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お天気豆知識

No.63

2006.4 Categoriesその他

影のいろいろ

 子供の頃の遊びの一つに、「かげふみ」がありました。ジャンケンでオニを一人決め、オニに影を踏まれたらオニの交代。ときにはしゃがんで影を短くして踏まれにくくし、わいわい、キャーキャーと走り回っていました。幼児だと自分の影を追っかけたり、自分の影に追いかけられて、怖がったりするようすも見かけます。
 当たり前のことですが、影の長さは太陽の高さにより違います。一日のうちでも、お昼ごろは影の長さが短く、朝や夕方は影の長さが長くなります。季節によっても影の長さは違い、例えばお昼ごろ影の長さを夏至と冬至で比べてみると、夏至の方が影の長さは短くなります。これらは、太陽の通過する高度が、夏のほうが冬よりも高くなっているからです。
 季節による太陽高度の違いは、こんなことにも現れます。家の構造にもよりますが、南向きの部屋では、冬は部屋の中まで陽がさして暖かですが、夏は陽が入らず助かります。自然はうまく出来たものです。我が家でも(横浜市)冬至の前後2ヶ月ぐらいは、部屋に差し込む陽の光のおかげで日中は暖房要らずの暖かさです。しかし、3月になると晴れた日でも陽の光が部屋に入らず、寒くて日中も暖房を使っています。
 話が影のことからそれてしまいましたので元に戻しましょう。影というと地面に出来るものがまず頭に浮かぶと思います。しかし、影は空や、雲の上にもできます。
 (写真1)は夕暮れ時に横浜市から西方向の丹沢と富士山を撮った写真です。


(写真1)富士山が空に作った影

 富士山から左方向(北方向)に向かって何か出ているように見えませんか。近くで遊んでいる子供たちも気がつき、「富士山から何か出ている。」と言っていました。これは、日没の直前に富士山の影が空に出来たものです。富士山の影が空に出来るためには気象条件も必要です。日没ごろ、富士山と太陽の間に雲があれば出来ないのはもちろんのこと、富士山が見えなければなりません。(写真1)を良く見ると、空の下のほうが煙っています。空の下の方に塵のようなものが漂っていて、富士山の影はこの塵に映っています。


(写真2)飛行機雲が巻層雲に作った影

 雲の影が雲に出来ることがあります。(写真2)がその一つです。
太陽から離れたところに虹のようなものがありますが、これは暈(かさ)といいます。暈があることから、空全体をおおっている雲は巻層雲です。巻層雲を作っている氷の結晶がプリズムの働きをして暈ができていて、太陽と暈の視角は22度です。この日は暈が完全な円形でした。(写真2)を良く見ると飛行機雲があり、その少し下に薄暗い筋が見えます。この薄暗い筋は巻層雲の上にできた飛行機雲の影です。この飛行機雲を作った飛行機は、巻層雲よりも高いところを飛んだのでしょう。このため飛行機雲の影が巻層雲の上にできました。


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