健康コラム
No.29
2009.1 Categories健康コラム・春
2009年花粉の予測
2009年の花粉は全国的に多く、過去平均の90%から150%に
昨年(2008年)春の花粉飛散量は、関東から東北にかけて多く、一方、東海から九州にかけては例年より少なくなりました。東日本で花粉が多くなった原因は、前年の7月末から8月にかけて猛暑になったためで、逆に西日本で少なかったのは雨が多かったことが原因だと考えられています。
本年(2009年)の花粉飛散量は前年(2008年)の7月から8月の気象条件の影響を強く受けます。2008年の7月は全国的に気温が高く日照時間も長くなり、花粉量が多くなる気象条件でした。ところが8月は日照時間が短く雨も多くなり、花粉量を抑える気象条件でした。結果的には7月の猛暑の影響を強く受けてスギの雄花はかなりたくさんつきました。このために、本年の花粉数は全国的に多くなると予想されています。
関東から東北にかけては、花粉量が多かった昨年に比べるとやや少なくなる地域もありますが、東海から九州にかけては昨年よりかなり多く、全国的に、過去10年間の平均を上回る地域が多くなりそうです。
スギやヒノキ科の花粉は、近年増加傾向が続いており、平均値も次第に大きくなっています。10年前は花粉数が2000個/cm2を超えれば大飛散と言われましたが、本年はほとんどの地域で2000個/cm2を超える見込みで、花粉症の方は十分な注意と対策が必要です。
一方、花粉の飛散開始時期は例年並みになる見込みです。花粉を作るスギの雄花は10月末か11月中旬までに完成し、その後昼間の時間が短くなることや寒さにあうことで、活動を休止する休眠状態になります。年末ころに休眠から覚めて開花の準備期間になります。この、開花準備期間の気温が高ければ開花、つまり、花粉の飛散開始が早くなります。2009年の1月の気温はほぼ平年並みになっており、花粉の飛散開始も例年並みになる見通しです。関東から西の太平洋側では2月上旬から中旬に花粉が飛び始めるようになるでしょう。