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健康天気ことわざ

No.28

2011.05.23

福岡義隆

子供が騒ぐと雨

 現代風のファミコンで室内遊びに徹してる子供と違って、昔は子供は外で遊ぶのが大好きで、ときどき近所迷惑するくらいに騒ぐことがある。やがて雨が降ってくる、というストーリーであるが健康気象学的に考えるとあり得る話しである。
 梅雨の雨に限らず、春の菜種梅雨でも秋雨であろうと、西から低気圧が前線を伴って東進してくる時、前兆現象にはいろいろあるが、低気圧が接近してくると体内のアドレナリンが増えてきて交感神経などの自律神経が活発になる。大人はそれを抑制できるが子供は平常時よりも興奮気味になるといわれている。
 冒頭の諺以上に信じがたいが昔から言い伝えられているものに、次の諺がある。

下駄がひっくり返ると雨

 そこでこのことを実証してみるために簡単な実験を試みた人がいる。日本テレビ関係の仕事をしている五島氏らが筆者の話題を映像的に確かめてくれたものである(2011年5月)。同じ材質で作られた殆ど同じ下駄を2足分用意して、一足分はそのままの状態で、他の一足は鼻緒の部分を霧吹きで濡らして使用した。それぞれを100回ずつ蹴飛ばして見た。すると、なにも施さない下駄は裏返しが100回中34回であったのに対して、湿らせた方は100回中52回であった。偶然にも翌日雨が降ったので30~50%の確率であるから、意外なほどに予報率といえそうである。

 雨を予期させる現象に人の毛髪の伸縮がある。毛髪は湿度の変化に敏感で、雨が近づき湿度が上がると髪が伸びるのである。湿り気が生ずる直前は乾ききっていて櫛でとけにくいので、「櫛の通りが悪いと雨が降る」と言われている。
 毛髪と湿度の関係についても、五島氏が興味ある実験をしてくれた。寝室内の湿度が35%の状態下で、若い女性の髪の毛に印を付けておき、そこからの長さを前もって測ってみると21.4cmであった。そいて加湿器によって室内湿度をどんどん上げていく。5時間後に83%になった時点で、印を付けた部分からの長さを測ってみると22.5cmとなった。 1.1mmも伸びたことになる。
 この原理を利用した毛髪湿度計(図参照)は、感度のよいブロンドの細い毛髪が使われていて、僅かな変化量をテコの原理で拡大して記録するよう工夫されている。

文献:
南利幸: 『ことわざから読み解く天気予報』 (NHK出版、2003)
日本テレビ 『世界一受けたい授業』 (2011年5月28日)


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