないのが、風の強さに関する用語です。例えば、「風速」、「最大風速」、「瞬間風速」、「最大瞬間風速」といった語句の実態です。一般的に、風速とは“10分間の平均風速”、最大風速とは“10分間の平均風速の最大値”、瞬間風速とは“0.25秒間隔で測定される値を3秒間平均した値”、最大瞬間風速とは“瞬間風速の最大値”と定められており、秒速(m/s)で表しています。
また、風の強さを「やや強い風」、「強い風」、「非常に強い風」、「猛烈な風」などと表現しますが、これにも実は基準があります。基本的には、やや強い風を“風速10m/s以上15m/s未満”、強い風を“15m/s以上20m/s未満”、非常に強い風は“風速20m/s以上30m/s未満”、猛烈な風を“30m/s以上(または最大瞬間風速で50m/s以上)”としています。
ちなみに、台風の「強風域」とは“台風周辺で平均風速が15m/s以上の風が吹いている、もしくは吹く可能性がある領域”、「暴風域」とは“台風周辺で平均風速25m/s以上の風が吹いている、もしくは吹く可能性がある領域”を示しています。
季節を吹き抜けていく風の強さ一つとっても、実はちょっぴり奥が深いのです。

四字「風」熟語

◎順風満帆(じゅんぷうまんぱん)
…大きな帆で目一杯に風を掴みとり、船が意気揚々と進み行くさま。頼もしい追い風を背中に受けて、力強く快調に前進すること。
◎馬耳東風(ばじとうふう)
…外から吹きつける厳しい意見や批判の向かい風にも、我関せずと気に留めないこと。春風の訪れに人が春を愛でるのに対して、馬は春風が耳を撫でても無関心であることから。「馬の耳に念仏」、「馬の耳に風」。
◎疾風勁草(しっぷうけいそう)
…その人の根本に潜んでいる真の強さは、真の厳しさにさらされてこそ浮き彫りになるということ。荒れ狂う激風に巻きつかれることによって、初めてどれが生命力に満ちた力強い草かが分かることから。
◎風光明媚(ふうこうめいび)
…目の前に落とされる自然のパノラマに、清らかな優美さが見られること。「風光」は風景、光景。「明媚」は優雅に美しくたたずむさま。
◎風林火山(ふうりんかざん)
それぞれの状況を見極めながら打ち出される対処法。軍を有効に動かすために掲げられた4つのポリシーから。「はやきこと風の如く、しずかなること林の如く、しんりゃくすること火の如く、うごかざること山の如し」の略語。
◎風声鶴唳(ふうせいかくれい)
…風の細い口笛や鶴の細い鳴声にさえ怯えて震えるように、どんな些細なことでも怖がって、足がすくんでしまうこと。
◎花鳥風月(かちょうふうげつ)
…季節の移ろいの中で、自然が浮かべる様々な美しい表情。四季が織りなす、自然の風雅な景色。風流な様子。
◎台風一過(たいふういっか)
…台風が空を丸洗いしていったかのように、澄みわたる青空が一面に広がること。
◎秋風索寞(しゅう ふうさくばく)
…色を失くし始めた心を、秋風がヒュルリとすり抜けて、次第に寂しさが膨らみ、心が萎んでいくようなさま。上向きの矢印が下向きへと変わり、ちょっぴり寂寥感(セキリョウカン)が漂う様子。
◎春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)
…春風がフワフワと緩やかに泳ぐ様子。温かくて丸みのある空気感を漂わせるさま。

四季「風」なウェザーアロマ

強風が吹くような日には、やはり呼吸器系の不調が気になります。冬は冷たく乾燥した北よりの強風、「からっ風」が吹き降ろすことによって、呼吸器系に悪影響を与えることがあります。その上、インフルエンザを始めとしたウィルスが生存しやすい環境を作ってしまうことで、状況はさらに悪化してしまうのです。
ようやく、インフルエンザウィルスなどの猛威から解放される春になっても、発達しながら日本付近を通過していく低気圧に向かって駆け上る南風、「春一番」が気温や気圧、湿度の急変をもたらすため、呼吸器系へ悪影響を与え、加えて空気中にスギ花粉や砂塵、ハウスダストなどを巻き上げることで、さらなる炎症を起こしてしまうこともあります。
そして、夏になって「台風」がやって来るようになれば、大風が連れてくる気温や湿度、気圧などの大きな変化によって、呼吸器系の不調を誘発しやすくなるともいわれます。
また、秋も春と同様に日本付近を低気圧が発達しながら通過していくことが多く、駆け下る乾燥した北よりの強風、「木枯らし」によって気温や気圧、湿度が急変しやすく、さらにブタクサ花粉やダニの死骸、砂塵などを撒き散らかすため、呼吸器系の炎症を一層悪化させてしまうことになりかねません。
これまでお話してきたように、残念ながら呼吸器系へ不調を及ぼす強風は、一年を通じて吹いてくるといったわけです。よって、私たちはそれぞれの季節において、強風が吹くと予報された時には、さらなる呼吸器系へのケアを意識し、対応をとることが必要になります。今回はそんな強風の日に引き起こされがちな、呼吸器系の不調にアプローチするための、ウェザーアロマをご紹介しましょう。

呼吸器系と心のイガイガを鎮める、スパークリングバスパウダー

[使用材料1回分] 
・天然塩(乾いたパウダータイプ) 30g
・重曹 30g
・クエン酸 10g
・精油 5滴以下 <ラベンダー2滴・フランキンセンス3滴>
ラベンダー
(^-^)…柔らかで落ち着いたフローラルの香りが、身体の奥にまで穏やかに染み渡り、呼吸器系の炎症や痛みまでも緩和してくれる精油。
フランキンセンス
(^-^)…深く心の底にまで潜り込んでいくような、安心感のある樹脂系の香り。優しい温もりで包み込みながら、咳などの呼吸器系の不調を鎮静化させてくれる精油。
[作成手順]
① ボウルに天然塩・重曹・クエン酸を入れ、スプーンなどでよく混ぜ合わせる。
② 精油を垂らし、さらによくかき混ぜる。
③ 浴槽に入れたら、よく撹拌させてから入浴する。
※蒸気とともに立ち上る精油成分を鼻から吸い込むことで、呼吸器系の不調を緩和する。(ただし、喘息や咳などがみられる場合は、症状を誘発する恐れがあるため、蒸気吸入は行わないこと。)
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控える。
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控える。
・精油原液が肌に付かないように注意する。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・バスパウダーはよく溶かしてから入浴する。
・喘息や咳などがみられる場合は行わない。
・精油は目や口に入れない。・お湯で火傷をしないように注意する。
・水分補給を心がける。
・異常を感じた時は即使用を中止し、流水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・浴槽などへの使用について問題はないか、念のため取扱い説明書などで確認しておく。
・浴室内における床などへの精油の使用について、変質などの恐れがある場合は行わない。
・光毒性の成分が精油に含有される場合、使用後は直射日光などの紫外線に当たらない。
・火気に注意する・色や香りの染みつき、汚れや変質などには十分注意する。
・創傷部位、炎症部位などへは使用しない。
・体調がすぐれず、香りに敏感な時は使用を控える。
・あらかじめパッチテストする。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2015.03.13掲載

続・お天気香るコラム

Vol.24

2015.02.28

~四季の“雨雪”景 編~

~ 四季の“雨雪”景 編 ~ 四季「雨雪」ばなし

 空に描かれる雪と雨との交差点。暦の上でも「雨水」(2月19日~3月6日)のころ。次第に雪が雨へと姿を変え、春のシルエットがすりガラスの向こう側にゆっくりと浮かび上がるころ。緩やかに取り戻される温もりが、私たちを優しい気持ちにさせる季節です。ただし、解け始めるのは私たちの心だけではありません。同時に、冬を白く染めていた座雪たちも少しずつ解けていくのです。
すると、心配になってくるのは雪解けの季節の災害です。雪崩や融雪洪水などがその代表的なものとして挙げられます。雪解けの水が大量に河川に流れ込んで洪水を引き起こす「融雪洪水」は、4月ころを中心に大きな被害が見られますが、「雪崩」による被害はこれからが本番です。
雪崩は分類すると、大きく2つの雪崩に分けることができます。一つは、溶けずに残った古い雪の層の上に新たな雪が降り積もり、その新しい雪の層のみが勢いよく滑り落ちるといった雪崩、いわゆる「表層雪崩」、もう一つは、降り積もった雪の層が雪解けに伴い、新旧の両層がいっぺんに滑り落ちるといった雪崩、つまり「全層雪崩」です。これまでの季節はまだまだ降雪量も多く、特に表層なだれに注意する必要がありましたが、これからの時季は、時おり強く吹き込む南風などによる気温の上昇や、雪でなく雨が降る機会が多くなることから、全層雪崩への警戒もしなければならないわけです。
ちなみに、太平洋側や南国にお住まいの方にはあまり馴染みがないと思いますが、雪崩による災害のおそれがある場合には、気象庁より「なだれ注意報」が発表されます。さらに、融雪による災害の恐れがある場合には、「融雪注意報」が発表されます。気象庁では、実は16種類にも及ぶ様々な注意報を発表しているのです。

四字「雨雪」熟語

◎櫛風沐雨(しっぷうもくう)
…厳しい風にさらされたあげく、強い雨に打たれるような辛労を繰り返すこと。風の櫛で髪をとかし、雨のシャワーで髪を洗うという意味から。
◎旱天慈雨(かんてんじう)
…喉から手が出るほど欲しかった救いの手。カンカン照りでカラカラになった大地に落とされる、涙が出るほどに嬉しい天の涙。待ちに待った恵みの雨。
◎雨過天晴(うかてんせい)
…泣きたくなるような状況が好転し、晴れやかな笑顔が戻ること。垂れこめる黒い雨雲が裂け始め、次第に明るい晴れ間が広がること。
◎晴耕雨読(せいこううどく)
…自然の流れに任せて、緩やかな時を味わいながら人生を楽しむこと。晴れた日には屋外で畑を耕しながら汗を流し、雨の日には屋内で本を読みながら涙を流すような穏やかな暮らし。
◎密雲不雨(みつうんふう)
…前兆があるのにもかかわらず、いまだ物事が生じない状態。今にもアメを落としそうな雲が舌を伸ばしてきているのに、なかなか落ちてこない空。降りそうで降らない意地悪な空。
◎和風細雨(わふうさいう)
…柔らかく撫でる和風のように、そして、さりげなく濡らす細雨のように、人に物事を忠言する際には、和やかで細やかな姿勢を持って向かい合うべきということ。
◎雨露霜雪(うろそうせつ)
…様々な姿に変身して降ってくる滴のように、色々と降りかかってくる人生の障害。また、空が見せる多様な表情。
◎雪月風花(せつげつふうか)
…移ろいゆく季節が織りなす、心揺さぶられる自然風景。また、その感動を詩などに乗せて興じること。
◎雪裏清香(せつりせいこう)
…未だ華やかさが眠る静かな雪の下で、ひっそりと清らかな香りを咲かせる花。つまり、梅の花のこと。ちなみに、梅の別名としては「春告草」や「香雪」、「好文木」や「百花魁」などなど多数。
◎蛍雪之功(けいせつのこう)
…薄暗い蛍の光や窓の雪の灯りで勉学に勤しみ手にした、努力の賜物。

四季「雨雪」なウェザーアロマ

ドスンと座り込んでなかなか動こうとしなかった寒気の親玉が、ようやく重たい腰を上げると、凍りついていた空も少しずつ融けて、ゆっくりと流れ始めます。すると、日本付近には高気圧と低気圧が“どんぶらこ、どんぶらこ”と交互に流れてくるようになります。そんな低気圧が発達しながら接近する際には、ちょくちょく南風が“ひゅるりんこ、ひゅるりんこ”と勢いよく吹き込みます。そうなると、待ちに待った本格的な雪どけの季節を向かえるのです。
ただし、油断は禁物。南からの暖かく湿った風の流入は大雨をもたらすことがあります。また、温かな南風の後には、冷たい北風が不敵な笑みを浮かべて待ち構えています。低気圧通過後の寒気の流入により、逆に大雪をもたらすこともあるのです。まさに、“雨雪”表裏一体の空といったところです。
さて「雪どけ」という言葉には、文字通り、冬の寒さが緩んで積雪が融け始めるといった意味がありますが、皆さまもご存じのように、もう一つ、緊迫した対立関係が緩和するというような意味もあります。対峙する張りつめた緊張感によるストレスで、キリキリと疲労してしまった心。ここでは、そんな筋張った心を、雪どけへと向かわせてくれるアロマをご提案させていただきます。

心の結び目をほどく、雪どけアロマキャンドル

[使用材料] 
・ミツロウ(精製<白色>) 100g
・キャンドル用糸芯 1本  ・キャンドル型(紙コップなど) 1個
・精油20滴以下 <フランキンセンス9滴・ジャスミン6滴>
フランキンセンス
(^-^)…ゆったりと漂う霞に優しく抱かれるような、お香に似た香り。追い詰められて膨れ上がる恐怖心を、穏やかに解き放ってくれるような精油。
ジャスミン
(^-^)…甘くて濃厚な華やかさの中にも、落ち着きを感じられるフローラルの香り。毛羽立った心のささくれを削ぎ落とし、しっとりとした丸みをつけてくれるような精油。
※好みが分かれる香りであり、高濃度で使用すると頭痛や吐き気をもよおすこともあるので注意。
[作成手順]
① ミツロウをビーカーに入れ、湯煎にかけ完全に溶かす。
<春色のクレヨン(自然原料)を少量削り入れて着色すると、雪どけの季節を演出できる。>
② 割り箸で糸芯を挟み、型に固定したら、溶けたミツロウを流し込む。
③ 粗熱をとり、周囲が少し白濁してきたら精油を加え、すべて固まったら型から外す。
※ キャンドルの揺らぐ炎や、春の温もりある色彩も、心を優しく解きほぐす手助けをしてくれる。
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控える。
・体調がすぐれず、香りに敏感な時は使用を控える。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は、即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・火気の使用、及び火傷などには十分注意すること。
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控えること。
・色や香りの染みつき、汚れや変質に十分注意すること。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2015.02.28掲載

続・お天気香るコラム

Vol.23

2015.02.13

~四季の“雲”景 編~

~ 四季の“雲”景 編 ~ 四季「雲」ばなし

 十人十色の表情で、日々私たちを楽しませてくれる雲たち。そんな様々な表情を浮かべる雲たちでも、大きく10種類の顔に分類することができます。いわゆる“十種雲形”と呼ばれるものです。
実は、空に漂っている雲たちは、それぞれに住み分けをして生活しています。雲は地球上の対流圏という水蒸気が大量に存在する大気の層において発生しますが、その中でも下層、中層、上層で出現する雲の種類が違ってきます。
まず、下層(地上1500m付近)の住民である雲たちですが、薄くのっぺりと引き伸ばしたような灰白色の雲「①層雲」、畑の畝のような波が一面に広がる灰白色の雲「②層積雲」、のっぺりと怪しく寝そべる暗灰色の雲「③乱層雲」(※時に中層にも)が存在します。続いて、中層(地上5500m付近)の住民はと申しますと、天球に灰色のシーツを覆い被せたかのような雲「④高層雲」、青い草原を白羊の群れが駆け抜けていくような雲「⑤高積雲」が存在します。そして、上層(地上10000m付近)の住人におきましては、空を白羽根で優しく撫でたかのような薄くて繊細な雲「⑥巻雲」、天井に灰白色の薄いベールが引っかかったかのような雲「⑦巻層雲」、青魚に張りつく白い鱗のような雲「⑧巻積雲」が存在します。また、下層から中層にかけて住む、綿あめのようにフワフワな白雲「⑨積雲」や、下層から上層にかけて住む、ゲンコツを突き上げるようなゴツゴツとした白雲「⑩積乱雲」といった、背高ノッポな雲の仲間たちもいます。
 俳人・歌人である正岡子規は雑誌「ホトトギス」において、「春雲は綿の如く、夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く、冬雲は鉛の如く…」と、四季に現われる雲たちを表現しています。春の“綿”は、暖かな陽気の上で気持ち良さそうにプカプカと浮かぶ“積雲”、夏の“岩”は、ムンとした草いきれの中に仁王立ちする“積乱雲”、秋の“砂”は、乾いた空指の隙間からサラサラとこぼれ落ちる“巻雲”、冬の“鉛”は、冷たい重石を乗せられて低く垂れ込める“乱層雲(雪雲)”を、それぞれ示しているのではないかと私は考えます。(※日本海側の雪雲は積乱雲であったりもしますが…。)
基本的に十種雲形の雲たちは、どの季節においても出現しますが、季節によって出現しやすい象徴的な雲たちは確かにあります。それを子規は、豊かな感受性と洞察力で見事に表現しているのです。子規はさらに、「晨雲は流るるが如く、午雲は湧くが如く、暮雲は焼くが如し」と続け、一日のうちに現れる雲の姿も、心に迫りくる言葉で表現しています。“四季”に敏感な“子規”は、実に魅力的な人物です。

四季「雲」熟語

◎暗雲低迷(あんうんていめい)
…暗黒をまとった雲が怪しく垂れ込めるかの如く、悪い出来事に飲み込まれてしまいそうな様子。また、なかなか暗いトンネルから抜け出すことができないこと。
◎雲烟縹渺(うんえんひょうびょう)
…雲が足跡も残さず、さらさらと流れ去ってしまうように、ある事柄に後ろ髪を引かれることなく、淡々としている様子。
◎雲散霧消(うんさんむしょう)
…気ままに浮かぶ雲が弾け散り、緩やかに漂う霧が吹き消えるように、鮮やかに消えてなくなってしまう様子。
◎雲集霧散(うんしゅうむさん)
…雲がワラワラと湧いて集まるように、霧がハラハラと瞬く間に散っていくように、沢山のものたちが寄り集まっては散っていく様。
◎雲蒸竜変(うんじょうりょうへん)
…空に雲が急に湧き立ち、竜が縦横無尽に駆け巡るかの如く、この時とばかりにやってきて、勢いに乗じて自らの力を存分に発揮する様。
◎雲泥万里(うんでいばんり)
…空に浮かぶ雲と地に張りつく泥ほどにかけ離れ、気が遠くなるほどの距離がある様子。あからさまに大きな隔たりがあること。
◎閑雲野鶴(かんうんやかく)
…フワフワと想いを空に浮かべながら、思う存分に羽根を広げて悠々自適に生きている様。
◎行雲流水(こううんりゅうすい)
…風まかせな浮雲のように、川を駆け下る清水のように、深く考えずその場の流れに身をまかせること。また、その場の色に染まりながら、滞ることなく過ぎ去ってゆくこと。
◎晴雲秋月(せいうんしゅうげつ)
…冴えわたる晴天に浮かぶ純白の綿雲のように、澄みわたる秋夜に浮かぶ透明な丸月のように、真っ直ぐに突き抜けるほどの純真さが眩しい、無垢な心のこと。
◎和風慶雲(わふうけいうん)
…頬を撫でる和やかな微風のように、さりげなく慶福を届けてくれる白雲のように、穏やかで幸せな空気を醸し出す偉大な存在。

四季「雲」なウェザーアロマ

この時季、日本海側ではもはや定番となってしまった“鉛”の空。一方、晴天が続いていたお向かいの太平洋側の空にも、2月頃になると“鉛”の雲が広がる日も出てきて、時おり雪を降らせることがあります。一般的に日本海側の“鉛”は、北西の季節風が日本海を渡る際に発生させる雲由来のものになりますが、太平洋側の“鉛”は、春先にかけて次第に日本列島の南岸を通過するようになる低気圧が発生させる雲由来のものになります。
以前にも少しご紹介したと思いますが、大空を鉛で塞がれて光を全身に浴びることができなくなってしまうと、同時に心身の活動力も塞がれてしまい、倦怠感や鬱のような状態を引き起こしやすくなってしまいます。1つの要因としては、太陽の光により促される日中の昇温と、私たちの活動リズムに合わせた体温上昇との共鳴が崩壊することにより、体内のバランス機能が崩れて体調不良に繋がるのだともいわれています。そもそも、私たちは暗闇に包まれると不安感や恐怖心を抱き、ストレスを感じる生き物なのです。
やはり一日の始まりは、晴れやかな明るい気分でスタートしたいもの。気持ちよく一日のスタートを切ることができれば、その日の充実度に大きな差が生まれてくることは間違いありません。鉛の空が広がって気分が重たくなりがちな朝でも、キラキラとしたアロマのシャワーを浴びて、元気に一日を始めてみませんか。

モーニングサンシャインアロマシャワー

[使用材料] 
・精製水45ml 
・無水エタノール 5ml 
・精油 10滴以下<ローズマリー5滴・グレープフルーツ5滴>
ローズマリー
(^-^)…学名:Rosmarinus officinalis が示すように、海の雫<Ros(雫)・marinus(海の)>がキラキラと乱反射するように、クリアでスッキリとしたハーブの香り。シャキッと目を覚ましてくれる精油。
グレープフルーツ
(^-^)…学名:Citrus paradisi が示すように、楽園<paradisi>を明るく照らす光のように、溢れるフレッシュ感が眩しいシトラスの香り。明るく元気にさせてくれる精油。
[作成手順]
① ビーカーに入れた無水エタノールに精油を垂らし、ガラス棒で撹拌する。
② 精製水を加え、さらによくかき混ぜる。
③ 遮光ガラススプレー瓶に移し、ラベル(作成日、レシピ)を貼る。
※空間にひと吹きすれば、キラキラと輝く朝を届けてくれる。
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・長時間使用は控え、適宜換気を行う。
・高温多湿を避け冷暗所保存。使用期限は約2~3週間。
・アルコール過敏の方は使用を控えること。
・体調がすぐれず、香りに敏感な時は使用を控える。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2015.02.13掲載

続・お天気香るコラム

Vol.22

2015.01.31

~四季の“空”景 編~

~ 四季の“空”景 編 ~ 四季『空』ばなし

 四季折々に豊かな表情を浮かべる空ですが、季節によって様々な落し物をしていきます。そんな落し物を幾つか拾ってみましょう。
春空からの落し物には、あまり歓迎されないものもあります。その一つが黄砂です。中国大陸方面のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などといった地域において、高く巻き上げられた砂塵が偏西風の流れに乗って運ばれてくる現象です。春に黄砂が落とされがちなのは、その原因物質が低気圧の通過などで巻き上げられやすい状態になるうえ、輸送ルートとなる偏西風の流れが日本列島の上空付近を通ることが多くなるためと考えられます。また近年、拡大しつつある砂漠化により被害が拡大しつつあるともいわれています。
夏空の落し物といったら、やはり虹でしょう。夕立後に描かれる七色のアーチは、私たちに幸せを運んでくれます。虹が見える一般的な条件としては、空気中に雨粒が漂っていること。そして、太陽を背にしてその水滴を見ること(つまり、朝方や夕方であること。)が挙げられます。ちなみに、虹が7色に見えるのは、太陽光線(白)を構成している赤・橙・黄・緑・青・藍・紫といった7つの光に屈折率の違いがあるからです。簡単にいうと、太陽光線が雨粒の中に入り込むと、構成する7つの光がそれぞれ違う角度で屈折・反射するため7色に分かれて見えるのです。
秋空が深まる頃、静かな朝に落とされるのが朝霧です。近年“天空の城”として話題の竹田城の雲海は、麓に流れる川の蒸気霧が作りだす美しい光景です。秋の朝に雲海が出やすい基本的な条件としては、前日に雨が降るなどして湿度が高い状態であること。夜間、風もなくすっきりと晴れ、放射冷却がきいてよく冷えている状態であることなどが挙げられます。目安としては、日の出前から日の出後1~2時間くらいまでの間に発生しやすいといえます。地上の気温が上がるとともに、霧はすぐに解消してしまうのです。
冬空から落とされて大地に突き刺さるものといえば霜柱です。私たちの身近にある霜柱ですが、実は微妙なバランスの上で出来ているのはご存じでしょうか。通常、地表が0℃以下でも、地中は0℃以上といった条件が必要です。地表が0℃以下になると地表は凍りますが、土の中が0℃以上で湿っている場合、毛細管現象(水などが管の内側を上昇しようとする現象)により地中の水分が吸い上げられます。その水分は地表付近で凍りますが、再び地中より水分が供給されます。この繰り返しにより縦長の氷柱が成長し、霜柱が形成されるわけです。
四季の空から落とされる“落し物”を探して拾い集めてみるのも、なかなか乙なものです。

四季『空』熟語

◎迂疎空闊 (うそくうかつ)
…持っているものがざっくりとし過ぎていて、用に足りない様子。
◎海闊天空 (かいかつてんくう)
…地平線の果てにまで広がる大海原や、天高くにまで突き抜ける大空のように、寛容でさらっとした性格。
◎空空寂寂 (くうくうじゃくじゃく)
…白々としていて、静々としている心の状態。すっぽりと穴が空いたように、何もなくひそやかな様。
◎空空漠漠 (くうくうばくばく)
…焦点が定まらないほどに、延々で広大な様子。あまりに果てしなく、ぼやけている状態。
◎空前絶後 (くうぜんぜつご)
…以前にも見たことがなく、今後も見ることがないであろう貴重な事例。滅多に起こりえない珍しい出来事。
◎空即是色 (くうそくぜしき)
…この世に存在する全てのものの本質は空虚であり、それによって成立しているということ。
◎空中楼閣 (くうちゅうのろうかく)
…海にユラユラと浮かぶスカイスクレーパーの蜃気楼のように、いくら立派でも所詮は実態がなく空想的なもの。また、非現実的な考え方。
◎空理空論 (くうりくうろん)
…いくら美しい花瓶でも底が抜けていたらその役割を果たさないように、立派でも非現実的で全く意味を成さない考え方。
◎十室九空 ( じっしつきゅうくう)
…十戸のうち九戸が空き家となるほどに、活気が枯れ果て寂れてしまっている状態。
◎万里一空 (ばんりいっくう)
…遥か彼方にまで広がる世界でも、同じ空のもとに存在しているという考え方。また、見定めた一つの目標に向かって、どこまでもひたむきに力を尽くすこと。

四季『空』なウェザーアロマ

キンキンに冷えた空から落とされる寒気玉が、肩に重くのしかかる厳しい冬のど真ん中。暦の上でも「大寒」を向かえ、これから立春の頃までの期間が、一年で最も寒い時季といわれます。
そんな冷空から勢いよく落とされる寒気玉とともに、毎年この時季にきまって落とされるものが1つあります。それは受験という試練です。受験生の皆さんは、突き刺さる寒さとプレッシャーに追い立てられながらも、身を奮い立たせながら頑張っていることと思います。今回はそんな皆さんに、細やかではございますが、私からちょっぴりウェザーアロマなご提案をさせていただきたいと思います。この時季の厳しい寒さや酷い乾燥、人ごみにより蔓延するウィルスにも負けないための精油、そして、いざという時の集中力アップにも期待できるような精油を使用した合格祈願の御守を作成して、頑張る受験生にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
また、その御守と同じ香りを、普段から時々お部屋に漂わせておくと、緊張する試験会場で御守の香りを嗅いだ時、慣れ親しんだいつもの香りに包まれることで、自分の部屋にいるような落ち着いた雰囲気で、試験にのぞめるといったメリットも考えられます。
ただし、御守に付ける香りはほどほどに。周囲の迷惑になっては困りますし、何より本人が気分悪くなってしまっては、元も子もなくなりかねませんので。また、日々の体調によって香りの感じ方は変化しますし、香りの好みもありますので、その点も十分考慮した上、身体に負担のかからない範囲で使用しましょう。

迫りくる敵を打ち破れ!合格祈願のアロマ御守!! 

[使用材料] 
・メッセージカード(小) 1枚 
・封筒 1枚 
・ムエット 2枚 
・リボン 1本
・精油 <レモン1滴・バジル1滴>
レモン
(^-^)…目が覚めるほどのフレッシュ感が、キリッと弾けるシトラスの香り。うす笑いを浮かべて近づくウィルスから、優れた殺菌力で守ってくれる精油。免疫力を高めて、感染症予防に力を貸してくれる。キリリとした香りで、疲れて落ち込みがちな集中力も持ち上げてくれる精油。
バジル
(^-^)…スパイシーでスッキリとしたグリーンハーブの香りの中に、ほのかな甘さも漂わせる香り。モヤモヤした頭の中をクリアにして、集中力を取り戻してくれる精油。殺菌作用にも期待大で、風邪の季節に活躍してくれる精油。
[作成手順]
① 手に付かないよう注意しながら、ムエットに精油を1滴垂らす。
② カードにメッセージなどを書き込んだら穴を開け、リボンで飾って御守を作る。
③ ムエットにしっかりと精油が染み込んだら、御守りとともに封筒へ入れ、封をして香りを移す。
※御守の香りを楽しみながら、集中力や免疫力のアップに役立てる。
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控えること。
・喘息や咳などがみられる場合は行わないこと。
・体調が優れず、香りに敏感な時は使用を控えること。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2015.01.31掲載

続・お天気香るコラム

Vol.16

2014.11.10

~秋の「風」景 編~

~ 秋の「風」景 編 ~ 『秋風』ばなし

秋になると、大陸で生まれ育った低温で乾燥した高気圧が周期的に訪れ、日本付近を広く覆うようになります。そんな移動性高気圧の馬にまたがって清涼な秋風もやって来ます。私たちの柔らかな秋心に、ヒンヤリ、サラリと吹きつけるようになるのです。
キンモクセイの香りを乗せる秋風やコオロギの音色を転がす秋風。ススキの柔穂を撫でる秋風にコスモスの彩りをすり抜ける秋風。そして、月見の鏡酒を揺らす秋風。それにしても、秋風は私たちをなんてセンチメンタルな気持ちにさせることでしょう。
熱気を帯びる命の香りと響き渡る命の歌声。火傷しそうな命の感触に眩しい命の彩り。そして、エネルギー溢れる命の風味。大空に大きく手を広げて全てをさらけ出し、命に満ち満ちていた夏の日の自然。そんな自然が夏に後ろ髪を引かれながらも、命の煌めきが吹き出す窓をゆっくりと閉ざしていくのと同時に、私たちの開放的になっていた心の窓も緩やかに閉ざしていくと、私たちは何とも言えない秋の切ない気分に浸されることになるのです。私たち人は自然と共鳴しながら、密接な繋がりをもって存在しており、自然の中で生かされているのだと感じるのは、私だけではないはずです。
自然の営みと共に進みゆく季節の移ろい。季節の移ろいの中で繰り広げられる天気の変化。天気の変化によって生じる私たちの心身の不調。そんな自然と深く繋がる私たちの心と身体の悩みを、同じ自然の力であるアロマテラピーでケアすることに、改めてウェザーアロマの意味を考えるセンチメンタルな秋の夜長です。

『秋風』ことば

◎いなさ…湿気をたっぷりと含んだ、ムワムワと生暖かい南東風。南東から強く吹き付ける、台風にともなう暖湿気。南東を“辰巳”の方角とすることから、「辰巳風」と呼ぶこともある。
◎芋嵐(いもあらし)…大空に掲げる里芋の大葉を、大きく揺らすほどの大きな秋風。
◎色無き風…もの寂しく暮れていく心の情景に吹き渡る秋風。華やかさを忘れた秋の風。そもそも「五行思想」で秋を“白”と位置づけていることから、“色無き”風とされたといわれる。
◎萩風(はぎかぜ)…さり気ない微笑みが魅力的な萩を、いたずらにくすぐる秋の風。
◎雁渡(かりわたし)…秋の始めに雁列を乗せながら吹き寄せる、北よりの冷たい風。
◎黍嵐(きびあらし)…黄金色に垂れ下がった黍の“尾穂”をユラユラと揺する、秋の強風。
◎金風(きんぷう)…秋を吹き渡る風、または西から吹き寄せる風。「五行思想」における万物を構成する「木・火・土・金・水」のうちの“金”を“秋・西”と位置づけていることに由来する。
◎葛の裏風(くずのうらかぜ)…葛葉の白肌をくすぐるお茶目な秋風。葛の葉裏は白いファンデーションを施し、化粧をしているようにも見える。葉裏の“白”色が、五行思想における“秋”とも繋がる風であるともいえる。
◎木枯らし・凩・木嵐(こがらし)…沈みゆく秋の上で、木を枯らすかの如く吹き付ける、冷え冷えとした強風。
※“木枯らし1号”…10月後半<晩秋>~11月末日<初冬>までの期間内で、西高東低の冬型の気圧配置により、最初に吹く風速8m/s以上の北寄り(西北西~北)の気温を低下させる風。
◎野分(のわき・のわけ)<野分の風(のわきのかぜ)>…野原を一心不乱にかき分けながら疾走する風。立春から数えて二百十日、または二百二十日頃、野原に吹き荒れる台風もしくは暴風。
◎【悲風(ひふう)】…次第に空っぽになっていく風と、小さく穴が空いていく心。そんな秋の心に沁みる、悲しげな秋の風。
◎【律の風(りつのかぜ)】…温もりを欲しがるようになった秋の心に、冷たく吹き付ける枯れかけた秋の風。切ない秋の心を切りつける風。

『秋風』なウェザーアロマ

最近では随分と認知されるようになってきましたが、春だけでなく秋にも花粉症はあります。春の花粉症は、スギやヒノキなどの木本類の花粉によるものが多いですが、秋の花粉症はブタクサ<キク科>、セイタカアワダチソウ<キク科>、ヨモギ<キク科>、カナムグラ<アサ科>といった草本類の花粉によるものが多く見られます。種類によって多少違ってきますが、一般的に9月~10月ころが秋の花粉症のピークになります。ただし、11月に入っても決して油断はできません。
さらに秋のこの時季は、夏に増殖したダニなどの害虫が一生を終えて乾燥した死骸となり、ハウスダストの一部となって多量に飛散する時季でもあります。
実は、秋晴れのカラッとした空気に包まれて、気持ちよく秋風が吹くような日ほど、花粉やハウスダストなどは舞いやすくなり、それらを吸い込んでしまうと、私たちはアレルギー反応を引き起こしてしまうといったわけです。
花粉症やハウスダストなどによるこのような秋の日のお悩みには、まずは掃除機や空気清浄器などを使用して原因となる物質を取り除くことがもちろん先決ですが、抗アレルギーや免疫力アップ、リラックス&リフレッシュなどの作用に期待できる精油(ティートゥリー、ローズマリーなど)を使用した芳香浴や入浴などで、心身をケアしてあげるのもよろしいのではないでしょうか。
また、ハーブティーを入れて、ゆったりとティータイムを過ごしていただくのもよろしいかと思います。アレルギーにともなう身体的な苦痛を和らげるとともに、気分的にも楽にしてくれるはずです。今回は少し趣向を変えて、そんなハーブティーをご紹介しましょう。精油は使用しません。
※ハーブティーに精油を入れるようなことは絶対にしないでください!精油の飲用は厳禁です!!

サッパリ&スッキリなハーブティーで、リフレッシュ&リラックスなティータイム

[使用材料] 
・ドライハーブ<レモンバームorペパーミントなど(1人前=小さじ1を目安に)>
※ドライハーブは紅茶などとブレンドすると飲みやすくなる。(紅茶:ドライハーブ=8:2を目安に)
・ティーポット ・ティーカップ ・ティーストレーナー・
・お湯

レモンバーム<ドライハーブ> 
(^-^)…鼻をくすぐるフレッシュなレモン香が心地いい、爽やかでクセの少ない風味。不安定化した心を落ち着かせてくれたり、アレルギー反応を緩和する働きや、心身を活性化させる働きも持つといわれるハーブ。
ペパーミント<ドライハーブ>
(^-^)…キレのあるメントールの清涼感が気持ちいい、雑味のないシャープな風味。心身の賦活化や、花粉症などによる鼻づまり、頭痛の緩和などに力を発揮してくれるハーブ。

[作成手順]
① ティーポットとティーカップにお湯を注ぎ、温まったらお湯を捨てる。
② ティーポットにドライハーブを入れ、熱湯を注いで蓋をしたら3~4分蒸らす。
③ ティーストレーナーをセットしてティーカップにハーブティーを注ぐ。(お好みでハチミツや砂糖、ミルクなどを加えてもよい。)

[要注意!!]
ハーブティーに精油を入れるようなことは絶対にしないでください!精油の飲用は厳禁です!!
[使用上の注意]
・妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方、持病をお持ちの方、通院している方、薬を服用している方などは、ハーブティーの飲用に十分な注意が必要である。医療機関で事前に確認し、場合によっては飲用を控えること。
・ハーブティーに精油を入れるようなことは絶対にしない!精油の飲用は厳禁!!
・異常を感じた時は即飲用を中止すること。(必要があれば医師の診察を受ける。)
・適量を飲用し、多量に摂取しないこと。(1日に数回程度)
・ハーブティーは薬ではないため、体調不良の際は医師の診察を優先する。
・衣服などへの色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・火気、火傷などに注意する。・自己責任の原則で行うこと。

2014.11.10掲載

続・お天気香るコラム

Vol.15

2014.10.24

~秋の「雲」景 編~

~ 秋の「雲」景 編 ~ 『秋雲』ばなし

「天高く馬肥ゆる秋」。秋は突き抜ける青空の彼方に、さりげなくアートな雲たちを浮かべる粋な季節。そんな高き天上にて穏やかにたたずむ雲たちですが、実はたくさんの氷の粒を敷き詰めて作られています。ときおり、そのちっちゃな氷の雲粒に光が奇跡を与えると、雲が神秘的な虹色の輝きを放つことがあります。これが、いわゆる“暈”や“彩雲”などと呼ばれる大気の光学現象です。
ちなみに、暈<別名…ハロ・白虹など>とは、空高くに薄っぺらで透けた雲(氷晶の雲粒の集まり)が広がった時に、太陽や月の周りを取り囲むように浮かび上がる、虹色を乗せた光のリングのことです。太陽にかかる暈を“日暈”、月にかかる暈を“月暈”と呼んでいます。暈は巻雲や巻積雲、巻層雲によるものが多いとされ、氷晶の雲粒を光が通り抜けようとする際に屈折(光の波が進行方向を変えられる現象)したり、反射(光がぶつかって跳ね返される現象)したりすることで発生します。つまり、雲粒がプリズムの役割を果たすわけです。
一方、彩雲<別名…瑞雲・慶雲・景雲・紫雲・五雲など>とは、太陽の目の前を雲が横切って流れていく時に、その雲が虹色に彩られて浮かび上がる現象をいいます。彩雲は巻積雲や高積雲に多く見られるとされ、氷晶や水滴などの雲粒に光が差しこんだ際に回析(光が回り込む現象)したり、干渉(光の波が合わさる現象)したりすることで発生します。幸せを運ぶといわれる雲です。
高き空の峰を漂う雲が多くなるこの季節は、このような幻想的な現象の発生が多い季節ともいえるわけです。
秋はセンチメンタルな気分にさせる季節といわれますが、柔らかに微笑む秋雲たちは、私たちをいつもより少しだけ優しい気持ちにもさせてくれます。また、ときには七色の幸せを私たちに運んでくれる、そんな季節でもあるのです。

『秋雲』ことば

◎赤雲(あかぐも・せきうん)…日のエネルギーを飲み込んで、赤々と染まる雲
◎紅雲(こううん)…太陽の光彩を吸い込んで、紅色が滲み出す雲。
◎絳雲(こううん)…あかい色を乗せて漂う雲。「絳」は、あかい色を示す。
◎茜雲(あかねぐも)…太陽が瞼を開ける早朝や、瞼を閉じる夕暮れに浮かび上がる茜色の雲。
◎暮雲(ぼうん)…家路を急ぐカラスたちを、静かに見送る深紅の雲
◎夕映雲(ゆうばえぐも)…夕陽の煌めきをまとった華麗な雲。
◎夕焼雲(ゆうやけぐも)…夕焼け空に腰かける、ちょっぴり胸を焦がすセンチメンタルな雲。
◎黄金雲(こがねぐも)…日の出と日の入の瞬間が彩る、黄金色の雲。
◎黄雲(こううん)…秋の陽光から溢れ出す芳醇な輝きを振りかけた黄色い雲。または、こうべを垂れて豊かに揺れる一面の稲穂を、優雅に漂う雲にたとえた言葉。
◎稲葉の雲(いなばのくも)…黄金の水田を風が渡る様を、緩やかに浮かぶ雲にたとえていった言葉。
◎秋雲(あきぐも・しゅううん)…そびえ立つ秋の清爽な青空に、さり気なく、そして儚く流れる雲。
◎巻雲(けんうん・まきぐも)…小さな吐息でもすぐに何処かへ飛んで行ってしまいそうな、とてもしなやかで華奢な姿が魅力的な雲。羽毛のように繊細な雲。学名を「シーラス(巻き毛)」と呼ぶ。
<巻雲の俗称>筋雲(すじぐも)・篠雲(すじぐも)・絹雲(きぬぐも・けんうん)・刷毛雲(はけぐも)・シラス雲(しらすぐも)・雨知らす(あめしらす)・掠雲(かすりぐも)・羽根雲(はねぐも)・巻き毛雲(まきげぐも)・繊雲(せんうん・ちりぐも)
◎巻積雲(けんせきうん)…空一面に散らかしたかのように浮かぶ、小さめな斑点状の雲。鰯の大群に例えられたり、魚の鱗や鯖の背の模様に見立てられたりする雲。
<巻積雲の俗称>鰯雲(いわしぐも)・鱗雲(うろこぐも)・鯖雲(さばぐも)
◎巻層雲(けんそううん)…青空に霞をかけて幻想的な世界を演出する、白くて薄いオブラートのような雲。
<巻層雲の俗称>淡雲(あわぐも)・薄雲(うすぐも)
◎高積雲(こうせきうん)…大空にばら撒いたように浮かぶ、やや大きめな斑点状の雲。ときには、列状に並んで浮かぶこともある。羊の群れが押し寄せてくる様子に例えられたりする雲。
<高積雲の俗称>羊雲(ひつじぐも・よううん)
◎時雨雲(しぐれぐも)…秋と冬の境界線で、冷たい時雨を降らせる雲。また、今にも時雨を呼び込みそうな雲。※時雨→気ままに降ったり止んだりする雨。
◎野分雲(のわきぐも・のわけぐも)…立春から数えて二百十日や二百二十日頃、野原に吹き荒れる台風などの大風を運んでくる雲。または、大風でちぎれ飛んだ雲片。

『秋雲』なウェザーアロマ

この季節、上空はジェット気流の影響などで巻雲を始めとした秋雲が行きかうことはあっても、地上付近は大陸由来の乾燥した移動性高気圧に覆われるなどするため、比較的カラッと晴れることが多く、雲はあまり成長しません。秋の代名詞である巻雲の“サラサラ”とした質感と同様に、体感的にもサラサラと過ごしやすいお天気になります。
とはいえ、次第に“カサカサ”が忍び寄る季節でもあります。お肌や唇、喉などが荒れて炎症を起こしやすくなり、油断すると大きなダメージへと繋がる恐れもあるのです。
アロマテラピーで使用する精油には、スキンケアに力を発揮してくれるものが数多く存在します。皮膚を柔らくし細胞の成長を促進させ張りを保つことで、しわやたるみをできにくくしたり、乾燥などにより引き起こされがちな肌荒れを改善してくれたり、様々な嬉しい働きをもっています。今回は、そんな嬉しい働きに期待して、乾いた秋空の下で悲鳴を上げ始める肌に潤いを補給してくれる、ウェザーアロマ的スキンローションを作成してみましょう。

荒れがちなお肌に寄り添う、しっとり癒し系スキンローション

[使用材料] 
・フローラルウォーター<ローズウォーター> 45ml
・グリセリン 5ml
・精油 2滴<ネロリ1滴、サンダルウッド1滴>

ネロリ 
(^-^)…ほのかにシトラス系のフレッシュ感も漂わせる、清楚なフローラルの香り。肌を生き生きと健康に保って張りを与えてくれる、スキンケアに抜群の力を発揮する精油。また、カサつきが気になる心もしっとりと潤し、ゆったりと気持ちを安定させてくれる。
サンダルウッド
(^-^)…心の底にまで染み渡るような、深く落ち着いた白檀の香り。乾燥などによって炎症を引き起こした肌を、優しく包み込んで改善に導いてくれる精油。また、荒れてしまった心も温かく包み込んで、穏やかに鎮めてくれる。

[作成手順]
①計量スプーンなどでグリセリンを量り、ビーカーに入れる。
② ①に精油を垂らし、ガラス棒で撹拌。さらにフローラルウォーターを加え、よくかき混ぜる。
③ 遮光ガラススプレー瓶に移し、ラベル(作成日、レシピなど記入)を貼る。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者・病的な鬱などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控える。
・よく振ってから使用。
・適宜、換気を行いながら作業すること。
・精油は目や口に入れないこと。
・敏感な部位、炎症が酷い部位・傷口などへの使用は控える。あらかじめ少量で試めすこと。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は、即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・衣服などへの色や香りの染みつき、汚れ、変質には十分注意すること。
・高温多湿を避けた冷暗所で保存。使用期限は約1~2週間程度。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2014.10.24掲載

続・お天気香るコラム

Vol.14

2014.10.10

~秋の「香」景 編~

~ 秋の「香」景 編 ~ 『秋香』ばなし

高々と響き渡る青が気持ちいい空の下、ふと車を走らせる休日の午後。少しだけ口を広げた車窓が吸い込むサララな風が、ポケットの中にこっそりと隠し持つ金木犀色した甘い香粒。鼻の奥でほのかに揺れ始める香煙。くすぐられる遠い記憶。次第に蘇る切ない思い出の裏側で、しっとりと染み渡る金木犀色の優しい気持ち。気が付けば太陽の頬まで金木犀色に染められて。温もりに包まれながら暮れてゆく、ある秋の一日。秋は金木犀の香りに彩られながら、ゆっくりと膨らんでいく季節です。
実はそんな金木犀にも精油が存在し、流通しているのはご存じでしょうか。ただし、ちょっぴり高価なレア精油になります。この金木犀の精油に含有される代表的な成分として挙げられるのが、リナロールやゲラニオールといった、いわゆるモノテルペンアルコール類に分類されるものです。これらの成分においては、比較的毒性が低いといわれています。ただし、その他に混在している成分の中には、ケトン類やフェノール類など刺激が強い成分も含まれておりますので、使用する際には使用用量や使用方法などにおいて、十分な注意が必要となります。
ちなみに、このリナロールやゲラニオール<モノテルペンアルコール類>といった成分を同じく含有する精油としては、ラベンダーやゼラニウム、ネロリやローズウッドなどが挙げられます。

『秋香』ことば

◎虫すだく(むしすだく)…様々な楽器を手にした虫たちが集まり、音色を香らせる秋のオーケストラ。
◎そぞろ寒(そぞろざむ)…染み入る秋の風景で揺れる、ちょっぴり寂しげな香り。そんな秋香が運ぶ肌寒さ。
◎うそ寒(うそざむ)…秋を深める香りに、ぼんやりと感じるようになる小さな寒さ。
◎菊日和(きくびより)…菊の花に優しく微笑みかける、秋の太陽。緩やかに香る秋晴れ。
◎秋麗(しゅうれい)…時がゆっくりと滑るようにして流れていく、柔らかな日差しが香る秋の表情。
◎つるべ落とし(つるべおとし)…まるで井戸に落とされる“釣瓶”の如く、真っ直ぐに勢いよく落ちてゆく少し焦げ臭い夕日。あっという間に暮れてしまう秋の夕刻。
◎山粧う(やまよそおう)…鮮やかな紅葉がヒラヒラと揺れるドレスでお洒落に着飾った、喜び香る秋の山々。
◎野山の錦(のやまのにしき)…紅や黄の彩葉で織り上げられた、華やかに香る錦で飾られる秋の野山。
◎火恋し(ひこいし)…紅葉の温かな灯が消えゆくにしたがって、炎の温もりが恋しくなること。
◎秋の七草(あきのななくさ)…柔風にさり気なく揺れる、秋を代表する七種の草花。「ハギ、キキョウ、クズ、フジバカマ、オミナエシ、ススキ(オバナ)、ナデシコ、秋の七草。」※五・七・五・七・七の調子で覚える。
◎金木犀(きんもくせい)…甘い小花の囁きが日本人の心をくすぐり、秋の深まりを告げる木。中国原産の橙色の花玉をつける常緑性樹木。いわゆる三大香木<ジンチョウゲ、クチナシ、キンモクセイ>の一つ。
◎秋刀魚(さんま)…夕暮れの赤い空を泳ぎ出す秋刀魚の香りは、まさに秋の香り。刀に似た形状で、秋に旬を迎える代表的な魚であることなどから当てられた名前。
◎秋桜(こすもす)…秋桜を優しく撫でて微かにピンク色に染まった風は、私たちに秋香を運んでくれる。桜の花のような色や形をしていることや、密集して花を咲かせることなどから当てられた名前。
◎鰍(かじか)…「鰍」は中国では“ドジョウ”を意味するといわれる。“カジカ”も“ドジョウ”と同様に水底をはうように泳ぎ回り、また“カジカ”は秋が旬の魚でもあることから、魚へんに秋で「鰍」とされる。
◎秋茄子(あきなす)…秋の日に実をぶら下げる茄子。幸せがふくよかに香る秋の味覚の代表選手。
◎秋新(あきしん)…秋に収穫される新蕎麦のこと。秋の陽光のように芳醇で、秋のそよ風のように爽やかで、秋の紅葉のような上品さを香らせる秋蕎麦。
◎銀杏(ぎんなん)…ほのかな苦みが秋の深まりを香らせるイチョウの実。
◎松茸(まつたけ)…しなやかで上品な香りをふりまく、まさに秋香の代名詞的存在のきのこ。

『秋香』なウェザーアロマ

金木犀の精油に含まれるリナロールやゲラニオールなどを始めとしたモノテルペンアルコール類に分類される成分は、抗菌、抗ウィルス、抗真菌、抗感染、免疫力強化などといった作用に期待することができます。
秋は、お天気の変化が非常に大きい季節。油断して免疫力を落としがちな季節。さらに、蒸し暑い夏の空気とは正反対ともいえる、乾燥した涼しい秋の空気が運び込まれるようになると、呼吸器系などの粘膜に炎症を起こしやすくなったり、活動を低下させるようなことにもなります。つまりは、侵入者に対抗する粘膜の防御壁が崩れ始めることで、体内にウィルスなどの厄介者が入り込みやすい状態になるわけです。また、低温や乾燥の環境下ではウィルスが長生きする傾向もあります。そのうえ、乾燥した空気中ではウィルスが拡散しやすくなるとも考えられるのです。
そこで今回は、秋風邪から身を守るためのウェザーアロマをご紹介しましょう。抗感染作用に力を発揮してくれる、モノテルペンアルコール類を含んだ精油の皆さまのお力を借りながら、乾きがちな空間と心身を優しく潤してみませんか。

抗菌ベールでしっとり包み込む、アロマエアクリーナー

[使用材料] 
・ディフューザー 1機
・精油 <ラバンジン3滴・ゼラニウム2滴> ※滴数は各機器の取扱い説明書に準ずる。

ラバンジン 
(^-^)…お花の甘さに抱かれてリラックスする香りというよりも、どちらかというとキレのある大人な甘さで、気持ちをリセットするようなフローラルの香り。一般的に真正ラベンダーよりもリナロールの含有量が多いため、より抗感染作用に期待ができる精油。
ゼラニウム
(^-^)…ほのかに青みが残るバラのような香り。ゲラニオールやリナロール、シトロネロールなど、バラの精油の構成成分と似ているため、バラに似た香りを放つともいえる。主要成分としてモノテルペンアルコール類を含有するため、抗感染作用にも力を発揮する精油。

[作成手順]
① ディフューザーをセットして、精油を垂らす。
② 空間に精油の香りを拡散させると同時に、ミストにより適度な湿りも保つ。
③ 清潔で潤いある香りの空間に身を浸し、風邪を引かないよう心がける。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・適度な換気を心掛け、長時間使用は控えること。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。


2014.10.10掲載

続・お天気香るコラム

Vol.13

2014.09.30

~秋の「雨」景 編~

~ 秋の「雨」景 編 ~ 『秋雨』ばなし

思わず落とした太平洋高気圧の溜め息がコロリと空に転がって、夏の青が少しずつ色あせ始める夏の終わり。一方で、さりげなく落とした移動性高気圧の吐息がユラリと偏西風に乗っかって、ちょっぴりかすれた秋の青へ滑り込む秋の始まり。そんな季節の出入り口で、ふたつの高気圧が落とす毛色の違う息が出会うとき、そこに秋の潤いが生み落とされるのです。日本列島はその狭間で埋もれるように横たわり、その雫にシットリと濡れるのです。
情熱的でちょっぴり暑苦しい性格の高気圧、海洋生まれの太平洋高気圧<小笠原気団>。冷静でちょっぴりそっけない高気圧、大陸生まれの移動性高気圧<揚子江気団>。基本的には、この生まれも性格も全く違うふたつの空気塊が南北でぶつかり合うと、前線と呼ばれる境界線が形成されて雨を降らせることになるわけです。この前線こそがいわゆる秋雨前線であり、日本付近に停滞するようになると、シトシトと降り続く秋の長雨になるのです。そんな秋雨ですが、普段は派手に雨を撒き散らすわけではありませんし、わがままに雨をもたらすわけでもないのですが、日本付近に怪しく近づいてくる台風や、まだ力を残した太平洋高気圧からの暖かく湿った空気が流れ込むと、その刺激を受けて大雨を降らせることもあるので、その表情には要注意です。

『秋雨』ことば

◎秋小雨(あきこさめ)
…ささらささらと秋の始まりを撫でるように濡らす小さな雨。
◎秋霖(しゅうりん)<秋霖雨(しゅうりんう)・秋の霖雨(あきのりんう)>
…秋の入口で寝そべるように“霖々”と降り続く雨。しとしとと降り続ける秋の長雨。
◎秋湿(あきしめり)
…秋を緩やかに濡らす長雨。または、しっとりと濡れた秋がちょっぴり震えるような肌寒い天気。
◎蕭雨(しょうう)
…少しかすれた秋の景色に降り注ぐ、ちょっぴり寂しげな表情のしとしと雨。
◎八月爛(はちがつただれ)
…熱く燃え上がった真夏の記憶に蓋をするかの如く、陰暦8月をつらつらと濡らす長雨。
◎冷雨(れいう)<寒雨(かんう)>
…暮れゆく秋に落ちるひんやりとした雨。色づいた葉に艶を乗せるクールな雨。
◎時雨(しぐれ)・時の雨(ときのあめ)・時知る雨(ときしるあめ)・秋時雨(あきしぐれ)
…秋と冬の交差点で、わがままに落とされる雨。降ったり止んだりする気まぐれな雨。または、今にも時雨が降りてきそうな曇り空。
・天の時雨(あまのしぐれ)
…天空から降り注ぐ、ちょっぴりセンチメンタルな時雨。
・磯時雨(いそしぐれ)
…色を無くした波打ち際で、しゃららと鳴きながら降る時雨。
・掻時雨(かきしぐれ・かきしぐる)
…空一面を掻きむしり、時雨を降らせること。空の色がくすんで、時雨が落ちてきそうな空模様。
・笠時雨(かさしぐれ)
…旅人の笠に打ちつける、いたずらな時雨。
・片時雨(かたしぐれ)
…片一方を黒い時雨が濡らし、もう一方を白い日が照らす、モノクロームな空模様。
・北時雨(きたしぐれ)
冬の到来を告げるかの如く、北風に乗ってやって来る冷たい時雨。
・月時雨(つきしぐれ)
…一時の間、時雨の薄いベールが月夜をぼんやりと覆う幻想的な空。
・露時雨(つゆしぐれ)
…野原に転がる露の玉が、時雨が通り過ぎていった後のように見えること。また、露と時雨、秋の時雨の意も。
・群時雨・叢時雨・村時雨(むらしぐれ)
…力強く雨を吐き出したかと思いきや、大きく雨雲を吸い込んで晴れ間を覗かせるといった状態を繰り返す、初冬の空模様。
・彌時雨(やよしぐれ)
…繰り返し通り過ぎてゆく時雨。
・横時雨(よこしぐれ)
…強い横風に促されて、脇から打ちつけるように降る時雨。
・宵の時雨(よいのしぐれ)
…夕暮れ時に落とされる時雨。
・夜時雨(よしぐれ)
…夜の闇を濡らす時雨。“宵の時雨”よりも遅い時間帯にさらっと降る時雨。
・液雨(えきう)
…立冬の後10日間を“入液”とし、小雪を“出液”とすることから、立冬~小雪頃(陰暦10月頃)に降る時雨のことを指すと考えられる。

『秋雨』なウェザーアロマ

夏と秋の境界線。どんよりと低く沈み込む空の下。さわさわと降り注ぐまだ微熱が残る雨。そして、同時に私たちの心身にも降り注ぐ様々な体調不良。
心配なのは、秋の長雨で青空に蓋をされることで、光を十分に浴びることが出来なくなると、心にまで蓋がされてしまい、精神的な落ち込みや倦怠感などを発生させるといったことです。また、太陽による昇温が抑制されることで、本来保持されている日中における私たちの体温上昇と、地上の気温上昇との共鳴リズムが崩れてしまうと、体内のバランスも崩壊し体調不良を引き起こしやすくなります。
さらに、日本に近づく機会の多くなったいたずら好きの台風や、いまだ衰えない力こぶを見せつけるパワーを残した太平洋高気圧から、暖かく湿った空気が送り込まれると、夏と秋の境界線、いわゆる秋雨前線を刺激して、普段はおとなしく淡々とした表情を見せる秋雨が豹変し、大雨や雷、突風を振りかざし襲ってくるようなこともあります。そんな気象現象そのものに対する不快感はもちろん、引き起こされる災害などへの不安感や緊張感が大きなストレスとなって溢れ出し、自律神経のバランスを崩してしまうと、不眠や頭痛などとなって現れ、日常生活に支障をきたすこともしばしばです。
ここでは、心身をリフレッシュして重くのしかかるストレスを緩和し、明るく前向きな気持ちを取り戻してくれるようなタイプの精油を選択し、暗い雨空の下でも生活に明かりを上手く取り込むことができるアロマライトを使うことで、秋雨時の体調不良を吹き飛ばしてみませんか。

暗く濡れた心を照らして、明るく晴れた心を取り戻すアロマライト

[使用材料] 
・アロマライト1機
・精油3滴以下<ジャパニーズミント…1滴、グレープフルーツ…1滴>
※滴数などを始めとする使用法に関しては、基本的に各機器の取扱い説明書に準ずる。

ジャパニーズミント 
(^-^)…脳天にまで突き抜けるほどの、冴えわたるクールな爽快感が気持ちいい香り。心と身体に暗く垂れ込めるドヨドヨとした雲を、目の覚めるほどの清涼感で一気に晴らしてくれるストレス解消精油。
グレープフルーツ
(^-^)…光の粒が弾け飛ぶようなフレッシュシトラスの香り。曇った気持ちをリセットさせて、明るさと元気を与えてくれる精油。また、ちょっぴり利かせた苦みがアクセントとなり、冷静さを取り戻させてくれる。

[作成手順]
① アロマライトをセットし、上皿に精油を垂らす。
② 電源を入れ、ライトを点灯させて、精油を温める。
③ 香りを拡散させるとともに光を照射することで、沈んだ心を持ち上げる作用にも期待できる。
※念のため、妊婦や授乳婦、乳幼児への使用は避けた方がよい。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・香りの染みつき、汚れなどには十分注意する。
・適度な換気を心掛け、長時間使用も控える。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2014.09.30掲載

続・お天気香るコラム

Vol.12

2014.09.12

~秋の「空」景 編~

~ 秋の「空」景 編 ~ 『秋空』ばなし

大きくなり過ぎた夏の背中が引きずる影に、少し焦げ臭い哀愁を感じるようになると、次第に秋のスマートな香りが、緩やかに通りを行きかい始めます。ギラギラと三角に尖って痛かった太陽の視線も、サラサラと丸く削ぎ落とされて柔らかくなる季節です。
ドスンと腰を下ろし、大きく高笑いしながら蒸し暑い空気を吹き出していた停滞性の高気圧、夏の太平洋高気圧。この時季になると、さすがに笑い疲れて少しずつ南の方に萎んでいきます。するとその太平洋高気圧の頭の上に、大陸方面から“高気圧玉”と“低気圧玉”がころんころんと交互に転がり込み、日本付近にやってくるようになります。秋空がスッキリと晴れやかな笑顔を振りまいていたかと思いきや、次の瞬間は、ドンヨリと沈んだ表情で涙をにじませ泣きべそをかいているというような、落ち着かない空が浮かぶようになるわけです。よく心変わりしやすいことを、「女心と秋の空」と言ったりしますが、秋空と女心は同じように、コロンコロンと転がりやすいというのです。
ちなみに、「男心と秋の空」とも言われます。実はもともと、男心と秋の空が先行して使われていたようです。現在、日本では男女平等の思想は違和感なく存在していて、“女心”と秋の空としても、違和感なく感じますが、ひと昔前までの男性に対して寛容で、女性に対して厳格であった時代の上では、やはり“男心”と秋の空だったわけです。余談ですが、同じようなシチュエーションにおいてイギリスでは、「女心と冬の風はよく変わる」といった、ことわざを使うそうです。同じようにお天気に例えられるとは、ちょっぴり面白いと思いませんか。

『秋空』ことば

◎秋曇(あきぐもり)…爽やかな笑顔を浮かべる秋の陽射しの裏側で、しっとりとうつむく秋の雲を映した曇り空。
◎秋晴(あきばれ)…清々しい風と光がサラサラと舞い踊る、高く突き抜ける秋の青空。
◎きなけつ…頬を通り過ぎるひんやりとした風に、ちょっぴりドキッとさせられる秋の朝。または、秋の空のこと。
◎金天(きんてん)…中国の五行思想において、万物を組成するといわれる5つの元素、“木・火・土・金・水”。その中の1つである「金」は、秋や西を示すということから、秋の空や西の空を意味する。
◎絳霄(こうしょう)…太陽玉が地平線の奥深くにまで転がり落ち、深い茜色で染め上げる夕暮れの空。つまり、「絳」は赤、「霄」は空を表している。
◎紅天(こうてん)…秋の夕暮れ時、響き渡る太陽の遠吠えが、深紅に染め上げる空。
◎高天(こうてん)…意識を吸い込まれるほどにまで研ぎ澄まされた、透き通った秋の青空。
◎小春空(こはるぞら)…少し肌寒さを感じるようになった秋の尻尾で、小さな春のように暖かくうららかに揺れる空。
◎時雨空(しぐれぞら)<時雨の空(しぐれのそら)>…秋と冬の隙間で小雨が気ままに舞う空。少し冷たさを感じるようになった小雨空。
◎秋陰(しゅういん)…しんみりと沈み込む秋の曇り空。
◎旻天(びんてん・ひんてん)…四季の天を示す四天、“蒼天(そうてん)、昊天(こうてん)、旻天(びんてん・ひんてん)、上天(じょうてん)”。その中で、秋の天、すなわち秋空を指すのが「旻天」。
◎秋昊(しゅうこう)<秋天(しゅうてん)・秋旻(しゅうびん)・秋空(あきぞら)>…サラッと爽やかに澄みわたった秋の空。秋旻の「旻」は空、特に秋の空のことをいう。
◎野分晴(のわきばれ)…野分が大暴れして、秋を目一杯に引っ掻き回していった後、何もなかったかのように広がる青空。「野分」とは、二百十日(9月1日頃)、二百二十日(9月11日頃)ごろに吹き荒れる暴風や台風のことをいう。
◎夕焼空(ゆうやけぞら)…こんがりと香ばしく焼き上がった、心に染みる夕暮れ時の茜空。
◎遼天(りょうてん)…ふと思いを馳せてみたくなるほどに、遥か高くまで突き抜ける青空。

『秋空』なウェザーアロマ

魅力的な美しい秋空にうっかり心を奪われてしまえば、そのコロンコロンと転がる気まぐれな仕草に振り回されて、気が付けば目が回ってしまっていることも。たまにはそんなのもいいですが(?)、やはり心身ともに疲れてしまいそう。
“鈍よりと湿っぽい”秋の日本海低気圧が主役の雨空と、“涼しく乾いた”秋の移動性高気圧が主役の晴空。そして、時に復活する“暖かく湿った”夏の太平洋高気圧が主役の蒸し暑い空と、“激しく濡らす”夏の夕立が主役の雷が鳴く空。様々なタイプの空を楽しみながら、上手に秋の日を過ごせる人はいいのですが、七変化する空になかなか対応できず、心身ともにオーバーヒートしてしまう人がいるのも現実です。自律神経、及びホルモンのバランスが崩れ、体内がきしんで悲鳴を上げると、免疫力の低下などを引き起こして、日々の生活リズムに悪影響を与えることになるのです。
秋の入口でフラフラするお天気によって、ユラユラしてしまう私たちの体調。今回は免疫力アップに期待が持てる精油と、自律神経のアンバランスさを改善してくれる精油を使用して、香りの相性も考慮しながら、心身のバランスを安定化させるウェザーアロマレシピをご紹介しましょう。

フラユラする心身の揺れを、緩やかに鎮める半身浴

[使用材料] 
・精油3滴以下(半身浴の場合) <ローズウッド1滴・ベンゾイン1滴>
※初めて使用する場合、まずは1滴からお試しいただくことをオススメします。

ローズウッド 
(^-^)…幸福感のある華やかな甘さというよりも、安心感のある静かな甘さが特徴的なローズ香が、ほのかに漂うウッディ―系の香り。ストレスをゆったりと鎮め、免疫力をアップさせて、心身の元気を取り戻してくれる精油。
ベンゾイン
(^-^)…バニラのような優しくて温かい甘さが特徴的な樹脂系の香り。コロコロ天気に翻弄されて、凝り固まってしまった神経を柔らかく解きほぐし、心と身体を安らかな世界へといざなってくれる精油。

[作成手順]
① あまり熱すぎない湯を、腰まで浸かれる程度に浴槽へ張る。
② 浴槽の湯に精油を垂らし、よくかき混ぜる。
③ 体が冷える場合は肩にタオルを羽織りながら、ゆったりと入浴する。
※精油が直接肌に付かないように注意しながら作業すること。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控える。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・精油を垂らしたら、よくかき混ぜてから入浴する。
・喘息や咳などがみられる場合は行わない。
・精油は目や口に入れないこと。
・お湯で火傷をしないように注意。
・傷口へは使用しないこと。
・異常を感じた時は即使用を中止し、流水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・浴槽などへの使用について問題はないか、念のため取扱い説明書などで確認しておくこと。
・光毒性の成分が精油に含有される場合、使用後は直射日光などの紫外線に当たらないこと。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・あらかじめパッチテストすること。
・水分補給を心がけること。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2014.09.12 掲載


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