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お天気豆知識

No.15

2002.11 Categories地球規模の空気の流れ

窓際の冷たい風と地球規模の空気の流れ


(図1-1) 日中の空気の流れ

(図1-2)夜の空気の流れ
(図1)海陸風

  冬、暖房の効いた部屋でも窓ガラスの近くに行くとスースーします。熱気球でもわかるように、空気は暖まると軽くなって上昇し、冷えると重くなって下降します。窓ガラスに接した空気は冷やされて重くなって下降し、そこに周りから暖かい空気が補充され、窓ガラスの近くで対流が起きています。つまり、空気の流れができて、スースーするわけです。
話のスケールを大きくして、海岸地方での空気の流れを考えてみます。高気圧に覆われたよく晴れた日、日中は海から陸に向かって風が吹き、夜になると陸から海に向かって風が吹きます。陸地は水に比べて、暖まりやすくさめやすい性質があります。このため、太陽が出ている日中は陸地の方が海水よりも温度が高くなり、陸地にある空気も海上にある空気より温度が高くなります。このため、日中は陸上で上昇気流が起き、海上から空気が流れ込んで「海風」となります(図1-1)。夜になると、海上に比べて陸地の温度が低くなるため、上昇気流は海上の方に起き、陸から海に向かって空気が流れ「陸風」となります(図1-2)。このような空気の流れ方で吹く風を「海陸風」といいます(図1)。
さらに話のスケールを大きくして、地球全体のことを考えてみましょう。赤道付近は常に暑いのですが、北極・南極は氷の世界です。両極地方と赤道地方には大きな温度差があります。今までの話から、赤道方面では上昇気流、両極地方では下降気流となりやすく、地上では赤道方面に向かって両極地方から空気の流れができそうなことが想像できます。
しかし、実際にはそのようになっていません。それは、地球が自転しながら太陽の周りを公転しているからです。しかも、地球の自転軸は公転面に対して傾いています。さらに、地球上には海や陸があり、陸地の上にはヒマラヤのような高い山もあります。このため、地球上の空気の流れは複雑怪奇(?)な流れとなっています。しかし、複雑怪奇な流れも平均化してみると、ある程度規則性のある流れとなっており、各緯度帯で特徴のある流れとなっています。
赤道方面から北上しながら平均的な空気の流れを見てみましょう(図2)。赤道付近で上昇した空気は、緯度30度の少し南で下降気流となります。日本に夏の晴天をもたらす大平洋高気圧はこの下降気流によりできたものです。太平洋高気圧は背が高く、上空の天気図でもその位置に高気圧があります。このため、夏は晴天が続きやすくなります。冬の地上天気図ではよくわかりませんが、上空の天気図を見ると、日本の南海上は高圧帯となっています。
太平洋高気圧の南側では北東の風が吹きやすくなっています。だいたい、ハワイ諸島の緯度帯です。この風は一年中ほぼ安定しているため、この緯度帯の天気も安定しています。この辺りを北東貿易風帯といっています。一方、日本の上空では西よりの風が吹きやすくなっており、高気圧や低気圧はその流れに動かされます。そのため、日本の天気は西から天気が変化してくることが多くなります。


(図2)地球規模の大気の流れ

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