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お天気アロマテラピー

風の記事一覧

続・お天気香るコラム

Vol.25

2015.03.13

~四季の“風”景 編~

~ 四季の“風”景 編 ~ 四季「風」ばなし

四季の風景に強く吹き付ける風で思い起こすのは、やはり夏の風景に浮かぶ台風の大風や、いわゆるゲリラ雷雨時の突風や竜巻、そして、秋の風景を北から駆け降りる、頬をつねるような冷たい木枯し、さらには、冬の西高東低の風景を渡る、身を切るような冷えた北風といったところでしょうか。実は、春も思いのほか風が強まる時季だったりします。「春風」などと聞くと、穏やかに優しく頬を撫でる春の風をイメージしたりもしますが、南から勢いよく突き上げる、「春一番」と呼ばれるパワフルな暖風もあるように、春は油断すると強い風に足元をすくわれがちな季節なのです。
普段皆さんがよく耳にされていても、実は知っているようで知られていないのが、風の強さに関する用語です。例えば、「風速」、「最大風速」、「瞬間風速」、「最大瞬間風速」といった語句の実態です。一般的に、風速とは“10分間の平均風速”、最大風速とは“10分間の平均風速の最大値”、瞬間風速とは“0.25秒間隔で測定される値を3秒間平均した値”、最大瞬間風速とは“瞬間風速の最大値”と定められており、秒速(m/s)で表しています。
また、風の強さを「やや強い風」、「強い風」、「非常に強い風」、「猛烈な風」などと表現しますが、これにも実は基準があります。基本的には、やや強い風を“風速10m/s以上15m/s未満”、強い風を“15m/s以上20m/s未満”、非常に強い風は“風速20m/s以上30m/s未満”、猛烈な風を“30m/s以上(または最大瞬間風速で50m/s以上)”としています。
ちなみに、台風の「強風域」とは“台風周辺で平均風速が15m/s以上の風が吹いている、もしくは吹く可能性がある領域”、「暴風域」とは“台風周辺で平均風速25m/s以上の風が吹いている、もしくは吹く可能性がある領域”を示しています。
季節を吹き抜けていく風の強さ一つとっても、実はちょっぴり奥が深いのです。

四字「風」熟語

◎順風満帆(じゅんぷうまんぱん)
…大きな帆で目一杯に風を掴みとり、船が意気揚々と進み行くさま。頼もしい追い風を背中に受けて、力強く快調に前進すること。
◎馬耳東風(ばじとうふう)
…外から吹きつける厳しい意見や批判の向かい風にも、我関せずと気に留めないこと。春風の訪れに人が春を愛でるのに対して、馬は春風が耳を撫でても無関心であることから。「馬の耳に念仏」、「馬の耳に風」。
◎疾風勁草(しっぷうけいそう)
…その人の根本に潜んでいる真の強さは、真の厳しさにさらされてこそ浮き彫りになるということ。荒れ狂う激風に巻きつかれることによって、初めてどれが生命力に満ちた力強い草かが分かることから。
◎風光明媚(ふうこうめいび)
…目の前に落とされる自然のパノラマに、清らかな優美さが見られること。「風光」は風景、光景。「明媚」は優雅に美しくたたずむさま。
◎風林火山(ふうりんかざん)
それぞれの状況を見極めながら打ち出される対処法。軍を有効に動かすために掲げられた4つのポリシーから。「はやきこと風の如く、しずかなること林の如く、しんりゃくすること火の如く、うごかざること山の如し」の略語。
◎風声鶴唳(ふうせいかくれい)
…風の細い口笛や鶴の細い鳴声にさえ怯えて震えるように、どんな些細なことでも怖がって、足がすくんでしまうこと。
◎花鳥風月(かちょうふうげつ)
…季節の移ろいの中で、自然が浮かべる様々な美しい表情。四季が織りなす、自然の風雅な景色。風流な様子。
◎台風一過(たいふういっか)
…台風が空を丸洗いしていったかのように、澄みわたる青空が一面に広がること。
◎秋風索寞(しゅう ふうさくばく)
…色を失くし始めた心を、秋風がヒュルリとすり抜けて、次第に寂しさが膨らみ、心が萎んでいくようなさま。上向きの矢印が下向きへと変わり、ちょっぴり寂寥感(セキリョウカン)が漂う様子。
◎春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)
…春風がフワフワと緩やかに泳ぐ様子。温かくて丸みのある空気感を漂わせるさま。

四季「風」なウェザーアロマ

強風が吹くような日には、やはり呼吸器系の不調が気になります。冬は冷たく乾燥した北よりの強風、「からっ風」が吹き降ろすことによって、呼吸器系に悪影響を与えることがあります。その上、インフルエンザを始めとしたウィルスが生存しやすい環境を作ってしまうことで、状況はさらに悪化してしまうのです。
ようやく、インフルエンザウィルスなどの猛威から解放される春になっても、発達しながら日本付近を通過していく低気圧に向かって駆け上る南風、「春一番」が気温や気圧、湿度の急変をもたらすため、呼吸器系へ悪影響を与え、加えて空気中にスギ花粉や砂塵、ハウスダストなどを巻き上げることで、さらなる炎症を起こしてしまうこともあります。
そして、夏になって「台風」がやって来るようになれば、大風が連れてくる気温や湿度、気圧などの大きな変化によって、呼吸器系の不調を誘発しやすくなるともいわれます。
また、秋も春と同様に日本付近を低気圧が発達しながら通過していくことが多く、駆け下る乾燥した北よりの強風、「木枯らし」によって気温や気圧、湿度が急変しやすく、さらにブタクサ花粉やダニの死骸、砂塵などを撒き散らかすため、呼吸器系の炎症を一層悪化させてしまうことになりかねません。
これまでお話してきたように、残念ながら呼吸器系へ不調を及ぼす強風は、一年を通じて吹いてくるといったわけです。よって、私たちはそれぞれの季節において、強風が吹くと予報された時には、さらなる呼吸器系へのケアを意識し、対応をとることが必要になります。今回はそんな強風の日に引き起こされがちな、呼吸器系の不調にアプローチするための、ウェザーアロマをご紹介しましょう。

呼吸器系と心のイガイガを鎮める、スパークリングバスパウダー

[使用材料1回分] 
・天然塩(乾いたパウダータイプ) 30g
・重曹 30g
・クエン酸 10g
・精油 5滴以下 <ラベンダー2滴・フランキンセンス3滴>
ラベンダー
(^-^)…柔らかで落ち着いたフローラルの香りが、身体の奥にまで穏やかに染み渡り、呼吸器系の炎症や痛みまでも緩和してくれる精油。
フランキンセンス
(^-^)…深く心の底にまで潜り込んでいくような、安心感のある樹脂系の香り。優しい温もりで包み込みながら、咳などの呼吸器系の不調を鎮静化させてくれる精油。
[作成手順]
① ボウルに天然塩・重曹・クエン酸を入れ、スプーンなどでよく混ぜ合わせる。
② 精油を垂らし、さらによくかき混ぜる。
③ 浴槽に入れたら、よく撹拌させてから入浴する。
※蒸気とともに立ち上る精油成分を鼻から吸い込むことで、呼吸器系の不調を緩和する。(ただし、喘息や咳などがみられる場合は、症状を誘発する恐れがあるため、蒸気吸入は行わないこと。)
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控える。
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控える。
・精油原液が肌に付かないように注意する。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・バスパウダーはよく溶かしてから入浴する。
・喘息や咳などがみられる場合は行わない。
・精油は目や口に入れない。・お湯で火傷をしないように注意する。
・水分補給を心がける。
・異常を感じた時は即使用を中止し、流水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・浴槽などへの使用について問題はないか、念のため取扱い説明書などで確認しておく。
・浴室内における床などへの精油の使用について、変質などの恐れがある場合は行わない。
・光毒性の成分が精油に含有される場合、使用後は直射日光などの紫外線に当たらない。
・火気に注意する・色や香りの染みつき、汚れや変質などには十分注意する。
・創傷部位、炎症部位などへは使用しない。
・体調がすぐれず、香りに敏感な時は使用を控える。
・あらかじめパッチテストする。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2015.03.13掲載

続・お天気香るコラム

Vol.19

2014.12.16

~冬の「風」景 編~

~ 冬の「風」景 編 ~ 『冬風』ばなし

 冬本番に近づくにつれ、日本列島を挟み込むようにして西に高気圧、東に低気圧を配置した“西高東低”の冬型の気圧配置となり、天気図上に冬を描きます。等圧線のスリムな縦縞模様が妙にセクシーで、お天気好きにはたまらない天気図です。このような西高東低の気圧配置が見られる冬季は、一般的に北西からの季節風が強く吹き付ける日が多くなります。
大きな流れとして風を見てみると、基本的に風は気圧の高い方(高気圧)から気圧の低い方(低気圧)に向かって吹き込む性質があります。さらに、北半休では高気圧は時計回りに風が吹き出し、低気圧は反時計回りに風が吹き込む特性もあります。ゆえに、西の高気圧から時計回りに吹き出す風は、東の低気圧に向かって反時計回りに吹き込むことになります。そのため、日本列島では通常、北西の風が吹くことになるわけです。また、冷たい空気は暖かい空気に向かって流れる性質から、冬場においては冷えやすい大陸(冷たい大陸)から冷えにくい海洋(温かい海洋)に向かって風が吹くため、北西の季節風が吹くとも言えます。
このような風が吹くと、日本海側では北西風が日本海を渡る際に、水分を補給して吹き付けるため、湿潤な空気に浸されますが、太平洋側では北西風が日本列島に背骨のように連なる山脈を越える際に、水分を落として吹き降りるため、乾燥した空気にさらされることになるのです。ちなみに、このような湿気を震い落して山を駆け下りる冬の冷たい北寄りの強風を、特に関東方面では「空っ風(からっかぜ)・空風・乾風(からかぜ)」と呼びます。また、「北颪(きたおろし)」と呼ぶ地方もあるようです。

『冬風』ことば

◎あなぜ<あなじ>…冬季に冷たく吹き付ける北西からの強風。「あぁ~!」と思わず声を上げてしまうほどに厳しい冬の季節風。
◎陰風(いんぷう)…冬に吹きつける体温を失った冷たい北風。不気味にまとわりつく陰気臭い風のこともいう。
◎颪(おろし)…山から勢いよく一気に転がり落ちてくる、肌を切り裂くほどに冷えきった強風。しばしば各地の山名を「颪」の前に付属させて使用される。
【伊吹颪(いぶきおろし)】…岐阜県と滋賀県にまたがる伊吹山から吹きおりる颪。
【北山颪(きたやまおろし)】…京都府の北山から吹きおりる颪。
【筑波颪(つくばおろし)】…茨城県の筑波山から吹きおりる颪。
【比叡颪(ひえおろし)<叡山颪(えいざんおろし)>】
…京都府と滋賀県にまたがる比叡山から吹きおりる颪。
【富士颪・不二颪(ふじおろし)<富士川颪>】
…山梨県と静岡県にまたがる富士山から吹きおりる颪。
【六甲颪(ろっこうおろし)】…兵庫県の六甲山から吹きおりる颪。
【榛名颪(はるなおろし)<伊香保風(いかほかぜ)>】…群馬県の榛名山から吹きおりる颪。
【鈴鹿颪(すずかおろし)】…三重県、岐阜県、滋賀県を通る鈴鹿山脈から吹き降りる颪。
【八ヶ岳颪(やつがたけおろし)】…山梨県と長野県にまたがる八ヶ岳から吹き降りる颪。
【蔵王颪(ざおうおろし)】…宮城県と山形県にまたがる蔵王連峰から吹き降りる颪。
…etc
◎朔風(さくふう)<北風(きたかぜ)・北気(きたげ)・北打ち・北つむじ・きた>
…北方から吐き出される、頬をきるほどに冷たい冬の息吹。「朔」とは“北”の方角を意味する語。
◎浚の風(さらいのかぜ)】…彩りを拭い去るかの如く降り積もる粉雪を、勢いよく舞い上げ散らかす寒風。「浚」とは物を取りさらうこと、取り除くことなどを意味する語。
◎篠の小吹雪(しののおふぶき)…サラサラと繁る篠竹に、サラサラと積もる粉雪。そんな景色を一気に冬風が吹き抜け、“篠雪”をふぶきのように舞い散らかすこと。
◎霜風(しもかぜ)…白霜の絨毯を大地に大きく広げる寒風。霜の上をなだらかに滑り行く凍風。
◎ならい風(ならいかぜ)<ならい・ならえ>…日本列島の背骨を乗り越えて、日本海側から太平洋側へ一気になだれ落ちてくる、クールでドライな冬の季節風。
◎襖風(ふすまかぜ)
…襖の隙間から忍び込むヒンヤリとした風。襖を隔てた隣り合う部屋で起こる現象で、ひと気のない暗く冷たい部屋から、人で賑わう明るく温かい部屋に向かって流れる空気の流れ。
◎雪下(ゆきおろし)…山の雪を吹き散らかしながら勢いよく駆け降りる、雪まみれの山風。

『冬風』なウェザーアロマ

先に述べた通り、これから本番を向かえる冬の時季においては、山越えで水分を震い落した冷たい北寄りの強風が吹き下るため、太平洋側には乾燥と低温がもたらされます。加えて、冬場は暖房を使用することで湿度がさらに低下しますし、また、風が強く吹けば吹くほど体感的には寒く感じられるといった傾向もあります。ちなみに、体感温度は風速1m/s強まるごとに1℃ほど下がるともいわれます。よって、しっかりとした保湿対策と耐寒対策が求められる季節です。
そんな“北風小僧のいたずら”に立ち向かうための、ウェザーアロマ的対応策と精油のブレンドはと申しますと…。今回は冷たくカサカサになりがちなお肌とハートを温かく包み込んで潤してくれる、アロマバスオイルをお試しになってみてはいかがでしょうか。ブレンドする精油は、心と身体を芯からじんわりと温めてくれると同時に、スキンケアにも力を発揮するものを選択します。
折しも、街はクリスマスムード一色の今日この頃。せっかくですので、香りでクリスマス気分も演出してみませんか。オススメは、ジンジャーとベンゾインのブレンドです。ズバリ、クリスマスケーキをイメージした香りです。ジンジャーを少々利かせたバニラシフォンケーキのような、ちょっぴり大人なクリスマスケーキの香りをお楽しみくださいませ。

北風の口笛が響き渡る、ホーリーナイトのアロマバスオイル

[使用材料]【1回分】 
・ 植物油<ホホバ油> 5ml
・ 精油 5滴以下 <ジンジャー1滴・ベンゾイン2滴>
※初めて使用する場合、まずは少量からお試しいただくことをオススメします。
ジンジャー
(^-^)…すっきりとしたスパイシーさが気持ちいい香り。鼻の奥で覚醒する少々の“ピリッと感”が癖になる香り。縮こまった心身を活性化させて、ポカポカと温めてくれる精油。刺激が強いため使用量に注意。
ベンゾイン<安息香>
(^-^)…バニラを思わせる優しい甘さに幸せを感じる香り。乾燥などでダメージを受けたお肌を優しく包み込み、潤いと柔らかさを取り戻す手助けをしてくれる精油。気持ちに明るい火を灯し、温かな気分にしてくれる精油。
[作成手順]
① 植物油をビーカーなどで計量する。
② 計量した植物油に精油を垂らし、ガラス棒でよくかき混ぜる。
③ 作成したバスオイルを浴槽に入れ、よくかき混ぜてから入浴する。
※精油が直接肌に付かないように注意しながら作業すること。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控える。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・バスオイルはよくかき混ぜてから入浴すること。
・喘息や咳などがみられる場合は行わないこと。
・精油は目や口に入れないこと。
・お湯で火傷をしないように注意。
・傷口へは使用しないこと。
・異常を感じた時は即使用を中止し、流水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・浴槽などへの使用について問題はないか、念のため取扱い説明書などで確認しておくこと。
・光毒性の成分が精油に含有される場合、使用後は直射日光などの紫外線に当たらないこと。
・色や香りの染みつき、汚れや変質には十分注意すること。
・あらかじめパッチテストすること。
・水分補給を心がけること。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。


2014.12.16掲載

続・お天気香るコラム

Vol.16

2014.11.10

~秋の「風」景 編~

~ 秋の「風」景 編 ~ 『秋風』ばなし

秋になると、大陸で生まれ育った低温で乾燥した高気圧が周期的に訪れ、日本付近を広く覆うようになります。そんな移動性高気圧の馬にまたがって清涼な秋風もやって来ます。私たちの柔らかな秋心に、ヒンヤリ、サラリと吹きつけるようになるのです。
キンモクセイの香りを乗せる秋風やコオロギの音色を転がす秋風。ススキの柔穂を撫でる秋風にコスモスの彩りをすり抜ける秋風。そして、月見の鏡酒を揺らす秋風。それにしても、秋風は私たちをなんてセンチメンタルな気持ちにさせることでしょう。
熱気を帯びる命の香りと響き渡る命の歌声。火傷しそうな命の感触に眩しい命の彩り。そして、エネルギー溢れる命の風味。大空に大きく手を広げて全てをさらけ出し、命に満ち満ちていた夏の日の自然。そんな自然が夏に後ろ髪を引かれながらも、命の煌めきが吹き出す窓をゆっくりと閉ざしていくのと同時に、私たちの開放的になっていた心の窓も緩やかに閉ざしていくと、私たちは何とも言えない秋の切ない気分に浸されることになるのです。私たち人は自然と共鳴しながら、密接な繋がりをもって存在しており、自然の中で生かされているのだと感じるのは、私だけではないはずです。
自然の営みと共に進みゆく季節の移ろい。季節の移ろいの中で繰り広げられる天気の変化。天気の変化によって生じる私たちの心身の不調。そんな自然と深く繋がる私たちの心と身体の悩みを、同じ自然の力であるアロマテラピーでケアすることに、改めてウェザーアロマの意味を考えるセンチメンタルな秋の夜長です。

『秋風』ことば

◎いなさ…湿気をたっぷりと含んだ、ムワムワと生暖かい南東風。南東から強く吹き付ける、台風にともなう暖湿気。南東を“辰巳”の方角とすることから、「辰巳風」と呼ぶこともある。
◎芋嵐(いもあらし)…大空に掲げる里芋の大葉を、大きく揺らすほどの大きな秋風。
◎色無き風…もの寂しく暮れていく心の情景に吹き渡る秋風。華やかさを忘れた秋の風。そもそも「五行思想」で秋を“白”と位置づけていることから、“色無き”風とされたといわれる。
◎萩風(はぎかぜ)…さり気ない微笑みが魅力的な萩を、いたずらにくすぐる秋の風。
◎雁渡(かりわたし)…秋の始めに雁列を乗せながら吹き寄せる、北よりの冷たい風。
◎黍嵐(きびあらし)…黄金色に垂れ下がった黍の“尾穂”をユラユラと揺する、秋の強風。
◎金風(きんぷう)…秋を吹き渡る風、または西から吹き寄せる風。「五行思想」における万物を構成する「木・火・土・金・水」のうちの“金”を“秋・西”と位置づけていることに由来する。
◎葛の裏風(くずのうらかぜ)…葛葉の白肌をくすぐるお茶目な秋風。葛の葉裏は白いファンデーションを施し、化粧をしているようにも見える。葉裏の“白”色が、五行思想における“秋”とも繋がる風であるともいえる。
◎木枯らし・凩・木嵐(こがらし)…沈みゆく秋の上で、木を枯らすかの如く吹き付ける、冷え冷えとした強風。
※“木枯らし1号”…10月後半<晩秋>~11月末日<初冬>までの期間内で、西高東低の冬型の気圧配置により、最初に吹く風速8m/s以上の北寄り(西北西~北)の気温を低下させる風。
◎野分(のわき・のわけ)<野分の風(のわきのかぜ)>…野原を一心不乱にかき分けながら疾走する風。立春から数えて二百十日、または二百二十日頃、野原に吹き荒れる台風もしくは暴風。
◎【悲風(ひふう)】…次第に空っぽになっていく風と、小さく穴が空いていく心。そんな秋の心に沁みる、悲しげな秋の風。
◎【律の風(りつのかぜ)】…温もりを欲しがるようになった秋の心に、冷たく吹き付ける枯れかけた秋の風。切ない秋の心を切りつける風。

『秋風』なウェザーアロマ

最近では随分と認知されるようになってきましたが、春だけでなく秋にも花粉症はあります。春の花粉症は、スギやヒノキなどの木本類の花粉によるものが多いですが、秋の花粉症はブタクサ<キク科>、セイタカアワダチソウ<キク科>、ヨモギ<キク科>、カナムグラ<アサ科>といった草本類の花粉によるものが多く見られます。種類によって多少違ってきますが、一般的に9月~10月ころが秋の花粉症のピークになります。ただし、11月に入っても決して油断はできません。
さらに秋のこの時季は、夏に増殖したダニなどの害虫が一生を終えて乾燥した死骸となり、ハウスダストの一部となって多量に飛散する時季でもあります。
実は、秋晴れのカラッとした空気に包まれて、気持ちよく秋風が吹くような日ほど、花粉やハウスダストなどは舞いやすくなり、それらを吸い込んでしまうと、私たちはアレルギー反応を引き起こしてしまうといったわけです。
花粉症やハウスダストなどによるこのような秋の日のお悩みには、まずは掃除機や空気清浄器などを使用して原因となる物質を取り除くことがもちろん先決ですが、抗アレルギーや免疫力アップ、リラックス&リフレッシュなどの作用に期待できる精油(ティートゥリー、ローズマリーなど)を使用した芳香浴や入浴などで、心身をケアしてあげるのもよろしいのではないでしょうか。
また、ハーブティーを入れて、ゆったりとティータイムを過ごしていただくのもよろしいかと思います。アレルギーにともなう身体的な苦痛を和らげるとともに、気分的にも楽にしてくれるはずです。今回は少し趣向を変えて、そんなハーブティーをご紹介しましょう。精油は使用しません。
※ハーブティーに精油を入れるようなことは絶対にしないでください!精油の飲用は厳禁です!!

サッパリ&スッキリなハーブティーで、リフレッシュ&リラックスなティータイム

[使用材料] 
・ドライハーブ<レモンバームorペパーミントなど(1人前=小さじ1を目安に)>
※ドライハーブは紅茶などとブレンドすると飲みやすくなる。(紅茶:ドライハーブ=8:2を目安に)
・ティーポット ・ティーカップ ・ティーストレーナー・
・お湯

レモンバーム<ドライハーブ> 
(^-^)…鼻をくすぐるフレッシュなレモン香が心地いい、爽やかでクセの少ない風味。不安定化した心を落ち着かせてくれたり、アレルギー反応を緩和する働きや、心身を活性化させる働きも持つといわれるハーブ。
ペパーミント<ドライハーブ>
(^-^)…キレのあるメントールの清涼感が気持ちいい、雑味のないシャープな風味。心身の賦活化や、花粉症などによる鼻づまり、頭痛の緩和などに力を発揮してくれるハーブ。

[作成手順]
① ティーポットとティーカップにお湯を注ぎ、温まったらお湯を捨てる。
② ティーポットにドライハーブを入れ、熱湯を注いで蓋をしたら3~4分蒸らす。
③ ティーストレーナーをセットしてティーカップにハーブティーを注ぐ。(お好みでハチミツや砂糖、ミルクなどを加えてもよい。)

[要注意!!]
ハーブティーに精油を入れるようなことは絶対にしないでください!精油の飲用は厳禁です!!
[使用上の注意]
・妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方、持病をお持ちの方、通院している方、薬を服用している方などは、ハーブティーの飲用に十分な注意が必要である。医療機関で事前に確認し、場合によっては飲用を控えること。
・ハーブティーに精油を入れるようなことは絶対にしない!精油の飲用は厳禁!!
・異常を感じた時は即飲用を中止すること。(必要があれば医師の診察を受ける。)
・適量を飲用し、多量に摂取しないこと。(1日に数回程度)
・ハーブティーは薬ではないため、体調不良の際は医師の診察を優先する。
・衣服などへの色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・火気、火傷などに注意する。・自己責任の原則で行うこと。

2014.11.10掲載

続・お天気香るコラム

Vol.11

2014.08.29

~夏の「風」景② 編~

~ 夏の「風」景② 編 ~ 『夏風』ばなし②

真夏の昼空に打ち上がるのは太陽の花、向日葵。真夏の夜空に打ち上がるのは閃光の花、花火。真夏の空に咲かせる大きな花。もう1つ、真夏の空へ豪快に打ち上がる花があります。それは、中心に綺麗な筒状の穴の開いた大きな大きな花。その名も…、台風です。ただし、時に大きく“派手”に咲いてしまうと、広い範囲に雨風を撒き散らかして、私たちを大変悩ませることになります。
ちなみに台風の“派手さ”、いわゆる台風の“強さ”とは、何を基準に測られるのかご存じでしょうか。気圧でしょうか、大きさでしょうか、体感でしょうか。実は…、風速の違いにより決まっています。台風の強さのランクにおいては、次のような基準があります。
・台風(表現なし)…最大風速33m/s未満
・強い台風…最大風速33~44m/s未満
・非常に強い台風…最大風速44~54m/s未満
・猛烈な台風…最大風速54m/s以上
ついでに、もう1つ。皆さんは台風の他にも、熱帯低気圧やサイクロン、ハリケーンといった名称を耳にしたことがあると思いますが、これらは全て、それぞれ個別の特徴を持った低気圧なのでしょうか。実は…、名前は違えど、構造は同じような低気圧になります。それでは、何が違うのかと申しますと、基本的には台風が咲く場所の違いによります。場所においては、次の基準があります。
・台風<タイフーン>…北西太平洋・南シナ海などにおける名称
・サイクロン…ベンガル湾・アラビア海などにおける名称
・ハリケーン…北大西洋・カリブ海・メキシコ湾などにおける名称
※台風・サイクロン・ハリケーンは、勢力の強い“熱帯低気圧”。

『夏風』ことば②

◎熱風(いきれかぜ)…ムンムンムワムワと身体に巻き付いて離れない、熱にうなされたダルオモな風
◎炎風(えんぷう)…真夏の太陽が膨らませた情熱を、炎の如く一気に吐き出し、私たちの心と身体を激しく焦がす夏風
◎大南(おおみなみ)…熱い噴水のしぶきを浴びせるように、激しく吹き上がるような夏の南風
◎おしあな…「おし」は、“おし”返すのおしを示す言葉。「あな」は、“あな”ぜ・“あな”じ<強い北西の季節風>のあなを示す言葉。つまりは、強い冬の北西風を押し返す、強い夏の南東風
◎荷風(かふう)…ピンク色に微笑みながら水面でたたずむ蓮たちを、優しく揺らす夏の吐息。中国では、水に浮かぶ蓮の新葉を“銭荷(せんか)”と呼ぶ
◎乾風(かんぷう・あなぜ・あなじ)…さらさらと肌を撫でる夏の風。“乾(いぬい)”の方角から吹いてくる北西風
◎逆旋風(ぎゃくせんぷう)…中心から、らせん状に吹き“出す”風。いわゆる高気圧性循環を持った風のこと。中心に向かって、らせん状に吹き“込む”風、いわゆる低気圧性循環を持った風を「旋風」(つむじ風)という
◎颶風(ぐふう)…激しく頭をふり乱すかのような強烈な風。かつて、「熱帯颶風」の強力なものを台風と呼んだ
◎湿風(しっぷう)…雨の予感を乗せて夏を漂う風。肩へのしかかるように吹いてくる、もんやりと湿った夏の風。
◎夏疾風(なつはやて)<夏嵐(なつあらし)>…夏を切り裂くように、不意に走り出す切れ味抜群のスピードに、思わず夏葉がざわめくような鋭角な風。
◎風炎(ふうえん)…ドライでアツイ風を一気に吹き下ろす、いわゆるフェーン現象を伴った風。
◎真風(まじ)…夏が揺れる青空の下を、ゆらゆらと吹き抜ける南風、または南西風をいう。
◎涼飆(りょうひょう)・涼風(りょうふう・すずかぜ)…涼々と鳴きながら、夏の終わりに滑り込む風。秋の訪れをさり気なく耳打ちする、爽やかな風。

『夏風』なウェザーアロマ②

容赦なく突き立てる、ぎらついた太陽の重たい熱と鋭い光の衝撃に、打ちひしがれる夏のどまん中。追い打ちをかけるように乱射される台風。ついでに乱射される偏頭痛。台風と偏頭痛のマシンガン。“熱”い夏が仕掛ける、“冷”たい仕打ち。
低気圧が近づくと偏頭痛を訴える方が多くいらっしゃいます。その低気圧が台風ともなれば、なおさらです。偏頭痛とは頭痛の一種になるわけですが、このタイプの頭痛は、ズッキンズッキンとした痛みが、脈拍のリズムで鼓動を打つといったような大きな特徴が挙げられます。しかし、そのメカニズムについては、はっきりとは解明されておらず、有力な説は存在するものの、確定した答えは未だ見つかっていないようです。
夏という季節は、心も身体も傷を負いがち。様々な痛みに悩まされる季節ですが、今回のウェザーアロマは、夏の恋愛に傷付いた心を癒すウェザーアロマレシピ…ではなくて、台風の接近に伴う偏頭痛の緩和に力を貸してくれるウェザーアロマレシピをご紹介します。鎮痛系、冷却系の精油に注目しながら作成していきましょう。

台風のゲンコツで“グルグル”される痛みに、“クールクール”なアロマクリーム

[使用材料] 
・ミツロウ3g ・植物油20ml<ホホバオイル20ml>
・精油 4滴以下<ユーカリ2滴・ラベンダー2滴>

ユーカリ 
(^-^)…まとわりつく心身のモヤモヤを一気に吹き飛ばしてくれるような、クールでスタイリッシュなメントール系の香り。台風が運んでくる偏頭痛に傷つき、熱を持ってしまった心と身体を、優しくクールダウンさせてくれる精油。
ラベンダー
(^-^)…絡みつく痛みの鎖を、緩やかに解いてくれるような、ゆったりとした甘さが優しいフローラルの香り。低気圧の接近に伴う偏頭痛の攻撃に、傷ついてしまった心と身体を、優しくなだめてくれる精油。

[作成手順]
① ビーカーに植物油とミツロウを入れ、湯煎にかける。
② 完全にミツロウが溶けたら、クリーム容器に移す。
③ 粗熱が取れたところで精油を加え、ガラス棒でよく撹拌したら、固まるまで静かに置いておく。
※痛みで心身ともに疲弊しがちな時、少量をこめかみに薄く塗布して、偏頭痛を緩和。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・精油は目や口に入れないこと。
・あらかじめ少量でパッチテストしてから使用すること。
・炎症がある場合には使用しないこと。
・異常を感じた時は即使用を中止し、水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・衣服などへの色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・火気、火傷などに注意する。
・高温多湿を避けた冷暗所で保存。使用期限は1ケ月程度。
・適宜、換気を行いながら作業する。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。


2014.08.29 掲載

続・お天気香るコラム

Vol.3

2014.05.13

~春の「風」景 編~

~ 春の『風』景 編 ~ 『春風』ばなし

降り注ぐ春光のシャワーに、とろける目元。うたた寝する子犬の鼻先をくすぐる、細やかな春風の指先。柔らかく霞んだパステルブルーの空の下。流れるマシュマロな時間。しかし、時に小さくはためかせた悪戯な蝶羽の波動が、呼び起こす春の剥きだしな大嵐。“ふわふわでほわほわ”な風がそよぐ、まあるい季節の裏側で、“ぶわぶわでぼわぼわ”な風が逆巻く、とんがった季節。
春の風はうららかで実に気持ちよく、花びらを乗せてそよそよと泳ぎ、時を緩やかに流がしていく、そんなイメージを持っている人が多いかもしれませんが、実際には、春はたびたび嵐を巻き起こし、大風を呼び込みます。つまり春は、表裏一体のスリリングな表情を浮かべる季節でもあるのです。
春うららに揺れる春の微風の隣には、日本海を頻繁にやってくるようになった、急激に発達する低気圧がもたらす強風が潜んでいます。低気圧が通り過ぎる前に吹き込む、生ぬるく湿った南寄りの強風や、通り過ぎた後の一時的な西高東低の冬型の気圧配置による、冷たい北よりの乾いた強風が隠れていたりするわけです。また、名残惜しく寒気が日本付近に舞い降りてくれば、強まりつつある日射や南風がもたらす暖気と、激しくぶつかりケンカが勃発し、やはり嵐が巻き起こって、激しい風を発生させることもあるのです。このように、春の風は、実はかなりのやんちゃ坊主だったりもするのです。

『春風』ことば

◎ 東風(こち)…冬の凍てつく北風に変わって吹き始める、待ちに待った春を知らせる風。
○ 雲雀東風(ひばりごち)…春を歌う雲雀に寄り添って吹く風。
○ 梅東風(うめごち)…梅花の香をまとう春の甘い風。
○ 桜東風(さくらごち)…桜花を祝福する春に煌めく風。
○ 鰆東風(さわらごち)…“春告げ魚”鰆を水揚げする頃に吹く風。
◎ 花信風(かしんふう)…花の季節の到来を知らせる風。彩香あふれる花手紙を届けてくれる風の定期便。
【『二十四番花信風』~小寒から穀雨までの八気二十四候に宛てられた、24通の花手紙~】
「小寒」…芹乃栄<梅(うめ)>・水泉動<椿(つばき)>・雉始鳴<水仙(すいせん)>
「大寒」…欸冬華<沈丁花(じんちょうげ)>・水沢腹堅<蘭(らん)>・鶏始乳<灰木(はいのき)>
「立春」…東風解凍<黄梅(おうばい)>・黄鶯睍睆<山桜桃(ゆすらうめ)>・魚上氷<辛夷(こぶし)>
「雨水」…土脉潤起<菜(な)の花(はな)>・霞始靆<杏(あんず)>・草木萌動<李(すもも)>
「啓蟄」…蟄虫啓戸<桃(もも)>・桃始笑<山吹(やまぶき)>・菜虫化蝶<薔薇(ばら)>
「春分」…雀始巣<海棠(かいどう)>・櫻始開<梨(なし)>・雷乃発声<木蓮(もくれん)>
「清明」…玄鳥至<桐(きり)>・鴻雁北<麦(むぎ)>・虹始見<柳(やなぎ)>
「穀雨」…葭始生<牡丹(ぼたん)>・霜止出苗<頭巾薔薇(ときんいばら)>・牡丹華<栴檀(せんだん)> 
※「節気名」…候名<花名>
◎ 春疾風(はるはやて)…まだ春浅き頃に吹き荒れる強風。
○ 春一番…目覚めたての春に初めて吹き込む強い南風。
○ 春二番…桜の花の目覚し時計となる強い南風。春一番の次に吹く、“春一番”同様の強風。
○ 春三番…花びらを踊らせて桜吹雪を起こす強い南風。春二番に続く、“春一番”同様の強風。
◎ 香風…花の香りを振りかけた芳風。
◎ 木芽風(このめかぜ)…生まれたての木芽を優しく撫でる風。
◎ 風炎(ふうえん)…フェーン”現象を引き起こす風。春は強い南風により、日本海側で引き起こされがち。
◎ 陽風…春のエネルギーに満ちる風。
◎ 落風…花びらを踊らせる春の強い風。
◎ 流風…春色に染まり、麗かに漂う風。
◎ 遅風…柔らかな春にゆらりゆらりと揺れる風。

『春風』なウェザーアロマ

お話ししたように、春は予想外に嵐を呼ぶ季節でもあります。油断すると足元をすくわれます。この季節、時に訪れる“爆弾低気圧”いわゆる“メイストーム”は大きな災害を引き起こすわけですが、この低気圧による気象要素の大きな変化は、健康的にも大きな被害をもたらすのです。ここでは、低気圧が日本海を通過する際に急変する、「風」に着目してみていきましょう。
低気圧の通過前においては、暖かく湿った南風が強まります。しかし、通過後は冷たく乾いた北風へと急変します。つまり、急激に強まる風とともに、通過前は気温・湿度が上昇しますが、通過後は気温・湿度ともに急降下することになるのです。
この急変により発生しがちな心身的影響としては、自律神経のアンバランス、及び免疫力低下、精神的不安定、また、循環器系や呼吸器系のトラブル、皮膚のトラブルなどが考えられます。さらには、強風により巻き上げられる花粉やホコリによるアレルギーへも注意が必要です。ちなみに、春の花粉症はスギやヒノキの花粉によるものだけではありません。北海道方面ではシラカンバの花粉がピークを向かえていますし、ハンノキやネズ、コナラなどの花粉症もあります。
今回は、春の穏やかな微風から不意に春の嵐に放り込まれ、過度に高ぶってしまった交感神経に対して、自律神経のアンバランスを改善するウェザーアロマレシピをお届けしたいと思います。

“あらし”の世界から“いやし”の世界へと誘う、芳風安眠ピロー

[使用材料] 
・小さめの袋<精油が染み出ないもの> 1枚
・カット綿<厚め> 1枚 
・リボン 1本
・精油 3滴以下<ネロリ1滴・スイートマジョラム1滴>

ネロリ 
(^-^)…微かにシトラスミストを振りかけたような、しっとりとしたフローラルの香り。メイストームに刺激されて、ぱちぱちと弾ける高ぶった神経を慰め、心身のバランスを安定化させてくれる精油。
スイートマジョラム
(^-^)…心が洗われる純真なグリーンが気持ちいいハーブの香り。春の嵐に打たれて固まった金属的な心身を、温かいふかふかのベッドで、丸く柔らかに癒してくれる精油。

[作成手順]
① 手に付かないよう注意しながら、厚めのカット綿に精油を垂らす。
② カット綿にしっかり精油が染み込んだら、小さめの袋に入れ、リボンで口を結ぶ。
③ 気持ちが高ぶったり、落ち着かない夜に、枕の下へ忍ばせてリラックス。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・適度な換気を心掛け、長時間使用は控えること。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2014.05.13 掲載


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