お天気アロマテラピー
お天気香るコラム
Vol.43
2014.01.20
~欸冬華・水沢腹堅・鶏始乳~
『欸冬華・水沢腹堅・鶏始乳』な季節
“大”きく大きく膨らんだ“寒”のお腹が、はち切れんばかりに悲鳴を上げる、冬の極み。
そんな震えが止まらない無情な冷気の上でも、蕗の薹(ふきのとう)が顔を覗かせる「欸冬華<ふきのはなさく>」の時。色を無くして静かにたたずむ純白の風景に、落とされる温かくて小さな光の粒。
切れ味鋭い沢の水も凍りつかせる「水沢腹堅<きわみずこおりつめる>」時。流れる水の時間さえ止めるその雄叫びは、脇目も振らず沢を駆け上がり、しぶきを上げる滝までをもよじ登りますが、辿り着いた先で出会うのは、小さな春の微笑み。
遠くに揺らめく春の微香に、優しく卵を抱き始める「鶏始乳<にわとりはじめてとやにつく>」時。暗くて重たい夜と、明るく軽やかな朝との隙間で、夜明けを告げる鶏。冷たく閉ざされた冬と、温かく解き放たれる春との隙間で、雪解けを告げる鶏。
緩やかな光が、今、ゆっくりと温もりを運び始めます。
ほろ苦いでっぱりが落とす、春への目印
幾重のとんがりが示す、春への矢印
朧「おぼろ」げに、黄色く香る蕗の蕾
夜明けて目覚める、輝く春陽の幸
年明けて開かれる、煌めく初春の福
新風に、黄色く香る福寿草の花
ロマンチックに揺らめく、花煙のいざない
いたずらにくすぐる、花夢のささやき
甘美に、黄色く香る蝋梅の花
幻春で揺れる、幸せの黄色い“ハナタチ”
『欸冬華・水沢腹堅・鶏始乳』な季節のアロマテラピ
生まれ変わったばかりの真新しい年の上で、甘くちょっぴり艶やかな香りを漂わせる蝋梅(ろうばい)の花。蝋細工ように、しっとりとした淡黄色の小花が際立たせるその香りは、寒さで凍りついた風景だけでなく、凍える私たちの心や身体も一気に解きほぐして、幸せを運びます。
残念ながら、“蝋梅の精油”にはあまりお目にかかりませんが、香りのイメージが似ていると感じる精油があります。
それは、“イランイランの精油”です。イランイランもまた、甘美な香りを放ちながら、しっとりと咲く淡黄色の花です。イランイランの名には、「花の中の花」という意味があるといわれるほど、実に香り高い花なのです。
今回は、そんな幸福を振りまく芳しき花の香りを、存分にお楽しみいただくために、フレグランスオイル<香油>にしてお届けしましょう。
冬が満開の庭に、春を咲かせるフレグランスオイル
[使用材料]
植物油 10ml<ホホバオイル>
精油 2滴以下<イランイラン1滴・ローズウッド1滴>
イランイラン
(^-^)…華やかで濃厚な甘さが寄り添う、フローラルの香り。じっと春を待っている、うつむきがちな心を、ロマンチックで開放的な世界に、トリップさせてくれるような精油。
※好みが分かれる香りであり、高濃度で使用すると頭痛や吐き気をもよおすこともあるので注意。
ローズウッド
(^-^)…バラのエッセンスを微かに振りかけたような、優しく落ち着きのあるウッディ―な香り。長い冬の寒さや乾燥などでささくれた心と身体を、穏やかに労わってくれる精油。
[作成手順]
1 植物油をビーカーに入れて計量する。
2 精油を加え、ガラス棒などでよくかき混ぜる。
3 日付やレシピなどを記入したラベルを貼ったガラス遮光瓶へ移す。
※少量を手首などの狭い範囲に塗って、香りを楽しむ。
[使用上の注意]
基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控えること。
敏感な部分へ塗布する場合、あらかじめ少量で試めすこと。
炎症がある部位には使用しない。
精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
異常を感じた時は即使用を中止し、水でよく洗い流す。(必要であれば医師の診察を受ける。)
衣服などへの色や香りの染みつき、汚れには十分注意すること。
高温多湿を避けた冷暗所で保存。使用期限は1ケ月程度。
適宜、換気を行いながら作業する。
アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。
2014.01.20 掲載