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お天気豆知識

No.76

2007.5 Categoriesその他

何か変だよ2007年冬から春へ

 今年の冬はやたらと暖かい日が多かったですね。昨年の冬と比べると大違いでした。私は横浜市北部の青葉区に住んでいて、勤務先も横浜市北部の都筑区にあります。昨年は住んでいるところや会社の周りで、ほぼ毎朝霜柱が見られましたが、今年はほとんど見ることがありませんでした。気象庁の発表によると、今年の冬(2006年12月から2007年2月)は全国的に気温が高く、各地域の平均気温が統計のある1947年以降、東日本や西日本では最高値となりました。3月は日々の変動こそ大きかったですが、月平均気温で見ると全国的に高くなっています。
 2006年12月から2007年3月の東京の最高気温と最低気温を図にしてみました(図1上)。寒かった昨年冬から早春(2005年12月から2006年3月)についても図にしました(図1下)ので見比べてください。昨年は、最高気温、最低気温とも平均気温よりも低い日がたくさんありますが、今年はほとんどの日で平年値よりも高くなっていることがわかります。


(図1)冬から早春の気温(上:2007年、下:2006年)

 今年の冬は日本付近を低気圧が発達しながら通過し、大雨が降っています。年末の26日から27日にかけて台風並みに発達した低気圧が太平洋沿岸を通過して太平洋側を中心に大雨となりました。三陸沿岸では低気圧の中心が近くを通過したので特に強い雨が降り、岩手県の釜石や譜代ではそれぞれ1時間に66㎜、63㎜と季節はずれの強い雨が降り、総雨量が200㎜を越え、浸水被害も出ています。東京でも27日に154.5㎜の雨が降り12月の降水量の最大値を更新しました。東京の12月の雨量の平年値が39.6㎜ですから、いかにすごい雨だったかがわかります。正月が終わった6日にも太平洋沿岸を低気圧が発達しながら通過し、またもや三陸沿岸では100㎜前後の大雨となりました。
 低気圧の通過により強い南よりの風も吹いています。2月14日には日本海側を低気圧が通過して太平洋側で強い南よりの風が吹き、東京で春一番が吹いたと気象庁が発表しました。しかし、この低気圧は少々発達しすぎで各地に突風被害が出ました。日本海を発達した低気圧が通過したのは3月5日にもあり、太平洋側を中心にやはり強い風が吹きました。我が家のベランダのプランターでは、暖冬の影響でいつもより速く咲いた日本桜草が、この強風で根元から折れてしまいました。
 3月の平均気温も例年より高いといっても、中旬に真冬並みの強い寒気が訪れ、東京では気象庁のある大手町でやっと雪を観測することができ、東京の初雪としては、観測史上最も遅い初雪となりました。それまでが暖かかったので、あまりの寒さに震えてしまった人も多いでしょう。
 例年と違った冬が植物にも影響を与えたように思えます。今年の桜の開花の観測は東京が最初で、3月20日に気象庁が東京で桜が咲いたと発表しました。でも今年の桜の咲き方は何か変だと思いませんか。この日、私が住んでいる地域でも桜がちらほら咲き始めましたが、1本だけはすでに満開に近くなっていました。(写真1)は、3月末に撮影した私の勤務先の近くにある公園の様子です。池の周りには沢山の桜があり、沢山の人がお花見に来ます。写真中央のやや右よりですが、ある木の一部の枝だけ桜が咲いています(矢印)。比較できる写真はありませんが、私の記憶では、枝の一部だけ咲いたり、同じ地域で一本の木だけ咲いたりするようなことは今までになかったように思います。(写真2)は4月上旬に撮影した同じ公園です。満開の桜の中、その木はすでに散り終わっています(矢印)。


(写真1)部分的に咲き出した桜
(2007年3月27日横浜市都筑区)

(写真2)散り始めた桜。矢印で示した木は散っ
てしまった。
(2007年4月5日、横浜市都筑区)

 桜だけでなく、ケヤキの芽吹きにも今年はいつもと違っていました。ケヤキもいっせいに芽を出していたように思いましたが、今年はケヤキ並木で芽吹く時期が木によって違っていました。(写真3)は私が住んでいるところにあるケヤキですが、一部の枝だけ芽が出ています。


(写真3)部分的に芽吹いたケヤキ
(2007年4月8日横浜市青葉区)

 色々な花の咲く時期もいつもと違いました。「群馬県館林市の館林野鳥の森フラワーガーデンでは、桜の開花が遅れたので、桜と芝桜が競うように咲いている」という記事が4月7日の毎日新聞朝刊に写真入で載っていました。今年の植物の様子は何か変です。今までとあまりに違った気象の変化に植物たちも戸惑ったのかもしれませんね。


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