お天気アロマテラピー
お天気香るコラム
Vol.39
2013.12.24
~乃東生・麋角解・雪下出麦~
『乃東生・麋角解・雪下出麦』な季節
握り潰されてきた“冬”の光が、少しずつその輝きを取り戻すに“至”る時季。
「乃東生<なつかれくさしょうず>」それは、凍空の下、ウツボグサが控えめに芽を出す頃。寒さに凍え、幻のように揺れる薄れた希望でも、その光は死んでいません。その思いは死んでいません。その芽は落ち葉の温かい毛布に抱かれ、温かい信念に抱かれて、再び成長の時を向かえます。
「麋角解<きわしかのつのおつ>」それは、勇姿を誇る大鹿の、枝ぶり豊かな大角が抜け落ち、生え変わりの時期を向かえる頃。大きくなり過ぎた力を削ぎ落とし、新たな気持ちを胸に留め直して、また一歩を踏み出すのです。初心忘るべからず。
雪下出麦「<ゆきわたりてむぎのびる>」それは、深々と折り重なる雪布団の下でも、麦の芽が密やかに顔を覗かせる頃。厳しい寒さがのし掛かる時、それは試練の時。立ち向かう勇気を見せる時。たとえ傷つき倒れても、太陽は見ています。目を覚まして立ち上がろうとした時、ふと気が付くと、足元には輝く小さな新芽。
闇の支配から次第に解き放たれる出発地点。古きくすみが磨き落とされ、新しき光が差し込み始める季節。太陽ともに新たな舞台へと旅立つ時がやってきます。
コッソリと息を潜める、冷えたナイフが笑う夜
深く沈み込む心に、そそり立つ暗闇を潜り抜け
暗幕の先に、輝くステージ
ヒッソリと息を潜める、お日様がほの香る暁
冷たく閉じ込もるこころに、煙り立つ朝靄「あさもや」を潜り抜け
差し込む光に、新たなスタート
コソヒソと息を潜める、ぼんやり曇った覗き窓
怯えて縮こまるココロに、そびえ立つフェンスを潜り抜け
永久「とわ」の満天に、広げるスケール
いざ、起死回生の時
『乃東生・麋角解・雪下出麦』な季節のアロマテラピ
街は“洋冬至”の装い。恥ずかしそうに赤く灯すポインセチアの聖火に、優しく頬をすり寄せるエバーグリーンの聖歌。蒼く響き渡る永久(とわ)の静夜に、黄色い微笑みで耳元をくすぐる星夜。そんな奇跡が弾ける世界を、大口を開けてキンキンとあくびする“クリスマス寒波”が、容赦なく飲み込んでいく、次第に沈みゆく年の光景。
クリスマス寒波とは、この時季、日本付近を低気圧が発達しながら通過し、オホーツク海付近に抜けて“西高東低”の冬型の気圧配置を作り上げた時に、大陸から押し寄せてくる非常に冷たい気団のことを指していいます。日本海にはストライプの美しい雲列がたなびき、日本列島には冬本番の荒波が押し寄せます。日本海側では重たい雲が垂れ込め、雪が降りやすく凍てつく日が続くため、心身の閉塞感が問題となりますが、太平洋側では乾燥した晴れとなるため、呼吸器系の不調などに注意が必要です。今回は、そんな呼吸器系の不調にアプローチしてみましょう。
イガイガ空気を丸め込め!ウルウル系アロマミストシャワーで深呼吸
[使用材料]
精製水45ml
無水エタノール 5ml
精油 10滴以下<ベンゾイン6滴・サンダルウッド4滴>
ベンゾイン
(^-^)…パーティーのワクワク感が溢れ出すようなバニラの香り。押し寄せる寒波に荒れてしまいがちな心と身体を、温かみのある甘くて柔らかい香りで、優しく労わってくれる精油。
サンダルウッド
(^-^)…心の奥にまで染み渡っていくような、ほのかに甘さを漂わせる白檀の香り。心身を温かく包み込んで、呼吸をゆったりと穏やかに鎮め、呼吸器系の不調までも改善してくれる精油。
[作成手順]
1 ビーカーに入れた無水エタノールに精油を垂らし、ガラス棒で撹拌する。
2 精製水を加え、さらによくかき混ぜる。
3 遮光ガラススプレー瓶に移し、ラベル(作成日、レシピ)を貼る。
※カラカラの乾燥した空気にひと吹きして潤いを与え、呼吸器系の不調を緩和する。
[使用上の注意]
基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
異常を感じた時は即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
衣服などへの色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
長時間使用は控え、適宜換気を行う。
高温多湿を避け冷暗所保存。使用期限は約2~3週間。
アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。
2013.12.24 掲載