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お天気豆知識

雲の記事一覧

No.104

2009.9 Categories雲の不思議

雲との出会い

 子供の頃は雲を食べ物や動物になぞらえて遊んでいました。(写真1)の雲は形が吉野堂の「銘菓ひよこ」(写真2)に似ていませんか。雲の分類では積雲です。


(写真1)お菓子の「ひよこ」に形が似た雲

(写真2)吉野堂の「銘菓ひよこ」

(写真3)の雲は、つるんとしていて鏡餅みたいです。私が雲を科学的に見るきっかけとなったのが(写真3)の雲です。学生の頃、同級生と箱根登山鉄道の塔ノ沢駅から箱根の外輪山の明星ヶ岳(923.9m)に登ったとき、午後に明星ヶ岳山頂付近で撮影しました。山岳波による「吊るし雲」です。


(写真3)箱根明星ヶ岳山頂付近で撮影した「吊るし雲」

 山の高さが1,000m以下で、雲の低を見上げる角度それほど大きくないので、層積雲による吊るし雲でしょう。当日の館野の高層観測データからも1,500m以下の高さに発生したしたと推定できます。(写真4)は一重ですが、多分このようなレンズ状の雲をまじかに見た状態でしょう。


(写真4)層積雲のレンズ雲

(図1)箱根で「吊るし雲」を撮影した日の地上天気図
(1973年2月6日午前9時)

 当日の気圧配置(図1)は、三陸沖に発達中の低気圧があって東進していて大陸には優勢な高気圧があり、日本付近の気圧配置は冬型になる途中です。また北海道の西に小さな低気圧があり日本海に気圧の谷が伸びています。このようなときには上空に寒気が入り込む前で、関東地方南部は良い天気で暖かいことが多く、1,500m程度の高さだと南西か西南西の風が吹いています。いずれ寒気が入って冷たい季節風が吹いてきます。横浜地方気象台の当時の観測データを見ると、(写真3)の雲を撮影した日の日最大風速は南西で約13m/sでしたが、翌日は5m/s~10m/sの北風が吹いています。その日20度近い最高気温が翌日は10度以下に下がりました。

 当時、山雲の機構を研究している気象研究所の先生(故人)にこの写真をお送りしたところ、館野の高層観測データからある物理量を計算して、他の山岳波動による雲と一緒に学会発表してくださいました。その物理量はイギリスの気象学者スコラー(R.S.Scorer)が提唱した物理量で、スコラー数といいます。空気の安定度と高さ方向の風速の差を合わせて計算する量です。スコラー数の値が上空ほど小さくなるときに山岳波動による雲が発生しやすくなります。つまり、空気の状態が安定で、上空に行くほど乾燥し風が強くなるようになっている層にレンズ状の雲が山の風下方向に発生します。
 その先生に、レンズ状の雲は時間がたってもほとんど移動しないので、自転車などを使って移動して2箇所から同じ雲の写真を撮り、写真から雲の位置と高さを割り出せば、山岳で起こされた空気の波動の長さ(波長)がわかると言われました。その後もたくさんのレンズ雲を撮影しましたが、位置や高さを計測して波長を計算することやっていないのが心残りです。でもいくつか撮り貯めた写真とそのときの天気図と比較したところ、寒冷前線や上空の気圧の谷の通過前に現れやすいということがわかりました。ときには、この雲が現れるとしばらくして風が強くなることもありました。
 信州の天気俚諺にはこのような雲と悪天を結びつけるものもあります。それらを紹介しましょう。
 ●レンズ雲がでると大雨(上田市周辺)
 ●レンズ雲がでると大風(上田市周辺)
 ●北にレンズ雲が出れば天気が変わる(松本市周辺)
 ●レンズ雲、さば雲が出ると天気悪くなる(南安曇郡)
 これらは「信州の天気とことわざ」(篝 益夫1965)に載っていたものです。この本の前書きにも書いてありますが、“ことわざ”の大部分は明治以前から伝わってきたものなので、むずかしい熟語や言葉はなるべく現代の常用の言葉に書き変えたとのことです。“レンズ”という言葉は別の言い回しが使われていたのでしょう。

No.97

2009.2 Categories雲の不思議

技術革新が作った雲


(写真1)飛行機雲の夕焼け

 “技術革新が作った雲”、どの雲のことだと思いますか。空高くに筋のように現れる雲、飛行機雲のことを言いたかったのです。いろいろな雲の種類を見分けることは難しいですが、飛行機雲は子供の頃から見分けることが出来ました。小さな点が動いていて、そのあとに筋のように雲ができていくのですぐにわかります(写真1)。
 飛行機雲が出来る高さは基本的に10種雲形では上層雲が出来る高さです。ですから初めて飛行機を飛ばすことが出来たライト兄弟は、その当時この雲を見ることが出来ませんでした。大昔、ギリシャの哲学者アナクサゴラス(Anaxagoras、500-428B.C)は巻雲が氷でできていると考えましたが、彼は飛行機雲の存在すら知らなかったでしょう。10種雲形の基礎を作ったイギリス人のハワードもこんな雲のことは考えもしなかったでしょう。飛行機雲が飛行機の後ろに出来るのが始めて観測されたのは1915年です。その飛行機はプロペラ機です。また、科学的な解説が行われたのは、第1次世界大戦の後です。第二次世界大戦を経験された方は、たくさんの飛行機雲にいやな思い出をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。


(写真2)ジェット機と飛行機雲

(写真3)リボンがねじれたような飛行機雲(中央)

 飛行機雲はなぜ出来るのでしょう。エンジンからの排気ガスには微粒子と水蒸気が含まれています。飛行機が上空の湿度が高いところに入ると、排気ガス中の微粒子が凝結核になって、一緒に排出される水蒸気を凝結させて雲粒ができます。ところが低温のためできた雲粒はすぐに凍結して氷の結晶(氷晶)になってしまいます。飛行機は進みながら次々と雲粒を作っていくので、細く長く尾を引いたような雲ができます。
 ジェットエンジンから出る排気ガスは高温なので、エンジンのすぐ後ろに飛行機雲はできず、(写真2)のように飛行機雲とジェットエンジンの間に少し間隔があります。よく見ると、4つあるエンジンそれぞれから雲が発生しています。(写真2)を撮影した日は、上空の湿度が低めだったのでしょう、飛行機雲は長続きせず蒸発して消えています。また、飛行機の翼端やプロペラで作られた気流の乱れによっても飛行機雲はできます。時には乗っている飛行機から見ることもできますが、すぐに消えてしまいます。
 飛行機雲は(写真2)のようにできてから早くに消える場合もあれば、(写真1)みたいにロープのように消えずに残る場合もあります。飛行機雲はいろいろな形になるので幾つかお見せしましょう。(写真3)には3本の飛行機雲があります。そのうちの1本、中央の飛行機雲がねじれたリボンのようになっています。
(写真4)には飛行機雲が2本写っています。上のものは紐が波打ったようになりました。(写真5)は飛行機雲が広がって、一端が鋸の歯のようになりました。これらの形の違いは気象状況でこのような様々な形になります。(写真3)から(写真5)には複数の飛行機雲が写っていますが、それぞれ別の飛行機が作ったものです。


(写真4)紐が波打ったような飛行機雲(上側)

(写真5)鋸の歯のようになった飛行機雲

 飛行機が雲の中を飛ぶと、(写真6)のように穴が開きます。左側は雲に穴を開けて別の雲を発生させ、魚の骨のような筋状の雲になりました。雲の穴で説明しましたが、もとの雲が過冷却水滴でできていたのでしょう。右側は単純に穴が開いています。もとの雲の粒が氷の結晶で、飛行機からの高温の排気ガスで雲粒が溶けて蒸発したのかもしれません。
 雲があると日最高気温が高くならず、日最低気温もそれほど下がりません。専門用語で日最高気温と日最低気温の差のことを気温の日較差といいますが、雲があると、気温の日較差が小さくなります。飛行機雲は、(写真7)((写真6)とほぼ同じ時刻に撮影)のように巻雲などの上層雲に変わります。この影響が馬鹿になりません。ヨーロッパやアメリカなどの大きな空港の周辺では飛行機雲に覆われることが多く、気温の日較差が小さくなる可能性が高くなっています。


(写真6)筋状になった飛行機雲(左)と飛行機が作った雲
の穴(右)

(写真7)飛行機雲から変わった巻雲

 あの、2001年9月11日の事件(通称9.11)のあと、アメリカ国内で3日間、すべての民間機の飛行が禁止されました。この前後のアメリカ国内の気象データを解析した研究者がいて、気温の日較差が前後の3日間よりも平年値との差が大きくなった、つまり民間機の飛行が禁止された3日間は日較差が大きかったと報告しています。

No.95

2008.12 Categories雲の不思議

山と雲、富士山と雲

 空気が何らかの力を受けて上昇すると、膨張して温度が下がり、水蒸気が凝結して雲粒ができます。空気が上昇する原因として、風(気流)が山にぶつかって乗り越えることや、山を回り込んだりするときに出来る渦があります。
 (図1)のように山を越える気流が凝結高度を越えると山の上につるんとした雲が出来ます。その形が笠に似ているので、笠雲と呼ばれています。笠雲ができることで有名なのが富士山ですね。(写真1)は富士山の上に二重の笠雲があります。写真をよく見ると、近くの景色が流れているのがわかりますか。撮影場所は下りの新幹線の中で三島を過ぎてからです。この日は関西方面に用事があり、日帰りで行きました。(写真1)のように、横浜でも朝のうちはきれいに晴れていたのですが、夜帰ってきたら雨が降っていました。


(図1)笠雲の発生

(写真1)二重の笠雲(下り新幹線、三島~新富
士)

 富士山の特徴的な雲は笠雲だけではありません。富士山の風下方向には独特な形をした雲ができます。この雲は(図2)のように気流が富士山を越えるときできた上下方向の波の上に発生し、吊るし雲といいます。吊るし雲にはコマみたいな形をした雲や、飛行機の翼みたいな形というかブーメランのような形の雲があります。(写真2)は横浜市都筑区で撮影した富士山の吊るし雲です。吊るし雲としては大きな雲でした。この日は日本海を発達した低気圧が通過していて、午前中に寒冷前線が関東地方を通過しました。しかし、次の気圧の谷が接近中で、横浜では翌日が雨模様の天気でした。


(図2)吊るし雲の発生

(写真2)富士山の吊るし雲(横浜市都筑区)

 冬に強い寒気の吹き出しで風が強いときは、(図3)のように気流が富士山を越えるとき風下側では山の斜面に沿って上昇気流ができ、そこに雲が発生することもあります。旗みたいに見えるので、旗雲と呼ばれています。さらに、富士山を越えた気流が地面に当たってジャンプし、そこに雲が発生することもあり、ジャンプ雲といわれています。(写真3)は真冬に河口湖で撮影しました。山頂から左側に流れ出ている雲があります。これが旗雲です。また、赤い矢印で示したところから雲が発生しています。これらはジャンプ雲といえるでしょう。(写真3)を撮った日より前から冬型の気圧配置が続いていましたが、この日は新たな寒気が流れ込んでいました。


(図3)旗雲の発生

(写真3)旗雲とジャンプ雲(河口湖大橋)

(写真4)鉢巻のような雲(御坂峠)

 ときには、(写真4)のように鉢巻を巻いたような雲が出来ることもあります。最初は富士山の向こう側だけに雲がありましたが、時間とともに写真の左側の雲が延びてきて雲の鉢巻が出来ました。日が傾いた1時間後には鉢巻は消えていました。
 富士山麓の天気俚諺(てんきりげん:天気のことわざ)では富士山に笠雲や吊るし雲ができると、天気は下り坂に向かうといっています。旗雲の場合はそのようなことはない代わりに風が強まるといっています。ここで載せた笠雲や吊るし雲のあとは横浜でも天気が下り坂に向かいました。これらの雲は東京や横浜の天気も教えているのかもしれません。
 富士山の雲が体系的に分類され、このような名前が付けられたのは戦前です。分類したのは、阿部直正公爵(理博)です。戦後もこれらの雲に再び関心が向きました。気象庁や気象研究所の人たちにより、写真撮影による位置や高さの観測や、高層気象データによる解析、数値実験などでこれらの雲の発生の仕組みが研究されました。その中で吊るし雲については、90年代に家政大学の先生(元気象研究所)が複数方向からの写真撮影による観測だけでなく、気象衛星(ランドサット)の雲画像を使って発生位置の解析を行っています。

 富士山の雲から離れましょう。(写真5)を見てください。山の稜線に布切れというか真綿をかけたような雲があります。滝雲と言います。稜線の反対側で発生した雲が山の稜線を越え、斜面に沿って流れ落ちて消えていっています。私も別のところで見たことがありますが、音もなく雲が山の斜面を流れ落ちて消えていき、まるで雲の滝のようでした。このようなことでこの雲は滝雲と呼ばれたのでしょう。


(写真5)上越国境の山にできた滝雲(写真提供:加地智彦氏)

 山を越えてきた空気の温度が山の手前にある空気よりも温度が低かったので、雲ごと空気が山の斜面に沿って流れたのだと思います。ところが空気は下降すると温度が上がります。すると、空気が含むことができる水蒸気の量が増えるので、雲粒が蒸発します。このようなことから(写真5)のような雲になったのでしょう。
 まあ野暮なことは考えず、これらのような雲を見たら、自然が作る造形の不思議さ、面白さを楽しんでください。

No.94

2008.11 Categories雲の不思議

雲のおめかし、雲のイボイボ

●雲のおめかし

 雲の上に雲ができたのを見たことがありますか。(写真1)や(写真2)がその例です。(写真1)ではタワーのような白い雲の上に帽子のような雲があります。(写真2)でも右側の雲の頭に別の雲があり、左側の雲には胴体にマフラーを巻いたような雲があります。これが、雲の上にできた雲で、ずきん雲ともいいます。


(写真1)搭状積雲の上にできた頭巾雲

(写真2)頭巾雲のある積乱雲の夕映え

(図1)A:積雲の凝結高度 B:気流Cの凝結高度

 上空には水蒸気をあまり含んでいない空気の層や、安定しているけど水蒸気をたくさん含んでいる層があり、流れています。安定して水蒸気をたくさん含んだ層は、少し上昇させれば冷えて(膨張による)雲粒ができます。このような層の気流が、モクモクと上に向かって成長した雲にぶつかると、それを乗り越えようとして上昇します。その気流の凝結高度よりも上に行くと雲粒ができ、雲を越えて下降して凝結高度に戻ると雲粒は蒸発して消えます。このようにして、(図1)のように雲の頭に雲ができています。搭状になった積雲の胴体部分に雲ができることもあります。高い山、例えば富士山の頂上に笠雲ができるのと同じ原理です。

 (写真3)は12月の末に撮った写真です。積雲が幾つもあり、すべての積雲の頭に雲ができていた、なんとも不思議な光景でした。


(写真3)帽子をかぶった積雲たち

 (写真1)や(写真2)では雲が帽子、あるいは頭巾をかぶって、おめかしをしているみたいですね。ところが、このような、雲の上や周りにできた雲はすぐに消えてしまいます。雲はおしゃれさんだけれど、恥ずかしがりやさんなのかも知れません。

●雲のイボイボ(乳房雲)


(写真4)カナトコ雲にできた乳房雲

(写真5)カナトコ雲にできた乳房雲の夕焼け
ネードの本を見ると、(写真4)や(写真5)よりも大
きな乳房雲がオレンジ色に染まっているのが載ってい
ます。 何かの機会があったら見てください。

 (写真4)を見てください。空を暗い雲がおおっていて、写真の真ん中あたりにイボイボがあるのがわかるでしょうか。このように雲の底にあるイボイボのことを「乳房雲」と言います。哺乳動物のお乳に似ているのでこのような名前で呼ばれています。乳房雲は主に巻積雲、高積雲、層積雲などの厚みのある雲の底にでき、濃密な巻雲や積乱雲にできることもあります。 (図2)のようにこれらの雲の中に下降気流があって、雲の底が下の方に垂れ下がって、このような形になります。
 (写真4)は三重県の鳥羽にある鳥羽水族館の近くで撮りました。乳房雲はカナトコ雲にできています。 この日は、三重県中部に大雨洪水警報が出ていました。
(写真5)の矢印で指したところも、カナトコ雲にできた乳房雲が、夕日に当たってオレンジ色に染まっています。アメリカの雲の本やトル


(図2)乳房雲の構造

(写真6)雨が降り出す前の乳房雲

 今年(2008年)6月初めのある日の夕方、空を見上げたら、すっかり濃い灰色の低い雲に覆われて、底にはイボイボがありました。イボイボは(写真4)や(写真5)のようにはっきりしませんが、(写真6)はそのときのものです。 イボイボが消えたらまもなく雷雨になってしまいました。
 (写真4)や(写真5)のように乳房雲が遠くに見えるとき、高いところに見えるときは自然の造形の面白さを楽しめます。しかし、乳房雲が頭の上にあって低く、乳房の形が消えていく場合には、強い雨に注意してください。

No.90

2008.7 Categories垂直に発達する雲

積乱雲


(写真1)発達中の積乱雲

 夏の午後、青空の中に上に向かって伸びたどっしりとした感じで、太陽に照らされて白く輝いた雲を見かけます。その雲は頭のほうがカリフラワーのようにボコボコしていたり(写真1)、朝顔の花が開いたようになっていることもあります。この雲が、雲の中で最も背が高く、ときには対流圏を使い切って、成層圏にも達することがある積乱雲です。学名はキュムロニンボス(Cumulonimbus)といいます。ラテン語の「積み重なる」を意味する“cumuls”と「雨雲」を意味する“nimbus”を組み合わせて作られた名前です。
 積乱雲は上空に冷たい空気が入り、更に地面が日射で温められるなどで、上空と地面付近の温度差が大きいとき、つまり大気の状態が不安定なときに発生します。雲の中では激しい対流が起こっていて、幾つもの上昇気流があります。積乱雲を目の前にすると、小さな雲の固まりみたいなもの、セル(細胞)が上昇していくのを見ることができます。


(写真2)発達中の積乱雲とカナトコ雲

 上に向かって成長した積乱雲は空気が安定した成層圏に達するとそれ以上は成長できず、雲は横方向に広がっていき、先の方は刷毛で掃いたようになっています。この部分が朝顔の花みたいな部分で、カナトコ雲と言います(写真2の奥の雲)。カナトコの部分は氷でできています。日本では夏でも上空は西よりの風が吹いているので、カナトコの部分は東方向に広がることが多いのですが、上空の風に比べて上昇気流が強いと積乱雲全体がきのこのような形になります。

 日が沈むなどして上下方向の温度差がなくなると対流は弱まり、積乱雲は衰えてしまいます。そのようなとき、搭状の部分だけがしぼんでしまい、カナトコ部分だけが残されます(写真3)。
 積乱雲が通過すると、大粒の雨が降り、短時間で強い雨が降ります。雹が降ったり雷が発生し、強い風が吹くこともあります。冬ならば強い雪が降ります。トルネードや竜巻も積乱雲によるものです。単独の積乱雲の大きさは数10㎞なので、遠くから見ると(写真4)のように雨が降っているのは限られた部分で、夏の雷雨ならばたいてい30分も待てば止んでしまいます。


(写真3)積乱雲の末期
(カナトコ部分だけ取り残される)

(写真4)積乱雲から降っている雨

 登山中に積乱雲の中に入ってしまうと大変なことになります。回りはガス(霧)に覆われて視界がきかなくなり、大粒の雨が降り、雷も鳴ります。平地だと雷は上から来ますが、雲の中に入った山では横からの落雷もあります。特に岩の多い稜線を行動中に雷に遇うと隠れるところもなく大変危険です。昭和40年代ですが、穂高岳の岩陵を行動中の松本深志高校の生徒たちに落雷があり、死傷者が出ました。でも山で霧に包まれ雨が降り出してもそれが積乱雲によるものかどうかもわかりません。昔の山の気象の本を見ると、このような時に携帯ラジオにガーガーと雑音が入ると雷雲に包まれているので注意が必要だと書かれていました。
  平成に入ってからは谷川連峰の沢で、上流に降った積乱雲による雨で沢が増水し、死傷者が出ています。そのときは事故が起こった沢の周辺で雨が降っていませんでした。川や沢の上流で発達した積乱雲からの強い雨が降ると、今居るところはたいした雨でなくても、しばらくすると急に水かさが増すことがあります。夏、川や沢で遊ぶときは気象情報に十分注意してください。

No.89

2008.6 Categories雲の不思議

雲の穴

 空を見ていると、巻積雲や高積雲の中に穴が開いて、その中に毛状の雲が出ていることがあります。(写真1)と(写真2)がその例です。(写真1)は巻積雲に雲の穴が出来ています。穴の中にある毛状の雲粒は氷でできていて、上昇気流で支えられないほどの大きさの雲粒となっているために落下しながら蒸発しています。また、この雲の穴は大きくなりながら、東方向に移動していきました。(写真2)は高積雲の中にできています。この雲の穴を見つけたときはもっと小さかったのですが、撮影時にはこのように大きくなっていました。


(写真1)巻積雲にできた雲の穴(神奈川県青葉区にて)
(和田光明,小池克征,2005)

(写真2)高積雲にできた雲の穴(埼玉県鳩山町にて)

 雲の穴はなぜでき、大きくなったのでしょう?

 「水は摂氏0度で凍り始める」と理科で習いました。しかし、水はゆするなど外から刺激を与えないでゆっくりと冷やすと、0℃以下でも凍りません。雲粒はとても小さいので、氷点下30℃でも水滴でいることが出来ます。このように0℃以下でも水滴の水粒のことを“過冷却水滴”と言います。過冷却水滴はつつくなどして刺激を与えるとたちまち氷の粒になります。


(図1)氷粒と水滴が同じところにあると、水滴か
ら蒸発が起こり氷の結晶が成長する

 湿度を計算するときに、空気がどのくらい水蒸気を含むことができるかを表す飽和水蒸気圧が重要です。もちろん氷点下ですが、同じ温度の場合、水滴の飽和水蒸気圧は氷の飽和水蒸気圧よりも大きくなります。どういうことかというと、水滴(もちろん過冷却水滴)と氷の粒が一緒にあると、水滴は乾燥したところに居ると感じて蒸発します。一方、氷の粒はとても湿ったところに居ると感じて蒸発せず、周りに水蒸気が来るとその水蒸気を取り込んでしまいます。このため、水滴はだんだん小さくなって消えていきますが、氷の粒の方が大きくなります(図1)。そのため、過冷却水滴の雲が蒸発して穴が大きくなり、穴の中にある氷の雲の部分が増えていきます。
 (写真1)は巻積雲にできた雲の穴と言いましたが、ふつう巻積雲の雲粒は氷です。しかし、雲の穴が出来たということは、この巻積雲は過冷却水滴で出来ていることになります。この日の高層観測の記録を調べたところ、約8.2㎞の高さがとても湿っていたので、巻積雲はこの高さだと判断できました。またその高さの気温は氷点下28℃でした。この巻積雲の雲粒は氷点下28℃の過冷却水滴となります。


(写真3)細長い雲の穴

 「何かの刺激」で過冷却水滴が氷粒に変わると雲に穴が開き、その穴の中に毛状の雲ができます。 過冷却水滴を氷粒に変えた何かの刺激ですが、巻雲からの氷(氷晶)の落下や、飛行機の通過があります。 雲の穴の形は、飛行機が雲を突っ切るときの角度と関係しているとも言われています。飛行機が大きな角度で雲の層を突っ切ると、つまり急上昇する飛行機が雲を突っ切ると円形の雲の穴が出来ます。飛行機が雲の層に対して小さな角度で突っ切ると、つまり旅客機のようにゆっくりと上昇する場合は雲の層を長い距離飛ぶので、細長い雲の穴が出来ます(写真3)。もちろんどちらも雲の穴の中には、氷で出来た毛状の雲を見ることができます。
 (写真1)は横浜市青葉区で写しました。この付近は旅客機の空路なので、ゆっくりと上昇する旅客機の通過で出来た細長い雲の穴の仲間かもしれません。(写真2)は埼玉県鳩山町での撮影です。撮影場所は横田基地や入間基地に近く、穴の形が円形なので、そこから飛び立った飛行機が過冷却水滴でできた高層雲を突っ切って作った雲の穴かもしれません。

No.87

2008.4 Categories垂直に発達する雲

積雲


(写真1)晴れた日の積雲

 晴れて風が穏やかな日、特に夏のこのような日、綿菓子のような雲、綿を千切ったような雲が浮いています(写真1)。これが積雲です。綿雲とも言います。学名は「キュムラス(Cumulus)」と言い、ラテン語の「積み重なる」という意味です。積雲の特徴として雲の頭はムクムクしていますが割りと平らで、雲の底は黒っぽくなっています。1個1個の雲が独立していて、それぞれの雲の底の高さがそろっていて他の雲と区別しやすい雲です。


(図1)積乱雲の発生

 積雲は「晴れた穏やかな日に・・・」と書きましたが、このような日は地面が太陽で熱せられて、地面に近い空気が暖められて膨張し、軽くなり上昇します(図1①)。高いところほど気圧が低くなるので、上昇した空気はさらに膨張して温度が下がります(図1②)。ある高度まで上昇すると凝結(水蒸気が水滴になること)が始まって雲粒ができます(図1③)。このようにしてできた雲が積雲です(図1④)。空気中の水蒸気が凝結する温度は湿度によりますが、地面が熱せられると、あちこちで空気が上昇し、それらの空気の凝結が始まる高さは一定です。このため、たくさんの積雲が浮かんでいても(写真1)のように雲の底の高さがそろっています。

 積雲は日が高くなるに連れてその数が増え、大きくなっていきます。やがて日が西に傾くとそれぞれが小さくなり、その数も減ってやがて消えていきます。しかし、上空に冷たい空気があったり、地面付近の空気の湿度が高いと積雲は上方向に成長し、まるで雲のタワーのようになります。これを“搭状積雲”といい、(写真2)のような雲です。ときに発達して雲の頭がカリフラワーのようになることもあり、このような積雲を雄大積雲(写真3)といいます。これらの雲の下ではシャワーのような雨が降ったり、雷が鳴ったりすることもあります。


(写真2)搭状積雲

(写真3)雄大積雲

 空気が上昇したり下降したりする運動のことを対流といいます。対流は日射により地面が暖められたときだけでなく、上に行くほど風が強いときにも発生します。冬に晴れて風が吹いている日に積雲(写真4)が現れますが、このようにして発生した対流によりできたものです。(写真4)のように1個1個の雲の厚さがなく水平方向に広がっている積雲を“偏平積雲”といいます。風は強い日に現れた積雲も、日が高くなると数を増しそれぞれが大きくなります。日が傾くとそれぞれが小さくなって、その数が少なくなります。
 夏にしろ冬にしろ、雲の頭がムクムクしている積雲は成長を続けます。しかし、何かの加減で上昇気流が弱まると雲の周囲が毛羽立ってきて、その積雲の一生は終わりで消滅に向います。(写真5)の上部に写っている、太陽に照らされて白く輝いている雲は消滅前の積雲です。


(写真4)風が強い日の積雲

(写真5)消えてゆく積雲

 絵を描くときに空に思い浮かべるのは綿のような雲、積雲ではないですか。子供が描く雲は積雲が多いですね。雲は時々刻々その形を変えます。時には動物のように見えたり、食べ物のように見えたりもし、子供の頃、あの雲は何だなどと言いながら遊んだことを思い出します。このような対象になるのも積雲です。例えば(写真6)の雲は亀に似ているかなと思って撮りました。積雲は最もポピュラーな雲といえるでしょう。


(写真6)亀のような雲

No.86

2008.3 Categories下層雲

層雲


(写真1)山すそにたなびく層雲(越前大野)

 雨上がりの日、山すそにたなびく雲が現れます。これが層雲です(写真1)。
広い平野でも、夜中に雨がやんだ日は、朝、低い雲が現れることがあります。これも層雲です。層雲の学名はストラタス(Stratus)です。ストラタスはラテン語で、“広げられた”とか“おおい物のある”と言う意味です。
 層雲は高さが2,000m以下の雲で、ときには地面すれすれに発生する、雲の中では最も低いところに現れる雲です。秋や冬などに地面が冷え込んだ入りすると、地面付近の水蒸気が凝結して霧になって、盆地を広く覆うことがあります。山の上からこの様子を見ると、山の峰が広がった雲の中に見えます。山の峰がまるで海に突き出した半島のように見えるので、このような雲を「雲海」と言っています。でも、この雲の中に入ってしまうと、視程が悪く観測結果は「霧」(視程1km以下)となります。関西に住んでいた頃は、秋になると丹波篠山や、生駒山系にある金剛山からの雲海がニュースになっていました


(写真2)冬の朝に現れた層雲(2008年1月3日)

(写真3)雨の前に現れた層雲
(2008年1月7日)

 このような層雲は、陽が昇ると消えてしまいます。(写真2)も晴れた朝に現れた層雲で、日が高くなると消えてしまいました。
しかし、層雲が現れるのは天気がいい日ばかりではありません。高層雲や乱層雲の下に(写真3)のような千切れた層雲が現れるとまもなく雨が降り出します。


(写真4)重茂半島にかかった層雲(岩手県波板海岸にて)

 梅雨期にオホーツク海高気圧から吹き出す冷たい東よりの風が三陸地方に流れ込むと、この地域は霧に覆われる日が多くなります。これも層雲です。この層雲は、広い範囲を覆うこともありますが、(写真4)のように帯のようになって海上から陸上に架かっていることもあります。時に小さな塊が、岬の中腹に架かることもあります。釜石でよく見る光景なのですが、手が届くような高さに雲の塊が浮いているので、なんとも言えぬ不思議な、心が和む風景でした。理科の勉強を見てあげていた女子中学生に、「あの中に入るとどんな感じ」と聞かれたことがありました。「沸騰したやかんの口から出ている湯気と同じものだよ」と答えたら、「なんだ」と言い、少々がっかりしたようなようすでした。何か夢を壊してしまったようです。
 梅雨期を中心に三陸を含む東北地方に吹く冷たい東よりの風のことを「ヤマセ」と言います。ヤマセのときは層雲や層積雲が広い地域を覆い、太陽の顔を見ることがなく、夏でも火が恋しくなります。宮沢賢治の詩の一節に「寒サノ夏ハオロオロ歩キ……」とありますが、ヤマセが優勢な年のことで、盛夏期の8月にも続いた年のことで稲は育たなかったことでしょう。北海道南部の勇払原野で仕事をした1980年はオホーツク海高気圧が優勢で、夏の間、霧や曇りの日が多く、頭をたれない稲を初めて見ました。

No.82

2007.11 Categories下層雲

層積雲


(写真1)層積雲
(2006年12月27日朝、横浜市都筑区)

 秋あるいは冬、朝起きると低い雲が塊状になったり畝を作ったりして空一面に広がり、畝の隙間から青空が見える、こんな空を見たことがありませんか。このような空を作っている雲が層積雲(写真1)です。うね雲とも言います。学名は、“ストラト・キュムラス”です。ラテン語の、“広げられた”を意味する“ストラトス(stratus)”と、“かたまり”を意味する“キュムラス(cumulus)”を組合せて作られています。層積雲がある高さは、温帯では地上付近から約2,000mの間で、下層雲に分類されます。
  層積雲は高積雲と似ていて見間違うことがあります。層積雲も高積雲も個々の雲の塊りがはっきりわかります。しかし、高積雲は個々の雲の塊にはっきりした影の部分がありませんが、層積雲にははっきりとした影の部分があります。さらに、1個1個の雲の塊は層積雲の方が高積雲より大きく見えます。水平(地平線)から30度以上の高さで測ることが前提ですが、 1個1個の雲の塊の視角が5度以上は層積雲で、5度以下で1度以上が高積雲です(図1)。 腕を目一杯に伸ばしたとき、人差し指1本の幅が1度でグーの幅が10度です。


(図1)層積雲と高積雲の視角の違い

 層積雲はどのようにして出来るのでしょう。日が西に傾いて気温が下がってくると、層雲ができ始めます。夜になると放射冷却で層雲の上の部分が冷やされていきます。すると雲の底との温度差が出来てその層で大気の状態が不安定となって雲の中で対流ができ、層雲が上方向に成長して(発達して)層積雲に変わっていきます。あるいは、何らかの影響で対流ができて積雲が発生し発達したけれど大気の安定層ぶつかって横に広がって層積雲になります。層積雲は弱い雨を降らせることもあります。それは、層積雲よりも高いところにある雲(高層雲のことが多い)から小さな氷の結晶(氷晶)が降ってきて、それが巻層雲を通るときに成長し、落下しながら解けて降る雨です。


(写真2)搭状に発達した層積雲の底
(2006年1月13日、横浜市都筑区)

 層積雲といっても色々な形の雲があります。
(写真2)のように層積雲を作る個々の雲の切れ目がはっきりせずどんよりとした感じの空になることもあります。層積雲が上方向に発達して塔のようになり、空一面を覆ったからでしょう。
その隙間から日がさしてきたのが(写真3)です。まるで自然がつくったスポットライトみたいですね。波動状になる層積雲もあります(写真4)。


(写真3)層積雲の隙間から差し込む光
(2003年11月23日静岡県沼津市)

(写真4)波動状になった層積雲
(2007年6月24日横浜市都筑区)

普通、波動で出来る雲、レンズ状の雲はそれが出来るとその位置に留まり、形を変えません。しかし、波動状の層積雲は、風下方向に向って動いていきます。レンズ状雲は高積雲で出来ることが多いのですが、層積雲でも出来ます(写真5)。山によって出来た波動でしょうか、山の近くだと船底のような雲(写真6)を見ることもあります。これも層積雲の仲間でしょう。


(写真5)層積雲のレンズ状雲
(2005年5月31日夕方、横浜市都筑区)

(写真6)船底のような雲
(1993年6月24日夕方、枚方市楠葉にて)

No.81

2007.10 Categories中層雲

乱層雲

 しとしとと雨が降る日、しんしんと雪が降る日。こんな日はどんよりとした雲に覆われて、太陽は全く見えず、日中でも明かりがほしくなるくらいの暗さです。こんな天気の原因となる雲が乱層雲(写真1、写真2)です。普通、雨雲と言っていますね。学名ではニンボストラタス(Nimbostratus)と言います。英語の名前はラテン語の“雨雲”を意味するニンボス(nimbus)と、“広がった”あるいは“層”を意味するストラタス(stratus)からできています。


(写真1)尾流雲を伴った乱層雲
2006年3月1日夕方、横浜市都筑区にて

(写真2)乱層雲(山の中腹にあるのは、層雲)
2000年2月6日朝、紀伊勝浦にて
(晴れれば、山の中に那智の滝が見えるとか)

 乱層雲はおよそ600mから5,000mないし6,000mの間にあり、高積雲や高層雲と同じ中層雲に分類されます。この雲を作っている雲粒は、水滴、雨粒、氷の結晶(氷晶)、雪で、それらが水でできているか、氷(雪)でできているかは雲粒がある高さの温度によります。
 乱層雲は低気圧の中心付近や前線付近に発生します。温暖前線が近づいてくると、太陽がぼんやりとした輝きとなる高層雲は厚みを増し、乱層雲に変わっていきます。その雲よりもさらに200~300mも低い空に雲の小片が発生し、その数を増してお互いにくっつき合って空を覆うと雨が降り始めます。(写真3)は2007年2月17日の夕方、雨が降り出す直前の空です。筋のような雲がありますが、乱層雲の下に層雲がくっつき合ってできた雲でしょう。翌18日は低気圧が本州南岸を通過して東京や横浜は冷たい雨が昼過ぎまで降りました。この雨の中、約32万人が参加した第一回の東京マラソンが行われました。


(写真3)雨が降り出す直前の空(2007年2月17日夕方、横浜市青葉区にて)

 雨や雪は乱層雲だけでなく積乱雲からも降りますが、乱層雲の雨や雪が降る範囲は、積乱雲よりも広い範囲となります。その降り方も積乱雲とは違い、強弱の変化が少ない雨や雪を降らせます。
 写真からもわかるように、乱層雲は他の雲と違い、写真で表現するには特徴のない雲です。作物や飲み水として必要な雨でも、雨の日が続くとうんざりだし、旅行や野外で大事な行事があるときは、晴れてくれたほうがうれしいですね。しかし、歌の中には雨に趣を持たせたものがあります。例えば、北原白秋の詩による童謡や唱歌に雨を歌ったものがいくつかあります。

「アメフリ」  作曲 中山晋平
 雨 雨 降れ 降れ
 母樣が蛇目でお迎ひ嬉しいな
 ピツチピツチ チヤツプチヤツプ
 ランランラン
「城ヶ島の雨」  作曲 山田耕作 大正12年(1923年)
 雨はふるふる、城ヶ島の磯に、
 利休鼠の雨がふる。
 雨は眞珠か、夜明の霧か、
 それともわたしの忍び泣き。
 舟はゆくゆく通り矢のはなを、
 濡れて帆あげたぬしの舟。
 ええ、舟は櫓でやる、櫓は唄でやる、
 唄は船頭さんの心意氣。
 雨はふるふる、日はうす曇る。
 舟はゆくゆく、帆がかすむ。

 これらは、積乱雲から降る短時間の強い雨というより、長い時間しとしと降っている、乱層雲の雨のように感じます。 

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