温暖化と生きる
No.0
2010.01.22
吉野正敏
はじめに
はじめに
連続エッセイ「風を歩く」と、「異常気象を追う」は幸いにもたくさんの方に読んでいただき嬉しかった。この場をかりて御礼申しあげたい。3回目のテーマは、地球の温暖化が進行している現在、われわれ人間や動物・植物はどう生きているのか、温暖化の影響は今後どうなると考えられるのか、どのように生きてゆくべきなのかを取り上げたい。
今日のグローバルな重要問題の一つとして、地球の温暖化を誰もが上げるだろう。その温暖化の進行を少しでも和らげ、影響を弱くする対策を立てるのは緊急の課題である。温暖化の現状はどうか、どのように認識するのか、影響の過程はどうかなど、具体的には“温暖化と生きる”[1]の最初に述べる。
バイオクリマの立場からは、その影響がどうなのか、正確に知る必要がある。誇大に受け止める必要はないが、影響が小さいと考えられても深刻な結果を招く場合もある。また小さいことが連鎖反応し増幅して、大きくなる場合もある。これらを紹介しながら、読者の方々とともに考えてゆきたい。人体に及ぼす影響をどのように乗り越えてゆくのか、熱中症や紫外線ばかりでなく、呼吸器・循環器、さらには精神・神経系統にも影響がでる。どのように適応して生きてゆくべきか、課題は多い。また、植物の生活に対しては、サクラの開花、モミジの紅葉等の他、沙漠や亜高山帯の植生、庭園の植栽など、一般の人びとの関心が高い対象を取り上げる予定である。
内容としては下記のような項目を予定しており、季節性や話題性を考慮しながら、適宜取り上げていく予定である。
内容一覧
食糧 | コメ、ムギ、ジャガイモ、トウモロコシ生産など |
料理 | 郷土料理、主食、食生活など |
水環境 | 強雨、豪雨、大雪、洪水、都市型洪水など |
水資源 | 湿潤温帯、湿潤熱帯、山地、半乾燥地域、沙漠など |
飲料水 | 井戸水、ボトル水、など |
天気 | 竜巻、雷、雹、突風など |
植物 | 植生帯、開花、紅葉、黄葉、落葉、冬眠など |
動物 | 野生動物移動、微生物など |
水産資源 | イワシ、回遊魚、海藻など |
災害 | 林野火災、都市火災、山地災害、複合災害など |
健康 | 紫外線、熱中症、死亡率、各種疾患など |
アメニティ | 登山、ハイキング、野外レジャーなど |
観光 | エコツアー、旅行、観光資源など |
生活 | 散歩、都市生活、通勤、通学、住居、冷暖房など |
交通 | 交通事故、鉄道保線、航空機発着遅延、道路除雪など |