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お天気アロマテラピー

冬の記事一覧

続・お天気香るコラム

Vol.25

2015.03.13

~四季の“風”景 編~

~ 四季の“風”景 編 ~ 四季「風」ばなし

四季の風景に強く吹き付ける風で思い起こすのは、やはり夏の風景に浮かぶ台風の大風や、いわゆるゲリラ雷雨時の突風や竜巻、そして、秋の風景を北から駆け降りる、頬をつねるような冷たい木枯し、さらには、冬の西高東低の風景を渡る、身を切るような冷えた北風といったところでしょうか。実は、春も思いのほか風が強まる時季だったりします。「春風」などと聞くと、穏やかに優しく頬を撫でる春の風をイメージしたりもしますが、南から勢いよく突き上げる、「春一番」と呼ばれるパワフルな暖風もあるように、春は油断すると強い風に足元をすくわれがちな季節なのです。
普段皆さんがよく耳にされていても、実は知っているようで知られていないのが、風の強さに関する用語です。例えば、「風速」、「最大風速」、「瞬間風速」、「最大瞬間風速」といった語句の実態です。一般的に、風速とは“10分間の平均風速”、最大風速とは“10分間の平均風速の最大値”、瞬間風速とは“0.25秒間隔で測定される値を3秒間平均した値”、最大瞬間風速とは“瞬間風速の最大値”と定められており、秒速(m/s)で表しています。
また、風の強さを「やや強い風」、「強い風」、「非常に強い風」、「猛烈な風」などと表現しますが、これにも実は基準があります。基本的には、やや強い風を“風速10m/s以上15m/s未満”、強い風を“15m/s以上20m/s未満”、非常に強い風は“風速20m/s以上30m/s未満”、猛烈な風を“30m/s以上(または最大瞬間風速で50m/s以上)”としています。
ちなみに、台風の「強風域」とは“台風周辺で平均風速が15m/s以上の風が吹いている、もしくは吹く可能性がある領域”、「暴風域」とは“台風周辺で平均風速25m/s以上の風が吹いている、もしくは吹く可能性がある領域”を示しています。
季節を吹き抜けていく風の強さ一つとっても、実はちょっぴり奥が深いのです。

四字「風」熟語

◎順風満帆(じゅんぷうまんぱん)
…大きな帆で目一杯に風を掴みとり、船が意気揚々と進み行くさま。頼もしい追い風を背中に受けて、力強く快調に前進すること。
◎馬耳東風(ばじとうふう)
…外から吹きつける厳しい意見や批判の向かい風にも、我関せずと気に留めないこと。春風の訪れに人が春を愛でるのに対して、馬は春風が耳を撫でても無関心であることから。「馬の耳に念仏」、「馬の耳に風」。
◎疾風勁草(しっぷうけいそう)
…その人の根本に潜んでいる真の強さは、真の厳しさにさらされてこそ浮き彫りになるということ。荒れ狂う激風に巻きつかれることによって、初めてどれが生命力に満ちた力強い草かが分かることから。
◎風光明媚(ふうこうめいび)
…目の前に落とされる自然のパノラマに、清らかな優美さが見られること。「風光」は風景、光景。「明媚」は優雅に美しくたたずむさま。
◎風林火山(ふうりんかざん)
それぞれの状況を見極めながら打ち出される対処法。軍を有効に動かすために掲げられた4つのポリシーから。「はやきこと風の如く、しずかなること林の如く、しんりゃくすること火の如く、うごかざること山の如し」の略語。
◎風声鶴唳(ふうせいかくれい)
…風の細い口笛や鶴の細い鳴声にさえ怯えて震えるように、どんな些細なことでも怖がって、足がすくんでしまうこと。
◎花鳥風月(かちょうふうげつ)
…季節の移ろいの中で、自然が浮かべる様々な美しい表情。四季が織りなす、自然の風雅な景色。風流な様子。
◎台風一過(たいふういっか)
…台風が空を丸洗いしていったかのように、澄みわたる青空が一面に広がること。
◎秋風索寞(しゅう ふうさくばく)
…色を失くし始めた心を、秋風がヒュルリとすり抜けて、次第に寂しさが膨らみ、心が萎んでいくようなさま。上向きの矢印が下向きへと変わり、ちょっぴり寂寥感(セキリョウカン)が漂う様子。
◎春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)
…春風がフワフワと緩やかに泳ぐ様子。温かくて丸みのある空気感を漂わせるさま。

四季「風」なウェザーアロマ

強風が吹くような日には、やはり呼吸器系の不調が気になります。冬は冷たく乾燥した北よりの強風、「からっ風」が吹き降ろすことによって、呼吸器系に悪影響を与えることがあります。その上、インフルエンザを始めとしたウィルスが生存しやすい環境を作ってしまうことで、状況はさらに悪化してしまうのです。
ようやく、インフルエンザウィルスなどの猛威から解放される春になっても、発達しながら日本付近を通過していく低気圧に向かって駆け上る南風、「春一番」が気温や気圧、湿度の急変をもたらすため、呼吸器系へ悪影響を与え、加えて空気中にスギ花粉や砂塵、ハウスダストなどを巻き上げることで、さらなる炎症を起こしてしまうこともあります。
そして、夏になって「台風」がやって来るようになれば、大風が連れてくる気温や湿度、気圧などの大きな変化によって、呼吸器系の不調を誘発しやすくなるともいわれます。
また、秋も春と同様に日本付近を低気圧が発達しながら通過していくことが多く、駆け下る乾燥した北よりの強風、「木枯らし」によって気温や気圧、湿度が急変しやすく、さらにブタクサ花粉やダニの死骸、砂塵などを撒き散らかすため、呼吸器系の炎症を一層悪化させてしまうことになりかねません。
これまでお話してきたように、残念ながら呼吸器系へ不調を及ぼす強風は、一年を通じて吹いてくるといったわけです。よって、私たちはそれぞれの季節において、強風が吹くと予報された時には、さらなる呼吸器系へのケアを意識し、対応をとることが必要になります。今回はそんな強風の日に引き起こされがちな、呼吸器系の不調にアプローチするための、ウェザーアロマをご紹介しましょう。

呼吸器系と心のイガイガを鎮める、スパークリングバスパウダー

[使用材料1回分] 
・天然塩(乾いたパウダータイプ) 30g
・重曹 30g
・クエン酸 10g
・精油 5滴以下 <ラベンダー2滴・フランキンセンス3滴>
ラベンダー
(^-^)…柔らかで落ち着いたフローラルの香りが、身体の奥にまで穏やかに染み渡り、呼吸器系の炎症や痛みまでも緩和してくれる精油。
フランキンセンス
(^-^)…深く心の底にまで潜り込んでいくような、安心感のある樹脂系の香り。優しい温もりで包み込みながら、咳などの呼吸器系の不調を鎮静化させてくれる精油。
[作成手順]
① ボウルに天然塩・重曹・クエン酸を入れ、スプーンなどでよく混ぜ合わせる。
② 精油を垂らし、さらによくかき混ぜる。
③ 浴槽に入れたら、よく撹拌させてから入浴する。
※蒸気とともに立ち上る精油成分を鼻から吸い込むことで、呼吸器系の不調を緩和する。(ただし、喘息や咳などがみられる場合は、症状を誘発する恐れがあるため、蒸気吸入は行わないこと。)
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控える。
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控える。
・精油原液が肌に付かないように注意する。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・バスパウダーはよく溶かしてから入浴する。
・喘息や咳などがみられる場合は行わない。
・精油は目や口に入れない。・お湯で火傷をしないように注意する。
・水分補給を心がける。
・異常を感じた時は即使用を中止し、流水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・浴槽などへの使用について問題はないか、念のため取扱い説明書などで確認しておく。
・浴室内における床などへの精油の使用について、変質などの恐れがある場合は行わない。
・光毒性の成分が精油に含有される場合、使用後は直射日光などの紫外線に当たらない。
・火気に注意する・色や香りの染みつき、汚れや変質などには十分注意する。
・創傷部位、炎症部位などへは使用しない。
・体調がすぐれず、香りに敏感な時は使用を控える。
・あらかじめパッチテストする。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2015.03.13掲載

続・お天気香るコラム

Vol.24

2015.02.28

~四季の“雨雪”景 編~

~ 四季の“雨雪”景 編 ~ 四季「雨雪」ばなし

 空に描かれる雪と雨との交差点。暦の上でも「雨水」(2月19日~3月6日)のころ。次第に雪が雨へと姿を変え、春のシルエットがすりガラスの向こう側にゆっくりと浮かび上がるころ。緩やかに取り戻される温もりが、私たちを優しい気持ちにさせる季節です。ただし、解け始めるのは私たちの心だけではありません。同時に、冬を白く染めていた座雪たちも少しずつ解けていくのです。
すると、心配になってくるのは雪解けの季節の災害です。雪崩や融雪洪水などがその代表的なものとして挙げられます。雪解けの水が大量に河川に流れ込んで洪水を引き起こす「融雪洪水」は、4月ころを中心に大きな被害が見られますが、「雪崩」による被害はこれからが本番です。
雪崩は分類すると、大きく2つの雪崩に分けることができます。一つは、溶けずに残った古い雪の層の上に新たな雪が降り積もり、その新しい雪の層のみが勢いよく滑り落ちるといった雪崩、いわゆる「表層雪崩」、もう一つは、降り積もった雪の層が雪解けに伴い、新旧の両層がいっぺんに滑り落ちるといった雪崩、つまり「全層雪崩」です。これまでの季節はまだまだ降雪量も多く、特に表層なだれに注意する必要がありましたが、これからの時季は、時おり強く吹き込む南風などによる気温の上昇や、雪でなく雨が降る機会が多くなることから、全層雪崩への警戒もしなければならないわけです。
ちなみに、太平洋側や南国にお住まいの方にはあまり馴染みがないと思いますが、雪崩による災害のおそれがある場合には、気象庁より「なだれ注意報」が発表されます。さらに、融雪による災害の恐れがある場合には、「融雪注意報」が発表されます。気象庁では、実は16種類にも及ぶ様々な注意報を発表しているのです。

四字「雨雪」熟語

◎櫛風沐雨(しっぷうもくう)
…厳しい風にさらされたあげく、強い雨に打たれるような辛労を繰り返すこと。風の櫛で髪をとかし、雨のシャワーで髪を洗うという意味から。
◎旱天慈雨(かんてんじう)
…喉から手が出るほど欲しかった救いの手。カンカン照りでカラカラになった大地に落とされる、涙が出るほどに嬉しい天の涙。待ちに待った恵みの雨。
◎雨過天晴(うかてんせい)
…泣きたくなるような状況が好転し、晴れやかな笑顔が戻ること。垂れこめる黒い雨雲が裂け始め、次第に明るい晴れ間が広がること。
◎晴耕雨読(せいこううどく)
…自然の流れに任せて、緩やかな時を味わいながら人生を楽しむこと。晴れた日には屋外で畑を耕しながら汗を流し、雨の日には屋内で本を読みながら涙を流すような穏やかな暮らし。
◎密雲不雨(みつうんふう)
…前兆があるのにもかかわらず、いまだ物事が生じない状態。今にもアメを落としそうな雲が舌を伸ばしてきているのに、なかなか落ちてこない空。降りそうで降らない意地悪な空。
◎和風細雨(わふうさいう)
…柔らかく撫でる和風のように、そして、さりげなく濡らす細雨のように、人に物事を忠言する際には、和やかで細やかな姿勢を持って向かい合うべきということ。
◎雨露霜雪(うろそうせつ)
…様々な姿に変身して降ってくる滴のように、色々と降りかかってくる人生の障害。また、空が見せる多様な表情。
◎雪月風花(せつげつふうか)
…移ろいゆく季節が織りなす、心揺さぶられる自然風景。また、その感動を詩などに乗せて興じること。
◎雪裏清香(せつりせいこう)
…未だ華やかさが眠る静かな雪の下で、ひっそりと清らかな香りを咲かせる花。つまり、梅の花のこと。ちなみに、梅の別名としては「春告草」や「香雪」、「好文木」や「百花魁」などなど多数。
◎蛍雪之功(けいせつのこう)
…薄暗い蛍の光や窓の雪の灯りで勉学に勤しみ手にした、努力の賜物。

四季「雨雪」なウェザーアロマ

ドスンと座り込んでなかなか動こうとしなかった寒気の親玉が、ようやく重たい腰を上げると、凍りついていた空も少しずつ融けて、ゆっくりと流れ始めます。すると、日本付近には高気圧と低気圧が“どんぶらこ、どんぶらこ”と交互に流れてくるようになります。そんな低気圧が発達しながら接近する際には、ちょくちょく南風が“ひゅるりんこ、ひゅるりんこ”と勢いよく吹き込みます。そうなると、待ちに待った本格的な雪どけの季節を向かえるのです。
ただし、油断は禁物。南からの暖かく湿った風の流入は大雨をもたらすことがあります。また、温かな南風の後には、冷たい北風が不敵な笑みを浮かべて待ち構えています。低気圧通過後の寒気の流入により、逆に大雪をもたらすこともあるのです。まさに、“雨雪”表裏一体の空といったところです。
さて「雪どけ」という言葉には、文字通り、冬の寒さが緩んで積雪が融け始めるといった意味がありますが、皆さまもご存じのように、もう一つ、緊迫した対立関係が緩和するというような意味もあります。対峙する張りつめた緊張感によるストレスで、キリキリと疲労してしまった心。ここでは、そんな筋張った心を、雪どけへと向かわせてくれるアロマをご提案させていただきます。

心の結び目をほどく、雪どけアロマキャンドル

[使用材料] 
・ミツロウ(精製<白色>) 100g
・キャンドル用糸芯 1本  ・キャンドル型(紙コップなど) 1個
・精油20滴以下 <フランキンセンス9滴・ジャスミン6滴>
フランキンセンス
(^-^)…ゆったりと漂う霞に優しく抱かれるような、お香に似た香り。追い詰められて膨れ上がる恐怖心を、穏やかに解き放ってくれるような精油。
ジャスミン
(^-^)…甘くて濃厚な華やかさの中にも、落ち着きを感じられるフローラルの香り。毛羽立った心のささくれを削ぎ落とし、しっとりとした丸みをつけてくれるような精油。
※好みが分かれる香りであり、高濃度で使用すると頭痛や吐き気をもよおすこともあるので注意。
[作成手順]
① ミツロウをビーカーに入れ、湯煎にかけ完全に溶かす。
<春色のクレヨン(自然原料)を少量削り入れて着色すると、雪どけの季節を演出できる。>
② 割り箸で糸芯を挟み、型に固定したら、溶けたミツロウを流し込む。
③ 粗熱をとり、周囲が少し白濁してきたら精油を加え、すべて固まったら型から外す。
※ キャンドルの揺らぐ炎や、春の温もりある色彩も、心を優しく解きほぐす手助けをしてくれる。
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控える。
・体調がすぐれず、香りに敏感な時は使用を控える。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は、即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・火気の使用、及び火傷などには十分注意すること。
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控えること。
・色や香りの染みつき、汚れや変質に十分注意すること。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2015.02.28掲載

続・お天気香るコラム

Vol.23

2015.02.13

~四季の“雲”景 編~

~ 四季の“雲”景 編 ~ 四季「雲」ばなし

 十人十色の表情で、日々私たちを楽しませてくれる雲たち。そんな様々な表情を浮かべる雲たちでも、大きく10種類の顔に分類することができます。いわゆる“十種雲形”と呼ばれるものです。
実は、空に漂っている雲たちは、それぞれに住み分けをして生活しています。雲は地球上の対流圏という水蒸気が大量に存在する大気の層において発生しますが、その中でも下層、中層、上層で出現する雲の種類が違ってきます。
まず、下層(地上1500m付近)の住民である雲たちですが、薄くのっぺりと引き伸ばしたような灰白色の雲「①層雲」、畑の畝のような波が一面に広がる灰白色の雲「②層積雲」、のっぺりと怪しく寝そべる暗灰色の雲「③乱層雲」(※時に中層にも)が存在します。続いて、中層(地上5500m付近)の住民はと申しますと、天球に灰色のシーツを覆い被せたかのような雲「④高層雲」、青い草原を白羊の群れが駆け抜けていくような雲「⑤高積雲」が存在します。そして、上層(地上10000m付近)の住人におきましては、空を白羽根で優しく撫でたかのような薄くて繊細な雲「⑥巻雲」、天井に灰白色の薄いベールが引っかかったかのような雲「⑦巻層雲」、青魚に張りつく白い鱗のような雲「⑧巻積雲」が存在します。また、下層から中層にかけて住む、綿あめのようにフワフワな白雲「⑨積雲」や、下層から上層にかけて住む、ゲンコツを突き上げるようなゴツゴツとした白雲「⑩積乱雲」といった、背高ノッポな雲の仲間たちもいます。
 俳人・歌人である正岡子規は雑誌「ホトトギス」において、「春雲は綿の如く、夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く、冬雲は鉛の如く…」と、四季に現われる雲たちを表現しています。春の“綿”は、暖かな陽気の上で気持ち良さそうにプカプカと浮かぶ“積雲”、夏の“岩”は、ムンとした草いきれの中に仁王立ちする“積乱雲”、秋の“砂”は、乾いた空指の隙間からサラサラとこぼれ落ちる“巻雲”、冬の“鉛”は、冷たい重石を乗せられて低く垂れ込める“乱層雲(雪雲)”を、それぞれ示しているのではないかと私は考えます。(※日本海側の雪雲は積乱雲であったりもしますが…。)
基本的に十種雲形の雲たちは、どの季節においても出現しますが、季節によって出現しやすい象徴的な雲たちは確かにあります。それを子規は、豊かな感受性と洞察力で見事に表現しているのです。子規はさらに、「晨雲は流るるが如く、午雲は湧くが如く、暮雲は焼くが如し」と続け、一日のうちに現れる雲の姿も、心に迫りくる言葉で表現しています。“四季”に敏感な“子規”は、実に魅力的な人物です。

四季「雲」熟語

◎暗雲低迷(あんうんていめい)
…暗黒をまとった雲が怪しく垂れ込めるかの如く、悪い出来事に飲み込まれてしまいそうな様子。また、なかなか暗いトンネルから抜け出すことができないこと。
◎雲烟縹渺(うんえんひょうびょう)
…雲が足跡も残さず、さらさらと流れ去ってしまうように、ある事柄に後ろ髪を引かれることなく、淡々としている様子。
◎雲散霧消(うんさんむしょう)
…気ままに浮かぶ雲が弾け散り、緩やかに漂う霧が吹き消えるように、鮮やかに消えてなくなってしまう様子。
◎雲集霧散(うんしゅうむさん)
…雲がワラワラと湧いて集まるように、霧がハラハラと瞬く間に散っていくように、沢山のものたちが寄り集まっては散っていく様。
◎雲蒸竜変(うんじょうりょうへん)
…空に雲が急に湧き立ち、竜が縦横無尽に駆け巡るかの如く、この時とばかりにやってきて、勢いに乗じて自らの力を存分に発揮する様。
◎雲泥万里(うんでいばんり)
…空に浮かぶ雲と地に張りつく泥ほどにかけ離れ、気が遠くなるほどの距離がある様子。あからさまに大きな隔たりがあること。
◎閑雲野鶴(かんうんやかく)
…フワフワと想いを空に浮かべながら、思う存分に羽根を広げて悠々自適に生きている様。
◎行雲流水(こううんりゅうすい)
…風まかせな浮雲のように、川を駆け下る清水のように、深く考えずその場の流れに身をまかせること。また、その場の色に染まりながら、滞ることなく過ぎ去ってゆくこと。
◎晴雲秋月(せいうんしゅうげつ)
…冴えわたる晴天に浮かぶ純白の綿雲のように、澄みわたる秋夜に浮かぶ透明な丸月のように、真っ直ぐに突き抜けるほどの純真さが眩しい、無垢な心のこと。
◎和風慶雲(わふうけいうん)
…頬を撫でる和やかな微風のように、さりげなく慶福を届けてくれる白雲のように、穏やかで幸せな空気を醸し出す偉大な存在。

四季「雲」なウェザーアロマ

この時季、日本海側ではもはや定番となってしまった“鉛”の空。一方、晴天が続いていたお向かいの太平洋側の空にも、2月頃になると“鉛”の雲が広がる日も出てきて、時おり雪を降らせることがあります。一般的に日本海側の“鉛”は、北西の季節風が日本海を渡る際に発生させる雲由来のものになりますが、太平洋側の“鉛”は、春先にかけて次第に日本列島の南岸を通過するようになる低気圧が発生させる雲由来のものになります。
以前にも少しご紹介したと思いますが、大空を鉛で塞がれて光を全身に浴びることができなくなってしまうと、同時に心身の活動力も塞がれてしまい、倦怠感や鬱のような状態を引き起こしやすくなってしまいます。1つの要因としては、太陽の光により促される日中の昇温と、私たちの活動リズムに合わせた体温上昇との共鳴が崩壊することにより、体内のバランス機能が崩れて体調不良に繋がるのだともいわれています。そもそも、私たちは暗闇に包まれると不安感や恐怖心を抱き、ストレスを感じる生き物なのです。
やはり一日の始まりは、晴れやかな明るい気分でスタートしたいもの。気持ちよく一日のスタートを切ることができれば、その日の充実度に大きな差が生まれてくることは間違いありません。鉛の空が広がって気分が重たくなりがちな朝でも、キラキラとしたアロマのシャワーを浴びて、元気に一日を始めてみませんか。

モーニングサンシャインアロマシャワー

[使用材料] 
・精製水45ml 
・無水エタノール 5ml 
・精油 10滴以下<ローズマリー5滴・グレープフルーツ5滴>
ローズマリー
(^-^)…学名:Rosmarinus officinalis が示すように、海の雫<Ros(雫)・marinus(海の)>がキラキラと乱反射するように、クリアでスッキリとしたハーブの香り。シャキッと目を覚ましてくれる精油。
グレープフルーツ
(^-^)…学名:Citrus paradisi が示すように、楽園<paradisi>を明るく照らす光のように、溢れるフレッシュ感が眩しいシトラスの香り。明るく元気にさせてくれる精油。
[作成手順]
① ビーカーに入れた無水エタノールに精油を垂らし、ガラス棒で撹拌する。
② 精製水を加え、さらによくかき混ぜる。
③ 遮光ガラススプレー瓶に移し、ラベル(作成日、レシピ)を貼る。
※空間にひと吹きすれば、キラキラと輝く朝を届けてくれる。
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・長時間使用は控え、適宜換気を行う。
・高温多湿を避け冷暗所保存。使用期限は約2~3週間。
・アルコール過敏の方は使用を控えること。
・体調がすぐれず、香りに敏感な時は使用を控える。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2015.02.13掲載

続・お天気香るコラム

Vol.22

2015.01.31

~四季の“空”景 編~

~ 四季の“空”景 編 ~ 四季『空』ばなし

 四季折々に豊かな表情を浮かべる空ですが、季節によって様々な落し物をしていきます。そんな落し物を幾つか拾ってみましょう。
春空からの落し物には、あまり歓迎されないものもあります。その一つが黄砂です。中国大陸方面のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などといった地域において、高く巻き上げられた砂塵が偏西風の流れに乗って運ばれてくる現象です。春に黄砂が落とされがちなのは、その原因物質が低気圧の通過などで巻き上げられやすい状態になるうえ、輸送ルートとなる偏西風の流れが日本列島の上空付近を通ることが多くなるためと考えられます。また近年、拡大しつつある砂漠化により被害が拡大しつつあるともいわれています。
夏空の落し物といったら、やはり虹でしょう。夕立後に描かれる七色のアーチは、私たちに幸せを運んでくれます。虹が見える一般的な条件としては、空気中に雨粒が漂っていること。そして、太陽を背にしてその水滴を見ること(つまり、朝方や夕方であること。)が挙げられます。ちなみに、虹が7色に見えるのは、太陽光線(白)を構成している赤・橙・黄・緑・青・藍・紫といった7つの光に屈折率の違いがあるからです。簡単にいうと、太陽光線が雨粒の中に入り込むと、構成する7つの光がそれぞれ違う角度で屈折・反射するため7色に分かれて見えるのです。
秋空が深まる頃、静かな朝に落とされるのが朝霧です。近年“天空の城”として話題の竹田城の雲海は、麓に流れる川の蒸気霧が作りだす美しい光景です。秋の朝に雲海が出やすい基本的な条件としては、前日に雨が降るなどして湿度が高い状態であること。夜間、風もなくすっきりと晴れ、放射冷却がきいてよく冷えている状態であることなどが挙げられます。目安としては、日の出前から日の出後1~2時間くらいまでの間に発生しやすいといえます。地上の気温が上がるとともに、霧はすぐに解消してしまうのです。
冬空から落とされて大地に突き刺さるものといえば霜柱です。私たちの身近にある霜柱ですが、実は微妙なバランスの上で出来ているのはご存じでしょうか。通常、地表が0℃以下でも、地中は0℃以上といった条件が必要です。地表が0℃以下になると地表は凍りますが、土の中が0℃以上で湿っている場合、毛細管現象(水などが管の内側を上昇しようとする現象)により地中の水分が吸い上げられます。その水分は地表付近で凍りますが、再び地中より水分が供給されます。この繰り返しにより縦長の氷柱が成長し、霜柱が形成されるわけです。
四季の空から落とされる“落し物”を探して拾い集めてみるのも、なかなか乙なものです。

四季『空』熟語

◎迂疎空闊 (うそくうかつ)
…持っているものがざっくりとし過ぎていて、用に足りない様子。
◎海闊天空 (かいかつてんくう)
…地平線の果てにまで広がる大海原や、天高くにまで突き抜ける大空のように、寛容でさらっとした性格。
◎空空寂寂 (くうくうじゃくじゃく)
…白々としていて、静々としている心の状態。すっぽりと穴が空いたように、何もなくひそやかな様。
◎空空漠漠 (くうくうばくばく)
…焦点が定まらないほどに、延々で広大な様子。あまりに果てしなく、ぼやけている状態。
◎空前絶後 (くうぜんぜつご)
…以前にも見たことがなく、今後も見ることがないであろう貴重な事例。滅多に起こりえない珍しい出来事。
◎空即是色 (くうそくぜしき)
…この世に存在する全てのものの本質は空虚であり、それによって成立しているということ。
◎空中楼閣 (くうちゅうのろうかく)
…海にユラユラと浮かぶスカイスクレーパーの蜃気楼のように、いくら立派でも所詮は実態がなく空想的なもの。また、非現実的な考え方。
◎空理空論 (くうりくうろん)
…いくら美しい花瓶でも底が抜けていたらその役割を果たさないように、立派でも非現実的で全く意味を成さない考え方。
◎十室九空 ( じっしつきゅうくう)
…十戸のうち九戸が空き家となるほどに、活気が枯れ果て寂れてしまっている状態。
◎万里一空 (ばんりいっくう)
…遥か彼方にまで広がる世界でも、同じ空のもとに存在しているという考え方。また、見定めた一つの目標に向かって、どこまでもひたむきに力を尽くすこと。

四季『空』なウェザーアロマ

キンキンに冷えた空から落とされる寒気玉が、肩に重くのしかかる厳しい冬のど真ん中。暦の上でも「大寒」を向かえ、これから立春の頃までの期間が、一年で最も寒い時季といわれます。
そんな冷空から勢いよく落とされる寒気玉とともに、毎年この時季にきまって落とされるものが1つあります。それは受験という試練です。受験生の皆さんは、突き刺さる寒さとプレッシャーに追い立てられながらも、身を奮い立たせながら頑張っていることと思います。今回はそんな皆さんに、細やかではございますが、私からちょっぴりウェザーアロマなご提案をさせていただきたいと思います。この時季の厳しい寒さや酷い乾燥、人ごみにより蔓延するウィルスにも負けないための精油、そして、いざという時の集中力アップにも期待できるような精油を使用した合格祈願の御守を作成して、頑張る受験生にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
また、その御守と同じ香りを、普段から時々お部屋に漂わせておくと、緊張する試験会場で御守の香りを嗅いだ時、慣れ親しんだいつもの香りに包まれることで、自分の部屋にいるような落ち着いた雰囲気で、試験にのぞめるといったメリットも考えられます。
ただし、御守に付ける香りはほどほどに。周囲の迷惑になっては困りますし、何より本人が気分悪くなってしまっては、元も子もなくなりかねませんので。また、日々の体調によって香りの感じ方は変化しますし、香りの好みもありますので、その点も十分考慮した上、身体に負担のかからない範囲で使用しましょう。

迫りくる敵を打ち破れ!合格祈願のアロマ御守!! 

[使用材料] 
・メッセージカード(小) 1枚 
・封筒 1枚 
・ムエット 2枚 
・リボン 1本
・精油 <レモン1滴・バジル1滴>
レモン
(^-^)…目が覚めるほどのフレッシュ感が、キリッと弾けるシトラスの香り。うす笑いを浮かべて近づくウィルスから、優れた殺菌力で守ってくれる精油。免疫力を高めて、感染症予防に力を貸してくれる。キリリとした香りで、疲れて落ち込みがちな集中力も持ち上げてくれる精油。
バジル
(^-^)…スパイシーでスッキリとしたグリーンハーブの香りの中に、ほのかな甘さも漂わせる香り。モヤモヤした頭の中をクリアにして、集中力を取り戻してくれる精油。殺菌作用にも期待大で、風邪の季節に活躍してくれる精油。
[作成手順]
① 手に付かないよう注意しながら、ムエットに精油を1滴垂らす。
② カードにメッセージなどを書き込んだら穴を開け、リボンで飾って御守を作る。
③ ムエットにしっかりと精油が染み込んだら、御守りとともに封筒へ入れ、封をして香りを移す。
※御守の香りを楽しみながら、集中力や免疫力のアップに役立てる。
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控えること。
・喘息や咳などがみられる場合は行わないこと。
・体調が優れず、香りに敏感な時は使用を控えること。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2015.01.31掲載

続・お天気香るコラム

Vol.21

2015.01.19

~冬の「雨雪」景 編~

~ 冬の「雨雪」景 編 ~ 『冬雨雪』ばなし

 天気予報では「雪が降るでしょう。」の一言で片づけられがちですが、降る雪がもつ質感や、その雪を降らせる原因について、実は太平洋側と日本海側で全く違っていることはご存じでしょうか。「太平洋側における南岸低気圧型の“ベタ雪”」VS「日本海側における西高東低型の“サラ雪”」といったタイトルをつけて、少しだけその姿を覗いてみましょう。
まずは、「太平洋側における南岸低気圧型の“ベタ雪”」ですが…、
日本の南岸を進む低気圧は北東から寒気を引き込み、下層を低温化させます。続いて、南から流れ込む温かく湿った空気が、その冷えた空気を滑昇すると湿った“ベタ雪”を降らせることになるのです。その時の様々な条件によって、霙(みぞれ)や冷たい雨となることもあります。基本的には、南岸を通過する低気圧が陸地に近すぎると雨や霙となり、遠すぎると何も降らず曇りに、ちょうどいい距離感にあるときにのみ雪となるわけです。実は低気圧が進む微妙なコースのずれによって、雪になるのか、霙になるのか、雨になるのか、はたまた全く何も降らないのか…、冬場における太平洋側の雨雪の予報は本当に難しいところなのです。
太平洋側のベタ雪は、重たく着雪しやすいので厄介です。特に電線や木立に引っ付けば、停電や倒木を発生させて交通障害や通信障害などを引き起こす可能性がありますし、屋根に積もれば少量でも家屋や車庫などは押し潰されて倒壊する危険性もあるのです。ちなみに、南北において気温差が大きければ大きいほど、日本の南岸を進む低気圧は爆発的に急発達する恐れがあるので、警戒が必要になります。
次に「日本海側における西高東低型の“サラ雪”」ですが…、
大陸で大きく育った冷たい空気が膨れ上がり、季節風の流れ(西の高気圧から東の低気圧に向かって吹き込む風の流れ)に乗って日本海上に流れ込んでくると、相対的に温かい海との間の気温差により対流が発生し、海から水分をグイグイと吸い上げることで雲が湧き上がります。やがて、ヒエヒエの北西風に流される雲たちはきれいな隊列を組み、日本海側の地域へ攻め入るようになだれ込んでくると、大量の“サラ雪”を降らせるのです。ちなみに、流入する寒気が強いほど(目安として上空5500m付近で、-36℃以下の寒気)日本海上の雲は発達し、大雪をもたらすことがあるので、目を光らせておかなければなりません。

『冬雨雪』ことば

【冬雨編】
◎浦西(うらにし)
…晩秋から初冬にかけて吹き付ける、時雨や雪を乗せた西より(北西)の風。特に日本海側地方で使用される言葉。
◎御下・御降(おさがり・おんふり)<富正月(とみしょうがつ)>
…年明け早々の元旦や三が日中に落とされる、非常に縁起のいい雨や雪。その年の豊作を予兆するとされる有難き雨雪。
◎寒九の雨(かんくのあめ)
…寒さの峠である“寒”の時季(二十四節気の小寒~大寒<晩冬>)に差し掛かって九日目に降り注ぐ、その年の豊作を予言するとされる雨。寒の入りから九日目の雨。
◎北雨吹(きたしぶき)
…凍える頬にキリキリと冷たい雨を降りおろす、北方からの冷酷な強風雨。
◎雪交(ゆきまじり)<雪まぜ>
…北風に襟を立てながら見上げる灰色の空に、時おり雪が姿を見せるようになること。冷たい北風や冷えた雨に、雪が混じるようになること。

【冬雪編】
◎弟待つ雪(おとまつゆき)<友待つ雪(ともまつゆき)・雪の友(ゆきのとも)>
…冷たく沈む空を遠い目で見つめながら、やがて訪れる後雪を密やかに待ちわびる先雪。
◎回雪・廻雪(かいせつ)
…ちょっぴり気が強い冬の風に乗って、シャララと鮮やかに舞って見せる白雪。
◎風花(かざはな)
…風の口笛に花弁がはらはらと舞うように、雪がちらちらと落ちること。風に乗って遠くからやってきた雪たちが、青空の舞台で楽しそうに踊ること。
◎銀花・銀華(ぎんか)
…静かな輝きを放ちながら舞い降りる、華奢で冷たい雪の花。
◎梢の雪(こずえのゆき)
…木立の枝先に、ちょこんと腰を下ろして揺れる雪の花。
◎撓雪(しおりゆき)
…弓なりにしなる木の枝から、落ちないように必死でしがみつく着雪。
◎垂(しずり・しずれ)<垂雪(しずりゆき)・雪垂(ゆきしずり・ゆきしずれ)>
…張りついていた小雪が、枝舌の滑り台を一気になだれ落ちる様子。また、小雪が止まり木に弾かれて一斉に飛び立つような様子。
◎終雪(しゅうせつ)<雪の果て(ゆきのはて)・名残の雪(なごりのゆき)・忘雪(わすれゆき)・忘れ雪(わすれゆき)・雪の別れ(ゆきのわかれ)>
…冬香に後ろ髪を引かれながら寂しげな背中を見せる、ちょっぴりセンチメンタルな雪の後ろ姿。
◎瑞雪(ずいせつ)
…幸せを運ぶ瑞々しい雪。ありがたくめでたいとされる雪。
◎六花(りっか)・六つの花(むつのはな)・六出花(りくしゅつか)
…六角形の雪の結晶を六枚の花弁をもった花に例えた言葉。雪花、雪華。
◎雪子(せっし)
…白い世界で無邪気に遊ぶ雪ん子、白雪。または、雪に成長できないかった霙(みぞれ)。
◎はだれ雪(はだれゆき)<はだら雪(はだらゆき)・はつれ雪(はつれゆき)・はだれ>
…冷たい空から小さく舞い降りて、地上に白いベールを広げる雪。大地にまだら模様を描く雪。
◎花弁雪(はなびらゆき)<牡丹雪(ぼたんゆき)>
…ゆらひらと優雅に舞い降りる、大きな花びら様の雪片。特に、その雪片を牡丹の花びらに見立てたものが牡丹雪。
◎不香の花(ふきょうのはな)
…花の香りを忘れた雪の花。冬の香りをひんやりとまとう雪の花。
◎綿帽子(わたぼうし)
…たたずむ木立や眠る御山に、ふっくらと被せる雪の白帽子。

『冬雨雪』なウェザーアロマ

日本列島は冷たい雪のシーツに包まれる厳しい季節。冬の息吹は容赦なく、私たちに切りかかるように襲ってきます。
毎年この時季になると、私たちは“ひび”や“あかぎれ”、“しもやけ”などに悩まされがちです。このような肌荒れは、とりわけ手足の先に生じやすいといった特徴があります。しもやけにおいては、耳たぶや鼻のあたま、頬といった部分にもできやすくなります。ひびやあかぎれは低温や乾燥により引き起こされるといわれており、また、しもやけは寒さにより発生する血行障害が原因と考えられています。
これらの肌荒れを予防するには、まずは保温性の高い手袋や靴下、耳あてなどで手足の先や耳を極力冷やさないようにするのと同時に、適度な保湿を心がけることが大事になってきます。また、日々の適度な運動も効果的だと考えられます。ただし、汗などで濡れて湿度が高い状態を放置すると気化熱の原理により熱を奪われやすくなるので、身体を冷やさないように注意が必要です。
また、ウェザーアロマ的な対策として、手作りアロマクリームでケアしてみるのはいかがでしょう。手足にクリームを塗りながら優しく揉み解してあげることで、血行を促進させるとともに適度な保湿も期待できます。精油は炎症の緩和や血行を促進してくれるようなものなどを選択してみましょう。キャリアオイルにはビタミンEを豊富に含有し、身体をじんわりと温めてくれるセサミオイルなどをブレンドしてみてはいかがでしょうか。ちなみに、セサミオイルはインド、スリランカの伝統療法であるアーユルヴェーダで使用されることでも有名なキャリアオイルです。冬の肌トラブルに悩まされる前に、どうぞお試しくださいませ。
※既に炎症が見られる場合などは、医師の診察を受けることが先決です。また、本レシピのクリームは薬としての効用を示すものではありません。

しっかり保温、しっとり保湿!冬の肌荒れアロマクリーム

[使用材料] 
・ミツロウ3g 
・植物油20ml<セサミオイル10ml・ホホバオイル10ml>
・精油 4滴以下<サンダルウッド2滴・ラベンダー2滴>
サンダルウッド
(^-^)…お香のような香りが、深々と降り続く雪のような静けさを感じさせる。血行を促進させて冷えを緩和させたり、炎症を抑えてひびやあかぎれになりにくくしてくれる精油。殺菌にも力を発揮してくれる。
ラベンダー
(^-^)…ほどよい甘さと爽やかさが咲くフローラルな香り。炎症を抑えるとともに、細胞の成長を手助けする働きをもつ精油。殺菌力にも定評があり、肌を清潔に保ってくれる。
[作成手順]
① ビーカーに植物油とミツロウを入れ、湯煎にかける。
② 完全にミツロウが溶けたら、クリーム容器に移す。
③ 粗熱が取れたところで精油を加え、ガラス棒でよく撹拌したら、固まるまで静かに置いておく。
※適量を手に取って対象部位に薄く伸ばしながら、優しくトリートメントする。
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・精油は目や口に入れないこと。
・あらかじめ少量でパッチテストしてから使用すること。
・炎症がある部位、顔や敏感な部位、傷口へは使用しないこと。
・異常を感じた時は即使用を中止し、水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・衣服などへの色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・火気、火傷などに注意する。
・高温多湿を避けた冷暗所で保存。使用期限は1ケ月程度。
・適宜、換気を行いながら作業する。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2015.01.19掲載

続・お天気香るコラム

Vol.20

2014.12.25

~冬の「雲」景 編~

~ 冬の「雲」景 編 ~ 『冬雲』ばなし

 この冬の寒い時季、日本に向かって大陸から強い寒気が流れ込んでくれば流れ込んでくるほど、日本海上には美しい、いわゆる「筋状の雲」が浮かび上がります。天気図上に現われるスリムな縦縞の等圧線とともに、衛星画像上に現われるシャープな筋状の雲を肴に、冬場、熱燗で一杯いただくのが、お天気好きの呑兵衛にとっては至福のひとときだったりします。ちなみに、非常に強い寒気が日本付近に流れ込んでくる場合、太平洋上にも筋状の雲が見られることがあります。こちらもまた心くすぐられる雲です。
その筋状の雲を発生させるメカニズムを簡単に申しますと…、大陸の冷たく乾いた空気が、相対的に温かく湿った日本海に流入してくると、その温度差により対流活動が起こり、日本海上で多量の水蒸気を吸い込んで雲を作ります。そんな日本海生まれの雲たちは強い北西からの寒風に吹かれることにより、お行儀よく列を作って並ぶため、均整のとれた筋状の雲列を浮かび上がらせることになるのです。
したがって、日本海に綺麗な筋状の雲が整列すると、日本海側の地域ではその雲たちが日々流れ込んでくるため、すっきりとしない曇りや雪の日が多くなります。一方で、日本海の雪雲たちを乗せた空気の流れが、脊梁山脈を越える際に水蒸気を全て震い落として流れ下ると、太平洋側の地域では雲の姿は消えてなくなるため、乾いた晴れの日が多くなるわけです。
日本の冬は、日本海側と太平洋側で雲の有無がくっきりと分かれる、白黒はっきりとした空模様になるといった特徴があるわけです。

『冬雲』ことば

◎冬雲(ふゆぐも)<冬の雲(ふゆのくも)>…冷たい暗雲が低くまで舌を伸ばし、冷えびえとした空気で包み込む雲
◎凍雲(いてぐも・とううん)…まるで凍りついたかのように空一面に貼りつき、隙あらば雪を落とす怪しげな雲。
◎寒雲(かんうん)…寒々ときしむように鳴き続ける、冬の日の鈍雲。
◎雪雲(せつうん・ゆきぐも)…重そうに雪を抱えながらたたずむ、雪の日のドンヨリ雲。
◎筋状雲(すじじょううん)<筋状の雲(すじじょうのくも)>…冬季の日本海上などに描かれる、タイトなストライプ柄がオシャレな雲の列。

~日本海側の雲“アリ”灰色空~
◎暗天(あんてん)…光が閉ざされ、暗闇で握り潰された空。
◎陰天(いんてん)…光が溢れる天空の裏側に広がる、雲で覆われた闇空。
◎薄曇(うすぐもり)…ちょっぴりかすれた幻想的な風景を描く、ミルク色の空。
◎曇空(くもりぞら)…雲空。鈍空。
◎曇天(どんてん)…雲天。鈍天。
◎垂天(すいてん)…雲などが天上からぶら下がって揺れる空。

~太平洋側の雲“ナシ”青色空~
◎青天井(あおてんじょう)<野天(やてん)>…吸い込まれる程に高くまで突き抜ける、決して手の届くことのない青天上。
◎青漢(せいかん)<青穹(せいきゅう・蒼穹(そうきゅう)・青霄(せいしょう)・蒼昊(そうこう)>…清らかな青き大河が横たわる大空。「穹」は弓の形状を意味し、大空を弓に見立てた語。「霄」や「昊」は大空を意味する語。
◎晴空(せいくう・はれぞら)…弾ける青色が眩しい、好天に恵まれた雲一つない大空。
◎蒼天(そうてん・そうでん)<青空(あおぞら・せいくう)・青天(せいてん)>…遥か彼方まで青原が広がり澄みわたる天穹。
◎碧虚(へききょ)<碧空(へきくう)・碧天(へきてん)・碧霄(へきしょう)・碧落(へきらく)>…深き水の淀みの如く、静まり返る青空。「碧」は少し暗めの青色、青緑っぽい色を意味する語。

『冬雲』なウェザーアロマ

そんな雲が低く垂れ込めて暗い世界に沈み込む日本海側と、雲ひとつなく高い空が広がって明るい世界にさらされる太平洋側。日本海側ではドヨドヨとした空気に包まれるため、身体の活動リズムを崩すとともに、心も憂鬱になりがちです。また、太平洋側ではカラカラとした空気に包まれるため、お肌の乾燥に悩まされるのはもちろん、心も乾きがちになります。
このような場合、同じようにメンタルケアを考えるとしても、雲が剥がれない日本海側のウエットな冬空の下におけるメンタルバランス調整と、雲を寄せ付けない太平洋側のドライな冬空の下におけるメンタルバランス調整とでは、やはりアプローチの仕方は変わってきます。日本海側においては、湿っぽくなってしまった心へ清々しさを与えてあげるように、さっぱりとしたリフレッシュ系の香りを選択し、一方の太平洋側においては、乾いてしまった心へ潤いを与えてあげるように、しっとりとしたリラックス系の香りを選択するのがよろしいかと考えます。
日本の冬、そして年末年始の象徴的な香りといえば、やっぱり“こたつの上のミカン”の香り。ということで(?)、今回はミカン科の精油をフィーチャーして、リフレッシュ系の柑橘香を使用した芳香浴と、リラックス系の柑橘香を使用した芳香浴を、タイプ別に楽しんでみましょう。

日本海側の湿空と、太平洋側の乾空に咲かせるアロマ

[使用材料] 
・ハンカチ or ティッシュペーパー 1枚
・柑橘系精油 2滴以下
【リフレッシュ系シトラスブレンド(日本海側)】
✿ レモン・ライム・グレープフルーツ ✿
(^-^)…「レモン・ライム・グレープフルーツ」などの柑橘系精油を選択して太陽のように眩く明るい香りで心を照らし、リフレッシュさせてあげる。
【リラックス系シトラスブレンド(太平洋側)】
✿ スイートオレンジ・ベルガモット・マンダリン ✿
(^-^)…「スイートオレンジ・ベルガモット・マンダリン」などの柑橘系精油を選択して太陽のように優しく温かい香りで心を包み、リラックスさせてあげる。
[作成手順]
① ハンカチやティッシュに、精油を垂らす。
② ハンカチやティッシュについた精油の香りを嗅ぐ。
③ タイプに合わせたシトラスアロマで気分転換し、心身の不調を改善。
※柑橘系の精油には色がついているものが多く存在するため、ハンカチや衣服などへの色移りなどには十分に注意すること。
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控える。
・精油原液が肌へ付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控えること。
・精油は目や口に入れないこと。
・ハンカチや衣服などへの色や香りの染みつき、汚れ、変質には十分注意すること。
・異常を感じた時は、即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2014.12.25掲載

続・お天気香るコラム

Vol.19

2014.12.16

~冬の「風」景 編~

~ 冬の「風」景 編 ~ 『冬風』ばなし

 冬本番に近づくにつれ、日本列島を挟み込むようにして西に高気圧、東に低気圧を配置した“西高東低”の冬型の気圧配置となり、天気図上に冬を描きます。等圧線のスリムな縦縞模様が妙にセクシーで、お天気好きにはたまらない天気図です。このような西高東低の気圧配置が見られる冬季は、一般的に北西からの季節風が強く吹き付ける日が多くなります。
大きな流れとして風を見てみると、基本的に風は気圧の高い方(高気圧)から気圧の低い方(低気圧)に向かって吹き込む性質があります。さらに、北半休では高気圧は時計回りに風が吹き出し、低気圧は反時計回りに風が吹き込む特性もあります。ゆえに、西の高気圧から時計回りに吹き出す風は、東の低気圧に向かって反時計回りに吹き込むことになります。そのため、日本列島では通常、北西の風が吹くことになるわけです。また、冷たい空気は暖かい空気に向かって流れる性質から、冬場においては冷えやすい大陸(冷たい大陸)から冷えにくい海洋(温かい海洋)に向かって風が吹くため、北西の季節風が吹くとも言えます。
このような風が吹くと、日本海側では北西風が日本海を渡る際に、水分を補給して吹き付けるため、湿潤な空気に浸されますが、太平洋側では北西風が日本列島に背骨のように連なる山脈を越える際に、水分を落として吹き降りるため、乾燥した空気にさらされることになるのです。ちなみに、このような湿気を震い落して山を駆け下りる冬の冷たい北寄りの強風を、特に関東方面では「空っ風(からっかぜ)・空風・乾風(からかぜ)」と呼びます。また、「北颪(きたおろし)」と呼ぶ地方もあるようです。

『冬風』ことば

◎あなぜ<あなじ>…冬季に冷たく吹き付ける北西からの強風。「あぁ~!」と思わず声を上げてしまうほどに厳しい冬の季節風。
◎陰風(いんぷう)…冬に吹きつける体温を失った冷たい北風。不気味にまとわりつく陰気臭い風のこともいう。
◎颪(おろし)…山から勢いよく一気に転がり落ちてくる、肌を切り裂くほどに冷えきった強風。しばしば各地の山名を「颪」の前に付属させて使用される。
【伊吹颪(いぶきおろし)】…岐阜県と滋賀県にまたがる伊吹山から吹きおりる颪。
【北山颪(きたやまおろし)】…京都府の北山から吹きおりる颪。
【筑波颪(つくばおろし)】…茨城県の筑波山から吹きおりる颪。
【比叡颪(ひえおろし)<叡山颪(えいざんおろし)>】
…京都府と滋賀県にまたがる比叡山から吹きおりる颪。
【富士颪・不二颪(ふじおろし)<富士川颪>】
…山梨県と静岡県にまたがる富士山から吹きおりる颪。
【六甲颪(ろっこうおろし)】…兵庫県の六甲山から吹きおりる颪。
【榛名颪(はるなおろし)<伊香保風(いかほかぜ)>】…群馬県の榛名山から吹きおりる颪。
【鈴鹿颪(すずかおろし)】…三重県、岐阜県、滋賀県を通る鈴鹿山脈から吹き降りる颪。
【八ヶ岳颪(やつがたけおろし)】…山梨県と長野県にまたがる八ヶ岳から吹き降りる颪。
【蔵王颪(ざおうおろし)】…宮城県と山形県にまたがる蔵王連峰から吹き降りる颪。
…etc
◎朔風(さくふう)<北風(きたかぜ)・北気(きたげ)・北打ち・北つむじ・きた>
…北方から吐き出される、頬をきるほどに冷たい冬の息吹。「朔」とは“北”の方角を意味する語。
◎浚の風(さらいのかぜ)】…彩りを拭い去るかの如く降り積もる粉雪を、勢いよく舞い上げ散らかす寒風。「浚」とは物を取りさらうこと、取り除くことなどを意味する語。
◎篠の小吹雪(しののおふぶき)…サラサラと繁る篠竹に、サラサラと積もる粉雪。そんな景色を一気に冬風が吹き抜け、“篠雪”をふぶきのように舞い散らかすこと。
◎霜風(しもかぜ)…白霜の絨毯を大地に大きく広げる寒風。霜の上をなだらかに滑り行く凍風。
◎ならい風(ならいかぜ)<ならい・ならえ>…日本列島の背骨を乗り越えて、日本海側から太平洋側へ一気になだれ落ちてくる、クールでドライな冬の季節風。
◎襖風(ふすまかぜ)
…襖の隙間から忍び込むヒンヤリとした風。襖を隔てた隣り合う部屋で起こる現象で、ひと気のない暗く冷たい部屋から、人で賑わう明るく温かい部屋に向かって流れる空気の流れ。
◎雪下(ゆきおろし)…山の雪を吹き散らかしながら勢いよく駆け降りる、雪まみれの山風。

『冬風』なウェザーアロマ

先に述べた通り、これから本番を向かえる冬の時季においては、山越えで水分を震い落した冷たい北寄りの強風が吹き下るため、太平洋側には乾燥と低温がもたらされます。加えて、冬場は暖房を使用することで湿度がさらに低下しますし、また、風が強く吹けば吹くほど体感的には寒く感じられるといった傾向もあります。ちなみに、体感温度は風速1m/s強まるごとに1℃ほど下がるともいわれます。よって、しっかりとした保湿対策と耐寒対策が求められる季節です。
そんな“北風小僧のいたずら”に立ち向かうための、ウェザーアロマ的対応策と精油のブレンドはと申しますと…。今回は冷たくカサカサになりがちなお肌とハートを温かく包み込んで潤してくれる、アロマバスオイルをお試しになってみてはいかがでしょうか。ブレンドする精油は、心と身体を芯からじんわりと温めてくれると同時に、スキンケアにも力を発揮するものを選択します。
折しも、街はクリスマスムード一色の今日この頃。せっかくですので、香りでクリスマス気分も演出してみませんか。オススメは、ジンジャーとベンゾインのブレンドです。ズバリ、クリスマスケーキをイメージした香りです。ジンジャーを少々利かせたバニラシフォンケーキのような、ちょっぴり大人なクリスマスケーキの香りをお楽しみくださいませ。

北風の口笛が響き渡る、ホーリーナイトのアロマバスオイル

[使用材料]【1回分】 
・ 植物油<ホホバ油> 5ml
・ 精油 5滴以下 <ジンジャー1滴・ベンゾイン2滴>
※初めて使用する場合、まずは少量からお試しいただくことをオススメします。
ジンジャー
(^-^)…すっきりとしたスパイシーさが気持ちいい香り。鼻の奥で覚醒する少々の“ピリッと感”が癖になる香り。縮こまった心身を活性化させて、ポカポカと温めてくれる精油。刺激が強いため使用量に注意。
ベンゾイン<安息香>
(^-^)…バニラを思わせる優しい甘さに幸せを感じる香り。乾燥などでダメージを受けたお肌を優しく包み込み、潤いと柔らかさを取り戻す手助けをしてくれる精油。気持ちに明るい火を灯し、温かな気分にしてくれる精油。
[作成手順]
① 植物油をビーカーなどで計量する。
② 計量した植物油に精油を垂らし、ガラス棒でよくかき混ぜる。
③ 作成したバスオイルを浴槽に入れ、よくかき混ぜてから入浴する。
※精油が直接肌に付かないように注意しながら作業すること。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控える。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・バスオイルはよくかき混ぜてから入浴すること。
・喘息や咳などがみられる場合は行わないこと。
・精油は目や口に入れないこと。
・お湯で火傷をしないように注意。
・傷口へは使用しないこと。
・異常を感じた時は即使用を中止し、流水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・浴槽などへの使用について問題はないか、念のため取扱い説明書などで確認しておくこと。
・光毒性の成分が精油に含有される場合、使用後は直射日光などの紫外線に当たらないこと。
・色や香りの染みつき、汚れや変質には十分注意すること。
・あらかじめパッチテストすること。
・水分補給を心がけること。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。


2014.12.16掲載

続・お天気香るコラム

Vol.18

2014.12.08

~冬の「香」景 編~

~ 冬の「香」景 編 ~ 『冬香』ばなし

 冬を漂わせる香りが、じんわりと私たちの心と身体に染み入り始めるこの時季。尖った北風の香り、ざわめく枯葉の香り、スモーキーな焼芋の香り、寂しげな黄昏の香り、すすけたストーブの香り…。次第に温もりが恋しくなる季節です。そんな冬の到来を告げる象徴的な香りたちですが、時と場所のちょっとした違いによって、同じ香りでも香り方に差がでるようです。
実は、香りは湿度によって香り方が変わるといわれています。湿度が高いほど芳香分子は空間に留まりやすく、比較的香りが強く長時間にわたり感じられ、湿度が低いほど芳香分子は空間で拡散しやすく、比較的香りが弱く短時間にかぎり感じられるという性質があるようです。
また、気温によっても香り方は左右されるともいわれます。気温が高いほど空気の対流が起こりやすくなるため、芳香分子が拡散しやすくなります。さらには、気温が高いほど芳香分子が揮発しやすくなるため、香りを感じやすくなるとも考えられます。そもそも、気温がある程度上昇することで私たちの身体機能も活性化するため、嗅覚も敏感になると考えられるのです。
同じ香りでも様々な環境(季節や天気など)によって感じ方が変わるというのは、とても面白いところです。私は、このような違いに着目することで、さらなるウェザーアロマの可能性が広がると感じています。

『冬香』ことば

◎枯野(かれの)…草の色や虫の声も枯れ果てた野原。冷え切って静まりかえった冬の原っぱ。
◎寒雀(かんすずめ)・膨ら雀(ふくらすずめ)
…羽毛を目一杯に膨らませて寒さを耐え忍ぶ、丸々とした雀の姿。寒空の下に転がる雀玉。
◎寒昴(かんすばる)…冷たく澄んだ冬の夜空に輝きを放つ、牡牛座のプレアデス星団。
◎冬北斗(ふゆほくと)…キリリと引き締まった冬の夜空で瞬く七つ星、北斗七星。
◎小春日和(こはるびより)…晩秋から初冬の頃、春陽のようにほっと心身を和ませてくれる、緩やかで暖かい陽気。春の季語ではなく冬の季語である。
◎山茶花(さざんか)…晩秋から咲き始めるツバキ科の花。花糸がばらばらにほどけている。冬の静けさに溶け込むように、はらりはらりと花びらを一枚ずつ散す姿に奥ゆかしさを感じさせる。
晩秋から冬にかけて咲かせる。
◎寒椿(かんつばき)…冬が深まる寒中に咲き始めるツバキ科の花。花糸が筒状で根元がくっつく。その姿をたたえながら、白雪にぽとりと落ちる姿は気高さを感じさせる。
◎シクラメン(しくらめん)…色を失った季節に落とされる、可憐な装いが一際目を惹く花。
◎霜花(しもはな)…荒涼とした野原一面に、ふんわりと咲き誇る白い氷花。放射冷却が起こりやすい晴れた風が弱い日の夜に、枯草などへ空気中の水蒸気が凍りついて発生することが多い。
◎金柑(きんかん)…甘い香りをまとった小粒なフォルムが可愛くて、丸ごと食べてしまいたくなるミカン。甘い皮ごと食べられるミカン。
◎橙(だいだい)…数年間もの間、実が木にしがみついて落ちないことがあるため、正月の縁起物として“しめ飾り”に使用される。アロマテラピーでは、この橙の果皮から抽出した精油を「ビターオレンジ」、葉・枝から抽出した精油を「プチグレン」、花から抽出した精油を「ネロリ」と呼んでいる。
◎短日(たんじつ)…太陽の呼吸が浅くなる冬の日中。落ち着きなく過ぎてゆく冬の昼間。
◎冬毛(ふゆげ)…厳しい冬を前に動物たちが着替える、毛足の長いフワフワな冬服。冬場の寒さをしのぐために生え変わる暖かな被毛。
◎冬将軍(ふゆしょうぐん)…切りつけるように冷たい冬の日を従えてやって来る寒気のドン。
◎山眠る(やまねむる)…色や香りを洗い落した山々が、静かに目を閉じて眠りに落ちる様子。

『冬香』なウェザーアロマ

日本列島には日本海側と太平洋側を真ん中で分断するかの如く、背骨のような山脈が走っています。この時季になると、日本海側からその山脈を越えて太平洋側に向けて北西の季節風が吹き抜けることが多くなります。日本海側には日本海で水分を多量に吸い込んだ空気が流入することになりますが、太平洋側には山脈で水分を落として乾燥した空気が吹き降りることになるのです。冬季の日本列島においては、日本海側で湿度が高めである一方、太平洋側では湿度が低めとなる傾向があるわけです。
前項でお話ししたように、湿度が高いと香りは留まりやすく長時間香りが保持され、反対に湿度が低いと香りは拡散しやすく短時間しか保持されない性質があるといわれます。今回はそんな湿度と香りの関係を考慮した、日本海側、太平洋側別の冬に楽しむアロマルームコロンをご提案します。香りをやや強く重たく感じやすい日本海側では、やや軽めの香りをベースとしたブレンドで、反対に香りをやや弱く軽く感じやすい太平洋側では、やや重ための香りをベースにしたブレンドで作成してみましょう。

日本海側VS太平洋側! 冬の湿度別アロマルームコロン対決!!

[使用材料] 
・精製水 45ml
・無水エタノール 5ml
・精油 10滴以下

【湿度高め系ブレンド(日本海側)】
シトラス系精油&ハーブ系精油
(^-^)…暗くなりがちな気分を明るくしてくれるようなフレッシュさ弾ける柑橘系の香りの精油と、滞りがちな気分をサラサラにしてくれるような爽やかさ吹き抜けるグリーン系の香りの精油をブレンド。
【湿度低め系ブレンド(太平洋側)】
フローラル系精油&ジュシ系精油
(^-^)…沈みがちな気分を持ち上げてくれるような甘さ寄り添うお花系の香りの精油と、散らかりがちな気分を安定化させてくれるような心に染み入る樹脂系の香りの精油をブレンド。
[作成手順]
① ビーカーに入れた無水エタノールに精油を垂らし、ガラス棒で撹拌する。
② 精製水を加え、さらによくかき混ぜる。
③ 遮光ガラススプレー瓶に移し、ラベル(作成日、レシピ)を貼る。
※空間にひと吹きして、湿度に合わせてコーディネートした香りを楽しみましょう。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・長時間使用は控え、適宜換気を行うこと。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2014.12.08掲載

続・お天気香るコラム

Vol.17

2014.11.21

~冬の「空」景 編~

~ 冬の「空」景 編 ~ 『冬空』ばなし

この時季、大陸ではヒエヒエで冷たいシベリア高気圧が成長を続けます。陸地は海洋と比べて冷えやすい性質があるため、海面付近の空気よりも地面付近の空気の方が冷たくなり、その場の密度が大きくなることで高気圧<シベリア高気圧>を形成します。
そんな高気圧の腰は次第に重くなり、大陸の上で偉そうにあぐらをかき始めます。さらに、この高気圧は時おり日本付近へ偉そうに張り出してきて、一方でオホーツク海付近において低気圧が発達するようなことがあると、天気図上には南北にのびるストライプ模様の等圧線が美しい、いわゆる『西高東低』の冬型の気圧配置が完成するのです。
すると、西から張り出した冷たい高気圧から、東の発達した低気圧に向かって、凍える北西風が吹き込むことになります。日本海側では海洋からの湿った北西風が吹き付け、ドンヨリとした灰空が広がりますが、太平洋側では山岳を越える際に湿りを落として乾いた北西風が吹き下ろすため、対照的にスッキリとした青空が広がることになるのです。
冬場の夜空には日本海側では雲原が広がり、太平洋側には星原が広がります。太平洋側では一年で最も星が近づいて見える時季ともいえるでしょう。南の空には最も明るい輝きを放つ恒星“シリウス”。その右上に“ベテルギウス”の赤き輝きと、左上に“プロキオン”の白き輝き。そんな三つの輝きを結ぶと浮かび上がる“冬の大三角形”。その右側に目を向ければ、お行儀よく並ぶ三連の星“オリオンの三ツ星”が輝くオリオン座。さらにその右上に目を移すとプレアデス星団、蒼き“すばる”。冬の空は、夜も楽しい季節です。

『冬空』ことば

◎凍空(いてぞら)<寒天(かんてん)・寒空(かんくう・さむぞら・さむそら)・冬天(とうてん)>…凍てつくような寒さがべったりと張り付いた冬の空、及び天気。
◎上天(じょうてん)…四季の天を示す四天、“蒼天(そうてん)、昊天(こうてん)、旻天(びんてん・ひんてん)、上天(じょうてん)”。その中で、冬の天、すなわち冬空を指すのが「上天」。
◎雪天(せってん)<雪空(ゆきぞら)>…寒々と浮かぶ雪雲が小さくちぎれ、雪片となって今にもフワフワと落ちてきそうな冬空。
◎霜天(そうてん)<霜空(そうくう)>…地上にひんやりとした吐息を吹きかけて、一面に白い霜のシーツを広げる寒空。
◎冬曇(ふゆぐもり)…冷たい鈍色の雲が、おぶさるように重たくのしかかる、寒い冬の日の曇り空。
◎冬の空(ふゆのそら)<冬空(ふゆぞら)>…寒さでキンキンと鳴くような、冷気が漂う冬の空。
◎幽天(ゆうてん)…凍えるように縮こまる冬に浮かぶ空。または、天を九方位で示す九天<“中心の鈞天(きんてん)、東の蒼天(そうてん)、西の昊天(こうてん)、南の炎天(えんてん)、北の玄天(げんてん)、北東の変天、南東の陽天、南西の朱天、北西の幽天”>のうち、北西の天を“幽天”とも呼ぶ。
◎名残の空(なごりのそら)…名残惜しさに尻尾を掴まれながらも、向かえる旅立ちの空、別れの空。年の尻尾で、足跡を振り返りながら見上げる暮空。歩んできた一年に、思いを馳せながら見つめる大晦日の空。
◎初空(はつぞら)…新たにやって来る季節の香りを初めて感じる空。年の初めに広がる空、元日の空、正月の空。
◎初晴(はつはれ)…晴れ晴れと見通しよく開けた元旦の空。新しい年を迎えてから、初めて晴れ渡る空。
◎初御空(はつみそら)…元日に悠然と浮かぶ尊い空。新たな年に初めて広がる賛すべき晴天。

『 冬空 』なウェザーアロマ

水蒸気をぶっ飛ばしてカラカラに乾燥する冬場の太平洋側上空では、星たちが見事に美しく磨き上げられピカピカと綺麗な輝きを放ちます。そんな星のウインクに心奪われて、冬の夜空に夢中になってしまうと、あっという間に身体が冷えて風邪を引いてしまいますので、くれぐれもご注意を。
冬場の夜間において、スッキリと晴れ上がり星屑のビーズが夜空いっぱいに散らばるような風の弱い日には、特に朝晩の冷え込みが厳しくなります。太平洋側に広がる冬夜空は、プカプカと浮かぶ雲だけでなく、大地の体温までグイグイと吸い上げていくのです。これが、いわゆる“放射冷却”と呼ばれる現象です。日射のない夜間において、空に雲などの遮るものがない場合、大地の表面から放射される熱がドンドンと外部に逃げていき、気温が下がり続けるといったわけです。熟成した秋の香りに微かな冬の香りが漂い始めるようになると、太平洋側地域では天気予報にこの言葉が頻繁に登場するようになります。
今回は、見とれてしまうほどの冬の美しい星空の下、うっかり冷やしてしまった身体を芯から温めて復活させてくれる、そんなウェザーアロマなバスソルトを作成してみることにしましょう。

ヒンヤリ冷えた心身を、ジンワリ温めて活性化!“星空アロマバスソルト”

[使用材料]【全身浴で1回分】 
・天然塩 50g ・ドライハーブ<ローズマリー> 1つまみ
・精油 5滴以下 <ジュニパーベリー2滴・ブラックペッパー1滴>
※初めて使用する場合、まずは少量からお試しいただくことをオススメします。

ジュニパーベリー 
(^-^)…森の緑に吸い込まれそうな、気持ちいい森林浴の香り。血行を促進させて心身を温めてくれると同時に、体内の老廃物排出にも一役かってくれる精油。
※特に、腎臓が虚弱な方の使用は控えること。
ブラックペッパー
(^-^)…エッジを効かせたクリアでスパイシーな香り。血行を促進させてちょっぴり刺激的に温めることで代謝を促し、弱った心と身体に活力を取り戻してくれるような精油。まさに“目覚めの精油”。

[作成手順]
① 天然塩を入れたビーカーにドライハーブを加え、ガラス棒で撹拌する。
② 精油を垂らし、さらによく混ぜ合わせる。
③ 不織布などの袋に移して浴槽に浮かべ、よくかき混ぜてバスソルトが溶けたら入浴する。
※精油が直接肌に付かないように注意しながら作業すること。

[要注意!!]
ハーブティーに精油を入れるようなことは絶対にしないでください!精油の飲用は厳禁です!!
[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控える。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・バスソルトはよく溶かし、かき混ぜてから入浴する。・喘息や咳などがみられる場合は行わない。
・精油は目や口に入れないこと。
・お湯で火傷をしないように注意。
・傷口へは使用しないこと。
・異常を感じた時は即使用を中止し、流水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・浴槽などへの使用について問題はないか、念のため取扱い説明書などで確認しておくこと。
・光毒性の成分が精油に含有される場合、使用後は直射日光などの紫外線に当たらないこと。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。・あらかじめパッチテストすること。
・水分補給を心がけること。・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2014.11.21掲載


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