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お天気アロマテラピー

続・お天気香るコラム

Vol.9

2014.07.29

~夏の「香」景 編~

~ 夏の「香」景 編 ~ 『夏香』ばなし

分厚く寝そべっていた灰色雲を突き破り、ようやく転がり込んできた、眩しさ溢れる夏の丸い太陽。そんな瑞々しい日差しに洗われて香り立つ、爽やかさ溢れるシトラスの丸い果実。サンサンと降り注ぐ力強い光に、シャンシャンと弾け飛ぶフレッシュシトラスの香が気持ちいい、解放感抜群の煌めく夏が全力で走り出す時です。
生命力に溢れた太陽をイメージさせるシトラス系精油は、私たちの心と身体を明るく照らし、エネルギーを与えて元気づけてくれます。
そんなシトラス系精油の主成分で、柑橘類特有の新鮮さほとばしる甘酸っぱい香りの素こそ、何を隠そうモノテルペン炭化水素類の「リモネン」と呼ばれる成分です。そんなリモネンですが、柑橘類の果皮表面に存在する粒々内部の、油胞と呼ばれる部分に蓄えられています。このリモネンには、実は“d-limonene”と“l-limonene”、“d/l-limonene”の三種類があるといわれます。その中でも、シトラスの香りを漂わせるのは、d-limonene由来のリモネンになります。スイートオレンジやグレープフルーツ、レモン、ライム、タンジェリン、マンダリンなどのシトラス系精油に多く含有される成分です。ちなみに、l-limonene由来のリモネンにおいては、森林の香りやハーバルミントのような香りを漂わせるといわれています。

『夏香』ことば

◎逃げ水…風も無くよく晴れて気温が上がった日に、地面などへ現われる“てらてら”とした幻の水溜り。近づくと、さらに遠のいて見える光の屈折現象。
◎打ち水…熱にうなされて火照った夏の日に、庭先や路地へ撒かれる涼を演出する水。気化熱の効果に視覚的な効果も加わり、降温を感じられる。
◎日向水…日向に放り出された水が、太陽のエネルギーを吸い取って温もりを帯びたもの。
◎行水…夏場に大きなたらいなどへ水を満たし、ひんやりと水浴びしながら身を清めること。
◎水風船…カラフルな風船に、水を注ぎこみながら膨らませる、涼しげな水遊び。
◎水狂言…実際に水を使用して、舞台上で涼やかな世界を展開させる芝居や芸事など。
◎水からくり…水の力を利用して動かす、様々な仕掛けや細工。涼しさを運ぶ見世物。
◎葛水…清涼な透明感と、しっとりとしたとろみが上品な、夏の冷やし葛湯。
◎出水…梅雨末期など、空が悪ふざけして大雨をもたらす時、河川などが溢れ出し大暴れすること。
◎花氷…花が咲かせた微笑みを、涼しげに氷へ閉じ込めた氷柱。
◎山滴る…きらきらと笑顔の光が転がり、うるうると緑が瞳を潤ませる夏山の表情。
◎草いきれ…太陽の熱い視線を浴び、蒸された草の香りを目一杯に膨らませた夏の空気。
◎蝉しぐれ…蝉たちの命の声が、一斉に夏木立へ打ち付けて、時雨を落とすような情景。
◎旱星(ひでりぼし)…情熱的な太陽のアプローチに旱がちな日々を、象徴するように浮かぶ真夏の夜の赤星。火星。
◎夏座敷…障子やふすまを取っ払って爽やかな風を呼び込んだり、内装を涼しげにしつらえて、優しい涼が吹き抜けるように工夫された座敷。

『夏香』なウェザーアロマ

そんなシトラス系精油の主要成分であります、リモネン<d-limonene>ですが、それではどのような作用に期待できるのでしょうか。少しだけ見ていくことにします。
リモネン<d-limonene>における特徴作用としては、まず、抗菌作用や抗真菌作用、抗ウィルス作用、抗酸化作用、また、皮脂などのあぶら汚れなどを落としやすくしてくれる作用などが挙げられます。ピカピカに浄化してくれるイメージです。その他、胃腸の調子を整えて食欲を増進させてくれる作用、血行の促進、及び心身を温めてくれる作用、気持ちをほぐして緊張を和らげてくれる作用、リフレッシュ作用でストレスを緩和してくれる作用などなど…、リモネン<d-limonene>は、私たちの生活へ多岐にわたって、有用な働きをもたらしてくれるといえるのです。
中でも今の時季、リモネン<d-limonene>の優れた抗菌・抗真菌・抗ウィルス作用や、秀でた浄化作用は、強い味方になってくれるはずです。今回は、そのような部分に注目して、雑菌や害虫などが繁殖しやすい、ジメジメ、ムシムシが氾濫する日本の夏にぴったりな、リモネン<d-limonene>が高含有される精油を使用した、台所周りで使えるウェザーアロマレシピをご紹介します。

リモネン弾ける、ピカピカクレンザー

[使用材料] 
・重曹 50g
・精油 5滴以下<タンジェリン3滴、ラバンジン2滴>

タンジェリン 
(^-^)… 甘酸っぱくて新鮮な光の雫が、夏の片隅に落ちて一気に弾けるような、清々しいシトラスの香り。他のシトラス系精油と比較して、リモネンの含有率がちょっぴり高めの精油。
ラバンジン
(^-^)…鼻先にちょこんと腰かけて香る、どこか透明感を忍ばせるラベンダーの匂い。ラバンジンの精油にはリナロールという成分が多く含有しており、リモネン同様、菌やウィルス、カビ、虫などを寄せつけにくくしてくれる精油。

[作成手順]
① 容器に重曹を入れ、精油を垂らす。
② ガラス棒でよくかき混ぜたら、ラベル(作成日、レシピ)を貼った容器に移して密閉保存する。
③ スポンジを水で湿したら、クレンザーをつけ、汚れが気になる部分を磨く。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控える。
・炎症が酷い部位・傷口がある場合は使用しない。
・適宜、換気を行いながら作業すること。
・冷暗所で保存、使用期限は約3か月。
・光毒性に注意。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は、即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・台所周りなどへの使用において、破損や変質などの恐れがある場合は行わないこと。
・精油による色や香りの染みつき、汚れや変質には十分注意すること。
・長時間の使用は控える。
・あらかじめ少量でパッチテストするのが無難。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2014.07.29 掲載


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