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お天気アロマテラピー

続・お天気香るコラム

Vol.8

2014.07.15

~夏の「雲」景 編~

~ 夏の「雲」景 編 ~ 『夏雲』ばなし

青空のベッドに横になり、べそをかきながら寝そべる「乱層雲」。そして、青空のどまんなかに立ち上がり、高笑いしながら背伸びする「積乱雲」。夏雲が浮かべる二つの顔。
夏の始め、梅雨空の舞台で主役を張る雲といえば、一般的には、空の低くにまでどんよりと垂れ込める、「乱層雲」をイメージするのではないでしょうか。つまりは、雨雲。しとしととあまり強弱をつけることなく雨を降らせる雲です。基本的には、性質の異なるオホーツク海高気圧由来の北の冷湿な空気塊と、太平洋高気圧由来の暖湿な南の空気塊ががっつりとぶつかり、どちらも譲らずせめぎ合う狭間で発生する停滞前線、いわゆる梅雨前線による雲になります。ただ、この二つの空気塊の水蒸気傾度はそこまで大きくなく、極端な気温差も見られないことが多いため、比較的発達が弱い乱層雲が広がりやすくなるのです。(ただし、上空に乾燥した空気が入ったり、冷たい空気が流れ込んだり、下層に暖かく湿った空気が滑り込んだりすれば、大気の状態は不安定化して、激しい雨をもたらす積乱雲へと成長することも、もちろんあります。)
やがて、この梅雨雲たちを熟成した夏が突き破り、少しずつ大きく穴を開け始めると、眩しい青空がその穴を押し広げながら潜り抜け、表に現れることになります。いよいよ本格的な最強の夏がやって来るのです。そんな最強の青空によく似合うのが、「積乱雲」、いわゆる入道雲です。夏の代名詞的な雲である積乱雲の発生する要因については、基本的に強力な日射で暖められた地面や山岳の斜面、風と風がぶつかる場所などで、地上の蒸し暑い空気の塊が、勢いよく上昇を始めると、モクモクと青空に膨らむ、綿あめのような積雲を湧かせます。さらに、上昇を続けて成長すると、今にもムクムクと青空に溢れ出しそうな、ビールの泡にも似た巨大な積乱雲が現れます。ときに、上空へ寒気が流れ込んでくることがあれば、さらに不安定化してデンジャラスな積乱雲へと成長し、竜巻や突風、短時間強雨、降雹…といった鋭い牙を剥くこともあるわけです。ちなみに“不安定”とは、簡単にいうと、冷たく重たい空気が、暖かく軽い空気の上に乗っかって、頭でっかちになった状態をいいます。その頭をついに支え切れなくなって、勢いよく空気がでんぐり返る際に雷雲を発達させるわけです。余談ですが、上空5500m付近の気温と地上の気温との差が“40℃”程度を越えるようになると、大気が不安定化して雷雲が発達しやすいともいわれます。

『夏雲』ことば

◎五月雨雲・五月雲・梅雨雲…尻尾を長く垂らしながら、だらだらと居座る、梅雨時ののんべんだらりんとした灰色雲。
◎〇〇太郎・〇〇次郎・〇〇三郎・〇〇入道…真夏の主役である積乱雲の別称。河川名・山岳名・地域名など〇〇を、頭につけ呼ぶことが多い。
・安達太郎…福島県安達太郎山付近に現れる夏雲
・坂東太郎…江戸における、利根川流域由来の夏雲
・信濃太郎…越前方面で呼ばれる信濃川流域由来の夏雲
・近江小太郎<比叡三郎>…京阪地域にて、北東の方角に出現する夏雲、比叡山由来の夏雲
・丹波太郎…京阪地域において、北西の方角に出現する夏雲、愛宕山由来の夏雲
・石見太郎…山陰地方において、湧き立つ夏雲
・伊予太郎…愛媛県の松山方面で立ち上がる夏雲
・豊後太郎…山口方面に出現する夏雲
・比古太郎<彦太郎>…大分県と福岡県にまたがる英彦山に由来する夏雲
・奈良次郎<山城次郎>…京阪地域にて、南東の方角に出現する夏雲、奈良盆地由来の夏雲 
・筑紫次郎…九州地方を流れる筑後川流域由来の夏雲
・和泉小次郎…大阪府と和歌山県を隔てる和泉山脈由来の夏雲
・四国三郎…高知県・徳島県を流れる吉野川流域由来の夏雲
・上総入道…茨城県付近で出現する夏雲
・たこ入道…兵庫県付近で出現する夏雲
・出雲入道…出雲<島根県東部>周辺で出現する夏雲
・備後入道…備後<広島県東部>周辺で出現する夏雲
◎油雲…わくわくと湧き立つ積乱雲 
◎天の河霧…ふわふわと漂う天の川の川霧のような雲
◎鼬(いたち)雲…するすると駆け上がる積乱雲、石川県方面の方言
◎岩雲…ごつごつとそびえ立つ積乱雲、兵庫県方面の方言
◎?雲…ぽこぽこと次々に湧き上がる雲 
◎金床雲…かんかんと鋼を鍛える金床のような雲
◎神立(かんだち)雲…ごろごろと雷を轟かせる積乱雲
◎岸雲…だんだんと積み上がる積乱雲、千葉県方面の方言
◎乳房雲…もこもこと丸みを帯びた積乱雲の雲底 
◎峰雲…もりもりと盛り上がる雲の峰
◎舞茸雲…たかだかと手を掲げる積乱雲、岐阜方面の方言
◎漏斗(ろうと)雲…するすると怪しく手を伸ばす積乱雲の雲底

『夏雲』なウェザーアロマ

青空にのっぺりと敷かれた灰暗な雲、梅雨雲。青空にぽっこりと盛り上がる白明な雲、立雲。青空に繰り広げられる夏雲のストーリー。
今はまだ梅雨雲の下。ネズミの雲で遮断される光とともに、塞がれる私たちの心。引き起こされがちな、うつ状態。
光というのは、実は私たちの心身のリズムに多大な影響を与えています。私たち人間は、太陽の光をしっかりと浴びることで、日々の体内リズムを調整しているといわれています。太陽から降り注ぐ光は、日中の活動に合わせて交感神経を活発化させ、いわば戦闘態勢を整えてくれているわけです。よって、十分に光を取り込むことができないと、心身ともにぼんやりとした霞に包まれ、それが長引けば、うつのような状態に引き込まれてしまうのです。梅雨時の日照不足は、私たちの心身に思いのほかダメージを与えるのです。ちなみに、うつ病の治療には、実際に光を利用した治療法もあるようです。光というものは私たちの健康にとって、必要不可欠なものの一つであると言えるわけです。
この時季においては、生活の中に上手く光を取り込むよう心がけることが、やはり大切かとは思いますが、ここでは、そんなどんよりと暗雲に覆われて弱ってしまった心身に、香りの光を明るく照らして活力を取り戻す、ウェザーアロマもご提案させていただきます。

眩い香りを全身に浴びる、アロマシャワータイム

[使用材料] 
・精油 3滴以下<グレープフルーツ1滴・ブラックペッパー1滴>

グレープフルーツ 
(^-^)… まさに、降り注ぐ陽光のような眩い明るさを放つ、フレッシュシトラスの香り。雨に沈み込む世界で、心身に溜め込んでしまった様々な湿気を、スッキリと揮発させてくれるような精油。代謝を改善して、元気を取り戻してくれる精油。
ブラックペッパー
(^-^)…鋭角的でスパイシーな熱い香りの中にも、清々しい透明感を隠し持つ。シャープに切り込む刺激が、梅雨煙に巻かれたぼんやりハートを、一気に目覚めさせてくれる精油。心身ともに活性化させてくれる精油。

[作成手順]
① 身体に付かないように気をつけながら、シャワールームの床端に精油を垂らす。
② シャワーを浴びながら、蒸気とともに芳香成分を拡散させる。
③ 眩しい香りを吸い込んで、心身ともに引き締め、シャッキリと一日をスタート。
※洗面器に湯を張って精油を垂らし、浴室の隅に置いてもよい。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控える。
・適度な換気を心掛け、長時間の使用は控える。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は即使用を中止し、流水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・浴室内における床などへの精油の使用について、変質などの恐れがある場合は行わないこと。
・色や香りの染みつき、汚れには十分注意する。
・お湯で火傷をしないように注意。
・喘息や咳などがみられる場合は行わないこと。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2014.07.15 掲載


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