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お天気アロマテラピー

続・お天気香るコラム

Vol.15

2014.10.24

~秋の「雲」景 編~

~ 秋の「雲」景 編 ~ 『秋雲』ばなし

「天高く馬肥ゆる秋」。秋は突き抜ける青空の彼方に、さりげなくアートな雲たちを浮かべる粋な季節。そんな高き天上にて穏やかにたたずむ雲たちですが、実はたくさんの氷の粒を敷き詰めて作られています。ときおり、そのちっちゃな氷の雲粒に光が奇跡を与えると、雲が神秘的な虹色の輝きを放つことがあります。これが、いわゆる“暈”や“彩雲”などと呼ばれる大気の光学現象です。
ちなみに、暈<別名…ハロ・白虹など>とは、空高くに薄っぺらで透けた雲(氷晶の雲粒の集まり)が広がった時に、太陽や月の周りを取り囲むように浮かび上がる、虹色を乗せた光のリングのことです。太陽にかかる暈を“日暈”、月にかかる暈を“月暈”と呼んでいます。暈は巻雲や巻積雲、巻層雲によるものが多いとされ、氷晶の雲粒を光が通り抜けようとする際に屈折(光の波が進行方向を変えられる現象)したり、反射(光がぶつかって跳ね返される現象)したりすることで発生します。つまり、雲粒がプリズムの役割を果たすわけです。
一方、彩雲<別名…瑞雲・慶雲・景雲・紫雲・五雲など>とは、太陽の目の前を雲が横切って流れていく時に、その雲が虹色に彩られて浮かび上がる現象をいいます。彩雲は巻積雲や高積雲に多く見られるとされ、氷晶や水滴などの雲粒に光が差しこんだ際に回析(光が回り込む現象)したり、干渉(光の波が合わさる現象)したりすることで発生します。幸せを運ぶといわれる雲です。
高き空の峰を漂う雲が多くなるこの季節は、このような幻想的な現象の発生が多い季節ともいえるわけです。
秋はセンチメンタルな気分にさせる季節といわれますが、柔らかに微笑む秋雲たちは、私たちをいつもより少しだけ優しい気持ちにもさせてくれます。また、ときには七色の幸せを私たちに運んでくれる、そんな季節でもあるのです。

『秋雲』ことば

◎赤雲(あかぐも・せきうん)…日のエネルギーを飲み込んで、赤々と染まる雲
◎紅雲(こううん)…太陽の光彩を吸い込んで、紅色が滲み出す雲。
◎絳雲(こううん)…あかい色を乗せて漂う雲。「絳」は、あかい色を示す。
◎茜雲(あかねぐも)…太陽が瞼を開ける早朝や、瞼を閉じる夕暮れに浮かび上がる茜色の雲。
◎暮雲(ぼうん)…家路を急ぐカラスたちを、静かに見送る深紅の雲
◎夕映雲(ゆうばえぐも)…夕陽の煌めきをまとった華麗な雲。
◎夕焼雲(ゆうやけぐも)…夕焼け空に腰かける、ちょっぴり胸を焦がすセンチメンタルな雲。
◎黄金雲(こがねぐも)…日の出と日の入の瞬間が彩る、黄金色の雲。
◎黄雲(こううん)…秋の陽光から溢れ出す芳醇な輝きを振りかけた黄色い雲。または、こうべを垂れて豊かに揺れる一面の稲穂を、優雅に漂う雲にたとえた言葉。
◎稲葉の雲(いなばのくも)…黄金の水田を風が渡る様を、緩やかに浮かぶ雲にたとえていった言葉。
◎秋雲(あきぐも・しゅううん)…そびえ立つ秋の清爽な青空に、さり気なく、そして儚く流れる雲。
◎巻雲(けんうん・まきぐも)…小さな吐息でもすぐに何処かへ飛んで行ってしまいそうな、とてもしなやかで華奢な姿が魅力的な雲。羽毛のように繊細な雲。学名を「シーラス(巻き毛)」と呼ぶ。
<巻雲の俗称>筋雲(すじぐも)・篠雲(すじぐも)・絹雲(きぬぐも・けんうん)・刷毛雲(はけぐも)・シラス雲(しらすぐも)・雨知らす(あめしらす)・掠雲(かすりぐも)・羽根雲(はねぐも)・巻き毛雲(まきげぐも)・繊雲(せんうん・ちりぐも)
◎巻積雲(けんせきうん)…空一面に散らかしたかのように浮かぶ、小さめな斑点状の雲。鰯の大群に例えられたり、魚の鱗や鯖の背の模様に見立てられたりする雲。
<巻積雲の俗称>鰯雲(いわしぐも)・鱗雲(うろこぐも)・鯖雲(さばぐも)
◎巻層雲(けんそううん)…青空に霞をかけて幻想的な世界を演出する、白くて薄いオブラートのような雲。
<巻層雲の俗称>淡雲(あわぐも)・薄雲(うすぐも)
◎高積雲(こうせきうん)…大空にばら撒いたように浮かぶ、やや大きめな斑点状の雲。ときには、列状に並んで浮かぶこともある。羊の群れが押し寄せてくる様子に例えられたりする雲。
<高積雲の俗称>羊雲(ひつじぐも・よううん)
◎時雨雲(しぐれぐも)…秋と冬の境界線で、冷たい時雨を降らせる雲。また、今にも時雨を呼び込みそうな雲。※時雨→気ままに降ったり止んだりする雨。
◎野分雲(のわきぐも・のわけぐも)…立春から数えて二百十日や二百二十日頃、野原に吹き荒れる台風などの大風を運んでくる雲。または、大風でちぎれ飛んだ雲片。

『秋雲』なウェザーアロマ

この季節、上空はジェット気流の影響などで巻雲を始めとした秋雲が行きかうことはあっても、地上付近は大陸由来の乾燥した移動性高気圧に覆われるなどするため、比較的カラッと晴れることが多く、雲はあまり成長しません。秋の代名詞である巻雲の“サラサラ”とした質感と同様に、体感的にもサラサラと過ごしやすいお天気になります。
とはいえ、次第に“カサカサ”が忍び寄る季節でもあります。お肌や唇、喉などが荒れて炎症を起こしやすくなり、油断すると大きなダメージへと繋がる恐れもあるのです。
アロマテラピーで使用する精油には、スキンケアに力を発揮してくれるものが数多く存在します。皮膚を柔らくし細胞の成長を促進させ張りを保つことで、しわやたるみをできにくくしたり、乾燥などにより引き起こされがちな肌荒れを改善してくれたり、様々な嬉しい働きをもっています。今回は、そんな嬉しい働きに期待して、乾いた秋空の下で悲鳴を上げ始める肌に潤いを補給してくれる、ウェザーアロマ的スキンローションを作成してみましょう。

荒れがちなお肌に寄り添う、しっとり癒し系スキンローション

[使用材料] 
・フローラルウォーター<ローズウォーター> 45ml
・グリセリン 5ml
・精油 2滴<ネロリ1滴、サンダルウッド1滴>

ネロリ 
(^-^)…ほのかにシトラス系のフレッシュ感も漂わせる、清楚なフローラルの香り。肌を生き生きと健康に保って張りを与えてくれる、スキンケアに抜群の力を発揮する精油。また、カサつきが気になる心もしっとりと潤し、ゆったりと気持ちを安定させてくれる。
サンダルウッド
(^-^)…心の底にまで染み渡るような、深く落ち着いた白檀の香り。乾燥などによって炎症を引き起こした肌を、優しく包み込んで改善に導いてくれる精油。また、荒れてしまった心も温かく包み込んで、穏やかに鎮めてくれる。

[作成手順]
①計量スプーンなどでグリセリンを量り、ビーカーに入れる。
② ①に精油を垂らし、ガラス棒で撹拌。さらにフローラルウォーターを加え、よくかき混ぜる。
③ 遮光ガラススプレー瓶に移し、ラベル(作成日、レシピなど記入)を貼る。

[使用上の注意]
・基本的に、妊婦・授乳婦・子ども・皮膚炎(敏感肌含む)・高血圧・癲癇・腎臓疾患・肝臓疾患・心臓疾患・アレルギー・喘息・高齢者・病的な鬱などの方は、精油の使用には十分な注意が必要である。事前に確認し、場合によっては使用を控える。
・よく振ってから使用。
・適宜、換気を行いながら作業すること。
・精油は目や口に入れないこと。
・敏感な部位、炎症が酷い部位・傷口などへの使用は控える。あらかじめ少量で試めすこと。
・精油原液が肌に付かないように注意すること。(万が一ついた場合は、大量の水で洗い流す。)
・異常を感じた時は、即使用を中止すること。(必要であれば医師の診察を受ける。)
・衣服などへの色や香りの染みつき、汚れ、変質には十分注意すること。
・高温多湿を避けた冷暗所で保存。使用期限は約1~2週間程度。
・アロマテラピーは自己責任の原則で行うこと。

2014.10.24掲載


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