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お天気アロマテラピー

夏の記事一覧

続・お天気香るコラム

Vol.25

2015.03.13

~四季の“風”景 編~

~ 四季の“風”景 編 ~ 四季「風」ばなし

四季の風景に強く吹き付ける風で思い起こすのは、やはり夏の風景に浮かぶ台風の大風や、いわゆるゲリラ雷雨時の突風や竜巻、そして、秋の風景を北から駆け降りる、頬をつねるような冷たい木枯し、さらには、冬の西高東低の風景を渡る、身を切るような冷えた北風といったところでしょうか。実は、春も思いのほか風が強まる時季だったりします。「春風」などと聞くと、穏やかに優しく頬を撫でる春の風をイメージしたりもしますが、南から勢いよく突き上げる、「春一番」と呼ばれるパワフルな暖風もあるように、春は油断すると強い風に足元をすくわれがちな季節なのです。
普段皆さんがよく耳にされていても、実は知っているようで知られていないのが、風の強さに関する用語です。例えば、「風速」、「最大風速」、「瞬間風速」、「最大瞬間風速」といった語句の実態です。一般的に、風速とは“10分間の平均風速”、最大風速とは“10分間の平均風速の最大値”、瞬間風速とは“0.25秒間隔で測定される値を3秒間平均した値”、最大瞬間風速とは“瞬間風速の最大値”と定められており、秒速(m/s)で表しています。
また、風の強さを「やや強い風」、「強い風」、「非常に強い風」、「猛烈な風」などと表現しますが、これにも実は基準があります。基本的には、やや強い風を“風速10m/s以上15m/s未満”、強い風を“15m/s以上20m/s未満”、非常に強い風は“風速20m/s以上30m/s未満”、猛烈な風を“30m/s以上(または最大瞬間風速で50m/s以上)”としています。
ちなみに、台風の「強風域」とは“台風周辺で平均風速が15m/s以上の風が吹いている、もしくは吹く可能性がある領域”、「暴風域」とは“台風周辺で平均風速25m/s以上の風が吹いている、もしくは吹く可能性がある領域”を示しています。
季節を吹き抜けていく風の強さ一つとっても、実はちょっぴり奥が深いのです。

四字「風」熟語

◎順風満帆(じゅんぷうまんぱん)
…大きな帆で目一杯に風を掴みとり、船が意気揚々と進み行くさま。頼もしい追い風を背中に受けて、力強く快調に前進すること。
◎馬耳東風(ばじとうふう)
…外から吹きつける厳しい意見や批判の向かい風にも、我関せずと気に留めないこと。春風の訪れに人が春を愛でるのに対して、馬は春風が耳を撫でても無関心であることから。「馬の耳に念仏」、「馬の耳に風」。
◎疾風勁草(しっぷうけいそう)
…その人の根本に潜んでいる真の強さは、真の厳しさにさらされてこそ浮き彫りになるということ。荒れ狂う激風に巻きつかれることによって、初めてどれが生命力に満ちた力強い草かが分かることから。
◎風光明媚(ふうこうめいび)
…目の前に落とされる自然のパノラマに、清らかな優美さが見られること。「風光」は風景、光景。「明媚」は優雅に美しくたたずむさま。
◎風林火山(ふうりんかざん)
それぞれの状況を見極めながら打ち出される対処法。軍を有効に動かすために掲げられた4つのポリシーから。「はやきこと風の如く、しずかなること林の如く、しんりゃくすること火の如く、うごかざること山の如し」の略語。
◎風声鶴唳(ふうせいかくれい)
…風の細い口笛や鶴の細い鳴声にさえ怯えて震えるように、どんな些細なことでも怖がって、足がすくんでしまうこと。
◎花鳥風月(かちょうふうげつ)
…季節の移ろいの中で、自然が浮かべる様々な美しい表情。四季が織りなす、自然の風雅な景色。風流な様子。
◎台風一過(たいふういっか)
…台風が空を丸洗いしていったかのように、澄みわたる青空が一面に広がること。
◎秋風索寞(しゅう ふうさくばく)
…色を失くし始めた心を、秋風がヒュルリとすり抜けて、次第に寂しさが膨らみ、心が萎んでいくようなさま。上向きの矢印が下向きへと変わり、ちょっぴり寂寥感(セキリョウカン)が漂う様子。
◎春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)
…春風がフワフワと緩やかに泳ぐ様子。温かくて丸みのある空気感を漂わせるさま。

四季「風」なウェザーアロマ

強風が吹くような日には、やはり呼吸器系の不調が気になります。冬は冷たく乾燥した北よりの強風、「からっ風」が吹き降ろすことによって、呼吸器系に悪影響を与えることがあります。その上、インフルエンザを始めとしたウィルスが生存しやすい環境を作ってしまうことで、状況はさらに悪化してしまうのです。
ようやく、インフルエンザウィルスなどの猛威から解放される春になっても、発達しながら日本付近を通過していく低気圧に向かって駆け上る南風、「春一番」が気温や気圧、湿度の急変をもたらすため、呼吸器系へ悪影響を与え、加えて空気中にスギ花粉や砂塵、ハウスダストなどを巻き上げることで、さらなる炎症を起こしてしまうこともあります。
そして、夏になって「台風」がやって来るようになれば、大風が連れてくる気温や湿度、気圧などの大きな変化によって、呼吸器系の不調を誘発しやすくなるともいわれます。
また、秋も春と同様に日本付近を低気圧が発達しながら通過していくことが多く、駆け下る乾燥した北よりの強風、「木枯らし」によって気温や気圧、湿度が急変しやすく、さらにブタクサ花粉やダニの死骸、砂塵などを撒き散らかすため、呼吸器系の炎症を一層悪化させてしまうことになりかねません。
これまでお話してきたように、残念ながら呼吸器系へ不調を及ぼす強風は、一年を通じて吹いてくるといったわけです。よって、私たちはそれぞれの季節において、強風が吹くと予報された時には、さらなる呼吸器系へのケアを意識し、対応をとることが必要になります。今回はそんな強風の日に引き起こされがちな、呼吸器系の不調にアプローチするための、ウェザーアロマをご紹介しましょう。

呼吸器系と心のイガイガを鎮める、スパークリングバスパウダー

[使用材料1回分] 
・天然塩(乾いたパウダータイプ) 30g
・重曹 30g
・クエン酸 10g
・精油 5滴以下 <ラベンダー2滴・フランキンセンス3滴>
ラベンダー
(^-^)…柔らかで落ち着いたフローラルの香りが、身体の奥にまで穏やかに染み渡り、呼吸器系の炎症や痛みまでも緩和してくれる精油。
フランキンセンス
(^-^)…深く心の底にまで潜り込んでいくような、安心感のある樹脂系の香り。優しい温もりで包み込みながら、咳などの呼吸器系の不調を鎮静化させてくれる精油。
[作成手順]
① ボウルに天然塩・重曹・クエン酸を入れ、スプーンなどでよく混ぜ合わせる。
② 精油を垂らし、さらによくかき混ぜる。
③ 浴槽に入れたら、よく撹拌させてから入浴する。
※蒸気とともに立ち上る精油成分を鼻から吸い込むことで、呼吸器系の不調を緩和する。(ただし、喘息や咳などがみられる場合は、症状を誘発する恐れがあるため、蒸気吸入は行わないこと。)
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控える。
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控える。
・精油原液が肌に付かないように注意する。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・バスパウダーはよく溶かしてから入浴する。
・喘息や咳などがみられる場合は行わない。
・精油は目や口に入れない。・お湯で火傷をしないように注意する。
・水分補給を心がける。
・異常を感じた時は即使用を中止し、流水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・浴槽などへの使用について問題はないか、念のため取扱い説明書などで確認しておく。
・浴室内における床などへの精油の使用について、変質などの恐れがある場合は行わない。
・光毒性の成分が精油に含有される場合、使用後は直射日光などの紫外線に当たらない。
・火気に注意する・色や香りの染みつき、汚れや変質などには十分注意する。
・創傷部位、炎症部位などへは使用しない。
・体調がすぐれず、香りに敏感な時は使用を控える。
・あらかじめパッチテストする。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2015.03.13掲載

続・お天気香るコラム

Vol.24

2015.02.28

~四季の“雨雪”景 編~

~ 四季の“雨雪”景 編 ~ 四季「雨雪」ばなし

 空に描かれる雪と雨との交差点。暦の上でも「雨水」(2月19日~3月6日)のころ。次第に雪が雨へと姿を変え、春のシルエットがすりガラスの向こう側にゆっくりと浮かび上がるころ。緩やかに取り戻される温もりが、私たちを優しい気持ちにさせる季節です。ただし、解け始めるのは私たちの心だけではありません。同時に、冬を白く染めていた座雪たちも少しずつ解けていくのです。
すると、心配になってくるのは雪解けの季節の災害です。雪崩や融雪洪水などがその代表的なものとして挙げられます。雪解けの水が大量に河川に流れ込んで洪水を引き起こす「融雪洪水」は、4月ころを中心に大きな被害が見られますが、「雪崩」による被害はこれからが本番です。
雪崩は分類すると、大きく2つの雪崩に分けることができます。一つは、溶けずに残った古い雪の層の上に新たな雪が降り積もり、その新しい雪の層のみが勢いよく滑り落ちるといった雪崩、いわゆる「表層雪崩」、もう一つは、降り積もった雪の層が雪解けに伴い、新旧の両層がいっぺんに滑り落ちるといった雪崩、つまり「全層雪崩」です。これまでの季節はまだまだ降雪量も多く、特に表層なだれに注意する必要がありましたが、これからの時季は、時おり強く吹き込む南風などによる気温の上昇や、雪でなく雨が降る機会が多くなることから、全層雪崩への警戒もしなければならないわけです。
ちなみに、太平洋側や南国にお住まいの方にはあまり馴染みがないと思いますが、雪崩による災害のおそれがある場合には、気象庁より「なだれ注意報」が発表されます。さらに、融雪による災害の恐れがある場合には、「融雪注意報」が発表されます。気象庁では、実は16種類にも及ぶ様々な注意報を発表しているのです。

四字「雨雪」熟語

◎櫛風沐雨(しっぷうもくう)
…厳しい風にさらされたあげく、強い雨に打たれるような辛労を繰り返すこと。風の櫛で髪をとかし、雨のシャワーで髪を洗うという意味から。
◎旱天慈雨(かんてんじう)
…喉から手が出るほど欲しかった救いの手。カンカン照りでカラカラになった大地に落とされる、涙が出るほどに嬉しい天の涙。待ちに待った恵みの雨。
◎雨過天晴(うかてんせい)
…泣きたくなるような状況が好転し、晴れやかな笑顔が戻ること。垂れこめる黒い雨雲が裂け始め、次第に明るい晴れ間が広がること。
◎晴耕雨読(せいこううどく)
…自然の流れに任せて、緩やかな時を味わいながら人生を楽しむこと。晴れた日には屋外で畑を耕しながら汗を流し、雨の日には屋内で本を読みながら涙を流すような穏やかな暮らし。
◎密雲不雨(みつうんふう)
…前兆があるのにもかかわらず、いまだ物事が生じない状態。今にもアメを落としそうな雲が舌を伸ばしてきているのに、なかなか落ちてこない空。降りそうで降らない意地悪な空。
◎和風細雨(わふうさいう)
…柔らかく撫でる和風のように、そして、さりげなく濡らす細雨のように、人に物事を忠言する際には、和やかで細やかな姿勢を持って向かい合うべきということ。
◎雨露霜雪(うろそうせつ)
…様々な姿に変身して降ってくる滴のように、色々と降りかかってくる人生の障害。また、空が見せる多様な表情。
◎雪月風花(せつげつふうか)
…移ろいゆく季節が織りなす、心揺さぶられる自然風景。また、その感動を詩などに乗せて興じること。
◎雪裏清香(せつりせいこう)
…未だ華やかさが眠る静かな雪の下で、ひっそりと清らかな香りを咲かせる花。つまり、梅の花のこと。ちなみに、梅の別名としては「春告草」や「香雪」、「好文木」や「百花魁」などなど多数。
◎蛍雪之功(けいせつのこう)
…薄暗い蛍の光や窓の雪の灯りで勉学に勤しみ手にした、努力の賜物。

四季「雨雪」なウェザーアロマ

ドスンと座り込んでなかなか動こうとしなかった寒気の親玉が、ようやく重たい腰を上げると、凍りついていた空も少しずつ融けて、ゆっくりと流れ始めます。すると、日本付近には高気圧と低気圧が“どんぶらこ、どんぶらこ”と交互に流れてくるようになります。そんな低気圧が発達しながら接近する際には、ちょくちょく南風が“ひゅるりんこ、ひゅるりんこ”と勢いよく吹き込みます。そうなると、待ちに待った本格的な雪どけの季節を向かえるのです。
ただし、油断は禁物。南からの暖かく湿った風の流入は大雨をもたらすことがあります。また、温かな南風の後には、冷たい北風が不敵な笑みを浮かべて待ち構えています。低気圧通過後の寒気の流入により、逆に大雪をもたらすこともあるのです。まさに、“雨雪”表裏一体の空といったところです。
さて「雪どけ」という言葉には、文字通り、冬の寒さが緩んで積雪が融け始めるといった意味がありますが、皆さまもご存じのように、もう一つ、緊迫した対立関係が緩和するというような意味もあります。対峙する張りつめた緊張感によるストレスで、キリキリと疲労してしまった心。ここでは、そんな筋張った心を、雪どけへと向かわせてくれるアロマをご提案させていただきます。

心の結び目をほどく、雪どけアロマキャンドル

[使用材料] 
・ミツロウ(精製<白色>) 100g
・キャンドル用糸芯 1本  ・キャンドル型(紙コップなど) 1個
・精油20滴以下 <フランキンセンス9滴・ジャスミン6滴>
フランキンセンス
(^-^)…ゆったりと漂う霞に優しく抱かれるような、お香に似た香り。追い詰められて膨れ上がる恐怖心を、穏やかに解き放ってくれるような精油。
ジャスミン
(^-^)…甘くて濃厚な華やかさの中にも、落ち着きを感じられるフローラルの香り。毛羽立った心のささくれを削ぎ落とし、しっとりとした丸みをつけてくれるような精油。
※好みが分かれる香りであり、高濃度で使用すると頭痛や吐き気をもよおすこともあるので注意。
[作成手順]
① ミツロウをビーカーに入れ、湯煎にかけ完全に溶かす。
<春色のクレヨン(自然原料)を少量削り入れて着色すると、雪どけの季節を演出できる。>
② 割り箸で糸芯を挟み、型に固定したら、溶けたミツロウを流し込む。
③ 粗熱をとり、周囲が少し白濁してきたら精油を加え、すべて固まったら型から外す。
※ キャンドルの揺らぐ炎や、春の温もりある色彩も、心を優しく解きほぐす手助けをしてくれる。
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控える。
・体調がすぐれず、香りに敏感な時は使用を控える。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は、即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・火気の使用、及び火傷などには十分注意すること。
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控えること。
・色や香りの染みつき、汚れや変質に十分注意すること。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2015.02.28掲載

続・お天気香るコラム

Vol.23

2015.02.13

~四季の“雲”景 編~

~ 四季の“雲”景 編 ~ 四季「雲」ばなし

 十人十色の表情で、日々私たちを楽しませてくれる雲たち。そんな様々な表情を浮かべる雲たちでも、大きく10種類の顔に分類することができます。いわゆる“十種雲形”と呼ばれるものです。
実は、空に漂っている雲たちは、それぞれに住み分けをして生活しています。雲は地球上の対流圏という水蒸気が大量に存在する大気の層において発生しますが、その中でも下層、中層、上層で出現する雲の種類が違ってきます。
まず、下層(地上1500m付近)の住民である雲たちですが、薄くのっぺりと引き伸ばしたような灰白色の雲「①層雲」、畑の畝のような波が一面に広がる灰白色の雲「②層積雲」、のっぺりと怪しく寝そべる暗灰色の雲「③乱層雲」(※時に中層にも)が存在します。続いて、中層(地上5500m付近)の住民はと申しますと、天球に灰色のシーツを覆い被せたかのような雲「④高層雲」、青い草原を白羊の群れが駆け抜けていくような雲「⑤高積雲」が存在します。そして、上層(地上10000m付近)の住人におきましては、空を白羽根で優しく撫でたかのような薄くて繊細な雲「⑥巻雲」、天井に灰白色の薄いベールが引っかかったかのような雲「⑦巻層雲」、青魚に張りつく白い鱗のような雲「⑧巻積雲」が存在します。また、下層から中層にかけて住む、綿あめのようにフワフワな白雲「⑨積雲」や、下層から上層にかけて住む、ゲンコツを突き上げるようなゴツゴツとした白雲「⑩積乱雲」といった、背高ノッポな雲の仲間たちもいます。
 俳人・歌人である正岡子規は雑誌「ホトトギス」において、「春雲は綿の如く、夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く、冬雲は鉛の如く…」と、四季に現われる雲たちを表現しています。春の“綿”は、暖かな陽気の上で気持ち良さそうにプカプカと浮かぶ“積雲”、夏の“岩”は、ムンとした草いきれの中に仁王立ちする“積乱雲”、秋の“砂”は、乾いた空指の隙間からサラサラとこぼれ落ちる“巻雲”、冬の“鉛”は、冷たい重石を乗せられて低く垂れ込める“乱層雲(雪雲)”を、それぞれ示しているのではないかと私は考えます。(※日本海側の雪雲は積乱雲であったりもしますが…。)
基本的に十種雲形の雲たちは、どの季節においても出現しますが、季節によって出現しやすい象徴的な雲たちは確かにあります。それを子規は、豊かな感受性と洞察力で見事に表現しているのです。子規はさらに、「晨雲は流るるが如く、午雲は湧くが如く、暮雲は焼くが如し」と続け、一日のうちに現れる雲の姿も、心に迫りくる言葉で表現しています。“四季”に敏感な“子規”は、実に魅力的な人物です。

四季「雲」熟語

◎暗雲低迷(あんうんていめい)
…暗黒をまとった雲が怪しく垂れ込めるかの如く、悪い出来事に飲み込まれてしまいそうな様子。また、なかなか暗いトンネルから抜け出すことができないこと。
◎雲烟縹渺(うんえんひょうびょう)
…雲が足跡も残さず、さらさらと流れ去ってしまうように、ある事柄に後ろ髪を引かれることなく、淡々としている様子。
◎雲散霧消(うんさんむしょう)
…気ままに浮かぶ雲が弾け散り、緩やかに漂う霧が吹き消えるように、鮮やかに消えてなくなってしまう様子。
◎雲集霧散(うんしゅうむさん)
…雲がワラワラと湧いて集まるように、霧がハラハラと瞬く間に散っていくように、沢山のものたちが寄り集まっては散っていく様。
◎雲蒸竜変(うんじょうりょうへん)
…空に雲が急に湧き立ち、竜が縦横無尽に駆け巡るかの如く、この時とばかりにやってきて、勢いに乗じて自らの力を存分に発揮する様。
◎雲泥万里(うんでいばんり)
…空に浮かぶ雲と地に張りつく泥ほどにかけ離れ、気が遠くなるほどの距離がある様子。あからさまに大きな隔たりがあること。
◎閑雲野鶴(かんうんやかく)
…フワフワと想いを空に浮かべながら、思う存分に羽根を広げて悠々自適に生きている様。
◎行雲流水(こううんりゅうすい)
…風まかせな浮雲のように、川を駆け下る清水のように、深く考えずその場の流れに身をまかせること。また、その場の色に染まりながら、滞ることなく過ぎ去ってゆくこと。
◎晴雲秋月(せいうんしゅうげつ)
…冴えわたる晴天に浮かぶ純白の綿雲のように、澄みわたる秋夜に浮かぶ透明な丸月のように、真っ直ぐに突き抜けるほどの純真さが眩しい、無垢な心のこと。
◎和風慶雲(わふうけいうん)
…頬を撫でる和やかな微風のように、さりげなく慶福を届けてくれる白雲のように、穏やかで幸せな空気を醸し出す偉大な存在。

四季「雲」なウェザーアロマ

この時季、日本海側ではもはや定番となってしまった“鉛”の空。一方、晴天が続いていたお向かいの太平洋側の空にも、2月頃になると“鉛”の雲が広がる日も出てきて、時おり雪を降らせることがあります。一般的に日本海側の“鉛”は、北西の季節風が日本海を渡る際に発生させる雲由来のものになりますが、太平洋側の“鉛”は、春先にかけて次第に日本列島の南岸を通過するようになる低気圧が発生させる雲由来のものになります。
以前にも少しご紹介したと思いますが、大空を鉛で塞がれて光を全身に浴びることができなくなってしまうと、同時に心身の活動力も塞がれてしまい、倦怠感や鬱のような状態を引き起こしやすくなってしまいます。1つの要因としては、太陽の光により促される日中の昇温と、私たちの活動リズムに合わせた体温上昇との共鳴が崩壊することにより、体内のバランス機能が崩れて体調不良に繋がるのだともいわれています。そもそも、私たちは暗闇に包まれると不安感や恐怖心を抱き、ストレスを感じる生き物なのです。
やはり一日の始まりは、晴れやかな明るい気分でスタートしたいもの。気持ちよく一日のスタートを切ることができれば、その日の充実度に大きな差が生まれてくることは間違いありません。鉛の空が広がって気分が重たくなりがちな朝でも、キラキラとしたアロマのシャワーを浴びて、元気に一日を始めてみませんか。

モーニングサンシャインアロマシャワー

[使用材料] 
・精製水45ml 
・無水エタノール 5ml 
・精油 10滴以下<ローズマリー5滴・グレープフルーツ5滴>
ローズマリー
(^-^)…学名:Rosmarinus officinalis が示すように、海の雫<Ros(雫)・marinus(海の)>がキラキラと乱反射するように、クリアでスッキリとしたハーブの香り。シャキッと目を覚ましてくれる精油。
グレープフルーツ
(^-^)…学名:Citrus paradisi が示すように、楽園<paradisi>を明るく照らす光のように、溢れるフレッシュ感が眩しいシトラスの香り。明るく元気にさせてくれる精油。
[作成手順]
① ビーカーに入れた無水エタノールに精油を垂らし、ガラス棒で撹拌する。
② 精製水を加え、さらによくかき混ぜる。
③ 遮光ガラススプレー瓶に移し、ラベル(作成日、レシピ)を貼る。
※空間にひと吹きすれば、キラキラと輝く朝を届けてくれる。
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・長時間使用は控え、適宜換気を行う。
・高温多湿を避け冷暗所保存。使用期限は約2~3週間。
・アルコール過敏の方は使用を控えること。
・体調がすぐれず、香りに敏感な時は使用を控える。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2015.02.13掲載

続・お天気香るコラム

Vol.22

2015.01.31

~四季の“空”景 編~

~ 四季の“空”景 編 ~ 四季『空』ばなし

 四季折々に豊かな表情を浮かべる空ですが、季節によって様々な落し物をしていきます。そんな落し物を幾つか拾ってみましょう。
春空からの落し物には、あまり歓迎されないものもあります。その一つが黄砂です。中国大陸方面のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などといった地域において、高く巻き上げられた砂塵が偏西風の流れに乗って運ばれてくる現象です。春に黄砂が落とされがちなのは、その原因物質が低気圧の通過などで巻き上げられやすい状態になるうえ、輸送ルートとなる偏西風の流れが日本列島の上空付近を通ることが多くなるためと考えられます。また近年、拡大しつつある砂漠化により被害が拡大しつつあるともいわれています。
夏空の落し物といったら、やはり虹でしょう。夕立後に描かれる七色のアーチは、私たちに幸せを運んでくれます。虹が見える一般的な条件としては、空気中に雨粒が漂っていること。そして、太陽を背にしてその水滴を見ること(つまり、朝方や夕方であること。)が挙げられます。ちなみに、虹が7色に見えるのは、太陽光線(白)を構成している赤・橙・黄・緑・青・藍・紫といった7つの光に屈折率の違いがあるからです。簡単にいうと、太陽光線が雨粒の中に入り込むと、構成する7つの光がそれぞれ違う角度で屈折・反射するため7色に分かれて見えるのです。
秋空が深まる頃、静かな朝に落とされるのが朝霧です。近年“天空の城”として話題の竹田城の雲海は、麓に流れる川の蒸気霧が作りだす美しい光景です。秋の朝に雲海が出やすい基本的な条件としては、前日に雨が降るなどして湿度が高い状態であること。夜間、風もなくすっきりと晴れ、放射冷却がきいてよく冷えている状態であることなどが挙げられます。目安としては、日の出前から日の出後1~2時間くらいまでの間に発生しやすいといえます。地上の気温が上がるとともに、霧はすぐに解消してしまうのです。
冬空から落とされて大地に突き刺さるものといえば霜柱です。私たちの身近にある霜柱ですが、実は微妙なバランスの上で出来ているのはご存じでしょうか。通常、地表が0℃以下でも、地中は0℃以上といった条件が必要です。地表が0℃以下になると地表は凍りますが、土の中が0℃以上で湿っている場合、毛細管現象(水などが管の内側を上昇しようとする現象)により地中の水分が吸い上げられます。その水分は地表付近で凍りますが、再び地中より水分が供給されます。この繰り返しにより縦長の氷柱が成長し、霜柱が形成されるわけです。
四季の空から落とされる“落し物”を探して拾い集めてみるのも、なかなか乙なものです。

四季『空』熟語

◎迂疎空闊 (うそくうかつ)
…持っているものがざっくりとし過ぎていて、用に足りない様子。
◎海闊天空 (かいかつてんくう)
…地平線の果てにまで広がる大海原や、天高くにまで突き抜ける大空のように、寛容でさらっとした性格。
◎空空寂寂 (くうくうじゃくじゃく)
…白々としていて、静々としている心の状態。すっぽりと穴が空いたように、何もなくひそやかな様。
◎空空漠漠 (くうくうばくばく)
…焦点が定まらないほどに、延々で広大な様子。あまりに果てしなく、ぼやけている状態。
◎空前絶後 (くうぜんぜつご)
…以前にも見たことがなく、今後も見ることがないであろう貴重な事例。滅多に起こりえない珍しい出来事。
◎空即是色 (くうそくぜしき)
…この世に存在する全てのものの本質は空虚であり、それによって成立しているということ。
◎空中楼閣 (くうちゅうのろうかく)
…海にユラユラと浮かぶスカイスクレーパーの蜃気楼のように、いくら立派でも所詮は実態がなく空想的なもの。また、非現実的な考え方。
◎空理空論 (くうりくうろん)
…いくら美しい花瓶でも底が抜けていたらその役割を果たさないように、立派でも非現実的で全く意味を成さない考え方。
◎十室九空 ( じっしつきゅうくう)
…十戸のうち九戸が空き家となるほどに、活気が枯れ果て寂れてしまっている状態。
◎万里一空 (ばんりいっくう)
…遥か彼方にまで広がる世界でも、同じ空のもとに存在しているという考え方。また、見定めた一つの目標に向かって、どこまでもひたむきに力を尽くすこと。

四季『空』なウェザーアロマ

キンキンに冷えた空から落とされる寒気玉が、肩に重くのしかかる厳しい冬のど真ん中。暦の上でも「大寒」を向かえ、これから立春の頃までの期間が、一年で最も寒い時季といわれます。
そんな冷空から勢いよく落とされる寒気玉とともに、毎年この時季にきまって落とされるものが1つあります。それは受験という試練です。受験生の皆さんは、突き刺さる寒さとプレッシャーに追い立てられながらも、身を奮い立たせながら頑張っていることと思います。今回はそんな皆さんに、細やかではございますが、私からちょっぴりウェザーアロマなご提案をさせていただきたいと思います。この時季の厳しい寒さや酷い乾燥、人ごみにより蔓延するウィルスにも負けないための精油、そして、いざという時の集中力アップにも期待できるような精油を使用した合格祈願の御守を作成して、頑張る受験生にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
また、その御守と同じ香りを、普段から時々お部屋に漂わせておくと、緊張する試験会場で御守の香りを嗅いだ時、慣れ親しんだいつもの香りに包まれることで、自分の部屋にいるような落ち着いた雰囲気で、試験にのぞめるといったメリットも考えられます。
ただし、御守に付ける香りはほどほどに。周囲の迷惑になっては困りますし、何より本人が気分悪くなってしまっては、元も子もなくなりかねませんので。また、日々の体調によって香りの感じ方は変化しますし、香りの好みもありますので、その点も十分考慮した上、身体に負担のかからない範囲で使用しましょう。

迫りくる敵を打ち破れ!合格祈願のアロマ御守!! 

[使用材料] 
・メッセージカード(小) 1枚 
・封筒 1枚 
・ムエット 2枚 
・リボン 1本
・精油 <レモン1滴・バジル1滴>
レモン
(^-^)…目が覚めるほどのフレッシュ感が、キリッと弾けるシトラスの香り。うす笑いを浮かべて近づくウィルスから、優れた殺菌力で守ってくれる精油。免疫力を高めて、感染症予防に力を貸してくれる。キリリとした香りで、疲れて落ち込みがちな集中力も持ち上げてくれる精油。
バジル
(^-^)…スパイシーでスッキリとしたグリーンハーブの香りの中に、ほのかな甘さも漂わせる香り。モヤモヤした頭の中をクリアにして、集中力を取り戻してくれる精油。殺菌作用にも期待大で、風邪の季節に活躍してくれる精油。
[作成手順]
① 手に付かないよう注意しながら、ムエットに精油を1滴垂らす。
② カードにメッセージなどを書き込んだら穴を開け、リボンで飾って御守を作る。
③ ムエットにしっかりと精油が染み込んだら、御守りとともに封筒へ入れ、封をして香りを移す。
※御守の香りを楽しみながら、集中力や免疫力のアップに役立てる。
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控えること。
・喘息や咳などがみられる場合は行わないこと。
・体調が優れず、香りに敏感な時は使用を控えること。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2015.01.31掲載

続・お天気香るコラム

Vol.11

2014.08.29

~夏の「風」景② 編~

~ 夏の「風」景② 編 ~ 『夏風』ばなし②

真夏の昼空に打ち上がるのは太陽の花、向日葵。真夏の夜空に打ち上がるのは閃光の花、花火。真夏の空に咲かせる大きな花。もう1つ、真夏の空へ豪快に打ち上がる花があります。それは、中心に綺麗な筒状の穴の開いた大きな大きな花。その名も…、台風です。ただし、時に大きく“派手”に咲いてしまうと、広い範囲に雨風を撒き散らかして、私たちを大変悩ませることになります。
ちなみに台風の“派手さ”、いわゆる台風の“強さ”とは、何を基準に測られるのかご存じでしょうか。気圧でしょうか、大きさでしょうか、体感でしょうか。実は…、風速の違いにより決まっています。台風の強さのランクにおいては、次のような基準があります。
・台風(表現なし)…最大風速33m/s未満
・強い台風…最大風速33~44m/s未満
・非常に強い台風…最大風速44~54m/s未満
・猛烈な台風…最大風速54m/s以上
ついでに、もう1つ。皆さんは台風の他にも、熱帯低気圧やサイクロン、ハリケーンといった名称を耳にしたことがあると思いますが、これらは全て、それぞれ個別の特徴を持った低気圧なのでしょうか。実は…、名前は違えど、構造は同じような低気圧になります。それでは、何が違うのかと申しますと、基本的には台風が咲く場所の違いによります。場所においては、次の基準があります。
・台風<タイフーン>…北西太平洋・南シナ海などにおける名称
・サイクロン…ベンガル湾・アラビア海などにおける名称
・ハリケーン…北大西洋・カリブ海・メキシコ湾などにおける名称
※台風・サイクロン・ハリケーンは、勢力の強い“熱帯低気圧”。

『夏風』ことば②

◎熱風(いきれかぜ)…ムンムンムワムワと身体に巻き付いて離れない、熱にうなされたダルオモな風
◎炎風(えんぷう)…真夏の太陽が膨らませた情熱を、炎の如く一気に吐き出し、私たちの心と身体を激しく焦がす夏風
◎大南(おおみなみ)…熱い噴水のしぶきを浴びせるように、激しく吹き上がるような夏の南風
◎おしあな…「おし」は、“おし”返すのおしを示す言葉。「あな」は、“あな”ぜ・“あな”じ<強い北西の季節風>のあなを示す言葉。つまりは、強い冬の北西風を押し返す、強い夏の南東風
◎荷風(かふう)…ピンク色に微笑みながら水面でたたずむ蓮たちを、優しく揺らす夏の吐息。中国では、水に浮かぶ蓮の新葉を“銭荷(せんか)”と呼ぶ
◎乾風(かんぷう・あなぜ・あなじ)…さらさらと肌を撫でる夏の風。“乾(いぬい)”の方角から吹いてくる北西風
◎逆旋風(ぎゃくせんぷう)…中心から、らせん状に吹き“出す”風。いわゆる高気圧性循環を持った風のこと。中心に向かって、らせん状に吹き“込む”風、いわゆる低気圧性循環を持った風を「旋風」(つむじ風)という
◎颶風(ぐふう)…激しく頭をふり乱すかのような強烈な風。かつて、「熱帯颶風」の強力なものを台風と呼んだ
◎湿風(しっぷう)…雨の予感を乗せて夏を漂う風。肩へのしかかるように吹いてくる、もんやりと湿った夏の風。
◎夏疾風(なつはやて)<夏嵐(なつあらし)>…夏を切り裂くように、不意に走り出す切れ味抜群のスピードに、思わず夏葉がざわめくような鋭角な風。
◎風炎(ふうえん)…ドライでアツイ風を一気に吹き下ろす、いわゆるフェーン現象を伴った風。
◎真風(まじ)…夏が揺れる青空の下を、ゆらゆらと吹き抜ける南風、または南西風をいう。
◎涼飆(りょうひょう)・涼風(りょうふう・すずかぜ)…涼々と鳴きながら、夏の終わりに滑り込む風。秋の訪れをさり気なく耳打ちする、爽やかな風。

『夏風』なウェザーアロマ②

容赦なく突き立てる、ぎらついた太陽の重たい熱と鋭い光の衝撃に、打ちひしがれる夏のどまん中。追い打ちをかけるように乱射される台風。ついでに乱射される偏頭痛。台風と偏頭痛のマシンガン。“熱”い夏が仕掛ける、“冷”たい仕打ち。
低気圧が近づくと偏頭痛を訴える方が多くいらっしゃいます。その低気圧が台風ともなれば、なおさらです。偏頭痛とは頭痛の一種になるわけですが、このタイプの頭痛は、ズッキンズッキンとした痛みが、脈拍のリズムで鼓動を打つといったような大きな特徴が挙げられます。しかし、そのメカニズムについては、はっきりとは解明されておらず、有力な説は存在するものの、確定した答えは未だ見つかっていないようです。
夏という季節は、心も身体も傷を負いがち。様々な痛みに悩まされる季節ですが、今回のウェザーアロマは、夏の恋愛に傷付いた心を癒すウェザーアロマレシピ…ではなくて、台風の接近に伴う偏頭痛の緩和に力を貸してくれるウェザーアロマレシピをご紹介します。鎮痛系、冷却系の精油に注目しながら作成していきましょう。

台風のゲンコツで“グルグル”される痛みに、“クールクール”なアロマクリーム

[使用材料] 
・ミツロウ3g ・植物油20ml<ホホバオイル20ml>
・精油 4滴以下<ユーカリ2滴・ラベンダー2滴>

ユーカリ 
(^-^)…まとわりつく心身のモヤモヤを一気に吹き飛ばしてくれるような、クールでスタイリッシュなメントール系の香り。台風が運んでくる偏頭痛に傷つき、熱を持ってしまった心と身体を、優しくクールダウンさせてくれる精油。
ラベンダー
(^-^)…絡みつく痛みの鎖を、緩やかに解いてくれるような、ゆったりとした甘さが優しいフローラルの香り。低気圧の接近に伴う偏頭痛の攻撃に、傷ついてしまった心と身体を、優しくなだめてくれる精油。

[作成手順]
① ビーカーに植物油とミツロウを入れ、湯煎にかける。
② 完全にミツロウが溶けたら、クリーム容器に移す。
③ 粗熱が取れたところで精油を加え、ガラス棒でよく撹拌したら、固まるまで静かに置いておく。
※痛みで心身ともに疲弊しがちな時、少量をこめかみに薄く塗布して、偏頭痛を緩和。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・精油は目や口に入れないこと。
・あらかじめ少量でパッチテストしてから使用すること。
・炎症がある場合には使用しないこと。
・異常を感じた時は即使用を中止し、水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・衣服などへの色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・火気、火傷などに注意する。
・高温多湿を避けた冷暗所で保存。使用期限は1ケ月程度。
・適宜、換気を行いながら作業する。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。


2014.08.29 掲載

続・お天気香るコラム

Vol.10

2014.08.12

~夏の「雨」景② 編~

~ 夏の「雨」景② 編 ~ 『夏雨』ばなし②

暑さのど真ん中をつんざく、ギラギラとした夏雨。鋭く尖がった笑いを浮かべる、キリキリとした夏雨。日に焼けた肌へ咬みつく、バリバリとした夏雨。真夏に打ちつける、そんな雨の姿。夏に飲まれた者たちの微熱を勢いよく洗い流してくれる、ぶっきらぼうな優しさがちょっぴりしみる雨です。
この時季、よく耳にする一つのフレーズ。「上空に寒気が流れ込み、さらに日中気温が上がるため、午後からはところにより、にわか雨や雷雨となるでしょう。」というフレーズ。最近では真夏になると、ゲリラ雷雨と呼ばれる言葉も氾濫しがちですが、予報用語には雨の強さを表す指標として、「やや強い雨」、「強い雨」、「激しい雨」、「非常に激しい雨」、「猛烈な雨」などといったスケールが使われます。皆さんはそれぞれの雨について、どのようなイメージを持たれているでしょうか。
ちなみに、気象庁では、「やや強い雨(毎時10~20mm)」を“ザーザーと降る雨”、「強い雨(20~30mm)」を“どしゃ降りの雨”、「激しい雨(30~50mm)」を“バケツをひっくり返したような雨”、「非常に激しい雨(50~80mm)」を“滝のように降り続く雨”、「猛烈な雨(80mm~)」を“息が苦しくなるような圧迫感がある雨、恐怖を感ずる雨”としてイメージを紹介しています。
ちなみに、ゲリラ雷雨と呼ばれる雨に関して、一概には言えませんが、ひとつの目安としてお話しすると、上空5500m付近の気温と地上の気温との気温差が“40℃”ほどを越えるようになると、不安定な天気になりやすいとも言われます。

『夏雨』ことば②

◎一陣(いちじん)の雨…ザッと降ってシャッと上がり、さり気なく残り香のように涼を落としてゆく夏の雨。
◎神立(かんだち)…突然夕方に立ち上がる、ときに雷をぶら下げる夏の雨。元来、雷鳴を示した言葉。
◎銀箭(ぎんせん)…透明感のある銀色の矢が、空間を鋭利に切り裂くかの如く降る、夕立の雨。
◎銀竹(ぎんちく)…天と地を結ぶ竹林のような雨に、雲の隙間から覗き込む光が当たって輝く様子。
◎篠突く・篠衝雨(しのつく)…密生する細い篠竹が、空から一気に伸びてくるかのように、激しく降る雨。
◎しば雨・柴雨・繁雨(しばあめ)…“しば”らくの間、断続的に激しく降り続くような雨のこと。
◎柴榑雨(しばくれあめ)…急に激しく殴りつけるように降り出す、夕立のような“あらくれ”雨。
◎繁吹雨・頻吹雨(しぶきあめ)…水滴を撒き散らかすかのように吹き付ける、やんちゃな雨。しぶきを舞い上げる激しい雨。
◎濯枝雨(たくしあめ)…次から次に雫を滴り落としながら、木の枝を濯ぐかのように勢いよく降らせる、梅雨終盤の特徴的な雨。
◎鉄砲雨(てっぽうあめ)…大きな雨玉の乱れ撃ち。当たると痛いくらいの大粒の雨。
◎白雨(しらさめ・はくう・びゃくう)…降り注ぐ光とともに落ちてくる白い雨、お天気雨。足元で跳ねる雨粒が砕けて白く輝く雨。また、空から投げつけられるキラキラと輝く白い氷玉、雹。
◎群雨・叢雨・村雨(むらさめ)…再三にわたり、群れとなって空を駆け下る力強い雨。降っては止み、降っては止みのにわか雨。
◎快雨(かいう)…太陽の熱に踊らされて火傷しがちな夏の日を、さっぱりと洗い流してクールダウンさせてくれる爽快な雨。
◎喜雨(きう)…雨に飢えた動植物たちが、天を見上げて思わず歓喜の声を上げる、日照り続きに落ちてくる命の雨。
◎恵雨(けいう)…乾ききって毛羽立った大地に降り注ぎ、生き物たちの心身に潤いを取り戻してくれる、恵みの雨。
◎黄金の雨(こがねのあめ)…なかなか雨が降らず、気持ちまで干からびてしまいそうな夏の日に、天から贈られる輝きに満ちた貴重な雨。
◎洒涙雨・灑涙雨(さいるいう・せいるいう)…七夕に再会した織姫と彦星が流す、別れの切ない涙雨。または、彦星と織姫の再会を邪魔する、意地悪雨。
◎洗車雨(せんしゃあめ)…七夕の日に使用する牛車を、牽牛が思いを込めて洗った際に落ちた水が雨となって降るとされたもの。

『夏雨』なウェザーアロマ②

そんな夏に大フィーバーする通称ゲリラ雷雨が、痛々しい災害をもたらすことは、皆さんご存じの通りですが、私たちの体調にも様々な悪影響をもたらします。
もちろん、発達した積乱雲の接近、通過に伴って発生する、気圧や気温の急変が起因と考えられる、偏頭痛、関節痛、神経痛などといった身体的な痛みの悪化なども考えられますが、中でも劇的なお天気の変化に伴う精神的ストレスは、心身のバランスを崩壊させ、思いもかけない体調不良へと、発展しかねないといえるのです。
空間を引き裂くかの如く響き渡る雷の絶叫、投げつけられる硬い氷の礫、突然に巻き上がる風の息、胸を掻きむしるかのように泣きわめくサイレンの声…。否応なしに緊張感がかき立てられます。さらには、河川の増水や氾濫、浸水、土砂災害などに対する不安感に至るまで、交感神経は過剰に興奮させられて、精神的な疲労は結構なものになるのです。
そんな時、お試しいただきたいのが、ウェザーアロマ的クールダウン法です。今回はゲリラ雷雨時に浴びてしまった“お天気ストレス”のアフターケアとして、交感神経の過剰興奮や過度な不安の緩和を目的とした、穏やかに心と身体をリラックスさせて、安眠に導いてくれるようなアロマバスをご提案しましょう。

“ゴロリピカリ”の空の下、“ユッタリマッタリ”のバスタイム

[使用材料] 
精油5滴以下(全身浴の場合) <カモミールローマン1滴、スイートマジョラム2滴>
※初めて使用する場合、まずは1滴からお試しすることをオススメします。

カモミールローマン 
(^-^)…甘酸っぱい匂いを爽やかな風に乗せて吹き渡るような、ちょっぴりくすぐったいフローラルの香り。不安で押しつぶされそうな胸や、散らかって整理がつかなくなってしまった心を、穏やかに鎮めてくれる精油。眠れない夜にも活躍してくれる精油。
スイートマジョラム
(^-^)…じんわりと温かく包み込まれるような安心感を与えてくれる、グリーンハーブの香り。副交感神経にアプローチし、自律神経のバランスを改善してくれる精油。心身ともに温めて、眠りの世界へと誘ってくれる精油。

[作成手順]
① 湯を張ったバスタブに精油を垂らす。
② 湯と精油をよく撹拌させる。
③ よく混ざったら、肩まで浸かり入浴する。
※精油が直接肌に付かないように注意しながら作業すること。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控える。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・精油を垂らしたら、よくかき混ぜてから入浴する。
・喘息や咳などがみられる場合は行わない。
・精油は目や口に入れないこと。
・お湯で火傷をしないように注意。
・傷口へは使用しないこと。
・異常を感じた時は即使用を中止し、流水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・浴槽などへの使用について問題はないか、念のため取扱い説明書などで確認しておくこと。
・光毒性の成分が精油に含有される場合、使用後は直射日光などの紫外線に当たらないこと。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意する。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2014.08.12 掲載

続・お天気香るコラム

Vol.9

2014.07.29

~夏の「香」景 編~

~ 夏の「香」景 編 ~ 『夏香』ばなし

分厚く寝そべっていた灰色雲を突き破り、ようやく転がり込んできた、眩しさ溢れる夏の丸い太陽。そんな瑞々しい日差しに洗われて香り立つ、爽やかさ溢れるシトラスの丸い果実。サンサンと降り注ぐ力強い光に、シャンシャンと弾け飛ぶフレッシュシトラスの香が気持ちいい、解放感抜群の煌めく夏が全力で走り出す時です。
生命力に溢れた太陽をイメージさせるシトラス系精油は、私たちの心と身体を明るく照らし、エネルギーを与えて元気づけてくれます。
そんなシトラス系精油の主成分で、柑橘類特有の新鮮さほとばしる甘酸っぱい香りの素こそ、何を隠そうモノテルペン炭化水素類の「リモネン」と呼ばれる成分です。そんなリモネンですが、柑橘類の果皮表面に存在する粒々内部の、油胞と呼ばれる部分に蓄えられています。このリモネンには、実は“d-limonene”と“l-limonene”、“d/l-limonene”の三種類があるといわれます。その中でも、シトラスの香りを漂わせるのは、d-limonene由来のリモネンになります。スイートオレンジやグレープフルーツ、レモン、ライム、タンジェリン、マンダリンなどのシトラス系精油に多く含有される成分です。ちなみに、l-limonene由来のリモネンにおいては、森林の香りやハーバルミントのような香りを漂わせるといわれています。

『夏香』ことば

◎逃げ水…風も無くよく晴れて気温が上がった日に、地面などへ現われる“てらてら”とした幻の水溜り。近づくと、さらに遠のいて見える光の屈折現象。
◎打ち水…熱にうなされて火照った夏の日に、庭先や路地へ撒かれる涼を演出する水。気化熱の効果に視覚的な効果も加わり、降温を感じられる。
◎日向水…日向に放り出された水が、太陽のエネルギーを吸い取って温もりを帯びたもの。
◎行水…夏場に大きなたらいなどへ水を満たし、ひんやりと水浴びしながら身を清めること。
◎水風船…カラフルな風船に、水を注ぎこみながら膨らませる、涼しげな水遊び。
◎水狂言…実際に水を使用して、舞台上で涼やかな世界を展開させる芝居や芸事など。
◎水からくり…水の力を利用して動かす、様々な仕掛けや細工。涼しさを運ぶ見世物。
◎葛水…清涼な透明感と、しっとりとしたとろみが上品な、夏の冷やし葛湯。
◎出水…梅雨末期など、空が悪ふざけして大雨をもたらす時、河川などが溢れ出し大暴れすること。
◎花氷…花が咲かせた微笑みを、涼しげに氷へ閉じ込めた氷柱。
◎山滴る…きらきらと笑顔の光が転がり、うるうると緑が瞳を潤ませる夏山の表情。
◎草いきれ…太陽の熱い視線を浴び、蒸された草の香りを目一杯に膨らませた夏の空気。
◎蝉しぐれ…蝉たちの命の声が、一斉に夏木立へ打ち付けて、時雨を落とすような情景。
◎旱星(ひでりぼし)…情熱的な太陽のアプローチに旱がちな日々を、象徴するように浮かぶ真夏の夜の赤星。火星。
◎夏座敷…障子やふすまを取っ払って爽やかな風を呼び込んだり、内装を涼しげにしつらえて、優しい涼が吹き抜けるように工夫された座敷。

『夏香』なウェザーアロマ

そんなシトラス系精油の主要成分であります、リモネン<d-limonene>ですが、それではどのような作用に期待できるのでしょうか。少しだけ見ていくことにします。
リモネン<d-limonene>における特徴作用としては、まず、抗菌作用や抗真菌作用、抗ウィルス作用、抗酸化作用、また、皮脂などのあぶら汚れなどを落としやすくしてくれる作用などが挙げられます。ピカピカに浄化してくれるイメージです。その他、胃腸の調子を整えて食欲を増進させてくれる作用、血行の促進、及び心身を温めてくれる作用、気持ちをほぐして緊張を和らげてくれる作用、リフレッシュ作用でストレスを緩和してくれる作用などなど…、リモネン<d-limonene>は、私たちの生活へ多岐にわたって、有用な働きをもたらしてくれるといえるのです。
中でも今の時季、リモネン<d-limonene>の優れた抗菌・抗真菌・抗ウィルス作用や、秀でた浄化作用は、強い味方になってくれるはずです。今回は、そのような部分に注目して、雑菌や害虫などが繁殖しやすい、ジメジメ、ムシムシが氾濫する日本の夏にぴったりな、リモネン<d-limonene>が高含有される精油を使用した、台所周りで使えるウェザーアロマレシピをご紹介します。

リモネン弾ける、ピカピカクレンザー

[使用材料] 
・重曹 50g
・精油 5滴以下<タンジェリン3滴、ラバンジン2滴>

タンジェリン 
(^-^)… 甘酸っぱくて新鮮な光の雫が、夏の片隅に落ちて一気に弾けるような、清々しいシトラスの香り。他のシトラス系精油と比較して、リモネンの含有率がちょっぴり高めの精油。
ラバンジン
(^-^)…鼻先にちょこんと腰かけて香る、どこか透明感を忍ばせるラベンダーの匂い。ラバンジンの精油にはリナロールという成分が多く含有しており、リモネン同様、菌やウィルス、カビ、虫などを寄せつけにくくしてくれる精油。

[作成手順]
① 容器に重曹を入れ、精油を垂らす。
② ガラス棒でよくかき混ぜたら、ラベル(作成日、レシピ)を貼った容器に移して密閉保存する。
③ スポンジを水で湿したら、クレンザーをつけ、汚れが気になる部分を磨く。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控える。
・炎症が酷い部位・傷口がある場合は使用しない。
・適宜、換気を行いながら作業すること。
・冷暗所で保存、使用期限は約3か月。
・光毒性に注意。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は、即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・台所周りなどへの使用において、破損や変質などの恐れがある場合は行わないこと。
・精油による色や香りの染みつき、汚れや変質には十分注意すること。
・長時間の使用は控える。
・あらかじめ少量でパッチテストするのが無難。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2014.07.29 掲載

続・お天気香るコラム

Vol.8

2014.07.15

~夏の「雲」景 編~

~ 夏の「雲」景 編 ~ 『夏雲』ばなし

青空のベッドに横になり、べそをかきながら寝そべる「乱層雲」。そして、青空のどまんなかに立ち上がり、高笑いしながら背伸びする「積乱雲」。夏雲が浮かべる二つの顔。
夏の始め、梅雨空の舞台で主役を張る雲といえば、一般的には、空の低くにまでどんよりと垂れ込める、「乱層雲」をイメージするのではないでしょうか。つまりは、雨雲。しとしととあまり強弱をつけることなく雨を降らせる雲です。基本的には、性質の異なるオホーツク海高気圧由来の北の冷湿な空気塊と、太平洋高気圧由来の暖湿な南の空気塊ががっつりとぶつかり、どちらも譲らずせめぎ合う狭間で発生する停滞前線、いわゆる梅雨前線による雲になります。ただ、この二つの空気塊の水蒸気傾度はそこまで大きくなく、極端な気温差も見られないことが多いため、比較的発達が弱い乱層雲が広がりやすくなるのです。(ただし、上空に乾燥した空気が入ったり、冷たい空気が流れ込んだり、下層に暖かく湿った空気が滑り込んだりすれば、大気の状態は不安定化して、激しい雨をもたらす積乱雲へと成長することも、もちろんあります。)
やがて、この梅雨雲たちを熟成した夏が突き破り、少しずつ大きく穴を開け始めると、眩しい青空がその穴を押し広げながら潜り抜け、表に現れることになります。いよいよ本格的な最強の夏がやって来るのです。そんな最強の青空によく似合うのが、「積乱雲」、いわゆる入道雲です。夏の代名詞的な雲である積乱雲の発生する要因については、基本的に強力な日射で暖められた地面や山岳の斜面、風と風がぶつかる場所などで、地上の蒸し暑い空気の塊が、勢いよく上昇を始めると、モクモクと青空に膨らむ、綿あめのような積雲を湧かせます。さらに、上昇を続けて成長すると、今にもムクムクと青空に溢れ出しそうな、ビールの泡にも似た巨大な積乱雲が現れます。ときに、上空へ寒気が流れ込んでくることがあれば、さらに不安定化してデンジャラスな積乱雲へと成長し、竜巻や突風、短時間強雨、降雹…といった鋭い牙を剥くこともあるわけです。ちなみに“不安定”とは、簡単にいうと、冷たく重たい空気が、暖かく軽い空気の上に乗っかって、頭でっかちになった状態をいいます。その頭をついに支え切れなくなって、勢いよく空気がでんぐり返る際に雷雲を発達させるわけです。余談ですが、上空5500m付近の気温と地上の気温との差が“40℃”程度を越えるようになると、大気が不安定化して雷雲が発達しやすいともいわれます。

『夏雲』ことば

◎五月雨雲・五月雲・梅雨雲…尻尾を長く垂らしながら、だらだらと居座る、梅雨時ののんべんだらりんとした灰色雲。
◎〇〇太郎・〇〇次郎・〇〇三郎・〇〇入道…真夏の主役である積乱雲の別称。河川名・山岳名・地域名など〇〇を、頭につけ呼ぶことが多い。
・安達太郎…福島県安達太郎山付近に現れる夏雲
・坂東太郎…江戸における、利根川流域由来の夏雲
・信濃太郎…越前方面で呼ばれる信濃川流域由来の夏雲
・近江小太郎<比叡三郎>…京阪地域にて、北東の方角に出現する夏雲、比叡山由来の夏雲
・丹波太郎…京阪地域において、北西の方角に出現する夏雲、愛宕山由来の夏雲
・石見太郎…山陰地方において、湧き立つ夏雲
・伊予太郎…愛媛県の松山方面で立ち上がる夏雲
・豊後太郎…山口方面に出現する夏雲
・比古太郎<彦太郎>…大分県と福岡県にまたがる英彦山に由来する夏雲
・奈良次郎<山城次郎>…京阪地域にて、南東の方角に出現する夏雲、奈良盆地由来の夏雲 
・筑紫次郎…九州地方を流れる筑後川流域由来の夏雲
・和泉小次郎…大阪府と和歌山県を隔てる和泉山脈由来の夏雲
・四国三郎…高知県・徳島県を流れる吉野川流域由来の夏雲
・上総入道…茨城県付近で出現する夏雲
・たこ入道…兵庫県付近で出現する夏雲
・出雲入道…出雲<島根県東部>周辺で出現する夏雲
・備後入道…備後<広島県東部>周辺で出現する夏雲
◎油雲…わくわくと湧き立つ積乱雲 
◎天の河霧…ふわふわと漂う天の川の川霧のような雲
◎鼬(いたち)雲…するすると駆け上がる積乱雲、石川県方面の方言
◎岩雲…ごつごつとそびえ立つ積乱雲、兵庫県方面の方言
◎?雲…ぽこぽこと次々に湧き上がる雲 
◎金床雲…かんかんと鋼を鍛える金床のような雲
◎神立(かんだち)雲…ごろごろと雷を轟かせる積乱雲
◎岸雲…だんだんと積み上がる積乱雲、千葉県方面の方言
◎乳房雲…もこもこと丸みを帯びた積乱雲の雲底 
◎峰雲…もりもりと盛り上がる雲の峰
◎舞茸雲…たかだかと手を掲げる積乱雲、岐阜方面の方言
◎漏斗(ろうと)雲…するすると怪しく手を伸ばす積乱雲の雲底

『夏雲』なウェザーアロマ

青空にのっぺりと敷かれた灰暗な雲、梅雨雲。青空にぽっこりと盛り上がる白明な雲、立雲。青空に繰り広げられる夏雲のストーリー。
今はまだ梅雨雲の下。ネズミの雲で遮断される光とともに、塞がれる私たちの心。引き起こされがちな、うつ状態。
光というのは、実は私たちの心身のリズムに多大な影響を与えています。私たち人間は、太陽の光をしっかりと浴びることで、日々の体内リズムを調整しているといわれています。太陽から降り注ぐ光は、日中の活動に合わせて交感神経を活発化させ、いわば戦闘態勢を整えてくれているわけです。よって、十分に光を取り込むことができないと、心身ともにぼんやりとした霞に包まれ、それが長引けば、うつのような状態に引き込まれてしまうのです。梅雨時の日照不足は、私たちの心身に思いのほかダメージを与えるのです。ちなみに、うつ病の治療には、実際に光を利用した治療法もあるようです。光というものは私たちの健康にとって、必要不可欠なものの一つであると言えるわけです。
この時季においては、生活の中に上手く光を取り込むよう心がけることが、やはり大切かとは思いますが、ここでは、そんなどんよりと暗雲に覆われて弱ってしまった心身に、香りの光を明るく照らして活力を取り戻す、ウェザーアロマもご提案させていただきます。

眩い香りを全身に浴びる、アロマシャワータイム

[使用材料] 
・精油 3滴以下<グレープフルーツ1滴・ブラックペッパー1滴>

グレープフルーツ 
(^-^)… まさに、降り注ぐ陽光のような眩い明るさを放つ、フレッシュシトラスの香り。雨に沈み込む世界で、心身に溜め込んでしまった様々な湿気を、スッキリと揮発させてくれるような精油。代謝を改善して、元気を取り戻してくれる精油。
ブラックペッパー
(^-^)…鋭角的でスパイシーな熱い香りの中にも、清々しい透明感を隠し持つ。シャープに切り込む刺激が、梅雨煙に巻かれたぼんやりハートを、一気に目覚めさせてくれる精油。心身ともに活性化させてくれる精油。

[作成手順]
① 身体に付かないように気をつけながら、シャワールームの床端に精油を垂らす。
② シャワーを浴びながら、蒸気とともに芳香成分を拡散させる。
③ 眩しい香りを吸い込んで、心身ともに引き締め、シャッキリと一日をスタート。
※洗面器に湯を張って精油を垂らし、浴室の隅に置いてもよい。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控える。
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控える。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は即使用を中止し、流水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・浴室内における床などへの精油の使用について、変質などの恐れがある場合は行わないこと。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意する。
・お湯で火傷をしないように注意。
・喘息や咳などがみられる場合は行わないこと。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2014.07.15 掲載

続・お天気香るコラム

Vol.7

2014.07.01

~夏の「風」景① 編~

~ 夏の「風」景① 編 ~ 『夏風』ばなし

ぼんやりと鈍色のフィルターをかけられた空の下、まだ初心な夏のつま先が、ゆっくりとリズムを刻み出し、少し体重を増した生ぬるい風を背負いながら、テクテクと歩き始めるこの季節。次第に暑さが顔を覗かせ、ムシムシとした怪しい気配に飲み込まれていきます。
そんな蒸し暑さにくるまれる時季、実は意表を突いて吹いてくる、ある特徴的な風があります。それは、北東方面から吹き寄せる、季節を巻き戻すような冷たい風です。
時おり大陸からやって来る移動性高気圧が、日本付近を東よりに進んでいく場合、北に偏ったようなかたちで、日本列島を覆いながら通過していったり、また、特に梅雨の初期において、冷湿なオホーツク海高気圧の勢力が強い状態にあったりすると、それらの高気圧から時計回りに吹き出る風が、東北地方や関東地方の太平洋側に、海からの冷たい北東風となって吹き付けることになります。すると、のっぺりとした灰色雲が空にあぐらをかくようになるため、気温が上がらず肌寒い一日となり、しとしと雨を降らせることもあります。そのような状況が続けば、農作物などに対して冷害をもたらし、不作となって、多大な被害をもたらすことにもなるのです。いわゆる、この風こそが、北東気流「やませ」と呼ばれる風といったわけです。

『夏風』ことば

◎凱風(がいふう)…ふんわりと穏やかに潜り込む、初夏の優しい南よりの風。
◎薫風(くんぷう)<薫る風・南薫・青嵐(せいらん)>…若い力がみなぎる瑞々しい葉っぱの間を、鮮やかにすり抜ける心地いい風。若い夏の訪れを知らせる、新鮮な緑が薫立つ風。
◎田西風(たにしかぜ)<節の西風>…田植えの時季に西から滑り込んでくる風。恵みの雨を呼びよせる西風ともいわれる。
◎青田風(あおたかぜ)…青々と成長した稲子をさわさわと騒がせる、田んぼを吹き渡る風波。
◎麦嵐(むぎあらし)<麦の秋風>…豊かに熟した麦たちのおでこを、さわさわと撫でる爽快な初夏の風。
◎南風(はえ)…夏を担ぎ上げるようにして吹く、ムンとした熱気を吐き出す南からの風。
・黒南風(くろはえ)…梅雨のスタート地点あたりに吹き渡る南風。深く沈み込む黒々とした雨雲を背負ってくるような、怪しく忍び寄る南よりの風。
・荒南風(あらはえ)…梅雨の折り返し地点あたりに吹き渡る南風。絶好調の梅雨を盛り上げる南よりの風。
・白南風(しろはえ)…梅雨のゴール地点あたりに吹き渡る南風。白々と明け始めた雨の季節を、残らず吹き飛ばすように流れる南よりの風。
◎戻風(もどしかぜ)…梅雨に濡れる季節に、しっとりと吹き付ける南東の風。
◎ひん風…水面でご機嫌に揺れている浮き草たちの、ウエットでグリーンな香りを乗せて吹く風。
◎おりまぜ…過ぎ去る7月の背中を惜しむかのように、吹き抜けていく夏の風。
◎翠嵐(すいらん)…翡翠の吸い込まれるような青さに、浸されて輝く山。また、そんな山の中を駆け巡る、やんちゃな風。

『夏風』なウェザーアロマ

重たい暗色の蓋に、どっしりと空が塞がれる日々。足元へと怪しく忍び寄り、らせん状に身体へとまとわりつく、蒸し暑い“ムワムワエアー”と“ジトジトレイン”。そんな中でも、少しずつ慣れていこうと頑張るけな気な身体へ、さらに降り注ぐ試練、北東気流「やませ」の試練。今度は、反対に冷たい“ヒエヒエエアー”と“ブルブルレイン”に打たれることにもなるのです。
先にも少し述べたように、そんな「やませ」が吹き続ければ、冷害をもたらして農作物は不作となり、私たちの生活に大きなダメージを与えるわけですが、農作物に限らず私たちの心身にもダイレクトに吹き付けて、冷害をもたらします。
日々、重たくのしかかる雲は日照不足をもたらし、うつ状態などの症状を生じさせます。さらには、昼間の気温上昇が阻害されることで発生する体調不良もあります。実は、私たち人間の身体は、基本的に日中、エネルギーを産生し、発散して活動するといったサイクルを持っており、それが昼間、太陽が顔を出し、気温が上がっていくリズムと連動することで、日常の健康を保っているともいわれています。この歯車が噛み合わなくなると、自律神経のアンバランスが起こり、つまりは、ホルモンバランスやメンタルバランス、免疫力などに影響を及ぼし、心身の機能低下へと繋がってしまうのです。加えて、冷たい北東風である「やませ」が吹けば、気温の上昇はいっそう抑制されるため、さらなる体調の悪化も考えられるわけです。
今回は、そんな日中の気温抑制に伴う心身の不調を優しくケアするため、気分を明るくして元気を取り戻してくれるような香りで、尚且つ、心と身体をじんわりと温めてくれるような働きをもつ精油を使用した、ウェザーアロマなハンドバスを試してみてはいかがでしょうか。

気分を上げて代謝も上げる、アゲる系ハンドバス

[使用材料] 
・洗面器などの容器
・精油 2滴以下<ジュニパーベリー1滴・スイートオレンジ1滴>

ジュニパーベリー 
(^-^)… 心身を丸洗いして、隅々まで浄化してくれるような、爽やかな森の香り。血液の循環を促進させて身体を温めてくれたり、ブレーキを踏みがちな心にアクセルを踏みだす勇気を与えてくれる精油。※特に腎臓に問題を抱えた方は、使用を控えること。
スイートオレンジ
(^-^)…今にも果汁が溢れ出してきそうな、爽やかさ駆け抜けるシトラスの香り。お日様の笑顔のように弾ける明るさと温もりで、心と身体を包み込み、輝きを取り戻してくれる精油。

[作成手順]
① 洗面器に湯を張り、そこに精油を垂らす。
② よくかき混ぜたら、両手の手首が隠れるくらいまで浸す。
③ ゆったりとした気持ちで、5分程度手浴する。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・傷口、炎症部位、敏感部位には使用しないこと。
・光毒性の成分が精油に含有される場合、使用後は直射日光などの紫外線に当らない。
・精油原液が肌へ付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は、即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・洗面器などへの色や香りの染みつき、汚れや変質に十分注意すること。
・火気に注意すること。
・湯で火傷しないように注意すること。
・適度な換気を行い、長時間の使用は控えること。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。


2014.07.01 掲載

続・お天気香るコラム

Vol.6

2014.06.17

~夏の「雨」景① 編~

~ 夏の「雨」景① 編 ~ 『夏雨』ばなし

空にはミルクが注ぎ込まれ、夏を熟成させるためにフタがされる頃。空からさわさわと雨が落ちて、太陽がしばらく姿を隠す頃。私たちの心と身体も塞ぎ込みがち。さりとて、大地は全身に降りそそぐ潤いに歓喜し、青葉は愉快に転がる雨玉で楽しそうに遊びます。
夏の始まりを告げる雨ともいえるのが、黄ばんだ熟梅を濡らす雨、黴(かび)をもたらす雨、いわゆる「梅雨(黴雨(ばいう)」です。
前にもご紹介したように、この雨を降らせる梅雨前線の登場には、基本的に北の冷湿なオホーツク海高気圧と、南の暖湿な太平洋高気圧といった、性質の違う二つの空気塊の存在があります。実は、この2つの高気圧が持つ潜在能力のパワーバランスによって、一口に梅雨と言っても、そのタイプが分かれることがあります。
まずは、南から押し上げる太平洋高気圧の勢力が弱く、北から押し下げるオホーツク海高気圧の勢力が強い場合です。このようなタイプは、冷たい高気圧が優位となるため、冷たい雨を長い間引きずり、冷夏を呼び込むことが多く、「陰性型」の梅雨と呼ばれます。
一方、北から塞ぎ込むオホーツク海高気圧の圧力が弱く、南から溢れ出す太平洋高気圧の圧力が強い場合です。そのようなタイプは、暖かい高気圧が優位となるため、晴の日と雨曇の日が行ったり来たりで、猛暑を引き連れてくることが多く、「陽性型」の梅雨と呼ばれます。
さらに、梅雨時に降る雨に対するイメージも、実は日本各地で違ったりするものです。そもそも、梅雨前線が到達する前に消失してしまう北海道方面では、梅雨自体の概念が、“すっかり”ないといえるでしょう。東日本においてはどうでしょう。穏やかに街を濡らす、“しっとり”と煙る雨をイメージするのではないでしょうか。一方、西日本に目を向けてみると、こちらは、傘を勢いよく叩き、“しっかり”と打ちつける雨をイメージする方が多いのではないかと思います。これは、モンスーンの高温多湿な舌先を西日本方面へと悪戯に伸ばし、水蒸気を大量に送り込むためだと言えるでしょう。
このように、夏の始めを濡らす梅雨にも、様々な表情があるのです。

『夏雨』ことば

◎ 梅霖(ばいりん)…梅雨の空に静々とそそり立つ、長雨の林。“霖”は、長く降り続く雨を指し示す語。
◎ 五月雨(さみだれ)…旧暦<陰暦>の五月を、ひたひたに浸す霖雨。梅雨時の長く引きずられる雨。
◎ 猫毛雨(ねこんけあめ)…猫毛のようにか細く柔らかで、微かに艶めく繊細な梅雨。
◎ 水取雨(みずとりあめ)…田植えに必要とされる貴重な水を落としてくれる、梅雨時のありがたい雨。
◎ 青梅雨(あおつゆ)…青葉の鮮やかさと力強さを、より一層磨き上げる梅雨の雫。
◎ 黄梅雨(きつゆ)・黄梅の雨・熟梅雨(じゅくばいう)…丸く微笑む黄梅の頬を優しく濡らし、ほのかに甘さを香らせる梅雨。
◎ 走梅雨(はしりづゆ)・梅雨の走り・迎え梅雨・前梅雨(まえつゆ)・早梅雨(はやつゆ)…近づく梅雨の訪れをほのかに香らせる、すっきりしない空模様。フライング気味の梅雨入り。
◎ 梅雨入・入梅・墜栗花(ついり)・栗花落(ついり)…梅雨の季節の入口に貼られる言葉。“梅雨入り”を語源とする仲間たち。“墜栗花・栗花落”は、栗の花が散る時季と梅雨が始まる時季とをかけた当て字。
◎ 送梅雨(そうばいう)・送梅の雨…梅雨の季節を走り続けてきた空が、ラストスパートをかけて降らせる雨。梅雨のしっぽ。泣き顔でくしゃくしゃだった梅雨空が、いよいよ泣き止む気配を見せ始めるころに降る雨。
◎ 返梅雨(かえりづゆ)・返り梅雨・戻梅雨(もどりづゆ)・戻り梅雨・残り梅雨…梅霖をくぐり抜けたかと思いきや、梅雨前線のきまぐれで、再び長雨の季節に巻き戻されたかのように続く、どんより天気。

『夏雨』なウェザーアロマ

日本付近でダラダラと昼寝を始める梅雨前線。重たい雲の蓋をされて、熱気ムンムンの蒸し器の中で、汗をにじませながらの梅雨暮らし。
梅雨シーズンと言えば、やはり、ムシムシにジトジトがまとわりつき、身体精神衛生上、かなりのダメージを受ける時季です。気温、湿度ともに上昇するために、カビ・ダニ・雑菌などの繁殖は活発化。増殖する彼らの悪戯により、私たちは皮膚や呼吸器などにアレルギー症状を引き起こしてしまったり、また、悪臭を発生させることは勿論、油断して注意を怠ると食中毒を発生させてしまうなんてこともあるのです。
この季節は、より意識的に、お部屋やクローゼット、靴箱やお風呂場などの換気を行ったり、こまめに掃除機をかけるようにしたり、貴重な梅雨の晴れ間には、積極的に布団や絨毯マット、まな板や布巾などを干して日光消毒を行ったり、食品の管理にも気を配ったりと、清潔な状態を常に保つ心構えが必要です。
今回のウェザーアロマグッズは、この時季に増加傾向を見せ始める、決してあなどれない食中毒への対策の一つとして、食卓やキッチン周りをいつも清潔に保っていただくためにきっと活躍してくれる、アロマダスターをご提案したいと思います。

清潔キープで雑菌ガード、アロマクリーンダスター

[使用材料] 
・布<ハンドタオル・布巾など> 1枚 
・精油 3滴以下<ヒノキ1滴・スイートオレンジ1滴>

ヒノキ 
(^-^)…青葉色の清々しい風を吹き込んで、澱んだ空気を丸洗いしてくれるような森林の香り。殺菌・消臭・防虫・防カビなどに力を発揮してくれるため、梅雨時のジメジメ、ムシムシ対策にはうってつけの精油。
スイートオレンジ
(^-^)…太陽のような弾けるフレッシュ感と眩しいフラッシュで、元気を目覚めさせるシトラスの香り。優れた浄化作用により、お掃除が憂鬱な長雨の季節でも、しっかりと身の回りを清潔に保つお手伝いをしてくれる精油。

[作成手順]
① バケツなどの容器に湯または水を張り、そこへ精油を垂らす。
② 精油を垂らした湯または水に、布を浸す。
③ 浸した布を硬く絞り、ダスターとして使用する。
※精油が直接肌に付かないように注意しながら作業すること。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・傷口などがある場合には使用しないこと。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は即使用を中止し、水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・色や香りの染みつき、汚れや変質には十分注意する。容器など専用のものを用意するとよい。
・お湯で火傷をしないように注意すること。
・適宜、換気を行いながら作業すること。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2014.06.17 掲載


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